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ベトナム繊維製品の日本向け輸出はまだ強い成長力を保持

   日本は世界第3位の経済圏で、この国との双方向の貿易金額は2011年には16億6000万USDに達した。両国の経済基盤は違えど、経済の特徴、生活習慣、人々の消費動向など、日本とベトナムは通じるところが多々あるため、ベトナム企業は日本市場の「支流」に近づいて行こうとする。日本が、投資潜在力を秘めた、経済、通商のトップ・パートナーの一つになるのは、当然のことである。

   2011年、日本は地震と津波と核汚染の大災害に見舞われながらも、両国の経済、通商、工業、投資の協力は強く発展した。日越相互貿易の金額は2011年には211億USDに達し、対2010年比26%増加した。うち、ベトナムから日本への輸出は107億USDで、対2010年比で39%増加した。2012年3ヶ月でベトナムから日本への輸出は31億USDで、輸入は25億USDである。

    ベトナムから日本に輸出する品目の多くは、電線、海産物、木工品、靴、繊維製品などいずれも展望がある。2009年には電線の輸出金額は対2008年比で12%減少したが、2010年には43%増と大きく伸びた。2011年にはこの電線の輸出は9億9800万USDで、対2010年で7.3%増加した。

    日本人は一人あたりの年間の海産物の消費量が世界一で、一人当たり年間約70-80kg消費するが、これはベトナムの水産業には有利に働く。我が国の繊維製品も年々日本市場に浸透してきている。2010年にはベトナムの繊維製品の日本への輸出は2009年比で20.7%増加しており、経済危機の状況にあっても成長している数少ない製品の一つだった。

    2011年、我が国のこの品目の輸出は17億USDで、対2010年比で46.7%増加した。今年の4ヶ月で、我が国から日本への繊維製品の輸出は5億8000万USDで、対昨年同期比24%増加した。原油に次いで第2位の輸出品目である。我が国のこの品目の今年初めの輸出実績を見ても、この市場の輸出産業の展望はかなり大きいといえ、各企業がこの市場を徐々に安定した確実な市場としていっている。とくに、展望のある品目は、パンツ、Tシャツ、ジャケット、シャツ、下着などである。

    ベトナムは日本から設備、機械、国内生産のための原材料などを輸入し、その輸入金額とほぼ等しい金額を輸出している。両国の経済は補完し合っていることの反映である。これは、他の東南アジアの国々や東北アジアの国々と異なる点で、これらの国々に対しては、ベトナムはかなり輸入超過である。

    日本のベトナムへの投資はかなり早くからで、常に投資上位国の中に名前が挙がっている。2011年までで、日本は1600以上もの直接投資案件を持ち、ベトナムに投資している92の国家・領土の中で、登録資本金額では第4位だが、実行資本金では首位である。日本の多くの大企業グループがベトナムに進出しているが、多くの分野で活躍している、住友、三菱、日立、東芝などのグループの名前はベトナムの人々の記憶の中にも浸透してきた。こうしたグループはインフラ整備、工業部品、高度な人材育成などの分野に投資してきた。

    ベトナムでは、将来的には、こうした大企業グループだけでなく、中小企業、とくに工業部品の分野の企業が引き続きベトナムに投資してくることを望んでいる。

    2012年の年初3ヶ月で、日本はベトナムへの26の投資案件を持つ国々のうち首位に立ち、登録投資金額は23億USD、ベトナムへの全投資額の88.8%を占めている。

    ODAが再開されて以来、これまで幾年に亘り、日本はベトナムへの最大のODA供給国である。2010年12月、日本は、2011年度の予算のうち、17億6000万USDをベトナムに向け、インフラ整備、気候の変動対策、貧困解消に充てると約束した。その後の困難にもかかわらず、日本は継続してベトナムへのODAの約束を実行し続けてきた。こうした民間の投資とODAの資本が、ベトナムの発展の道の多くの面で能力向上に寄与してきた。

    両国の貿易振興活動もかなり忙しくなってきている。商工省管轄の貿易振興局(VIETRADE)は日本貿易振興機構(JETRO)と相互関係にある。両者は、両国の貿易振興のためのイベントを協力して企画しているが、そのうち、「部品調達」展示会の企画は、ハノイとホーチミン市で毎年交互に行われてきた。このイベントは両国の経済及び投資協力の推進に寄与することを狙い、直接的にはベトナムでの工業部品の調達能力を向上させることを目的としたものである。ベトナムは日-アセアン貿易・投資・観光促進センター(AJC)の一員である。AJCはアセアン各国から日本への輸出促進、日本からアセアン諸国への投資奨励及び日本とアセアン諸国の人の行き来を活発化させる目的のもと、活動してきた。ベトナムはAJCのメンバーとなったときから、このセンターの活動に積極的に参加し、目覚ましい成果を得てきた。厳しい背景の中、AJCはアセアン所属の4ヶ国に特別援助プログラムを組んだ。その4ヶ国のうちの一つがベトナムで、この4ヶ国の企業が高品質な製品を日本に輸出できることを目的としたプログラムである。

    しかしながら、日本との通商関係において、ベトナムの位置はまだまだ低いレベルにある。ベトナムから日本への輸出は、日本の輸入額のわずか1.3%に過ぎない。ベトナムの日本からの輸入は同国の輸出のわずか1.16%に過ぎない。大方、相互の貿易額は、ベトナムは常にタイ、インドネシア、マレーシアの国々の後塵を拝している。これは両国の通商関係が、実際に潜在可能性があっても、まだ両国が望むレベルに達していない証である。

    この状況はベトナム企業が日本市場についてまだまだ勉強不足であることを表している。市場の情報を掴むこと、商売の習慣、日本国内の流通システムについて知ることなどまだレベルに達していない。展示会への参加、調査、市場研究などの活動を通じての日本市場へのマーケティングのコストは、ベトナム各社の財務能力を超えている。ベトナム企業は日本の食品の生産あるいは加工における安全衛生の基準を順守することに重きを置いていないため、水産物の場合、品質、食品衛生について、日本側では入念に検査が行われる。中でも、ベトナムのエビはこの問題をクリアする必要がある。

    日本市場に参入するにはたくさんの難しい面がある。それらは、工業、農業に特有の基準による技術的な障害であり、ひとつひとつの農業製品の品質を限定する規定で、製品を輸入する際に複雑な手続きが必要となる。

    そのため、日本市場への輸出を進めていくためには、各企業は以下の点が必要となる。

    ・AJCEP協定やVJEPA協定で定められた優遇措置のフォロー、中でも、特にベトナムの主力輸出品の日本輸入時における免税・減税措置を受けるために、両協定の規則に従い、技術的な障害を克服する。

    ・投資の強化、生産ラインの刷新、国際基準に見合った品質の向上、大量生産時の安定性、競争力ある価格設定、といったことを実施して、はじめて日本市場の占有率を高めることができる。世界の他の生産市場との競争をしていくと、同時に、裾野産業を発展させ、輸出製品の付加価値を高めるだけでなく、国産化の比率を高める。

    ・情報の収集、分析、処理を行い、客先のビジネス習慣、日本人の消費動向を理解する。正確さ、礼儀正しさ、思いやり、誠実さといった日本人の商文化を十分に理解する。

    ・さまざまな規定、食品の安全衛生基準を把握し、検疫を実施することが、各企業製品の品質を安心させ、返品を予防し、結果的には、リードタイムを短縮、検疫の費用削減に繋がる。

    ・日本の展示会に参加する前に、情報の準備をすることが、日本企業と接触、交渉する際には非常の大きな効果を上げる。

    ・輸入の際にも、要望に合った設備・機械・材料及び適正価格並びにベトナムの生産レベルに関して、詳しく理解しておく。

    上記の活動中、ベトナムの貿易振興分野の活動組織と日本のJETRO、ベトナムの各業界、在日ベトナム商務部、在日のベトナム人らの援助を勝ち取れればベストである。日本に連絡事務所を設けることができるかもしれない。

 

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最終更新:2012年07月09日

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