インドシナニュース

ベトナム政府、国産原材料を奨励するも税制策が障害に

ベトナム政府は、製造業に対して国産の原材料を使用するよう奨励している。だが税制策が適切でないことから、ベトナムで完成品を製造する場合には輸入原材料を使用した方が材料費を安く抑えられるという、税制面での問題が話題となっている。

Garmex Saigon社社長Nguyen An氏によれば、海外から原材料を調達しFOB契約の下で輸出向け製品を製造した場合、これらの企業は、輸入原材料にかかる輸入関税を定められた期間(275日)、一時的に繰り延べることができるという。

一方、国産の原材料を使用する場合には2つの選択肢がある。「みなし輸入」と通常の購入だ。現行法では、「みなし輸入」が輸出向け製品の製造で利用される場合、付加価値税(VAT)の支払いを免除される。

だがこの方法を、好ましく思っていない企業もある。と言うのも、税金の還付には、煩雑な手続きが必要となるからだ。

従ってGarmex Saigon社では、通常の方法で原材料を購入している。すなわち物品の引き渡し後すぐにVATを支払い、生産スケジュールに支障を来さぬよう、期日通りに原材料を入手するのだ。こうすれば税金の還付手続は、完成品を輸出するときだけですむ。

ホーチミン市を拠点とする、別の衣料品メーカーによれば、原材料の調達は、海外よりも国内の方が難しいという。またVATは通常、還付率は高いが、受け取るまでに相当の時間がかかると話した。

ベトナムの衣料品メーカーは、そのほとんどが海外企業の委託先となっているため、委託元の要請により、輸入原材料の購入を余儀なくされることがある。

ある弁護士は、輸入原材料にかかる輸入関税を定められた期間(275日)一時的に繰り延べることができるという規定は、一般的に考えて合理的だと話す。と言うのも、現状において、衣料品生産に必要な原材料をすべて国内で調達するのは不可能だからだ。また輸入原材料は、好条件の輸出環境を経て各製造業者に納入されるが、国産のものに関してはそうはいかないといった考え方も示している。

一方、こうした不合理とも言える税制策は、他の産業分野にもみられる。

VNPT Technology社CEOのTran Dinh Hung氏は、2013年半ばごろの電話機の輸入について話し、輸入電話機が完成品(CBU)だった場合、関税率はゼロだったと説明した。だが一方で、電話機の部品や付属品においては、その約7割に25~30%の税金が課されたという。

こうした税制策の下、国内販売向けに完成品を輸入する企業が増加し、輸入部品・付属品を扱う、組立生産が減少した。それに伴い、雇用も減少し、国内生産も縮小した。

各種輸入税を生み出す、輸入部品・付属品の数は、同年末までに約半数にまで減少。その結果、財務省では、多くの物品において輸入税率の調整を行うこととなった。

同弁護士は、完成品の輸入が課税対象にならないのであれば、輸入部品・付属品で税金を徴収しなければならないと話す。

またソニーを例に挙げると、同社はブラウン管テレビの生産においてベトナム事業から撤退し、国内販売向けに製品を輸入する事業に転換したが、それは完成品の輸入税の方が、輸入部品・付属品の税率よりも低かったためとされている。

 



無料レポート提供中!
~~ ミラン・コンサルタント ~~
ベトナムでのアパレル生産は
中国での生産とどこが違うのか?



ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年10月28日

このページのトップへ戻る