インドシナニュース

タイ:繊維を通じて山岳民族に色とりどりの未来を紡ぐ(前)

~タイ北部の少数民族はより明るい未来を切り開くために、製織技術を活用

 

若いタイ人女性にとって、結婚に向けて織り方を学ぶのはおそらく自然なことであった。

「もし織り方を学ばなければ、私と結婚してくれる男性など現れないだろう、と私の母は言っていました。」と50年以上前にチェンライ郊外の村で過ごした幼少期を思い出しながら、Kham Takhamchingさんは言った。

当時タイにあった多くの少数民族同様、Khamさんは道路や電気、清潔な水もないような貧しい小さな村に住んでいた。彼女の村の誰もが生きるのに精いっぱいで、焼畑やアヘン畑で生計を立てていた。

「私は12セントの報酬で、農場で働いていました。」とKhamさんは言った。「当時の村の人々は、ニワトリとブタを育てながら、アヘン、コメ、トウモロコシを栽培することだけしか知りませんでした。」

Khamさんの母親が、いつ娘に織物を覚えるように仕向けたのかは分からないが、彼女の言葉は後に、娘が貧困から脱出し、王室が後援する著名な織物センターにおいて尊敬される教え手になるための大きな助けとなった。

現在3人の母親であるKhamさんは、織物とタイのシーナカリン王太后がご発案された Doi Tung開発プロジェクトの手工芸トレーニングセンターで教えることによって、安定した収入を得ている。

1988年に発足したこのプロジェクトは、Mount Doi Tungの貧しい地域を持続可能で自立した社会に変えることを目的としていた。過去40年間で多くの少数民族が、アヘン畑を林業経済に置き換え、伝統的な織物技術を含む地元の知恵を活用することに成功してきた。

今日では彼らの手織りの織物は、国内外のファッション市場で高い価値を認められている。

「我々は家族を支えるのに十分な収入を得られているため、誰もがとても幸せに暮らしています。」とKhamさんは言った。彼女の背後には広々とした作業場に数十台の糸車と織機が配置され、熟練した職人がカラフルな糸を紡ぎ、美しい織物を織っていた。

もうアヘンを育てる必要などない。

 

繊維を通じた文化

過去、チェンライの少数民族にとって機織りは、収入源というよりも生活様式そのものであった。地域社会の発展に伴い、この伝統的な芸能の目的も変化していった。

Doi Tungトレーニングセンターと別にも、民族の村々では観光向けに製織を行うことを計画している。

「多くの観光客が我々の村を訪れ、伝統的な衣装を買いたいと言います。」と、カレン族のSaengsuri Chalermthiemthongさんは述べた。

「そのことが、我々が販売用に製織を始めた理由です。」

Saengsuriさんによると、彼女らは当時服を買う余裕がなかったため、機織りしていたという。女性はしばしば伝統的な竹製の織機の前に座って、父親、夫、子供のために綿からシャツやズボンを織っていた。開発の波が彼女の村にも到来して観光客が押し寄せると、状況は一変した。

「部族ではそれぞれ異なるパターンを持っています。アカ族の人々は無地の黒い布に刺繍をするのを好みます。カレン族とラフ族の人々は色彩を織り込む傾向がありますが、ラフ族の人々の方がより明るい色を好みます。」と彼女は言った。

「我々は今では独自の織物を通じて、訪問者に文化を示すために織っています。」

 

(後編につづく)



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最終更新:2018年04月06日06:04

バンコク:ファッションウィーク開催中

11回目となる「バンコク国際ファッションウィーク(BIFW)」が今年も開催され、タイ各地のデザイナーが集結する。

 

バンコク最大のファッションウィークBIFW2018321日〜25日にかけて開催され、タイのファッションデザインシーンが披露される。

イベントはSiam Piwat主催で、『One Siamのコンセプトの下、3つの主要ショッピングセンターであるSiam ParagonSiam CenterSiam Discoveryが共催する。このエリアが、長年のタイにおけるファッションの中心地であることは偶然ではない。

タイ国内外の29ブランドのファッションデザイナーが春/2018の最新コレクションを披露する。新進気鋭の若手タイ人デザイナー達は、この機会にファッション業界について詳しく学び、さらには流行発信の素質があることをアピールする。

また、三大ショッピングセンターが参加することも象徴的・歴史的であり、人々の記憶に残るイベントとなるであろう。

世界的なラグジュアリーブランドが集まるSiam Paragonは、旅行客やローカルの人々にとってのファッションの中心的存在である。「イデアポリス」とも称されるSiam Centerにはメジャーなタイ人デザイナーのフラッグシップストアが集結しており、44年以上に渡ってファッション業界を支援してきた。またSiam Discovery The ExploratoriumWorld Retail Awards 2017Store Design of the Yearを受賞しており、タイの小売産業を国際的な水準にまで持ち上げている。

Siam Paragonにはワールドクラスのランナウェイが設置され、タイ国内外のデザイナーの真の可能性が披露される。4日間に渡って開催される本イベント中、Park Paragonランナウェイでは合計11のショーが予定されている。最も注目されているのは、著名英国ブランドPalmer/Hardingのロンドンファッションウィーク2018のプログラムをそっくり持ってくるショーである。Palmer/Hardingはファッション業界の中でも最も注目されているブランドで、斬新なアイディアやそのファッションスタイル、そしてパターンのカッティングテクニックなどで知られている。ファッショニスタの話題性や興奮を表現したVatanika presented by Citiや、Issue presented by Jaguar E-PaceRotsaniyom WHITE LABELASAVA presented by Purraといった、メジャーなタイ人デザイナー達もステージに登場する。

Siam Centerでは、徐々に注目を集めつつある若手タイ人デザイナー向けのステージが設置される。Siam Center1階のAtrium 1ではランナウェイと共に、先述の英国ブランドの設立者が出演する、「Palmer/Hardingとの対話」と題されたトークイベントも予定されている。タイ南部のユニークなローカル・カルチャーにインスピレーションを受けた「F.O.S」(ファッション・オブ・サウスby RMUTSV Srivijaya)でショーは幕を開け、カレッジ・オブ・クリエイティブ・インダストリー・シーナカリンウィロートの学生による「FASH SWU」がそれに続く。

Siam Discoveryには、Palmer/Hardingの春/夏コレクションがロンドンファッションウィークのランナウェイから直に持ち込まれ、さらには世界初となるプレ秋/冬コレクション2018も披露される。



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最終更新:2018年03月23日06:01

タイ:日額最低賃金の7%引き上げの勧告

タイの中央賃金委員会は、同国で最も工業化が進むチョンブリー県、ラヨーン県での日額最低賃金を7%引き上げ、330バーツ(10.33米ドル)とすることを勧告した。

労働省のJarin Chakkaphark事務次官は117日の会合の後メディアに対し、中央賃金委員会がタイ全土77県において、4月からの5-22バーツの賃上げを勧告したと述べた。

バンコクと近隣6県については、委員会は4.8%増の日額325バーツ(10.17米ドル)を勧告した。

この賃上げにより、タイはマレーシアやフィリピンと並び、東南アジアで月額最低賃金が最も高い国のひとつとなる。

東南アジアの生産拠点であるベトナムでは、公定最低賃金は113.61米ドルから165.13米ドルである。世界的な縫製産業の中心地カンボジアの縫製労働者の月額最低賃金は170米ドルである。

賃金委員会の勧告は内閣の承認を得て施行される。委員会は新たな最低賃金は閣議での形式的な承認プロセスを経て、今年4月から施行されるとしている。

タイは世界でも最大規模の自動車輸出国で、特に日本の自動車メーカーにとっては東南アジアにおける製造の中心地である。タイはコメ、エビ、天然ゴム、砂糖の主要輸出国のひとつでもある。



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最終更新:2018年01月23日12:04

タイ:最低賃金引き上げで中小企業は負担を懸念

労働者への新年のお祝いとして、政府は最低賃金の15バーツ以上の増額を予定している。今月末の実施を前に、企業側には中小企業はその負担に耐えられるのかとの懸念が広がる。

タイ商工業雇用者連合のTanit Soratna副会長は、全産業の80%を占める中小企業が最低賃金の15バーツ、あるいは5%増額による負担を負うことになると話す。

5%の賃上げは、今年は1.6%とされるインフレ率を上回っており、特に繊維、食品セクターでは生産コストが上昇するだろうとSoratna副会長は指摘する。

適切な引き上げ額はインフレ率に基づき、企業側が負担できる範囲で決定されるべきだと話す。

最近ミャンマー政府が最低賃金を33%引き上げ4800チャット(115バーツ)とすることを決定したが、それでもタイの最低賃金の方が高いため、ミャンマー人労働者が帰国することにはならないだろうとも指摘する。

一方、タイ労働連帯委員会(TLSC)は全国で最低賃金を360バーツとするよう求めている。Charlie Loisoong会長は、TLSCは最低賃金360バーツを改めて主張したいと話す。

しかし、賃金を同じレベルまたはそれ以上まで引き上げるかは企業次第だとも述べた。

三者が参加する最低賃金委員会は来週中に新たな最低賃金についての協議を行う。地域によっては、引き上げ額は15バーツよりも高くなる可能性があるという。

労働省のJarin Chakkapark事務次官は、タイは過去3年間最低賃金を変えておらず、前回の改定でも30の県で310バーツへと増額されたのみであると指摘した。今回の引き上げ幅は15バーツ以上になるかもしれないが、全国を対象としたものではないとも述べた。



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最終更新:2018年01月12日12:02

タイ:ミャンマーからの移民労働者が結束

国境の町Mae Sodにいる難民は、悪徳な雇用主やタイ当局による強制送還に対し、権利を守るために民族間で結束。

 

Moe Swe氏は1988年にミャンマーのヤンゴン通りで、30年にもおよぶ軍事政権を終わらせることを訴えた数十万人の学生の中の一人であった。しかし軍は武力によって対抗し、活動はすぐに鎮圧されて多くが殺害された。また、生き残った者も逃亡を余儀なくされた。

多くの難民同様Moe Swe氏はタイに渡り、工場や建設現場で不法移民労働者として働き始めた。労働条件は劣悪で、彼はしばしば無賃金で働かされた。きちんとした住居もなかったため、彼は移民局と軍に目を付けられていた避難所に住んでいた。逮捕や国外退去を免れるため、彼はしばしば役人らに賄賂を支払わなければならなかった。

10年も経つと、彼は疲れ果ててしまった。そして1999年に、Moe Swe氏は彼自身のような移住労働者の権利活動のために、Yaung Chi Oo労働組合を設立した。「我々は、雇用主と従業員の間に紛争が起きた際、労働者に対して交渉における助言を与え、仲裁を行っています。」と彼は説明した。「彼らが望むような合意を得られない場合は、我々はプロの法律事務所に支援を求めています。」

タイにいる約300万人の移民労働者のうち、おおよそ3分の2が不法移民である。大多数はミャンマー出身で、少数民族グループと軍との間の長期にわたる紛争によって、こうした難民が際限なく生み出されている。

国境にあるMae Sodの町には、ミャンマー出身の移民労働者が約10万人いるが、彼らは何百もの工場にて、アパレル製造のような労働集約型産業で働いている。

タイの最低賃金は1日15米ドルであるが、ここでの労働者はそれよりはるかに低い給料しか受け取っていないという。正規労働者は1日5米ドルの収入を得ているが、不法移民労働者にはその半分の1日約2.5米ドルしか支払われない。

Moe Swe氏はこの労働組合について、当初誰も真剣に受け止めていなかったと述べた。「地方労働保護福祉局は我々のことをトラブルメーカーと考えていましたが、雇用主と従業員の間の仲介に尽力し続けた結果、今では理解を示すようになりました。」と彼は説明した。

この組織では、労働者のための安全な住居、子供のためのデイケアセンター、および移動診療所などを設立した。また彼らは、雇用主らに対して何件かの提訴を行い、約200人の未払就労者に対する賃金支払いを獲得した。現在では、タイの移民労働者の中で最も尊敬されている団体の1つとなっている。

しかし彼らが直面する課題もまた、より困難なものになってきている。タイのPrayuth首相は、不法移民労働者を強制送還するという決意を示した。 6月に施行された新たな罰則では、雇用主に最高2万5千米ドルの罰金と、労働者には最高5年間の懲役刑が科される可能性がある。

Mae Sodと別に、私は支援団体Arakan Labour CampのリーダーであるAung Aung氏と会った。 Aung Aung氏は、新たな罰則が不法移民労働者に適用されたことで、彼らの状況はこれまで以上に危うくなっていると指摘した。しかし彼は、民族問題がミャンマーを何十年も分断させている一方で、ここの労働者は民族間で団結し、共に権利のために戦っていると誇らしげに私に伝えた。

「私は決して、誰かを犠牲にするようなことを考えたことはありません。」と彼は言った。「ビルマ人だろうと少数民族だろうと、私は人々を助けたいと思います。彼らは我々の助けを信じてやって来ます。もし我々が助けることができない場合でも、他の組織の助けを求めます。」

Aung Aung氏は、2008年にミャンマー西部のラカイン州で起きた戦闘によって脱出した。タイでは縫製工場で6ヶ月間働いたが、助けを得る前は無給であったという。彼の故郷は軍隊に何度も襲われ、紛争地帯となってしまったことに怒りを覚え、彼は長い間、ミャンマーのイスラム教少数民族ロヒンギャを憎んできた。

しかしタイで移民労働者として生活し、労働者の権利を求めて戦う中で、彼の考えは変わってきたという。ようやく辿り着いたこの場所から再び逃げなければならないかもしれない、という新しい危機を前にしては、怒りや憎しみの余地はないとAung Aung氏は言った。

彼はロヒンギャについて、「私は当時、発生した事件について本当に怒りを感じており、彼らを本当に憎んでいました。」と述べた。「しかし怒りは問題を解決するものではないということが分かり、 自分がどう感じたかに囚われるのではなく、身近な問題に集中すべきだと自身に言い聞かせています。」

 

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最終更新:2017年11月10日06:09

タイ:スリン県の企業が「世界初」のシルクジーンズ製品を発表

シルク繊維ブランドReunmaiiが8月28日、同社によると「世界初」のシルク製ジャケットとジーンズを発表した。

8月28日、スリン県Muang地区のReunmaii Baimonの店長Krittika Pakdeeratは、オーガニック藍染のシルク糸と麻の混成繊維で作られた衣類をThong Tharin Hotelで発表した。1987年の設立以来家族経営の同社はスリン県の養蚕地区に拠点を設立し、「黄金シルク」の絹糸製造工場を設立、養蚕業の復興とタイシルク製品の販売促進を行ってきたと。同社は県の商業部と協力の上、輸出用のシルク製品開発も行ってきた。

今年、同社は「シルクジーンズ」を開発した。これは従来の綿デニム製のジーンズと比べて高密度に織られた繊維でできている。展示されたシルクジーンズのジャケットやパンツのサンプルはデニム地のように見えるが、着心地はより柔らかい。Krittikaによると、この生地は同社が試験的に生産したもので、今のところ卸売はしていないという。同社では個別の注文を受け付けており、布地の値段は1メートルあたり2000バーツ(約6600円)以下と見込まれている。

 

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最終更新:2017年09月01日14:25

タイ:織物ファッションショーが開催される

タイ国際芸術工芸支援センター(Sacict)と雑誌L’Officiel Thailandは共同で「織物の街から現代の生活工芸へ」と題したタイ織物のファッションショーを開催した。

先週House on Sathornで開催されたショーは現在のタイ織物のデザインのアイデンティティを反映し、全国的な手工芸データベースを開発することを目的としている。

芸術工芸支援センターのAmpawan Pichalai所長とL’Officielの出版社Kusama Chaiyapornが来賓のApiradi Tantraporn商務大臣を迎えた。

「芸術工芸支援センターの目的は全国手工芸データベースを開発、発展させることに加え、品質、規格面での要求事項を満たすよう手工芸製品のデザインを改良することである。職人の知識を向上するため技術や新しいアイディアを取り入れ、海外市場向けの国内製品の開発にも継続的に取り組みたい」とAmpawan所長は述べた。

「サコンナコーン県の天然の藍染繊維、ウタイタニ県のBaan Rai手織綿製品をはじめとする卓越した技術を持つ5つのコミュニティを選定した。彼らはMae Fah Luang FoundationのデザイナーAjarn Krit Yensudjaiと協力し、美しい現代的なデザインの貴重なコレクションを開発した」

このファッションショーはタイ織物の魅力を伝えるすばらしい機会となるとKusumaは述べた。「すべての織物が一品もので、タイ全国各地の生活様式を反映している。それぞれに特徴的な地域のデザインは創造的で、支援に値する」とKusumaは述べる。

今回の25点のコレクションをデザインしたMae Fah Luang FoundationのデザイナーKrit Yensudjaiは「織物は創造性と大胆さを兼ね備えており、独自でありながら調和性があり、そして現代的でもある」と話した。

ショーにはフランス大使の妻Isabelle Garachon、Nattavut Trivisvavet、MR Mannarumas Yukol Svasti-Xuto、Apisra Lohasiri、Pimthong Wachirakom等の著名人が招待された。

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最終更新:2017年06月22日12:01

タイ:労働者らが破産工場に補償金支払を要求

縫製労働者らは解雇補償金支払に6ヵ月かかるという見通しに怒り

 

Samut Sakhonにある縫製工場を解雇された労働者らは、先月倒産した縫製会社が解雇補償金を6ヵ月以内に支払うと発表したことから、元経営者に対して支払いを早めるよう求めた。

Samut SakhonのKrathum Baen地区にあるBritish-Thai Synthetic Textile社で働いていた107人の労働者は、会社が経営危機を理由に操業を停止することを事前通達なしに発表した際、大きな衝撃を受けた。

同社は3月1日に操業を停止し、タイ人85人とミャンマー人22人の労働者を即日解雇した。

会社は法律で定められた解雇報酬を支払うと約束したが、10月1日を初回として8ヵ月の分割払いにするとの内容であった。

提示された長い受給待ち時間では生活が困難になるため、この条件は低所得労働者からの反発を招いた。

「6カ月も待たなければならないなんて。今は仕事も蓄えもないのに。」とある労働者は言った。

「いったいどうやってこれから先6ヶ月間食べていけばいいのでしょうか?支払いの期日が到来しても解雇補償金を受け取れるかどうか、確証もありません。」と、またある労働者は匿名を条件にバンコクポスト紙に述べた。

British-Thai Synthetic Textile社労働組合のリーダーであるNipa Mongphetch氏によると、同社は2月末の3日間、すべての労働者を停職扱いとし、3月1日に仕事に戻るように指示したという。

労働者らが仕事に戻ると工場の門は閉鎖されており、会社は操業を終了したという発表を確認できただけであった、と彼女は言った。

「すべての労働者は苦境を強いられています。彼らは仕事を失った上、まだ報酬も受け取っていません。金銭報酬を受け取るのに6ヵ月間もの待機時間があるのは長すぎるし不当です。」と彼女は続けた。

解雇された労働者の多くは現在40代から50代であるため他の工場が彼らを採用する可能性は低く、また彼らのスキルは縫製作業のみであるため、他の産業で仕事を見つけることも難しいであろう、とNipa氏は言った。

Nipa氏と労働者らは最近、労働大臣であるSirichai Distakul氏に、補償金の支払いを早めるよう会社と話をしてほしいと訴えた。

彼らはまた労働者福祉基金に対し、労働者らを支援するために基金から迅速な資金の支払いをするよう求めた。

労働者はそれぞれ、この基金から約2万タイバーツの援助を受ける資格があり、基金は支払いの後、経営者からこの援助資金を回収することになるとNipa氏は述べた。

Nipa氏は現在52歳で、この会社に34年間勤務していたが、労働者らは速やかな解雇補償金支払いを怠ったとし、会社に対して法的措置を講じるよう警察にも訴状を提出したと明らかにした。

2~30年間会社に勤務した労働者は、それぞれ約10万タイバーツの報酬を受ける権利が付与されている。

一方で3年かそれ以上の勤務歴の労働者については、約1万タイバーツ程度しか支払われないだろうとNipa氏は言った。

そして労働者の1日当たり賃金は315〜341タイバーツであったと彼女は続けた。

1972年に創設されたBritish-Thai Synthetic Textile社は破産宣告を受け、その資産は凍結されたが、この会社は1997年のアジア通貨危機以来経営難に陥っていたとNipa氏は言った。

流動性の問題によって同社では資金不足の状況にあり、期日通りに賃金を支払うことができなくなっていた、と彼女は述べた。

同社の経理部は、同社は破産宣告を受けて管財人の管理下にあり、債権者である銀行が資産の所有者となったことを明らかにした。

こうした状況において同社では労働者を支援する方法を模索しているものの、労働者に対して何の保証もできないとした。

しかし労働協議会のManas Kosol会長は、従業員の退職や雇用終了時には経営者は解雇報酬を支払うことが法的に求められていると述べた。

Manas氏は、一部の経営者は解雇補償金を分割払いとしたり、支払いを遅延したりする傾向があると指摘した。

Manas氏はまた労働組合指導者の必要性や、従業員の労働権について教育し、解雇された労働者を支援するための基金を協力して設立するなど、対策の重要性について強調した。

労働権学者のSakdina Chatkul na Ayutthaya氏は、報酬をできるだけ早く支払うよう労働省が会社に命じなければならないと指摘した。

また労働省は、こうした労働者が新しい仕事に必要なスキルをトレーニングすることを支援し、彼らの興味や能力に見合った新しい仕事を見つけるのをサポートしなければならないと続けた。

Samut Sakhonの労働福祉と保護を担当するCharanchai Korsripitakkul氏は会社に対し、30日以内に約1000万タイバーツの報酬を労働者に支払うよう命じたと述べた。

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最終更新:2017年05月05日06:00

タイ:パーカオマーの成功(後)

(前編より)

 

Linda氏は、自身のデザインのために購入しようとした素材について、織機で働いていた職人のおばさん達と話をした。彼女はこれまで特に海外のバイヤーからの注文を確保することに専念してきたが、今では彼女は職人の女性らに仕事を依頼している。

作品への献身とコミットメントはLalaloveの奇抜なロゴに表現されている楽しみの一つの要素である。Linda氏は長年の友人であるイラストレーターのHatairat "Oh Futong" Charoenchaichanaさんを彼女の旅行仲間、兼スタジオ・デザインナーに採用した。

糸を染色して布を織るまでパーカオマーの制作工程のあらゆる面を職人と共に探求することで、彼女らは職人と個人的な話を楽しむようになった。製織職人らも生活の中で毎日パーカオマーを着用しており、その赤ちゃんの世代もチェックのリネンで同じようにくるまれて育っている。

「国際ファッションショーのランウェイ向けにデザインする際は、サロンで着用するようなパーカオマーをウエストや頭に巻いたりする使い方はしません。布地にペイントし、手作業で刺繍するなど、魅力を与えるためにより繊細な作業を施しますが、こうしたことはほとんどの村で実際に行われていることです。」とLinda氏は言った。

彼女は、パーカオマーが鮮やかな色合いと魅力的なパターンを持つものの、海外のファッションショーで発表するにはあまりファッショナブルとは言えない布地であり、一種のチャレンジであったことを認めた。彼女は「Play」と銘打ったコレクションの中で、パーカオマーを Lalalove twistと表現して、それを達成した。

この「Play」というコレクション名は、古いパーカオマーの切れ端を使って子供たちが遊ぶ古典的なゲームを見た際、Linda氏が受けたインスピレーションによって名づけられた。Mon Son Paでは子どもたちが円形に座り、背中の後ろで布を隠し渡しながら歌を歌い、歌が終わった時に布を持っていた者が負けというゲームがある。

Hatairatさんが漫画のゾウ、ワニ、クマ、猿がこのゲームを楽しむシーンを手描きでデザインし、ジャンパー、Tシャツ、レギンス、ボンバージャケット、フリルドレスなど人気のLalaloveの作品を彩っている。こうした図柄は、Lalaloveの衣服に比類ない若さと遊び心を与えている。

「パーカオマーは、喜び、勇気、活力、ずっと続く良い気分を表現しています。そして色使いはそのユニークな特徴の1つとなっています。」とLinda氏は言った。「ですから私はコレクションによって大事に色を使い分けています。中間色、甘いパステル調、鮮やかな色合いの作品が提供されているのでが、興味深いことに最も売れているのは鮮やかなものです。」

パーカオマーの各作品は田舎の職人によって手作業で染色、手織りされているが、こうした多くの職人は、タイの織物や繊維工芸品を復活、保存していこうと生涯ご尽力された女王陛下による生きた賜物である。

「我々はタイの職人技を受け継いでいくことにも力を入れており、この素晴らしい布地を通して顧客と製織職人との間で価値観や様々な機会を共有して頂くことを使命としています。すべての作品には繊維の種類と生産地を示すタグが付いており、公正なビジネス慣行に従って、各工程が確実にルール通り実行されていることを保証するよう努めています。」とLinda氏は言った。

「ファッション市場におけるパーカオマーの未来について、私は確実に将来有望であると思います。」と彼女は続けた。「この布地を織っている村は400以上ありますが、私はまだ10未満の村のものしか取り扱っていません。ですがこれだけの数の村であっても、私にかなり多くのことをもたらしてくれています。」

「私たちに足りなかったのは、忍耐強く、製織職人がどのようにビジネスを行うのかを学ぶことでした。彼女らは材料を購入したらすぐに、商品を生産して現金で受け取ることを好みます。」と彼女は笑った。「私は発注をした後お金を送金する準備をしていましたが、職人のおばさんは既にすべての作品を工場に現金で売ってしまったということもありました。それはこうした村の多くは郵便局から遠く離れているためなのです。」

「こうしたことから私が学んだのは、自分を世界の中心と考えてはいけないということです。我々は自分のエゴを捨て、皆に親切にしなければなりません。パーカオマーは手織り作品であり、アーティスト作品であることがその本当の魅力なのです。」

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最終更新:2017年04月16日06:01

タイ:パーカオマーの成功(前)

世界ファッション業界がタイの質素な織物を心待ちに?

アパレルブランドLalaloveのデザイナーであるLinda Charoenlab氏は最近、一般にパーカオマー(pha khao ma)として知られる質素な巻き布で、東京でかなりの関心を集めることに成功した。

渋谷ヒカリエホールで開催されたAmazon Fashion Week Tokyoにおいて、この伝統的なチェック柄の農家の万能布が国際的な注目を集めた。

ロンドンに本拠地を置くLinda氏は、キュートからストリート・ファンキー系ファッションまで、斬新なデザインの幅広いラインナップで、あざやかな色彩のパーカオマーを発表した。

London College of Fashionを卒業した彼女は、ロンドンで有名なPortobello Roadマーケットで販売したオーガニックコットンのTシャツに始まり、その大胆で奇抜なアイデアによって海外で名声を上げてきた。

彼女は後にOxford通りのTop Shop店に商品を出して、自らのブランドを立ち上げる自信を強めた。Lalalove は2009年に設立されたが、ベルリンからバンコクまで多くのファンを集め、現在3つの姉妹ブランドが作られるほど急速に発展した。

Lalalove Londonは会社の起源となった場所の近くにまだ存在する。Lalalove Worldのスイムウェアは好評を博しており、Lalaloveはユニセックスに着こなすことができる。

Linda氏はバンコクのSiam CenterとEmporiumに店舗を構えているが、彼女の最新のコンセプトである「Lalalove x Pakaoma」によって、タイでごくありふれた布地であるパーカオマーが世界の注目を浴びている。

このコレクションでは鮮やかな色彩とパーカオマー独特のチェック柄パターンを用い、様々な場面での活用を提案している。

伝統的にパーカオマーは赤ちゃんをくるんであやす、ゆっくりした午後はハンモックにする、濡れた体を拭く、頭にターバン巻きにする、防寒具にする、ズボンを吊るなど、多くの使い方で活用されてきた。それを織ることはまた、農閑期の農家のためのちょっとした収入源になっている。

一般的にパーカオマーは、腰の周りをしっかりと結ぶのに十分な約72インチの幅で、膝のすぐ下まで隠れる30インチの長さがあり、タイのあらゆる場所で手織りされている。その生産地は、使用されている独特の色合い、模様、製織技術によって推測することができる。

サイズ、デザイン、色合いのバリエーションが増えると共に、奇抜なアイデアや革新的な使用法に対応するためにパーカオマーは昔から目覚しい進化を遂げてきた。

Pracharat Rak Samakee、タイ内務省の地域開発部とThai Beverage社が協賛する「伝統的なPakaomaの手工芸品」キャンペーンの一環として、Linda氏とチームはタイ中を旅し、この布地の地方における歴史や色彩のルーツ、デザインなどについて聞き取り調査を行った。

彼らが調査したコミュニティでは、それぞれ異なる特徴を持つパーカオマーがあった。彼女らはSakon Nakhon県にあるGudjit、Wang Yao、Sra Kaew県 にあるPon Swan、Parchuab Khiri Khan県にあるKhao Tao、Chiang Rai県にあるBan San Luangを訪問した。

 

(後編へつづく)

 

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最終更新:2017年04月15日22:01

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