インドシナニュース

ベトナム:地方政府、外資系繊維・縫製プロジェクトの受け入れを制限

ベトナムでは、外資系の繊維・縫製プロジェクトが「利益よりも損失の方が大きい」という理由から、以前ほど多くの省で受け入れられなくなったという。

ナムディン省当局の報告によると、同当局では、すでに32件の外資系繊維・縫製プロジェクトに認可を与えているという。最近では中国企業の投資プロジェクトが4件認可され、このうち2件が繊維・染色プロジェクトだった。これら2件のプロジェクトは、Thien Nam Sunrise社とYulun Vietnam社によるものである。

ナムディン省計画投資局のDo Ngoc Hoa副局長の話では、Luenthai社およびSanshui Jialida社という別の中国企業もまた、ベトナム繊維公団(Vinatex)と提携して、繊維・縫製企業向けに開発中のRang Dong工業団地で4億米ドル規模のプロジェクトに乗り出しているという。

だが繊維・縫製プロジェクトは、ナムディン省では歓迎されているが、別の省では認可されない場合があるという。

例えば南部のバリア・ブンタウ省、ドンナイ省、ビンズン省や、北部のハイズン省などでは、同分野のプロジェクトの受け入れを制限している。また一部の情報によると、省によっては、同分野を条件付きのビジネス分野としてリストに追加しようと検討中だという。

ドンナイ省計画投資局のBo Ngoc Thu局長は、繊維・縫製プロジェクトの認可に条件を課し、当該プロジェクトが工業団地内にあり、かつ投資家が廃水処理の条件を満たした場合に限り承認すると述べた。

一方でビンズン省計画投資局のMai Hung Dung局長は、同省には縫製工場はあるが繊維・染色工場はないと話した。理由として「繊維・縫製プロジェクトの開発は、地元に与える付加価値よりも環境に与える損失の方が大きいため」としている。

ハイズン省では最近、繊維・縫製プロジェクトの受け入れについて「見直し」を行い、同分野を含む6つのビジネス分野に対して、外国直接投資の呼び込みを一時停止する決定をした。

一方で同省にとって重要なビジネス分野においては、41件のプロジェクトに対して投資の受け入れを促している。これには例えば、6件の工業・建設プロジェクト、2件の輸送サービスプロジェクト、7件の医療・教育プロジェクトなどが挙げられる。

あるアナリストは、ベトナムは実際、外資系プロジェクトの認可に際してプロジェクトを「選ぶ」ようになったとの見解を示している。資金の豊富な省ほど、繊維・縫製産業のような労働集約型で付加価値の低い産業に対して「ノー」という傾向が高まっている。また各種自由貿易協定の締結に先立ち、海外投資家はベトナムに押し寄せ、繊維・縫製工場を建設していると説明した。

著名なエコノミスト、Pham Chi Lan氏は、繊維・縫製工場への投資が過剰になれば供給も過剰になるため、マイナスの結果をもたらす可能性があると指摘した。

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2015年03月17日06:00

ベトナム人デザイナーLan Huong、ドイツで伝統的なアオザイを披露

1月27日にベルリンで開かれたベトナム-ドイツ外交関係修復40周年を記念式典にて、ハノイのデザイナーLan Huongが手刺繍の施されたシルクスカーフとともにアオザイの最新コレクションを披露した。

コレクションではベトナムの伝統シルクに手刺繍の柄が施された手作りのアオザイ50点が紹介された。

また、Lan Huongは最新のシルクスカーフのコレクションも披露。手作りスカーフは200名以上の職人の手で作られ、最近開催されたベトナム国際ファッション週間でも紹介された。

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2015年02月05日14:02

ベトナム:繊維産業プロジェクト、今後の受け入れに慎重さ呼びかけ

ベトナムでは、地元当局に対して、繊維産業プロジェクトにおいては今後、慎重に検討したうえで海外投資家を呼び込むべきとの声が高まっている。さもないと、将来的に問題を抱える可能性があるからだ。

ベトナムは近年、繊維産業プロジェクトの海外投資家、なかでも中国の投資家にとって理想的な投資先となっている。

中国系企業による投資プロジェクトでは最近認可されたばかりの4つのプロジェクトがあり、このうち2つは繊維・染色事業である。事業主はそれぞれThien Nam Sunrise社とYulun Vietnam社で、後者が投資許可証を受け取ったのは昨年3月のことだった。

一方で、国家工業団地発展プログラムの対象となったナムディン省Nghia Hung区のRang Dong工業団地は、中国系企業のLuenthai社とSanshui Jialida社、およびベトナムのVinatex投資株式会社がその開発に当たった。

著名な経済学者Pham Chi Lan氏は、最近ビンズーン省を訪れた際当局から聞いた話として、同省にはこれまで200件にも及ぶ繊維産業プロジェクトの登録申請があったという。これに伴い地元当局は、特に繊維産業プロジェクトに向けた工業団地の建設を急ぐようになった。

だがLan氏の見解では、地元当局はプロジェクトの登録数に制限を設けるべきだとしている。というのも、1つの産業に過剰なほどのプロジェクトが集中し、それによって投資家が環境保護の責任を果たせなくなった場合、結果として地元政府や住民が大きな財政負担を負うことになるからである。この件についてLan氏は「環境問題の解決にはコストがかかります。地元政府にとっては耐え難いほどの負担でしょう」と述べた。

あるフリーのアナリストによると、ベトナムにはすでに「十分過ぎるほどの」繊維産業プロジェクトが存在しているという。だがベトナムは、繊維・アパレル産業に投資家を呼び込みたいと考えているわけではない。理由としては、同産業には最先端の技術が導入されておらず、環境問題の懸念もあるからだ。同アナリストは「ベトナムにとって今は、海外投資家を呼び込むタイミングではありません。また投資家を選ぶ際は、これまで以上に慎重になる必要があります」と持論を展開した。

ドンナイ省計画投資局のBo Ngoc Thu局長によれば、地元当局は環境問題について十分に認識しているという。従って繊維・アパレル産業は「条件付き」産業にリストアップされており、投資家が許可証の発行を認められるのは、廃水処理の条件を満たしたときだけだと話した。

だがThu局長は、すでに十分な数のプロジェクトが進行しているが、だからと言ってすべてのプロジェクトを拒否するわけではないという。そしてその理由を「プロジェクトの受け入れを全面的に禁止すれば、多くの原材料が国内で調達できなくなるからです」と説明した。また「全面的に禁止した場合、ベトナムは永久に原料調達を海外企業に頼らなければならず、同時に国産品の比率も上がらないでしょう」と補足した。

 

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2015年01月22日14:00

ベトナム:受注増も利益は得られず

海外企業からの受注が急速に増えているが、投入材料価格の高騰によりベトナム企業はほとんど利益増を期待できないと言う。

香港上海銀行(HSBC)は、先月ベトナムの製造業購買担当者指数(PMI)は51から52.1ポイントに上昇したと報告している。

HSBCは11月の外国パートナーからの受注数が3回連続で増加したと報告し、ベトナムの人件費は中国に比べ低いため、ベトナムに多くの受注が入っているとコメントした。

統計総局(GSO)によると、今年11月までの輸出売上高は前年同期比13.7%増で1370億米ドルに達した。

主要製品の輸出もよく、衣料品輸出は192億米ドル(18.2%増)、履物92億米ドル(23%増)、魚介類73億米ドル(20%増)、木製家具56米億ドルもたらした。

ホーチミン市民芸•木材加工協会(Hawa)副会長Dang Quoc Hung氏は、米国と欧州からの受注が絶え間なく入ってきていると発表し、外国輸入業者らは中国での人件費が高いため、中国の代わりにベトナム企業に発注していると言及した。

衣類•履物企業らも大量受注を報告している。Asia - Europe Shoes Company副社長Huynh Dang Tung氏は、2015年3月までの仕事を確保するのに十分な受注があることを明らかにした。

ベトナム皮革履物協会(Lefaso)の関係者は、2014年の履物輸出売上高120億ドルも実現可能であると言及した。

 

低い利益率

ベトナム企業はたくさんの受注を得ているが、自分らの幸せは「不完全」であると言う。

Hung氏は、投入材料の大幅な増加のせいで利益は少ないと述べた。

「ヨーロッパの輸入業者と連絡を取り大きな交渉をしましたが、注文は受けていません。投入材料価格は上昇傾向にあるのに輸出価格はそのままです。輸出するほど我々が受ける損失は大きくなることが予測できます。」と彼は言った。

ベトナム繊維協会(Vitas)副会長Pham Xuan Hong氏は、衣料品は自由貿易協定(FTA)の恩恵を一番受けている産業であり、衣料品企業の利益が縮小していると述べた。

ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)事務局長Truong Dinh Hoe氏は、困難な最新開発期間の後、水産業会社は生産と輸出の拡大に消極的だったが、リスクを避けるためにできる範囲内でやろうとしていると述べた。

 

 

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年12月18日08:40

ベトナム:現地アパレル各社、海外企業との戦いに備える

ベトナムのアパレル企業は現在、海外企業に国内市場のシェアを奪われるのではないかと不安を抱いている。と言うのも、多くの海外企業がベトナムに殺到し、各種自由貿易協定(FTA)の恩恵を最大限に活用しようとしているからだ。

ベトナム企業のなかでも特にアパレル企業は、環太平洋経済連携協定(TPP)の恩恵を最も受けるビジネスだと考えられている。こうしたなかTPP交渉は現在、最終局面を迎えているが、多くの企業が交渉は成立しないものとみている。

ベトナム繊維協会(Vitas)のPham Xuan Hong副会長によれば、アパレル企業が懸念しているのは、外国投資が繊維産業に「押し寄せて」いることだという。一方、中国の投資家については、ベトナムで繊維・染色工場だけでなく衣料品工場までも建設しようとしているとし、「このままでは、国内企業が倒産に瀕する可能性がある。我が国が海外投資家に期待しているのは繊維・染色工場の建設であって、衣料品工場ではない。既存の衣料品工場は生産能力も高く、何の問題もないからだ」と述べた。

Garmex Saigon社のLe Quang社長は、海外投資家らがベトナムに工場を建設し、原材料の供給など、自社の工場間でのみ取引を行えば、海外発注の取り合いをしているようなベトナム企業よりも、はるかに高い利益を得られるものとみている。またこの場合、資金や技術の面で不利なベトナム企業は、戦いの単なる「こま」でしかなく勝ち目はないとし、各種FTAのメリットも十分に受けられなくなる可能性があると付け加えた。

Phong Phu Textile株式会社のPham Xuan Trinh社長によれば、深刻な資金不足に陥っているベトナム企業にとって、海外企業が導入しているような2~3億ドルもの生産ラインを備えるのは、ほとんどの企業が不可能だという。

あるアナリストによると、ベトナムがTPPの恩恵を最大限に享受できるのは、国内の繊維・染色産業へ外国直接投資を呼び込むことができた場合だけだという。この場合、“原糸基準”の原則が、国の主要産業である繊維・衣料品産業に適用されるからだ。だが一方で、こうした投資家らをオープンに受け入れチャンスを与え過ぎても、TPPのメリットを受けられなくなる可能性が出てくると述べた。

こうした状況下、ベトナムの企業らは依然としてどう対処すべきなのか悩んでいるという。Thang Loi Garment JSC 社のNgo Duc Hoa社長は、成長産業である原材料の分野に資本投下すべきかどうか決めかねている企業が多いと話す。また「繊維製品の工場や染色工場を建設するには数千億ドンの建設費が必要になる。一方でベトナム製繊維がこの先、外国製のものや海外企業が製造したものと競合していけるかどうかはまだ分からない」と話した。

首都ハノイを拠点とするあるアパレル企業の社長によれば、同社ではある繊維工場を開発し、既存のアパレル工場に対して繊維を供給する計画を策定しているが、実行するかどうかについては検討中だという。そして「判断が難しい。われわれに海外からの注文を請け負うだけの能力があるのかどうか分からないからだ。だが実行するとなれば、成功の保証はないが、多額の投資を行うつもりだ」と述べた。

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年11月26日06:00

海外投資家、ベトナム繊維衣料産業への投資に加速

ベトナムの衣料産業では、約20の海外企業が過去10カ月間で何億ドルもの投資を行っている。

10月上旬、香港のTAL Group社はハイズン省Dai An工業団地に、6億ドル規模の工場を建設する認可を取得した。稼働後は、繊維製造、編立、染色を行っていく。同社がベトナム衣料産業に投資を始めたのは2004年のこと。投資先となったタイビン省の工場では、米国向け製品を製造している。

またシンガポールのTAL Apparel Limited社は4日、ベトナム北部ヴィンフック省当局から投資証明書の発給を受け、Binh Xuyen地区のBa Thien 2工業団地に5000万ドル規模の繊維工場を建設する認可を得た。このプロジェクトはこれまで同省が承認した海外投資案件のなかでは最大のもので、稼働後は3500人の雇用を創出し、年間400億ドンの利益を国家予算にもたらすと想定されている。竣工は2015年9月の予定。

さらにナムディン省では以前、中国系企業・江蘇裕綸紡織集団に対して、Bao Minh工業団地で6800万ドル規模の繊維・製織・染色事業に着工する案件を認可した。操業開始は2016年半ばの予定である。

一方ベトナム南部では、台湾系および香港系企業による繊維衣料産業への投資活動が盛んになっている。

10月上旬、香港のHaputex開発会社とベトナムのViet Huong投資開発株式会社は、1億2000万ドルを投じてビンズーン省に合弁事業会社を設立した。会社名をNam Phuong Textile Limited社と称し、製織を専門としている。操業開始予定は2016年初頭で、3000人の従業員を雇用する。年間生産量の予測を生地9600万メートル、繊維1万5000トン、衣料品1000万着としており、主に米国およびヨーロッパ向けに出荷する。

加えて、ホーチミン市の南東Cu Chi工業団地では、海外企業2社が合計約2億ドルを投じ、2つの案件を進めている。

Worldon Vietnam社は1億4000万ドルの投資で、年間8000万着の高級衣料を製造する工場を設立している。工場の竣工は2015年6月の予定。

またSheico Vietnam社が建設しているのは5000万ドル規模の繊維製織と衣料品製造の工場で、竣工は今月の予定としている。

海外企業による投資は工場建設だけではない。ベトナム企業と提携関係を結んだり、その株式を購入したりする企業も多い。

Nikkei Asian Review誌はこのほど、伊藤忠商事によるベトナム繊維公団(Vinatex)の株式取得を報じた。同社は近日中にもVinatex株式の約5%(約10億円)を取得し、非金融企業かつ大企業として初のベトナム国営企業の株主となる。この件についてはTuoi Tre紙もVinatexのTran Quang Nghi社長にインタビューを行い、事実関係を確認している。それによると伊藤忠商事は、Vinatexの株式を、戦略的投資としてではなく公開買付によって取得したという。

ベトナム国営繊維最大手のVinatexは現在、国内で200件の工場を操業しているが、そのうち約30件が伊藤忠商事との業務提携下にあり、衣料の縫製に携わっている。一方、伊藤忠商事は現在、ベトナムで約100社の繊維企業と取引関係にある。原材料の調達から縫製まで取引内容は多岐にわたり、また製造した製品はスーツやシャツを中心に、日本、米国、ヨーロッパなどに出荷されている。ベトナム繊維産業では最大の日系企業だ。

ベトナム有数の大企業、Phong Phu社もまた、多くの海外企業を惹きつけてやまない。4月下旬、同社と日本の廣瀬商会は業務契約を締結し、合弁事業会社Linen Supply Services Company Ltd(LSS)の設立を発表した。新会社では今後、綿タオルやまくら、ブランケット、カーテンといった繊維製品を製造するほか、ホーチミン市とその近郊の5つ星ホテルや高級アパートに対して質の高いランドリー・サービスを提供していく。

工場はベトナム南部ドンナイ省のGiang Dien工業団地に位置し、初期の投資額は合計約300万ドル。建物は3168平米で、内部には日本から輸入した最新設備を備える。同工場の1日あたりの洗濯能力は18トンだが、第2段階ではその能力を50トンまで引き上げ、主にホーチミン市とその近郊にサービスを提供していく。一方、製造の中心となる製品は、テーブル・クロスや制服、病院向けの製品などである。

廣瀬商会の廣瀬慶太朗社長は、ベトナムでの合弁事業会社設立について、Phong Phu社や同国の繊維産業と今後、長期的な関係を築いていきたいとしている。また首都ハノイやダナン、ニャチャンで投資の実証分析を行い、将来的にはベトナム全土にわたり新会社の認知度を高めたいと述べた。

ベトナム計画投資省によれば、繊維産業に投資する対越海外直接投資(FDI)企業の数は、急速に増加しているという。今年だけでも、約20の新規案件がFDI企業によって提起され、各自治体の承認を受けた。

だがベトナム繊維協会(Vitas)は、産業内でFDI企業と国内企業とに格差が生じることに懸念を示している。Vitasのある職員は、同産業でのFDI企業の数は少ないが、その規模は非常に大きいと話す。同産業の年間総輸出額は約200億ドルだが、そのうち約120億ドルがFDI企業によるものだ。

Phong Phu社社長Pham Xuan Trinh氏は、繊維衣料産業に外国資本の流入が増加している背景には、環太平洋経済連携協定(TPP)への期待によるものではないかとの見方を示している。

中国への投資は現在、困難に直面しているが、その一方でベトナムへの投資は有望視されるようになった。だがこれは国内の企業にとっては、大きな悩みの種でもある。

だがVitas副会長Pham Xuan Hong氏は、こうした状況を絶好のチャンスとみており、国内企業が自社技術を開発したり、安価な原材料を入手したりする良い機会になればと考えている。

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年11月12日06:00

ベトナム繊維衣料産業、生産方式の改革へ

ベトナムの繊維衣料産業が、世界有数のアパレル生産国としてその地位を保持するため、生産方式の改革に取り組んでいる。こうした動きは、環太平洋経済連携協定(TPP)参加によって得られるメリットを踏まえたもので、同時に世界の地域貿易圏と締結したその他の貿易協定も視野に入れている。

ベトナム繊維公団(Vinatex)会長Le Tien Truong氏によれば、長年、委託製造に携わってきた結果企業は、製造、経営、労働の面で多くの経験を得たという。またこうした企業がFOB(製品販売)契約での輸出やODM(委託元ブランドで設計から製造まで請け負うこと)事業にシフトする場合、これまで培ってきた経験が役立つと考えている。

これに伴いVinatexもまた、できるだけ早急にODM方式を導入しようとしている。ODMにシフトすれば、染色、生地製造、縫製といった一連の業務を統合的に行うことができるほか、ビジネスの有効度指標の改善にもつながる。併せてオペレーションの見直しと改善も行い、国内外の市場で生産目標の達成を目指す。

Hung Yen縫製株式会社取締役会長Nguyen Xuan Duong氏は、ODM方式での生産を可能にするには、染色、生地製造、縫製など各当該部門が、同じレベルで発展していかなければならないと話す。

一方、問題となっているのは、繊維衣料産業が「製品開発」「マーケティング」「サプライ・チェーン統合」の3つの分野で、知識や経験を有していないことだ。ODM事業を進めるにあたり、企業は特にマーケティングを中心に、これらの弱みを克服していかなければならない。またターゲットを明確にするほか、素材産業の開発計画を策定する必要もある。

ベトナム商工省によると、同国の衣料品輸出は今年1~9月、前年比19%増の180億米ドルを達成した。輸入額は110億米ドルで、この結果、貿易黒字は62億米ドルとなった。

だがベトナム繊維協会(VITAS)会長Dang Phuong Dung女史は、輸出額の大きさの割に、付加価値のある製品はごくわずかだと話す。

原因として、同産業が輸入原材料に依存していることが挙げられる。例えば綿を例に挙げると、国内で供給できるのは総需要のわずか1%で、繊維産業が必要とする量の20.2%しかまかなえない。

同産業では年間600万の繊維束を生産できるが、品質基準の基準値を下回る製品が多く、実際に使用できるのはそのわずか30%のみである。

Dung女史によれば、グローバル・サプライ・チェーンの利用は「受動的」とみなされるという。ベトナムの繊維衣料産業が携わっているのは主に委託製造で、製品を設計・デザインする者はほとんどいない。よって委託製造を行う企業もまた、市場ニーズを探り市場の拡大を図ることにおいて「受動的」だと話す。

Ho Thi Kim Thoa商工副大臣は、アパレル業界における近年の世界的な傾向について、サプライ・チェーン構築におけるソリューション・パッケージの導入や電子商取引を挙げ、ベトナムにとってはどちらも依然として課題の領域にあると述べた。

こうした状況に伴い、ベトナム商工省は昨年4月、2020~30年にかけて実施する繊維衣料産業の開発計画を承認した。同計画では、繊維衣料産業を主要な輸出産業へ押し上げることを目指すほか、国内需要の高まりに対応し、より多くの雇用を創出し、競争力を高め、地域経済および国際経済にしっかりと融合していくことを目標としている。

過去数年にわたり、繊維衣料産業は、投資環境の改善、特恵制度の適用、協力支援の拡大、資本の呼び込みなどに必死に取り組んできた。Thoa商工副大臣は、ベトナムが欧州連合(EU)やユーラシア関税同盟(ロシア、ベラルーシ、カザフスタンとの間で結成された同盟)と締結したそれぞれの自由貿易協定やTPPは、同産業が今後、世界市場への進出を促進する際、大きなチャンスとなって役立つだろうと述べた。

 

 

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年11月10日06:00

ベトナム:ホーチミン市の縫製工場、受注状況に明暗—一部受注減も

ホーチミン市の中小アパレル縫製工場の多くが今年、予想を大幅に下回る50~60%の注文しか受けていないという。また現時点で第4四半期(10~12月)の注文を受けている企業も、ほとんどいないのが現状だ。

ホーチミン市・織物・衣料・刺繍・編物協会のPham Xuan Hong会長は、現在、会員企業の多くが、注文を待ち続けている状態だと話す。また「昨年の今ごろまでには、既に半数以上の企業が、年間生産計画の8~9割を完了していた。それに引き換え今年は、まだたったの2.5~3割ほど」と続けた。

海外のアパレル輸入業者の多くは現在、発注先として、生産コストの安価なカンボジアやバングラデシュ、ミャンマーを選定している。と言うのも、ベトナムでの生産コストは、これらの国と比較すると5割増になるからだ。

一方、技術的な面で顧客の要求に応えてくれるというメリットから、ベトナムを好む輸入業者もいる。だが実際には、原材料の投入に多大な費用がかかることから、こうしたメリットが、必ずしも高い利益につながるわけではない。

ある大手アパレル企業の社長の話では、同社が今年下半期(7~12月)に受けている注文の数は、前年同期比で30%減だという。また「注文数は減少傾向にあり、特にヨーロッパからの発注が減ってきている。ここ数カ月の利益では、従業員の給与を支払うのがやっと。こうした注文数の減少は、環太平洋経済連携協定(TPP)妥結の遅れも一因なのでは」と続けた。

Dai Tay Duong社社長Pham Xuan Trang氏もまた、第3四半期(7~9月)と第4四半期(10~12月)の受注数が減少していることに懸念を示し、同時に、過去数カ月の利益についても相当の減少がみられることを指摘した。

一方、Garmex Saigon社会長Le Quang Hung氏によれば、同社が受けた今年上半期(1~6月)の注文は、前年同期比の20%増だったという。また来年5月までの発注も、既に大量に受けていると話す。同社はこれまで従業員の数を増やして、こうした受注に対応してきた。Hung氏はこの状況について「弊社では、ジャケットとスポーツウェアの製造に特化しており、それが注文を受けやすい理由になっているのだろう」と推測している。

あるアナリストは、ベトナムは今なお、アパレル生産拠点として重要な国ではあるが、輸入業者らは最近、彼らにとってメリットのある契約で、ベトナムの製造業者と業務提携を結ぶ傾向にあると批評した。

また「証券投資」誌の報道によれば、過去に、ある英国の輸入業者が在英ベトナム大使館に問合せを入れ、1カ月に20万着の洋服を納入することのできる、ベトナムのアパレル製造業者を紹介して欲しいと依頼したことがあったという。

ランニングウェアで有名な英国ブランドのロンヒルもまた、スポーツウェアを製造することのできるベトナム企業を探しており、製造されたスポーツウェアはヨーロッパ市場で展開するとしている。

 

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年08月07日10:42

ベトナム:繊維大手各社「チャイナ・プラス・ワン」で脱中国依存へ向かう

ベトナムの繊維・アパレル企業が、同国最大の原材料供給国である中国からの脱依存を目指して、「チャイナ・プラス・ワン」政策を推進している。

「チャイナ・プラス・ワン」は、過去何年にもわたって日本の投資家が進めてきた戦略でもある。原材料の供給で主導権を握ろうとしているベトナムの繊維・アパレル企業は、こうした日本の先例に倣おうとしている。

同産業において、これまでのところ少なくとも5社の大手企業が、脱中国依存への取り組みを公言してきた。これらの企業には、Thanh Cong繊維、Garmex Saigon社、Gia Dinh繊維、Saigon 2社、およびSaigon 3社が挙げられる。

このうちThanh Cong繊維については、ベトナムが環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟した場合、輸出において非関税特恵の適用を受けることのできる数少ない企業の1つである。TPPでは、原糸原則とともに、加盟国から調達した原材料で製品の製造を行う企業に対してのみ特恵関税を適用することになっている。

ベトナムにはユニット生産方式を導入している企業が2社あるが、同社はそのうちの1社としても知られている。原材料で輸入に頼っているものは繊維製造に必要な綿のみで、50%は米国から、残りの50%はTPP加盟国によるもの。同社会長Phan Thi Hue女史は、「原材料の供給で主導権を握るのは間違いなく当社」だと言う。

一方、Gia Dinh繊維、Saigon 2社、Saigon 3社、Garmex Saigon社の4社は依然として、原材料の調達を中国に大きく依存している。だが今後は、その使用量を減らすよう努める方針だ。

製品の販売を海外のパートナー企業にのみ委託しているGarmex Saigon社は現在、FOBで出荷する、輸出向け製品の製造に注力している。同社上級管理者によれば、2011年までは原材料の70%を輸入に頼っていたが、現在では50%にまで減少しており、今後も引き続き減らしていく見通しだという。また同社会長Le Quang Hung氏は、「当社は2年前、ある米企業を説得してパートナーとなり、ベトナム製繊維で作られた製品の販売委託に成功した」と話し、「それ以来当社では100万平米の繊維を購入してきたが、調達先はベトナム国内だ」と続けた。

Gia Dinh繊維もまた、FOB出荷の輸出向け製品で成功した企業である。

同社はこのほど紡績工場の建設に4000億ドンを投資したが、今後はシャツやスポーツTシャツなどを製造する国内の企業に対して、綿繊維を供給する計画だ。

一方、Saigon 2社およびSaigon 3社は、繊維の調達を国内でまかなおうとしてきた企業の先駆けである。Saigon 2社は現在、Vung Tau市にある日本企業が出資した企業数社から繊維を購入しており、Saigon 3社については、中国産原材料の使用量を20%にまで減らすことに成功した。

だがアナリストらの見解では、ベトナムの繊維・アパレル企業に対して、短期的な視点で脱中国依存を期待するのは無謀であるとし、段階的なアプローチが必要だとしている。

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年07月16日11:29

ベトナム:Vinatex、IPOに向け準備

ベトナム繊維公団(Vinatex)は依然として、新規株式公開(IPO)成功に向け、周囲のプレッシャーを受けている状態だ。

上場申請が承認され、Vinatexは今月22日、ホーチミン証券取引所へIPOを果たす見通しとなった。売り出し株数は保有株式5億株のうち約1億2200万株で、額面価格1万ドン(0.47米ドル)で公開入札を行う。

ベトナムでは近年、国有企業によるIPOが相次いでいるが、これらの企業では公開株が大量に売れ残ったままだ。

VinatexによるIPOの実施後、国は、資本金5兆ドン(2億3470万米ドル)のうち51%を保有する。さらに0.6%にあたる約300万株を従業員の持ち株とし、24%にあたる1億2000万株は戦略的パートナーが保有する。

公開当初の株価は1株あたり1万1000ドン(0.49米ドル)で、IPOにより総額約1兆2200億ドン(5800万米ドル)が調達されるとみられている。

「昨日の会議で、わが社の戦略的パートナーに対しVinatexへの投資の機会について説明したが、最終合意には至らなかった」とVinatex副社長 Le Tien Truong氏は話す。

一方、Vinatex社長Tran Quang Nghi氏によれば、3年後には上場を目指す考えだ。

だが例えば、環太平洋経済連携協定(TPP)の早期妥結など有利な条件が整えば、こうした上場は、より早い段階、場合によっては1、2年のうちに実施される可能性もある。

証券部門における行政処分を定めた「法令第108号(2013年11月発効)」によれば、IPOを実施した企業は、その後1年以内に上場しなければならないという決まりがあり、1年を超えた場合には、最大1億5000万ドン(7140米ドル)の罰金が科される。

だが一方で、IPOを実施した企業や、上場資格要件を満たしていない企業にとって有利な条件を生む策として、国家証券委員会は先週、未上場株式登録システム(UpCoM)市場への登録を認める草案を公表した。

Vinatexは、輸出売上高において、2015年までに36億ドル、さらに2020年までには50億ドルにまで達するものと予測されている。

今月25日には、ベトナム植物油工業総公社(Vocarimex)社もまた、IPOを実施する予定だ。

同社の計画によれば、資本金31.1%にあたる約3790万株を売り出し株数とし、1株あたり1万1300ドン(0.49米ドル)で公開入札を行う。

これにより、国は資本金の36%、戦略的パートナーについては32%相当の3900万株を保有することとなっている。

 

» 続きを読む

ベトナム ジャンル:
最終更新:2014年07月09日10:02

このページのトップへ戻る