インドシナニュース

タイ:女王陛下の後援のもと、国内シルク織物伝承の取組みが進行中(前)

かつてはタイのファッション業界において支配的な位置にあったタイシルクは、ゆっくりと現代的な織物に取って代わられ、この美しいアートのような伝統的織物は失われつつある。

このような工芸品や素材が軽視され、消えていくことを恐れ、女王陛下が後援する全国女性会議のWandee Khunchornyakong Juljarern会長は、タイ文化の魂であるタイシルクを保存する活動を引き受けた。

彼女はタイシルクに愛着を持っている女王陛下の志を継ぎ、タイ全土にわたる織物の伝統を保存するプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトでは、8月12日の女王陛下84歳の誕生日に注目している。タイの人々は古くから、熟練の職人によって織りこまれた細心の模様で装飾された、美しいデザインのタイシルクに身を包んだ女王陛下のイメージに感じ入ってきた。

Wandee氏は、北から南までシルク織物センターを巡る旅に出発した。彼女は会議のメンバーだけでなく、タイの伝統的な織物に対する同じ情熱で結ばれた人々と同行した。

南部のSurat Thani州でこの一行は、南部スタイルのシルク織物でこの地域の最大のサプライヤーの1つであるWanma Thai Silkを訪問した。この店は信じられないほど繊細な模様を含む綿密な職人技で有名で、Chaiya地区のタイのイスラム教徒と仏教徒双方のための古いコミュニティハウスのBan Phum Riengにある。

Wandee氏は、tambon Phum Riengのほとんどの村人たちはイスラム教徒で、独特なシルク模様を生み出す能力がその身体に染みついている、と言った。

Wanma Thai Silk店のオーナーであるWanma Nuimeem氏は、一行をこのコミュニティでよく知られた伝統的な織物であるPhum Riengシルクが生産されている場所へ連れて行った。そこではシルク糸の前工程と製織工程が実演された。

Wanma氏は、この独特なPhum Riengシルクは、かつてインドネシアの島々に住んでいた先祖から芸術的遺産を受け継いだマレー人先住民族の創造物であると述べた。Phum Rieng をどの地域の織物よりも優れたものとしているのは、繊細なダマスク模様を銀と金の糸で装飾したその素晴らしい品質である。

彼女は、かつてBan Phum Riengにおいて女性らが、先祖から受け継いだシルク織物技術をどのように継承していったかを一行に語った。その後、この地域に住み着いた仏教徒の家族らがこの技術を習得し始め、家庭向けにPhum Riengシルクを織り始めたという。

この繊細なシルク織物の製織作業は、特別なものは数ヶ月、時には数年を要する。こういった手間のかかる作業が必要であるにもかかわらず、Wanma Thaiシルクには国内外からの注文が殺到している。

値段はデザインの複雑さに応じて変わるが、限定品であればより高価となる。特注の製品は、時にその価格は数十万円にもなる。

Ban Phum Riengで一行はまた、祖母のMaeriem Wanmuda氏から受け継いだ手織りシルクの伝統を守る、有名なWandara Wanmuda氏とMareeya Wanmuda氏の姉妹に会った。彼女らの祖母は、Surat ThaniのChaiya区にある、ブッダの遺品を祭る有名な寺にちなんで名付けられたPhra That Chaiyaと呼ばれる有名な織りパターンを生み出した人物である。

Phra That Chaiyaのデザインと別に、Wandara氏とMareeya氏はまた、ライオンの身体と象の鼻と牙を持つ伝説の動物の柄のKotchasiや、Khom Petch(ダイヤモンドランタン)、ビンロウの木の小さな花をあしらったSoi Dok Makなど、独特のシルクのデザインを生み出した。

 

(後編へつづく)

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最終更新:2016年06月11日06:02

タイ:TPPの機運が盛り上がる

商務省によれば民間団体や学者ら、経済界は概してタイに昨年10月に環太平洋の12ヵ国が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加してほしいと願っているという。しかし一方では最終的な決定を行うまで、政治家にはTPPがもたらす影響の慎重な検討を要請している。

「商務省は過去数ヵ月にわたり経済界、非営利組織や団体、学者、農業や畜産業界と会合を重ねてきました。ほとんどの人がタイにこの新しい貿易圏に参加してほしいと述べています」と商務省副大臣Winichai Chaemchaeng氏が述べたとBangkok Postは報じた。

「しかし特に2月以降会合を行う予定の地方関係者など、他の関係者の意見も聞く必要があると考えています」

Winchai氏は経済界が特にタイがTPPに参加することを積極的に支持していると述べた。経済界によればタイはTPPに参加すると特に米、砂糖、冷凍・加工エビ、マグロの缶詰、タピオカやデンプン、衣料品、宝石や宝飾品類、医薬品、航空輸送、メディカルツーリズム、直販の分野で競争力が高まるだろうと述べる。

一方農場経営者らはタイがまだ動物飼料の生産コストの面でTPP加盟国と競争するには時期尚早で、当局に良い点と悪い点の両方を検討するよう促した。

また協定に参加すると影響を受ける分野に対しての救済策を打ち出してほしいと要請した。

TPPは米国が主導し、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの12ヶ国で締結された貿易協定。タイの貿易高に対する加盟12ヶ国はあわせて40%、外国直接投資(FDI)は年間45%を占める。タイは米国、カナダ、メキシコを除くほとんどのTPP加盟12ヶ国と自由貿易協定を締結している。

カナダとメキシコが占める輸出全体の割合は1%未満、また両国からの外国直接投資はタイに年間通してもたらされる外国投資全体の2%未満だ。他方タイに対する米国の外国直接投資は毎年8%を占める。

タイが協定に参加すれば米国市場におけるTPP加盟国との競争の激化することが最大の影響となるとみられている。

輸出業者らはTPP加盟国の製品と比較した場合、タイ製品に課せられる関税が高くなり、米国に対するタイの輸出が他のTPP加盟国の同様の製品と比較して競争力が弱くなることに対して懸念を表明している。

タイのSomkid Jatusripitak副首相は先月、同国が協定に参加する可能性が高いと述べている。

 

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最終更新:2016年02月01日12:03

タイ:イスラム教徒のファッションに乗り出すデザイナーたち

ハラルフード、ハラル旅行の次のイスラム経済の未開拓市場、イスラム教徒のデザイナーファッションが今タイの注目の的だ。

イスラム教徒の衣料品製造はタイにとって新しいことではない。 タイ繊維研究所によればタイ国内には200以上のイスラムの婦人服の仕立屋が主に南部の国境付近の州に展開されている。この中にはバティックの婦人服、男性用のケフィエやアラブの被り物、ヒジャブという女性用のスカーフや被り物の仕立屋があるという。しかしながらイスラムのファッションに特化したブランドはまだ少ない。

しかしこの情勢は湾岸協力会議(GCC)諸国の巨大な市場用のオートクチュールに重点的に取り組む起業家精神にあふれたデザイナー、またこの地域からタイを訪れ、高級品の買い物にふける観光客とともに変化してきた。Tube Gallery、Tango、Theatre、Lawa@THTIら著名なタイのファッションブティックがイスラム市場向けに衣料品を開発している。彼らは独特のファッション感覚と伝統的なアジアのスタイル、それにイスラムの人が好きな細部まで洗練されたきらびやかな手工芸品や刺繍のほどこされた品質の良い布地でできたゆとりのあるドレスを融合させている。イスラム人の服の色の好みは主に黒、紺、紫などの濃い色が多く、金色の糸やエキゾチックな皮が合わさっているものが多い。

バンコクに拠点を置く1999年に設立されたファッションブランドのTube Galleryはしばらく前にイスラムファッションの分野に着手したが、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、クウェート、サウジアラビアなどのGCC諸国の最先端のファッション店舗に品をそろえている。

Tangoは昨年アラブ首長国連邦Al AinのHili Mallにフランチャイズのブティックを開店した。手ざしの刺繍がほどこされた服や蛇皮のハンドバック、オーダーメードの履物などの多種多様なアクセサリが並ぶ。すべてが高級でありながら上品な流行の服だ。

Theatreはまだ中東に進出していないが、イスラム市場向けに特別デザインされたものではないものの、品質の良いゆったりとしたドレスがバンコクのSiam Centerのおしゃれな自社の店舗でGCC諸国からの買い物客に支持されていることを認識している。Theatreはタイのファッション界において最も有名なブランドの一つで、実に25年の歴史を持つ。

Lawa@THTIはタイでもイスラム教徒のいる南部地域でハラル向けのファッションを製造しており、タイ繊維研究所(THTI)により導入された。THTI事務局長Suttinee Poopaka氏によればこれらの製品はマレーシアやインドネシアの東南アジア市場のほか中東向けに製造されており、東南アジアのファッション企業らに新たな機会をもたらすだろうと述べる。THTIは人気の高いオンラインショップも展開している。

数値的にみるとイスラムのファッション市場は入り込む価値が十分にある。2014年にイスラムのファッション業界の支出高は世界全体で2,300億米ドルに達した。これは世界全体のファッション市場の11%を占めるとトムソン・ロイターによる報告書「State of the Global Islamic Economy 2015」は述べている。これは2020年までに3,270億米ドルに達する予測で、主流の衣料品製造業者やファッションデザイナー双方の目覚ましい成長性を示している。世界的に著名な衣料品ブランドであるMango、Zara、DKNY、Tommy Hilfiger 、Uniqloらは皆イスラムのファッションを新たに展開しようと試みており、今回の祝日期間に合わせて衣料品のほかイスラムのファッションアイテムを含む「ラマダンコレクション」を発表した。ラマダンに対する注目の高さは、イスラム教徒のコミュニティにおける買い物シーズンの立場が強くなっていることから起こっている。スウェーデンのブランドH&Mも昨年9月のビデオ広告の中でヒジャブを身にまとったイスラムのモデルを登場させた。

タイにとってはイスラムファッションに対する新たな関心は大きなチャンスとして認識されている。タイ繊維研究所は昨年、タイの繊維・ファッション業界を次の段階に押し上げるためのプログラムのなかでタイ、マレーシア、インドネシアからトップデザイナーを招き、最新のイスラムファッションのデザインを行っている。

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最終更新:2016年01月30日09:30

タイ:今後1年間のシルク製品の見通し

女王陛下は8月12日に84歳の誕生日を迎えるのにあわせ、クィーンシリキットテキスタイル博物館では年間を通してお祝いの催物が展開される予定だ。

Wisharawish、Sanchai、Real、Hook's by Prakakas、Chai Gold Label 、T-Raら地元の6つのブランドは、王宮内同博物館の優雅なRatsadakorn-bhibhathanaビルで開催されたランウェイのイベントで少しだけ「QSMT セレブレーション」に先立ち内容を披露した。

美しいタイシルクがさらに現代的なデザインをもって現れることになる。

女王陛下の副個人秘書であるThanpuying Charungjit Teekara氏はサコンナコーン県のPhu Phan Rajanivet 王宮で正式に開催されたシルクフェスティバル2016の最新の詳細情報を語った。

QSMTセレブレーションは例年通り女王陛下の芸術や工芸作品、タイの繊維製品の技術や知識の保護を含む女王のプロジェクトについて、国内外の認識を高めることを目的としている。

「目玉は女王の設立したSupport Foundationからのシルクを利用し、著名なデザイナーにドレスを仕立ててもらうシルクフェスティバルを再度はじめる予定だということです。Phu Phan Rajanivet王宮のLaan Kham Homの有名なシルクフェスティバルは何年もの間開催されておらず、女王陛下は健康の問題もあり離れた北東部を訪れることができません。縁起の良い今年、QSMTはバンコクでフェスティバルを開催します。タイの人々に日常でより多くのタイ産まれの生地を使用しもらうよう促したいと思います」

6月には「王国の7つの芸術(""Seventh Arts of the Kingdom”)」展で"Reun Yod Borom Mangala-nusaranee"とよばれる荘厳で新しいSupport Foundationの展示が堂々展示予定だ。

8月には1960年から1982年にかけてフランスの名高い洋服屋ピエール・バルマンが女王陛下のために仕立てたガウンを展示した「女王向きの上質さ(Fit for a Queen)」展が開催され、Queen’s Galleryでは6人の山岳民族の人により制作された織物工芸品が展示される。

シリントーン王女は正式にこれら3つのイベントを開催する。

11月にはQSMTは豪華な王立のKhonの衣装や人気のKhonの踊りのパフォーマンスを交えたの展覧会を主催する。

一連の祝賀は過去Phu Phan Rajanivet王宮で開催されたお祭りを思い起こさせるよう改装されたスアン アンポーン公園のシルクフェスティバルで幕を閉じる。

QSMT長Piyavara Teekara Natenoi氏とVogue Thailand編集長であり博物館顧問のKullawit Laosuksri氏は「女王向きの上質さ(Fit for a Queen)」計画の詳細について語った。

「1960年代に米国やヨーロッパ諸国を訪れる際に国王陛下に同行しはじめてから、女王陛下はタイ文化を宣伝する重要な役割を果たしてきました」とPiyavara氏は語った。

Kullawit氏によれば諸外国への公式訪問は年間9カ月にも及んだため、衣装はすべての季節に、また装飾品もヨーロッパの様々な王室の伝統に合わせたものでなくてはならなかったと指摘した。

「両陛下は古典的で時を超えた優雅さをもつバルマン氏のデザインに大変感銘を受けておられました」と氏は言う。「バルマン氏自身がその頃タイに滞在していたため、ちょうど良かったといこともあります」

Chai Gold LabelのChai Jiamkittikulはファッションショーの開催中、山岳民族であるメオ族の服装を思い起こさせる女王陛下のズボンにヒントを得たと言う。「ドレーピング技術を使用して自身のデザインに取り入れました」

Wisharawish Akarasantisuk氏はシルクをより快適で実用的なものにしようと試み、綿と調和させた。これにより生産コストも削減されるものの、材料は手縫いの刺繍のおかげで洗練されたものとなる。

「私は地方出身ですが、祖父母がシルクを身に着けていたのを思い出します」と氏は言う。「祖父母は頻繁に洗濯をしていてドライクリーニングをする必要はありませんでした。シルクはこの側面をより注目すべきです。その一方でより快適で実際に身に着けられるものでなくてはなりません」

T-Raの Chantasavati氏もまたシルクをより着心地の良いものにしたいと考えており、衣服を軽く少し緩いものに仕上げている。氏は1967年の女王陛下のヨーロッパ訪問を詳細に調べ、ピエール・バルマンの作品も研究した。

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最終更新:2016年01月16日06:15

タイ:Thai Acrylic Fiber社が初の持続可能性報告書を発表

タイのアクリル繊維製造企業Thai Acrylic Fiber(TAF)は同社初となる2014年持続可能性報告書を発表した。この報告書は2014年の同社の持続可能性に関する取り組みとその結果を公開することを目的としている。

持続可能性報告書は地球的規模報告イニシアチブ(GRI)G4ガイドラインに基づいたもので、TAF社が経営陣、内部及び外部の関係者と実施した詳細な評価を含んでいる。原材料面での持続可能性という観点の導入に関連する情報も含まれている。

持続可能性に関する取り組みとして、TAF社ではエネルギー消費の削減、リサイクル原材料使用の増加、水消費の削減、排出削減のための方策を実施した。TAF社はまた、労働者の人権面での法的遵守について監理、監査が求められる社会的責任基準(SA-8000)の認証を受けている。報告書では従業員が組織の核であるとし、従業員の福祉に関する取り組みも詳細に記述されている。2014年度には6回の関係者会合が開催され、様々な関係者の懸念事項や要求事項についての話し合いが持たれた。

報告書によると、同社は監査の回数を増やし、持続可能性に関する問題についてサプライチェーン全体に組織的に関与していくことを予定している。持続可能な事業形態の遵守について、納入業者にも可能な限り推奨する予定であるとしている。

報告書が対象とする期間中、製品情報や表示、製品の提供や使用に関する基準違反は報告されていない。また、プロジェクトの種類や段階により持続可能性の観点を取り入れたプロジェクト評価の枠組みが開発された。

持続可能性報告書の発表について、TAF社のAK Maheshwari最高経営責任者は、「最初の持続可能性報告書を公表できることを嬉しく思います。TAF社は持続可能な事業プロセスとその成果において、2020年までに業界の基準点となることを目指しています。持続可能性を事業の中心とすることで、競争力を維持し、より清浄な世界を構築することに貢献する方策をみつけることができると確信しています。この報告書はTAF社の倫理的で責任ある、持続可能な事業を追求するたゆみない努力によるものです」とコメントしている。

 

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最終更新:2015年12月18日12:19

タイ:フランスのスポーツメーカーDecathlonが店舗開業

フランスのスポーツ用品・アパレルメーカーDecathlonが10月22日、タイのバンコクに第1号店を開店した。同社のプレスリリースによると、11月末までにバンコクにさらに4店舗を開店する予定という。

タイのスポーツ愛好家、特にサッカー、ウォータースポーツ、トレッキング、ランニング、自転車やゴルフをする人々には、これからDecathlonが提供する技術的に洗練されたさまざまな製品が入手可能となる。同社はすでに20年近くタイに生産部門を置いていたが、今後はその活動を販売にも拡大する。

「バンコクに延床面積1700平方米から2700平方米の5店舗を開業します。これら店舗はバンコク各地に散在しており、そのうち1店舗が市中心部にあります」とDecathlonタイ支社のFrédéric Bichet支社長は話す。これら店舗はDecathlonのPassionというブランドの独占小売店となる。

120人の新たな社員がDecathlon各店舗での接客にあたる。新入社員の求人活動は地元のスポーツイベントや販売小売ワークショップを通じて行われ、新店舗の運営を担う店長らとのインタビューを経て採用された。

同社の業務同様、新たに採用された社員の出身地もさまざまである。Decathlonの新入社員にはベルギー、中国、ルーマニアやロシアからの出身者もおり、同社の発展に貢献することを楽しみにしている。

「国際的な顔ぶれがもたらすさまざまな視点や経験から得るものは大きく、彼らは貴重な資産です。従業員の出身国にとっても、これは重要なことです。Decathlonがこうした国際的な事業をうまく機能させることができるという証拠でもあるからです」とBichet支社長は話す。

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最終更新:2015年11月18日12:00

タイ:スイスの裁断システム開発企業Zünd、アセアン市場開拓見据え子会社設立

デジタル裁断システムの開発・生産を行うZünd社は、アセアン市場を念頭にタイに子会社Zünd Asia (Bangkok) Ltd. を設立した。

スイスに本社を置くZünd社はプレスリリースで「タイでの子会社設立で、東南アジアのお客様のより近くにいることができます」と発表した。

これまでタイ市場のZünd社の顧客管理を行っていたZünd Thailand Co. Ltd.はZünd Asia (Bangkok) Ltdに統合される。

同社の発表によると、香港のZünd Asiaは今後は東南アジアを除くアジア地域担当となる。

将来的には、バンコクの技術センターでZündのモデュラーカッターの生産性と信頼性を示すデモが見られるようになるという。

「運用技術者の継続教育と定期訓練、そして遠隔地へのホットラインサービスで高い運用可能性を実現します」とプレスリリースは続く。

同社のOliver Zünd CEOは、「バンコクに新たな事務所を設立することを誇りに思い、現在そして将来のお客様に完璧なサービスを提供し、アセアン地区で『デジタル裁断の第一人者』という地位を強固なものにしていきたい」と話す。

Zündはグラフィック、パッケージング、縫製、皮革、技術繊維や複合材料など多岐にわたる産業の生産企業や納入企業を顧客として擁する。

Zündはスイスのアルスタッテンに本社を置き、同地に研究開発、マーケティング、生産施設が存在する。

香港、バンコク、インド、イタリア、オランダ、米国に独自の販売・サービス組織を持ち、それ以外にもZündは独立した販売・サービスパートナーの世界的なネットワークを持つ。

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最終更新:2015年11月11日12:02

タイ:TPPへの参加が輸出競争力の鍵と専門家が警鐘(後)

(前編より)

 

自動車産業における関税削減は段階的に実施されるが、それは明らかに、過去数十年にわたりそのサプライチェーンを強化してきた日本の負担を減らすためである。日本は関税ゼロの対象となるための(TPP加盟国内で調達すべきとする)現地調達率の制限を、30%とすることを求めた。これにより、さらにタイからの調達に頼ることが可能となる。

サイアム商業銀行(Siam Commercial Bank)の経済情報センターは、日本の自動車企業はタイの調査、開発に、過去数年間で多額の投資をしていると指摘した。一方で、12カ国からなるTPP加盟国の中で、タイが自由貿易協定を結んでいない米国、メキシコ、カナダの3カ国向けの、タイからの自動車輸出はわずか5%となっている。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加する4カ国の東南アジア諸国については、アセアン自由貿易協定を通じてタイとつながっている。

サイアム商業銀行は、タイとメキシコ間で自動車の生産面で直接的な競合があるとは予想していないが、技術の面で大きな競争があると予見している。

「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの貿易協定は、将来的に増加していくでしょう。その製品が他の代替場所から調達され得るサプライヤーは、こうした変貌する環境により影響を受けることになるでしょう。」とサイアム商業銀行は指摘した。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効するまでには、12カ国すべてが条約に批准する必要があり、しばらく時間がかかる。(米国商工会議所の)Sitkoff会頭は、米国においてこの批准プロセスは、非常に長く複雑なものになる、と指摘した。

まず、バラク・オバマ米国大統領が議会に対して、正式に契約に署名するための意向通知書を上程せねばならず、それから90日間の待機期間が始まる。

次に、米国商工会議所(AmCham)のような利益団体から意見を公聴するため、60日間の一般レビュー期間が始まる。その後、米国国際貿易委員会が105日以内に、契約の経済的な逐条審査を行うことになる。そして当案が下院と上院において審議に付されてから、議会が契約の承認または却下の決定を下すのに最大90日を要することとなる。

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最終更新:2015年10月26日11:56

タイ:TPPへの参加が輸出競争力の鍵と専門家が警鐘(前)

タイがもし環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加しない場合は輸出競争力を失い、特に衣料品産業において打撃が大きく、一方で自動車産業ではその影響は軽微と見られる、と先週の専門家会議において話された。

ある調査によると、衣料・繊維製品、履物及びシーフードの生産者は、タイが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加しない期間が長引けば長引くほど苦しむことになるが、自動車産業は日本の自動車メーカーの数十年にわたる投資のおかげで、存続することが予想されている。

ここ20年間の貿易構想の中で一番大規模な、この世界的な取引協定において、主に米国などの環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加国への輸出シェアを拡大することに取り組んでいる新興国の中で、ベトナムが最もその利益を享受すると広く予想されている。先週の専門家会議において、Thai National Shippers CouncilのNopporn Thepsithar議長は、米国は明らかに、より高付加価値製品に注力し、経済、政治面で米国の直接の競合者とならんとしている中国に代わり、ベトナムをその供給拠点に据えようとしている、と述べた。

彼のこの考えは傾聴に値する。

米国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を、アジア諸国に対するアメリカ製品輸出を後押しする手段と見なしている。Peterson Instituteの報告書によると、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、米国の年間所得を780億米ドル(2兆7500億タイバーツ)向上させると予測している。

米国は現在ベトナムにとって最大の輸出先である。米国通商代表部によると、2013年において、ベトナムは米国にとって20番目に大きい製品供給元であった。2013年、ベトナムからの輸入は前年比22%増の246億米ドルまで増加した。なお、上位の輸入分野は次の通りであった:編物衣料(47億米ドル)、織物衣料(33億米ドル)、履物(29億米ドル)、家具・寝具(26億米ドル)、機械(21億米ドル)

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効した場合、衣料・繊維製品にかかる関税が直ちに削減される。これによりすぐに、ベトナムの製品市場のシェアは高まるであろう。一方でタイ製品は、6.4%から20%を超える関税率が課されたままとなる。

タイ開発研究所(Thailand Development Research Institute/TDRI)によると、タイでは毎年、これらの分野の製品輸出で数億米ドルを稼いできた。

「ベトナムとマレーシアは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から最も利益を得ることになります。彼らの輸出額は大きく、力強い成長を示しています。その成長ペースは今よりも速くなるでしょう。」とタイ開発研究所(TDRI)のDuanden Nikomboriraksリサーチディレクターは述べた。 「タイは、yarn-forwardと呼ばれる、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加メンバーが製品の原材料をその経済圏の中から調達しなければならないとする原産地規則により、この分野でのほとんど(の取引)を失うことになるでしょう。」

タイの衣料・繊維製品のかなりの部分、例えば男性向けニットズボン、女性向けニットパンツの約70%は、米国市場を対象としている。

ハノイにある米国商工会議所(AmCham)のAdam Sitkoff会頭は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)により、ベトナムの国内総生産(GDP)は2020年までに235億米ドル分上乗せされ、2025年までにはその金額が335億米ドルとなる、とベトナムの商工省は予想している、と述べた。主に輸入関税を下げることに焦点を当てた従来の自由貿易協定と違い、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、21世紀の商取引を形成する新基準を設定し、気候変動、団体交渉権、音楽の著作権侵害やオンラインデータの保存方法など、多くの新しい問題に取り組むこととしている。このことは、ベトナムにも取り組み課題をもたらすと予想される。

「衣料・繊維製品、履物、シーフードを含むベトナムの主要な輸出部門は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のもとで大幅な成長が見込まれています。この協定はまた、ベトナムを外国資本にとってより魅力的な投資先とさせ、米国・ベトナム間の貿易は力強く成長し続けることが期待されます。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、より多くの外国資本とビジネスチャンスをもたらし、この協定の条項はベトナムおける改革のプロセスを促進させることになるでしょう。」と彼は述べた。(タイにとっての)良いニュースは、タイの自動車産業が(衣料・繊維産業などと)同じ目には合わないだろう、ということである。

 

(後編につづく)

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最終更新:2015年10月26日05:55

タイ:縫製・製靴企業がベトナムへの投資を加速

タイ企業はベトナムへの投資を加速しており、縫製繊維、製靴産業など自由貿易協定の恩恵が予測される分野に投資が集中している。

近い将来、40社ものタイ企業がベトナムの共同事業者とともに縫製、アパレル原材料、ファッション、皮革等の事業に直接投資を行うことを予定している。

ベトナム投資の優位性として、タイ商務省の国際貿易促進部の代表者はタイが締結している自由貿易協定がいまだ数少ないことを挙げる。

そのため、タイ製品の競争力強化のためには、ベトナムでの投資・開発機会の発掘は非常に重要な意味を持つ。

ベトナムを含む多数の国が自由貿易協定に調印し、関税撤廃に動きつつあることも非常に重要な要素である。

ベトナムを主要投資先として選択すれば、タイ企業も貿易協定による関税率低減というチャンスを最大限に活用することができる。

さらには、ベトナムは豊富な労働力を擁し熟練労働者も多く、特に同国南東部、西部は開発可能な土地も豊富である。

ベトナム繊維協会は、ベトナムとタイには科学技術、消費者の嗜好といった共通点があると話す。

タイ企業は織物、デザインに強みがあるため、ベトナム・タイ両国間の協力で両国ともにアパレル原材料の他地域からの輸入を減らし、製品の付加価値向上と競争力強化が可能となる。

ベトナムは近年数多くの自由貿易協定に調印しており、韓国、日本、中国の多くの縫製企業がベトナムに投資している。

繊維分野でのベトナム・タイ間の協力は2015年末までに設立が予定されるアセアン経済共同体(AEC)の設立準備の面でも非常に重要である。

タイ政府代表者らは両国の産業界の協力体制を強化するのみならず、タイはベトナム人労働者の受け入れ数を現在の5万人から将来的には50万人まで増やしたいと話している。

 

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最終更新:2015年09月23日14:01

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