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ベトナム:若手デザイナーが伝統工芸を推進

ブリティッシュ・カウンシル主催の工芸デザインコンテストで、ソンラー省北部の山岳部出身のVi Thi Thu Trang氏が1位に輝いた。Trang氏は2014年のハノイオープンカレッジで建築学の学位を取得し、タイの民族グループの1人でもある。彼女は2015年から、タイの刺繍とモン族の蜜蝋を使った藍染めについて研究している。

工芸デザインコンテスト2017は、工芸デザインやそのビジネスを手がけた経験のある人だけでなく、工芸デザインに興味を持ったベトナムのデザインを学ぶ学生、若手デザイナー、起業家のために開かれた、これまでにないイベントだった。

Nguyen Thuy Binh氏は、6000万ベトナムドン(2600米ドル)の賞金を獲得したTrang氏に、彼女のプロジェクトである「Indie Hand」についてインタビューを行った。

 

Binh:あなたのプロジェクトについて詳しく教えていただけますか?

Trang:「交差(Giao Thoa)」というタイトルのコレクションは、コンテストに出したものが全てではありません。このコンテストでは、革新的かつ持続可能な方法を用いてベトナムの工芸部門を保存、開発するプロジェクトの立ち上げを目的としており、デザイナーと民族グループの職人を繋ぐことで一貫した生産を保証することを目指しています。

私のプロジェクトは、ベトナムの北西部のモン族の伝統的な亜麻の布と蜜蝋を復元することです。私はラオカイ省北部のSa PaにあるTa Phin Brocade Textile Co-operativeの職人と一緒に、ハノイの展覧会で展示された「交差」コレクションを制作しました。コレクションの中には、シンプルで実用的なデザインのアクセサリーや家庭用の装飾品もあります。

 

Binh:コレクション制作時、どのような困難に直面しましたか?

Trang:伝統的な模様には意味がありますが、それらを使用しませんでした。Hang Trongの民族画を見て思い浮かんだ模様をデザインしたいと思ったのです。しかし、職人たちは伝統的な技術に慣れているので、描画技術を変更するときは多くの困難に直面しました。新しい模様作りには時間がかかります。創造性も制限されてしまうのです。

Hang Trongの民族画は、昔のハノイの典型的な芸術です。私はこの種の絵に一目惚れしました。すばらしい材料と技術によって制作されています。 ベトナム紙(楮の樹皮を漉いて製した紙)は非常に薄いですが丈夫で、木彫りの技法は洗練されており、羽ペンのラインはしなやかです。明るい色と暗い色の組み合わせも美しいです。

コレクションのアイデアは自然と思い浮かんできました。優雅なHang Trongの民俗画と、シンプルな亜麻布を組み合わせたアイデアです。私は「交差(Giao Thoa)」というコレクション名を付けました。

 

Binh:国際的にも名が知られたベトナムの有力なベテランデザイナーであるMinh Hanh氏の刺繍は、伝統的な素材を使っており、革新的だとは言えませんが、あなたのデザインはどこがユニークで、どこが他と違いますか?

Trang:私のデザインは、新しいものでも古いものでもないと思います。伝統的な素材は何千年も存在しています。人々は多くのアイデアを持っていますが、そのアイデアをいかに現実のものとするかがより大切なことです。まず、創造性はコピーすることから育まれると思います。私はそれを「継承と開発」と呼んでいます。

私の作品は、常に伝統的な素材と自分のアイデアから作られています。それが私の個性だと思います。

 

Binh:タイ人の伝統的な素材をコレクションに使用することはないのですか?

Trang:タイ人の中でも、モン族と同じような織り方をする習慣があります。しかし、タイの素材は綿で、亜麻の布よりも柔らかく、滑らかで弾力性があります。綿で作られた衣服は風通しが良いのです。モン族の人々は普通の布を織り、蜜蝋と刺繍で模様を描きますが、タイの人々は織機で布を織っている間に模様を作ります。繊維の処理やそのプロセスは異なるのです。私はタイとモン族の両方の民族が住む、ソンラー省で生まれました。

だから、タイとモン族の両方の民族の素材を使っています。

 

Binh:コンテストの主催者は、受賞者に対して、プロジェクト実行のサポートを約束していますが、今後どのようにプロジェクトを進めていきますか?

Trang:私は、特に北部の山岳地方の伝統的な布織物や民族の錦織物に特別な思いがあります。地元の人々のために、雇用創出と安定した収入を目指して、消えつつある伝統工芸品を保存し、発展させたいと思っています。ブリティッシュ・カウンシルやその他の関連機関からの支援を受けて、自分の夢を現実に変えていくつもりです。

来月には自分のブランドを立ち上げ、ハノイで店がオープンする予定です。また、現在ソンラー省のVan Ho村で、綿花を栽培するタイ人とのプロジェクトを進めており、手工芸品を制作しています。自分の作品を作るために、協力関係を築いていきたいと思っています。

 

Binh:あなたがコンテストに参加したのはこれが初めてですか?

Trang:はい。工芸デザインコンテストに出場したのは初めてです。ベトナムの伝統工芸の将来について話を伝える 「工芸とデザイン」プログラムに携われることを誇りに思います。私のような若いデザイナーにとって、非常に意味があるものです。

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最終更新:2018年07月07日

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