インドシナニュース

ベトナム:長期的収益の少ない医療用フェイスマスクへの生産転換(後)

(前編より)

 

持続可能な投資には程遠い

2002年のSARS、2009年のH1N1、および2014年のエボラ等、過去の感染症の発生から、流行が収束するまでの平均タイムラインは1〜2年であることが分かる。新型コロナウイルスの発生は同様の期間になる可能性がある。したがって、フェイスマスク製造ラインへの大きな投資は投資家にとって賢明ではないかもしれ無い。供給過剰の可能性についての懸念も浮上している。

商工省は、国内繊維企業が4月半ばには市場に約3,000万枚のフェイスマスクを提供すると発表した。NPRによると、中国は1日に約2億枚のマスクを製造しているという。

繊維・アパレル企業に加え、日本を拠点とするシャープや中国を拠点とするFoxconnなどの大手電子企業も、医療用フェイスマスクの大規模な生産ラインの開発計画を進めている。

シャープはテレビ工場の1つを改装して1日あたり50万枚のマスクを製造する一方、Foxconnは毎日200万枚のフェイスマスクの製造を表明した。

その結果、大手企業が事業をシフトしている中、新型コロナウイルスの流行は1〜2年しか続かない可能性があるため、問題はコロナ収束後、膨大な余剰マスクに世界がどのように対処するかということである。

さらに詰めて考えると、市場に出回っているほとんどの製品はポリプロピレン製の使い捨て製品であり、プラスチックで個別包装されている。

これはまた、重大な環境問題を引き起こす。オーストリアに本拠を置く繊維会社Leizing Groupによると、2015年の世界のアパレル製品生産量は9560万トンに達し、約2兆ガロンの水と1億4500万トンの石炭を消費したという。

繊維・アパレル産業は、生地生産に大量の水、エネルギー、および化学薬品を必要とするため、おそらく最大の汚染産業の1つである。

さらに、製造活動では廃水、気体廃棄物、固形廃棄物も排出される。新型コロナウイルスは蔓延し続けており、主要な抗ウイルスマスクはまだ基準に適合していないため、マスクの製造に資本を注ぐことは実益よりも害を及ぼす可能性がある。ゆえに、フェイスマスク製造への投資は持続可能とはほど遠い。

 

ベトナム ジャンル:
最終更新:2020年04月07日

このページのトップへ戻る