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ベトナム:VinatexがIPOで苦戦、売却額が目標額を下回る

ベトナム国営繊維最大手のベトナム繊維公団(Vinatex)は22日、ホーチミン証券取引所(HOSE)で新規株式公開(IPO)を実施した。上場計画の実現に不透明感が続いたこともあり、資金調達は当初の目標額を下回る結果となった。

HOSEのウェブサイトによれば、VinatexのIPOは競売方式で行われ、約1億2200万株の売り出しに対し、売却株数1億1060万株による1兆2160億ドン(約5730万米ドル)の資金調達に成功した。IPOの実施は当初7月の予定だったが、投資家の関心が集まらなかったため2カ月の延期となった。

Vinatex のTran Quang Nghi社長は7月の機関投資家向け説明会で、取引の開始には今後1~2年を要するとの見方を示していた。

今回のIPOはベトナム政府が推進する「国有企業の民営化計画」の課題を浮き彫りにする形となった。と言うのも、一般に投資家は新規公開株を流動性の低い株とみなして避ける傾向にあるため、計画にも遅れが生じる可能性があるからだ。

ホーチミン市を中心に、ベトナム大手証券会社のFPT証券株式会社でアナリストを務めるBui Van Tot氏は、この結果について「非常に残念。投資家はVinatexにそれほど関心がないようだ」と述べた。一方、上場予定日が明確でなかったことも投資家の決断を鈍らせた原因の一つだと指摘した。

政府は今年2月、2015年末までに約432社の国有企業を株式会社化させる計画を発表した。これまでに36社がIPOを実施してきたが、実際に取引を開始した企業は1社もない。また今年に入り3兆1400億ドンの資金調達に成功しているが、目標額の4兆7400億ドンには遠い。さらにIPOを実施した企業のなかには、投資家への事前説明やマーケティングなどを行わなかった企業もいるという。

 

急成長を見せる輸出

政府ウェブサイトに掲載されたグエン・タン・ズン首相の声明によれば、今年11月1日以降IPOを実施する企業は、企業登録証明書の受領後90日以内に、「UpCom(未上場株式登録システム)」に株式を登録しなければならない。

その後証明書発行から1年以内に、ホーチミン証券取引所またはハノイ証券取引所のいずれかで株取引を開始する必要がある。

サイゴン証券株式会社のアナリスト、Pham Huyen Trang氏は8日、投資家宛ての書簡で「Vinatexへの投資はベトナム・アパレル産業への進出を望む投資家にとって『入門』のようなもの」と記した。

Vinatexでは現在、ベトナム製繊維全体の18%を製造している。また昨年は29億ドルの輸出額をたたき出し、同社にとって最大市場である米国向け輸出がその50%を占めていた。さらにIPOの目論見書では、欧州や日本などにも市場を拡大していきたいと述べている。

米ブルームバーグがまとめたデータによると、今年1~8月のVinatexの輸出額は前年比14.1%増だった。一方ベトナムの貿易収支は同1~8月で17億ドルの黒字となり、前年の5億7700万ドルの赤字を大きく改善する形となった。

またベトナム株の指標であるVN指数を見ると、22日は前日比0.2%安の611.93。VN指数は今年に入って21%上昇し、ベトナム経済の安定性を示すと同時に貿易収支の黒字幅を拡大して海外投資家の株式保有に拍車をかけている。

 

 



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最終更新:2014年09月30日

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