インドシナニュース

ベトナム:eコマースのコスト負担が重荷(後)

(前編より)



難題

市場調査会社であるInfocus MekongRalf Matthaesマネージングディレクターは、ベトナムのeコマース市場にとって最大の課題は、物流、配送、保管、支払いの問題であると指摘した。これはベトナムのすべての企業に当てはまる。

eコマースのプラットフォームは、多くは分断された物流チェーンが原因で損失を計上しています。消費者の約80%が代引きで決済していることを考えても、集金の点だけでも大きな代金決済の仕組みが必要になることが理解できます。こうしたことによる損失計上なのです。」と彼は指摘した。

多くの東南アジア諸国と異なり、ベトナムでは依然として与信やクレジットカードが普及していない。この国ではまた、統合された物流ネットワークが整備されていないことに苦労している。こうした要因が物流に対する不信感や配送の不備をもたらし、eコマースビジネスの成長を阻害している。

「消費者がクレジット決済を利用し始め、物流の納期が遵守されるようになるまでは、eコマース各社は現状のまま業務を行わざるを得ず、損益は赤字のままでしょう。たとえ売上高が急伸してもこれらの問題は大きくなり、状況は悪化していくことが予想されます。」とMatthaes氏は続けた。

さらにeコマース各社はプラットフォームの宣伝のために、販売・マーケティングに徹底的に資金を投じ、利益を食い潰してきた。多くのプラットフォームは、新規顧客獲得のための特別割引キャンペーンやプロモーションによって損失を計上してきた。その結果BeyeuDecaLingoなどいくつかの地元のショッピングサイトでは資金が底をついて、数年で撤退する事態となった。

eコマース業界の専門家であるLe Thiet Bao氏は、これはeコマース企業間で現金を奪い合う戦いだと述べた。強力な資金力を持ち、長く続けられる能力を持つ企業が市場の勝者となる。

VECOMNguyen Ngoc Dung副会長は、eコマース企業はこれからも市場シェアを拡大するために損失を計上し続けるだろうと指摘した。市場は投資段階にあるため、損失の総額といつ利益が出るようになるかを予測することは非常に困難であるという。

Research and Markets社の「ベトナムB2C eコマース市場2018」というレポートによると、オンライン取引はベトナムの小売売上高の約1%である。ベトナムのeコマース市場がピークに達するにはまだまだ長い道のりで、AlibabaJD.comSeaなどの外資系企業が投資に参入し、競争を激化させている。

FPTVingroupThe Gioi Di Dongなどのベトナムの大手グループも、Sendo.vn123mua.vnAdayroivuivui.comなどのeコマースサイトで競争に参入した。さらに、実店舗の小売からオムニチャンネル小売への移行により、AEONLotteCentral Groupなどの小売業者もオンライン市場の開拓に乗り出した。

Lotte E-commerceベトナムは、オンラインショッピングの増加トレンドに対応するため、201610月にオープンした。 Lotte E-commerceは、2017年ベトナムeコマース市場において、成功を収めた。またCentral Groupは、Vietnam-nguyenkim.vnrobins.vnB2S.com.vn3つのオンラインプラットフォームによるeコマース事業に注力している。



前進

主要プレーヤーによる継続的な投資活動は、ベトナムにおけるeコマースのエコシステムを形成し、同国eコマース市場の発展に寄与する結果となっている。

先週DHL は、ホーチミン市とハノイ市においてDHL Parcel Metro Same Dayと呼ばれるメトロ配達サービスの開始と同日に、eコマース事業も立ち上げた。ベトナムのオンライン小売業者は、このDHLのデジタルプラットフォームを通じて配送のリアルタイム追跡や、再配送の指定ができるのと同時に、両都市の消費者に対して当日中に配送することが可能となった。

DHL eCommerce VietnamThomas Harrisマネージングディレクターは、物流コストはeコマースにかかるコストの約6070%を占めていると述べた。そのためDHL eCommerce社では、オンライン販売で収益が出るようなサービスを提供することを目指すという。

「我々はベトナムが他の東南アジア地域の大市場より10年も遅れているとよく聞きます。ですが我々の当日配送サービスの開始によって、今後35年以内にベトナムが他の成熟市場に追いつくのを支援したいと考えています。」と彼は述べた。



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最終更新:2018年06月08日

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