インドシナニュース

タイ:ジム・トンプソンの家~Thai Silk社のグローバル展開計画(上)

ジム・トンプソン氏がマレーシアのジャングルで消えてから半世紀経った今、このアメリカ人スパイはタイのシルク貴族として伝説となっている。そして映画や本で登場し続けるだけでなく、忽然と姿を消した事件について繰り返し取り上げられたり、新説が提示されたりしている。トラに食べられたのか? CIAや共産党の反勢力に殺害されたのか?あるいは61歳の彼は単に道に迷い、渓谷にでも転落したのか?

その事件は東南アジアで最も謎に満ちたミステリーの一つであるが、同時に彼は最も個性的な人物の一人でもあった。トンプソン氏はタイで有名なアメリカ人美食家であり、素晴らしいアートコレクションを所有し、影響力を持つ友人や団体との交友関係を持っていたことが、グレートギャツビースタイルの名声を彼に授けた。一方で彼は、東南アジアにおけるシルク貿易を復活させた優秀な起業家でもあった。そして今ではこの事業はグローバルへ向かっている。

それは、トンプソン氏の遺産であるThai Silk社を所有するBill & Eric Booth父子のビジョンである。Thai Silk社はタイ全土に30以上の店舗、2600人の従業員、年間売上高で9000万米ドルを誇るタイの企業である。トンプソン氏のバンコクにある邸宅は、池を囲んでいくつかの古い木造住宅が並び、アート作品を展示して、タイで観光客が最も訪れる文化財の1つである有名なジム・トンプソン・ハウスとなっている。

しかしこうしたタイでの成功は、海外にも伝播しているであろうか? Thai Silk社は1999年にシンガポールに海外初の店舗をオープンさせ、2007年にはアジアを超えてドイツに貿易事務所、2013年にパリに1店舗を出店した。そしてアシスタント・マネージングディレクターのEric氏は、アトランタを本拠地にアメリカの事業を立ち上げるのに数年間を費やした。今、彼はこうしたグローバル展開を加速させたいと考えている。「我々はタイで最も有名なブランドのひとつですが、海外では誰も知りません。」と彼は言う。

2016年にBooth父子は事態を変えるために5ヵ年戦略を打ち出し、新しいCEOのGerald Mazzalovo氏を迎えたのである。「ジム・トンプソンは、タイ初のグローバル・ラグジュアリーブランドとなる可能性があります。」と彼は自信を持って述べた。彼は生涯に渡りSalvatore Ferragamo、Loewe、Bally、Robert Clergerieなどのラグジュアリーブランドを経営してきたスペシャリストである。彼は、何十年もの間家族経営であったこのタイ企業にとって、初の外部からのCEOとなる。

タイ国外では、ほとんどの人が向こう見ずな創業者の存在を通じてThai Silkを知っている。デラウェア州グリーンビル出身のトンプソン氏は、プリンストン大学を卒業し、建築家となった。その後第二次世界大戦の間、CIAの前身機関である戦略諜報局(OSS)に勤務した。彼はヨーロッパやアフリカで諜報活動を行った後、タイを日本軍の占領から解放する作戦に従事するためにアジアに送り出された。

その後彼は、戦争終結に伴い組織を離れた。彼はアジアの独立運動支援を主張したが、ワシントンの本部はベトナムなどの反共産主義体制を支持した。組織に幻滅したトンプソンは、織物の商売に従事することを決めた。彼の父親は織物製造者であり、1947年に会社を設立していたためである。しかし彼は、冷戦政策について歯に衣を着せずに批判を続けたので、CIAやその他アジアの同盟グループがベトナム戦争絶頂期のマレーシアで彼を沈黙させたと多くの人々は推測している。

トンプソン氏は1967年3月26日に姿を消したが、子供はいなかった。会社の彼の持ち分は甥に相続され、1973年にトンプソン氏の代理人が死去した後、その甥と他の投資家は当時最高職位にあったBill氏を責任者に任命した。トンプソン氏と同様、Bill氏も米軍からタイに派遣されていた。彼は1959年に軍人としてタイに入り、3年後に除隊となってからバンコクに再度戻った。

トンプソン氏は、大量生産に押されていたこの地域のシルク製織技術を復活させたため、広く尊敬されている。「手織りはここでは絶滅寸前ですが、悲しむべきことに同じことが各所で起きています。」とビエンチャンでLao Textilesを運営し、シルクと織物に関する地域有数の専門家であるCarol Cassidy氏は述べた。「ジム・トンプソンは類まれなるセンスを持っていました。彼は間違いなく、シルクと工芸品の格を上げるのに貢献しました。」

 

(中編につづく)

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最終更新:2018年06月16日13:35

タイ:「弱まった」労働者の権利

最低賃金の引き上げにもかかわらず、労働組合・労働者団体は軍事政権を酷評

51日、タイ全国で労働者がメーデーのイベントに参加し、雇用の不公平や雇用者の権力の減少がタイ労働者の幸せを損なっていると労働権利団体が強調した。プラユット・チャンオーチャー首相は国中の労働者の状況を改善すると約束し、メーデーのプレゼントとして、タイの全労働者の最低賃金を5%引き上げたと語った。

労働者の権利に関する問題は解決しておらず、国家平和秩序評議会(NCPO)による「全体主義」政権が問題をさらに深刻化させていると労働組合主義者は訴えた。タイ労働会議と繊維産業・革細工組合は共同で声明を発表し、軍事政権は今年中に選挙を実施して人民に権力を返還すべきだと訴えかけた。そうすることで自由・平等・友愛と人権の理念の下、労働者の生活は改善し、よりよい社会になるだろうという。共同声明の中では主権が人民のものであると主張され、NCPOは政治、経済、文化に関する力を人民に返すべきだと命じた。政治に関して労働者団体は、今年中の選挙実施、NCPOの指揮権の取り消し、 職場においての労働者の投票権の保証、社会保障制度に対する改正の取り消しなどを求めた。経済に関しては、累進課税徴収の強化や全労働者に対する適正な賃金体系の保証などが求められている。文化面では、教育システムの改正、全人民に対する教育の無償化、十分な社会保障制度、社会保障専門の病院の設立などを労働組合が強調している。

在バンコクアメリカ大使館で平和的なデモが行われている際に、4人の労働権利擁護者が罪状もなく警察に拘留された。逮捕された4人はタイ貧困者連合(AOP)の役員で、ジェネラル・モーター(GM)タイランドの労働者に対する労働権の違反の緩和策を訴えかけていた。GMタイランド労働者組合のリーダーのBoonyuen SukmaiNaruphon Meemuan,、組合コーディネーターのChanchai ThoopmongkolNatin ChaonsriTheyは、公共の場で集会を行うことは禁止されているとして警察に逮捕された。これに対しBoonyuenは、平和的デモンストレーションに関する法的要件に基づきグループは関係当局に2日前に前もって通知を行っていたことを警察に説明していた。また同様に、大使館に対しても彼らの予定を連絡していた。Boonyuenによると、警察は彼らをルンピニ警察署に連行して尋問したうえで、逮捕歴がないかを確認したという。のちに、4人とも罪状なしに解放された。

GMタイランド労働者組合のメンバー約70人が、ワイヤレス・ロードで行われたアメリカ大使館に対する行進に参加していた。行進の目的は、アメリカ政府とGM本社に対して、GMタイランドの労働者116名に対する不当な扱いへの助けを求めることにあった。警察は当初、大使館への行進を認めず、代表者3名だけが嘆願書提出のために大使館に入ることを許可していた。

「タイで行われる捜査をアメリカでも注意深く監視し、GMの子会社による労働権の違反を調査し、ILO条約が順守されていることを確認し、アメリカのGM本社に対してきちんと私たちの嘆願書を提出するよう、アメリカ政府に要請しました。」とBoonyuenは述べた。Boonyuenによると、工場閉鎖時の労働者の保護策が依然としてなく、不当な一時解雇、職場における不公平な扱いなどが横行しているという。

一方、プラユット首相は全労働者に対する愛を語り、最低賃金の引き上げや社会保障制度・退職システムの改正など、これまでにないメーデーのプレゼントを全国の労働者に対して政府が贈ったことを説明した。「どうか我慢強くいてください。労働者は、国の発展の要です。労働者こそが、政府が最も注力している人的資本なのです。」と週次の記者会見でプラユット首相は語った。「すべての人を愛しています。人々の問題は認識していますが、投資、経済、そのほかのことを考慮に入れつつ、問題は徐々に解決していかねばなりません。」予算には限りがあり、労働者の問題を一気に解決することはできないのだと首相は説明した。国は税制面でのメリットや低い最低賃金を保証することで投資を呼び込み、他国との競争を行わなければならず、労働者は政府が直面しているこの状況を理解してほしいと首相は訴えかけた。



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最終更新:2018年05月07日12:03

タイ:繊維を通じて山岳民族に色とりどりの未来を紡ぐ(後)

(前編より)



変容を経て織りなす

長年をかけ、織物はタイ北部にある多くの少数民族の暮らしを変化させてきた。彼らの多くは、桑から作る紙の工房、陶芸工房、コーヒー焙煎工場など、その他のキャリア開発施設も備えているDoi Tung手工芸トレーニングセンターで仕事を見つけてきた。

また一部の民族の人々は、繁栄する繊維産業において起業家になった。そのうちの1人がSuporn Asawaphithakkhiriさんである。

Supornさんは中国雲南省最南端に位置するシーサンパンナ・タイ族自治州で生まれたが、タイを母国としている。この国は彼女に貧困から脱却し、糸と織機で新しい人生を築く機会を与えた。

チェンライのMae Fah Luang大学で社会人教育を受けた時は、若いSupornさんは織り方も、地元の言語の話し方も知らなかった。

「非常に苦しい日々で、毎日泣いていました。」と彼女は言った。

ある日、Supornさんはバンコクでさらに学習する機会を与えられ、Princess Mother宮殿に移り、そこで織物を知った。彼女がチェンライに戻った時には、彼女は服やバッグを織る方法を知っていたため、Doi Tung 開発プロジェクトのために働くことを決めた。

「祖母陛下が私に対し、「学位などよりも経験の方が重要です。」と仰せられた日をまだ覚えています。」

SupornさんはDoi Tung 開発プロジェクトに手織りの織物を提供していたが、後に道路沿いに小さな店を開き、他の製織業者やプロジェクトスタッフの助けを借りて生産を続けるようになった。

今日では彼女のビジネスは、地域の民族による様々な伝統衣装やアクセサリーを提供する大規模な卸売衣料品店に成長した。彼女は地元の職人を雇い、現地市場だけでなく米国や中国にも高品質な商品を供給している。

「経験やスキルもない、まったくのゼロからのスタートであったため、私は自分自身を誇りに思っています。祖母陛下とそのスタッフのおかげで、今では私は生計を立て、人生をより良いものにすることができました。」とこの起業家は述べた。

Doi Tungに戻り、Khamさんは新しく織った布のパターンをチェックしている。彼女はこのプロジェクトに参加して以来、多くの若い女の子が持続可能なキャリアを得て、織り方を教えることで定期的な収入を得るのを支援してきた。

「私はゆっくりと教え、彼女らの手と足を織機の上で導いています。」と彼女は言った。

「以前は私の生活は苦しいものでした。そのため私は彼女らの状況を理解し、過去に私が与えられたように、より良い生活へのチャンスを彼女らに与えたいと思っています。そして私は、力が残されている限り織り続けようと思います。」



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最終更新:2018年04月06日12:04

タイ:繊維を通じて山岳民族に色とりどりの未来を紡ぐ(前)

~タイ北部の少数民族はより明るい未来を切り開くために、製織技術を活用

 

若いタイ人女性にとって、結婚に向けて織り方を学ぶのはおそらく自然なことであった。

「もし織り方を学ばなければ、私と結婚してくれる男性など現れないだろう、と私の母は言っていました。」と50年以上前にチェンライ郊外の村で過ごした幼少期を思い出しながら、Kham Takhamchingさんは言った。

当時タイにあった多くの少数民族同様、Khamさんは道路や電気、清潔な水もないような貧しい小さな村に住んでいた。彼女の村の誰もが生きるのに精いっぱいで、焼畑やアヘン畑で生計を立てていた。

「私は12セントの報酬で、農場で働いていました。」とKhamさんは言った。「当時の村の人々は、ニワトリとブタを育てながら、アヘン、コメ、トウモロコシを栽培することだけしか知りませんでした。」

Khamさんの母親が、いつ娘に織物を覚えるように仕向けたのかは分からないが、彼女の言葉は後に、娘が貧困から脱出し、王室が後援する著名な織物センターにおいて尊敬される教え手になるための大きな助けとなった。

現在3人の母親であるKhamさんは、織物とタイのシーナカリン王太后がご発案された Doi Tung開発プロジェクトの手工芸トレーニングセンターで教えることによって、安定した収入を得ている。

1988年に発足したこのプロジェクトは、Mount Doi Tungの貧しい地域を持続可能で自立した社会に変えることを目的としていた。過去40年間で多くの少数民族が、アヘン畑を林業経済に置き換え、伝統的な織物技術を含む地元の知恵を活用することに成功してきた。

今日では彼らの手織りの織物は、国内外のファッション市場で高い価値を認められている。

「我々は家族を支えるのに十分な収入を得られているため、誰もがとても幸せに暮らしています。」とKhamさんは言った。彼女の背後には広々とした作業場に数十台の糸車と織機が配置され、熟練した職人がカラフルな糸を紡ぎ、美しい織物を織っていた。

もうアヘンを育てる必要などない。

 

繊維を通じた文化

過去、チェンライの少数民族にとって機織りは、収入源というよりも生活様式そのものであった。地域社会の発展に伴い、この伝統的な芸能の目的も変化していった。

Doi Tungトレーニングセンターと別にも、民族の村々では観光向けに製織を行うことを計画している。

「多くの観光客が我々の村を訪れ、伝統的な衣装を買いたいと言います。」と、カレン族のSaengsuri Chalermthiemthongさんは述べた。

「そのことが、我々が販売用に製織を始めた理由です。」

Saengsuriさんによると、彼女らは当時服を買う余裕がなかったため、機織りしていたという。女性はしばしば伝統的な竹製の織機の前に座って、父親、夫、子供のために綿からシャツやズボンを織っていた。開発の波が彼女の村にも到来して観光客が押し寄せると、状況は一変した。

「部族ではそれぞれ異なるパターンを持っています。アカ族の人々は無地の黒い布に刺繍をするのを好みます。カレン族とラフ族の人々は色彩を織り込む傾向がありますが、ラフ族の人々の方がより明るい色を好みます。」と彼女は言った。

「我々は今では独自の織物を通じて、訪問者に文化を示すために織っています。」

 

(後編につづく)



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最終更新:2018年04月06日06:04

バンコク:ファッションウィーク開催中

11回目となる「バンコク国際ファッションウィーク(BIFW)」が今年も開催され、タイ各地のデザイナーが集結する。

 

バンコク最大のファッションウィークBIFW2018321日〜25日にかけて開催され、タイのファッションデザインシーンが披露される。

イベントはSiam Piwat主催で、『One Siamのコンセプトの下、3つの主要ショッピングセンターであるSiam ParagonSiam CenterSiam Discoveryが共催する。このエリアが、長年のタイにおけるファッションの中心地であることは偶然ではない。

タイ国内外の29ブランドのファッションデザイナーが春/2018の最新コレクションを披露する。新進気鋭の若手タイ人デザイナー達は、この機会にファッション業界について詳しく学び、さらには流行発信の素質があることをアピールする。

また、三大ショッピングセンターが参加することも象徴的・歴史的であり、人々の記憶に残るイベントとなるであろう。

世界的なラグジュアリーブランドが集まるSiam Paragonは、旅行客やローカルの人々にとってのファッションの中心的存在である。「イデアポリス」とも称されるSiam Centerにはメジャーなタイ人デザイナーのフラッグシップストアが集結しており、44年以上に渡ってファッション業界を支援してきた。またSiam Discovery The ExploratoriumWorld Retail Awards 2017Store Design of the Yearを受賞しており、タイの小売産業を国際的な水準にまで持ち上げている。

Siam Paragonにはワールドクラスのランナウェイが設置され、タイ国内外のデザイナーの真の可能性が披露される。4日間に渡って開催される本イベント中、Park Paragonランナウェイでは合計11のショーが予定されている。最も注目されているのは、著名英国ブランドPalmer/Hardingのロンドンファッションウィーク2018のプログラムをそっくり持ってくるショーである。Palmer/Hardingはファッション業界の中でも最も注目されているブランドで、斬新なアイディアやそのファッションスタイル、そしてパターンのカッティングテクニックなどで知られている。ファッショニスタの話題性や興奮を表現したVatanika presented by Citiや、Issue presented by Jaguar E-PaceRotsaniyom WHITE LABELASAVA presented by Purraといった、メジャーなタイ人デザイナー達もステージに登場する。

Siam Centerでは、徐々に注目を集めつつある若手タイ人デザイナー向けのステージが設置される。Siam Center1階のAtrium 1ではランナウェイと共に、先述の英国ブランドの設立者が出演する、「Palmer/Hardingとの対話」と題されたトークイベントも予定されている。タイ南部のユニークなローカル・カルチャーにインスピレーションを受けた「F.O.S」(ファッション・オブ・サウスby RMUTSV Srivijaya)でショーは幕を開け、カレッジ・オブ・クリエイティブ・インダストリー・シーナカリンウィロートの学生による「FASH SWU」がそれに続く。

Siam Discoveryには、Palmer/Hardingの春/夏コレクションがロンドンファッションウィークのランナウェイから直に持ち込まれ、さらには世界初となるプレ秋/冬コレクション2018も披露される。



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最終更新:2018年03月23日06:01

タイ:日額最低賃金の7%引き上げの勧告

タイの中央賃金委員会は、同国で最も工業化が進むチョンブリー県、ラヨーン県での日額最低賃金を7%引き上げ、330バーツ(10.33米ドル)とすることを勧告した。

労働省のJarin Chakkaphark事務次官は117日の会合の後メディアに対し、中央賃金委員会がタイ全土77県において、4月からの5-22バーツの賃上げを勧告したと述べた。

バンコクと近隣6県については、委員会は4.8%増の日額325バーツ(10.17米ドル)を勧告した。

この賃上げにより、タイはマレーシアやフィリピンと並び、東南アジアで月額最低賃金が最も高い国のひとつとなる。

東南アジアの生産拠点であるベトナムでは、公定最低賃金は113.61米ドルから165.13米ドルである。世界的な縫製産業の中心地カンボジアの縫製労働者の月額最低賃金は170米ドルである。

賃金委員会の勧告は内閣の承認を得て施行される。委員会は新たな最低賃金は閣議での形式的な承認プロセスを経て、今年4月から施行されるとしている。

タイは世界でも最大規模の自動車輸出国で、特に日本の自動車メーカーにとっては東南アジアにおける製造の中心地である。タイはコメ、エビ、天然ゴム、砂糖の主要輸出国のひとつでもある。



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最終更新:2018年01月23日12:04

タイ:最低賃金引き上げで中小企業は負担を懸念

労働者への新年のお祝いとして、政府は最低賃金の15バーツ以上の増額を予定している。今月末の実施を前に、企業側には中小企業はその負担に耐えられるのかとの懸念が広がる。

タイ商工業雇用者連合のTanit Soratna副会長は、全産業の80%を占める中小企業が最低賃金の15バーツ、あるいは5%増額による負担を負うことになると話す。

5%の賃上げは、今年は1.6%とされるインフレ率を上回っており、特に繊維、食品セクターでは生産コストが上昇するだろうとSoratna副会長は指摘する。

適切な引き上げ額はインフレ率に基づき、企業側が負担できる範囲で決定されるべきだと話す。

最近ミャンマー政府が最低賃金を33%引き上げ4800チャット(115バーツ)とすることを決定したが、それでもタイの最低賃金の方が高いため、ミャンマー人労働者が帰国することにはならないだろうとも指摘する。

一方、タイ労働連帯委員会(TLSC)は全国で最低賃金を360バーツとするよう求めている。Charlie Loisoong会長は、TLSCは最低賃金360バーツを改めて主張したいと話す。

しかし、賃金を同じレベルまたはそれ以上まで引き上げるかは企業次第だとも述べた。

三者が参加する最低賃金委員会は来週中に新たな最低賃金についての協議を行う。地域によっては、引き上げ額は15バーツよりも高くなる可能性があるという。

労働省のJarin Chakkapark事務次官は、タイは過去3年間最低賃金を変えておらず、前回の改定でも30の県で310バーツへと増額されたのみであると指摘した。今回の引き上げ幅は15バーツ以上になるかもしれないが、全国を対象としたものではないとも述べた。



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最終更新:2018年01月12日12:02

タイ:ミャンマーからの移民労働者が結束

国境の町Mae Sodにいる難民は、悪徳な雇用主やタイ当局による強制送還に対し、権利を守るために民族間で結束。

 

Moe Swe氏は1988年にミャンマーのヤンゴン通りで、30年にもおよぶ軍事政権を終わらせることを訴えた数十万人の学生の中の一人であった。しかし軍は武力によって対抗し、活動はすぐに鎮圧されて多くが殺害された。また、生き残った者も逃亡を余儀なくされた。

多くの難民同様Moe Swe氏はタイに渡り、工場や建設現場で不法移民労働者として働き始めた。労働条件は劣悪で、彼はしばしば無賃金で働かされた。きちんとした住居もなかったため、彼は移民局と軍に目を付けられていた避難所に住んでいた。逮捕や国外退去を免れるため、彼はしばしば役人らに賄賂を支払わなければならなかった。

10年も経つと、彼は疲れ果ててしまった。そして1999年に、Moe Swe氏は彼自身のような移住労働者の権利活動のために、Yaung Chi Oo労働組合を設立した。「我々は、雇用主と従業員の間に紛争が起きた際、労働者に対して交渉における助言を与え、仲裁を行っています。」と彼は説明した。「彼らが望むような合意を得られない場合は、我々はプロの法律事務所に支援を求めています。」

タイにいる約300万人の移民労働者のうち、おおよそ3分の2が不法移民である。大多数はミャンマー出身で、少数民族グループと軍との間の長期にわたる紛争によって、こうした難民が際限なく生み出されている。

国境にあるMae Sodの町には、ミャンマー出身の移民労働者が約10万人いるが、彼らは何百もの工場にて、アパレル製造のような労働集約型産業で働いている。

タイの最低賃金は1日15米ドルであるが、ここでの労働者はそれよりはるかに低い給料しか受け取っていないという。正規労働者は1日5米ドルの収入を得ているが、不法移民労働者にはその半分の1日約2.5米ドルしか支払われない。

Moe Swe氏はこの労働組合について、当初誰も真剣に受け止めていなかったと述べた。「地方労働保護福祉局は我々のことをトラブルメーカーと考えていましたが、雇用主と従業員の間の仲介に尽力し続けた結果、今では理解を示すようになりました。」と彼は説明した。

この組織では、労働者のための安全な住居、子供のためのデイケアセンター、および移動診療所などを設立した。また彼らは、雇用主らに対して何件かの提訴を行い、約200人の未払就労者に対する賃金支払いを獲得した。現在では、タイの移民労働者の中で最も尊敬されている団体の1つとなっている。

しかし彼らが直面する課題もまた、より困難なものになってきている。タイのPrayuth首相は、不法移民労働者を強制送還するという決意を示した。 6月に施行された新たな罰則では、雇用主に最高2万5千米ドルの罰金と、労働者には最高5年間の懲役刑が科される可能性がある。

Mae Sodと別に、私は支援団体Arakan Labour CampのリーダーであるAung Aung氏と会った。 Aung Aung氏は、新たな罰則が不法移民労働者に適用されたことで、彼らの状況はこれまで以上に危うくなっていると指摘した。しかし彼は、民族問題がミャンマーを何十年も分断させている一方で、ここの労働者は民族間で団結し、共に権利のために戦っていると誇らしげに私に伝えた。

「私は決して、誰かを犠牲にするようなことを考えたことはありません。」と彼は言った。「ビルマ人だろうと少数民族だろうと、私は人々を助けたいと思います。彼らは我々の助けを信じてやって来ます。もし我々が助けることができない場合でも、他の組織の助けを求めます。」

Aung Aung氏は、2008年にミャンマー西部のラカイン州で起きた戦闘によって脱出した。タイでは縫製工場で6ヶ月間働いたが、助けを得る前は無給であったという。彼の故郷は軍隊に何度も襲われ、紛争地帯となってしまったことに怒りを覚え、彼は長い間、ミャンマーのイスラム教少数民族ロヒンギャを憎んできた。

しかしタイで移民労働者として生活し、労働者の権利を求めて戦う中で、彼の考えは変わってきたという。ようやく辿り着いたこの場所から再び逃げなければならないかもしれない、という新しい危機を前にしては、怒りや憎しみの余地はないとAung Aung氏は言った。

彼はロヒンギャについて、「私は当時、発生した事件について本当に怒りを感じており、彼らを本当に憎んでいました。」と述べた。「しかし怒りは問題を解決するものではないということが分かり、 自分がどう感じたかに囚われるのではなく、身近な問題に集中すべきだと自身に言い聞かせています。」

 

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最終更新:2017年11月10日06:09

タイ:スリン県の企業が「世界初」のシルクジーンズ製品を発表

シルク繊維ブランドReunmaiiが8月28日、同社によると「世界初」のシルク製ジャケットとジーンズを発表した。

8月28日、スリン県Muang地区のReunmaii Baimonの店長Krittika Pakdeeratは、オーガニック藍染のシルク糸と麻の混成繊維で作られた衣類をThong Tharin Hotelで発表した。1987年の設立以来家族経営の同社はスリン県の養蚕地区に拠点を設立し、「黄金シルク」の絹糸製造工場を設立、養蚕業の復興とタイシルク製品の販売促進を行ってきたと。同社は県の商業部と協力の上、輸出用のシルク製品開発も行ってきた。

今年、同社は「シルクジーンズ」を開発した。これは従来の綿デニム製のジーンズと比べて高密度に織られた繊維でできている。展示されたシルクジーンズのジャケットやパンツのサンプルはデニム地のように見えるが、着心地はより柔らかい。Krittikaによると、この生地は同社が試験的に生産したもので、今のところ卸売はしていないという。同社では個別の注文を受け付けており、布地の値段は1メートルあたり2000バーツ(約6600円)以下と見込まれている。

 

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最終更新:2017年09月01日14:25

タイ:織物ファッションショーが開催される

タイ国際芸術工芸支援センター(Sacict)と雑誌L’Officiel Thailandは共同で「織物の街から現代の生活工芸へ」と題したタイ織物のファッションショーを開催した。

先週House on Sathornで開催されたショーは現在のタイ織物のデザインのアイデンティティを反映し、全国的な手工芸データベースを開発することを目的としている。

芸術工芸支援センターのAmpawan Pichalai所長とL’Officielの出版社Kusama Chaiyapornが来賓のApiradi Tantraporn商務大臣を迎えた。

「芸術工芸支援センターの目的は全国手工芸データベースを開発、発展させることに加え、品質、規格面での要求事項を満たすよう手工芸製品のデザインを改良することである。職人の知識を向上するため技術や新しいアイディアを取り入れ、海外市場向けの国内製品の開発にも継続的に取り組みたい」とAmpawan所長は述べた。

「サコンナコーン県の天然の藍染繊維、ウタイタニ県のBaan Rai手織綿製品をはじめとする卓越した技術を持つ5つのコミュニティを選定した。彼らはMae Fah Luang FoundationのデザイナーAjarn Krit Yensudjaiと協力し、美しい現代的なデザインの貴重なコレクションを開発した」

このファッションショーはタイ織物の魅力を伝えるすばらしい機会となるとKusumaは述べた。「すべての織物が一品もので、タイ全国各地の生活様式を反映している。それぞれに特徴的な地域のデザインは創造的で、支援に値する」とKusumaは述べる。

今回の25点のコレクションをデザインしたMae Fah Luang FoundationのデザイナーKrit Yensudjaiは「織物は創造性と大胆さを兼ね備えており、独自でありながら調和性があり、そして現代的でもある」と話した。

ショーにはフランス大使の妻Isabelle Garachon、Nattavut Trivisvavet、MR Mannarumas Yukol Svasti-Xuto、Apisra Lohasiri、Pimthong Wachirakom等の著名人が招待された。

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最終更新:2017年06月22日12:01

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