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ベトナム: TPP発効後のベトナム繊維・アパレル産業(後)

(前編より)

 

アパレル市場におけるM&Aの増加

ベトナムの繊維・アパレル産業における合併・買収(M&A)案件は、自由貿易協定、特にTPPによる利益を享受するために増加している、と専門家は述べている。

ホーチミン市繊維・衣料・刺繍協会(AGTEK)によると、その資本力の限界により、地元企業が受注増加に対応することができないため、国内の繊維・衣料品分野における合併・買収の流れが起きている。

ベトナム繊維協会(Vitas)のPham Xuan Hong副会長は、中・大規模の企業は安定した生産、ビジネスを展開しているものの、小規模企業はビジネスにおける多くの問題に直面している、と指摘した。そのため最近では、多くの小規模繊維・衣料品会社が、その作業場や設備を売却し、他の分野にビジネスを乗り換えている。

またいくつかの地元企業は所有する工場の一部を、TPPによる利益を享受するためにベトナムにおける輸出向け製品の加工・生産システムを開拓してきた中国企業を含む、外国投資家に売却している。

ハノイ工業・繊維・衣料品・ファッション大学の元学長であるNguyen Van Hoan氏は、外国投資家によるベトナムでの生産拡大に際して、いくつかの省や市が環境汚染に関して懸念を示し、繊維・衣料品部門に対する外国投資を制限しているため、困難な状況に陥っている、と指摘した。

このことが、外国投資家が既に生産ラインや従業員を抱える地元の繊維・衣料品企業を買収することを後押ししている。

計画投資省においても、繊維、織物製品や染色プロジェクトがしばしば環境問題を引き起こしているため、直轄の管理事務所において繊維・衣料品製造プロジェクトにおける投資ライセンスを発行する際に慎重に申請内容を見極めている、とvnexpress.netが報じた。

そのため一部の投資家は、現地パートナーから工場を買収している。

2015年ベトナムは30の繊維・衣料品プロジェクトに投資ライセンスを発行したが、この業界に対する外国投資は、今後も引き続き増加していくことが予想される。

2016年には、インド・ベトナム政府間の経済協力の一環として、インド政府が拠出する3億米ドルの一部がベトナムの繊維・衣料品向け原材料生産プロジェクトへ投資される予定となっている。

 

TPP発効後におけるベトナムのビジネスと課題

繊維・衣料品部門はTPPから最も恩恵を受ける産業の一つと見られている。

業界関係者によると、ベトナムの繊維・衣料品の対TPP加盟国への輸出売上高は、今後倍増すると予想されている。

TPP交渉に参加して、ベトナムはTPP加盟国におけるアパレルや履物需要増加を取り込むことにより、多くの利益を獲得したいと考えている。

米国市場はベトナム衣料の最大の輸入国であるが、これが良い実例である。TPPが発効すると、ベトナムのアパレル製品の関税は、現在の17.5%からほぼゼロになる。

専門家らは、TPPによりベトナムの繊維・衣料品の米国向け輸出は、2025年までに550億米ドルにまで達するだろう、と予測している。

「税関」紙によると、米国のファッション産業協会のJulia K Hughes会長が、TPP発効後は多くの米国企業がTPP加盟国の中からその調達ソースを進んで開拓することになるだろう、と述べた。

ベトナムは新規ビジネスを引き寄せる能力で最高位にランクされているため、この新しいビジネスチャンスを利用するべきだ、とHughes氏はアドバイスした。

しかし専門家らは、地元企業がTPPによってもたらされるビジネスチャンスを有効に活用するのはそう簡単ではない、と述べた。

「ヤーンフォワード」ルールとして知られるTPPによる取り決めの一つは、他のTPP加盟国へアパレル製品を輸出する際、地元産、もしくは他のTPP加盟国から調達された原材料を使用することを求めている。

TPP発効後は、ベトナムのアパレル輸出業者がTPPのもたらす低関税の恩恵を享受しようとするならば、表向きはもはや従来の調達先から原材料を輸入することができないということを意味する。

専門家らによるとベトナムのアパレル業界がTPPの求める原産国規則に適合するには、この業界が前もって巨額の資本を準備し技術的な投資を行わなければならないことを意味しており、その対応が難しいことについて時折懸念を示している。

 

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最終更新:2016年03月11日14:01

ベトナム: TPP発効後のベトナム繊維・アパレル産業(前)

ベトナムの繊維・アパレル産業は多くの巨大な外国直接投資プロジェクトを惹き付けており、投資家らは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のビジネスチャンスを活用するために、ベトナムに工場を建設したいと考えている。

TPPが承認された後、日本のアパレル企業はベトナムで増産し始めた。

Nikkei Asian Review誌によると、ベトナムの競争優位性は世界の輸出ハブとなるべく強化されてきており、日本も含め外国資本にとって魅力的なものとなっている。

そのためベトナムの多くのメーカーでは、ベトナムも加盟するTPP発効後はより強い引き合いがあることを期待している。

専門家らは、TPPによりベトナムにおける生産や輸出が後押しされ、米国との海運貿易が増加するだろうと述べている。

アパレル会社にとってベトナムの熟練労働者は、その労働コストがバングラデシュやミャンマーと比較して高くとも、一種の強みとなっている。

昨年開催されたベトナム日本投資貿易推進フォーラムにおける講演において、経団連(日本経済団体連合会)の専務理事である椋田哲史氏は、2014年末時点で日本企業はベトナムに対して総額373億米ドルもの投資を行っており、ベトナムに投資する国の中で二番目に多い水準となっている、と述べた。

ホーチミン市は、日本企業にとってベトナムにおける最も重要な投資先であり、(日本企業の)765拠点もがここで稼動している。

椋田氏は「ベトナムはアセアン市場へ向かう日本の玄関口と考えられています。」と述べ、2015年末までのアセアン経済共同体の設立により、グローバルサプライチェーン戦略におけるビジネス拠点としてのベトナムの役割が高まることになるだろう、とした。

Nikkei Asian Review誌によると、合成繊維メーカーであるクラレ傘下で、大阪に本社がある商社のクラレトレーディング社は今年、ベトナム中部最大の都市であるダナンの関連会社に、スポーツウェアの生産ラインを導入するために3億円(251万米ドル)を投じる。

この会社では、日本から輸入した生地を使用してスポーツウェアを生産し、米国向けに製品を輸出することとしており、これによりこの会社の縫製作業におけるベトナムでの生産の割合は、現在の55%から60%以上となる。

クラレトレーディングはまた、ベトナム最大の都市ホーチミン市において、織物や染色などの繊維生産に対する数十億円規模の投資を検討している。

別の日本企業である伊藤忠は、TPPの議論が熱を帯びる以前から、ベトナムでのプレゼンスを確立してきた。 2014年に同社は、毎月50万メートルもの生産能力を持つ織布工場をベトナムに設立した。

日本の繊維メーカーである東レは最近、蝶理と協力し、ホーチミン市にある縫製拠点での増産を進めている。東レでは、ホーチミン市の工場をグループの主要生産拠点に位置付ける計画とし、蝶理がその完成品を米国やその他の市場へ出荷する役割を担う。

日本の紡績業者であるシキボウは、中国の縫製工場での生産を縮小し、ベトナムの合弁工場での生産を増加させる。同社では間もなくこのベトナム工場において、寝具用生地の生産を開始する予定としている。

2015年には繊維・衣料品分野において、多くの巨大な外国投資プロジェクトが認可され、実行に移された。

ビンズン省は、台湾のFar Easternグループ傘下のPolytex Far Eastern社が、2億7400万米ドル規模の衣料品プロジェクトに着手するのに投資ライセンスを与えた。

この工場はBau Bang工業地区に99ヘクタールを占め、アパレル部門向けのサポート製品を生産する。

この工場では、年間4万3200トンのポリエステル、1億2700万平方メートルの編地、9600万平方メートルの綿織物の生産能力を持つよう設計されている。

Far Easternグループではプロジェクトの第2フェーズにおいて、7億から10億米ドルを追加投資する計画としている。

ドンナイ省は、Nhon Trach 5工業地帯で産業用繊維を生産するために6億6000万米ドルを投じるHyosung Istanbul Tekstil社プロジェクトを承認した。

このプロジェクトはトルコで登録されているが、実際の投資家は韓国のHyosungグループである。Hyosungベトナム社は、既に9億9500万米ドル以上の資本投資を登記しており、ドンナイ省の繊維・衣料品部門においてよく知られた存在となっている。

香港のWorldonベトナム社はまた、ホーチミン市のアパレル部門で、3億米ドル規模のプロジェクトを実行する承認を得た。このプロジェクトはクチ県のDong Nam工業地区で、50ヘクタール以上を占めている。

巨大な繊維・衣料品プロジェクトにより、ベトナムの製造・加工部門は、2015年上半期で過去最高となる41億8000万米ドルもの新規FDIを受付け、この期間における総FDI承認額の76.2%を占めている。

 

(後編へつづく)

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最終更新:2016年03月11日11:16

ベトナム:南部の企業が旧正月休暇明けの労働者確保に悪戦苦闘

ホーチミン市とその他南部にある省では、テト(旧正月)明けにアパレル、フットウェア、木材加工や電子機器などの産業において何千もの労働者を必要とする。

ドンナイ省の労働傷病兵社会部門によると、500社以上の企業がテト明けに総計3万人以上の労働者を雇用しようとしている、とした。このうち、外資系企業(FDI)では、2万5000人の従業員を求めている。

雇用需要はアパレル、フットウェア、木材加工の分野で強く、Taekwang Vina社, Changshinベトナム社、Pousungベトナム社を含む多くの企業で500人以上の労働者を雇用しようとしている。

今年の雇用需要は昨年と比較して約30%の増加が見込まれる、とドンナイ省労働傷病兵社会部門のPham Van Cong副局長は述べた。

ドンナイ省雇用サービスセンターのHuynh Ngoc Long所長は、企業の雇用需要を満たすために、当センターで2月25日に今年最初のジョブフェアを開催することを決めたという。

Long所長は、南部の雇用需給の逼迫は、北部および中部出身の出稼ぎ労働者が自宅近くの工業団地で働くことを望み、(南部の)労働力が減少しているためと考えている。彼は、労働者らは年の初めに転職する傾向があるが、各社事業拡大のために労働者を新たに採用しようとしているようだ、と述べた。彼の経験によると、企業では4月に新規受注を受けることが多いためである。

南部ビンズン省では今年、110社以上の企業がその需要増に応えるために、約2万人の労働者を採用するとしている。

地方労働連合のBui Thanh Nhan副会長は、ほとんどの企業において89%以上の労働者が休暇から職場復帰し、火曜日に操業を再開したと述べた。

ビンズオン省の労働傷病兵社会部門によると、今年テト休暇のために帰郷した労働者の数は、例年より減少したようだ。

昨年はテト休暇により15万人も帰郷したのに対し、今年は約10万人と推定されており、そのため省の労働市場は休暇終了後も落ち着いている、とのことである。

ホーチミン市人材需要予測・労働市場情報センターのTran Anh Tuan副センター長は、ホーチミン市にある企業は、テト休暇後に1万9000人の従業員を新規採用する必要がある、と述べた。

この1万9000人の雇用のうち、30%はパートタイムや季節雇用であり、そのほとんどが、マーケティング、販売、観光サービス、家事労働、接客、建設、その他分野への従事者である。

Tan Binh 工業団地にあるTien Loi縫製会社のNguyen Thanh Hung社長は、旧正月を祝うため帰郷する従業員のために無料バスを出し、休日後に従業員に仕事に戻ってもらうためにボーナスを支給したものの、結果的にたった70%の従業員しか仕事に戻らず、同社の生産は悪影響を受けた、と述べた。

また、同社では大型の契約を履行するのにさらに50人の労働者を必要としているが、まだ雇用できていないことを明らかにした。

休日前後に支払われた手当てのおかげで今年は約85%の労働者が仕事に復帰し、ホーチミン市の休暇後の労働者不足は例年と比較して緩和されているようである。

旧正月休暇後の労働力不足は、従業員離職者数の3~4%、総雇用者数の6~8%の割合を占めると推定される、とTuan副センター長は述べた。

 

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最終更新:2016年02月24日09:18

ベトナム:女性経営者ら、ウォルマートの方針の恩恵に期待

ウォルマートは世界中の女性経営者の企業から240億米ドル相当の商品を調達する計画だ。

ウォルマートはまだベトナムに小売りチェーンを展開していないが、ベトナムで卸売業者を探すため事務所を開設した。

Tran Thi Van Loan氏が所有するナマズの輸出企業であるCuu Long An Giangは2004年に従来の信頼していた市場が縮小した際に大きな問題に直面した。

「救済策はもう何も無いと感じました。しかしそのままただ待つことはせず、アフリカ、南米、アジア含む馴染みの無い市場にも注文を取りに行きました」と彼女は語った。

And Cuu Long An Giang社は最終的にようやくメキシコから注文を取り付け、これが同社に国内にウォルマートチェーンを浸透させるきっかけを与えた。

Loan氏はそれから生産規模を改善するための多額の投資を行い、米国を拠点とする小売店であるウォルマートはベトナムから直接商品を調達していなかったため、以降メキシコのウォルマートにナマズ製品を調達し続けた。

Cuu Long An Giangは研修会、財政状態、サプライチェーンの保障、社会的責任に関する試験を経て2014年にはじめて米国に直接製品を販売できるようになった。

8年前にウォルマートの卸売りとなる前、Thuan Phuong Garment and Embroidery Companyは主に韓国向けの外注を請け負っていた。しかしThuan Phuongの経営者らは外注を中止し、自社ブランドの製品の輸出を行うことを決めた。

2008年にThuan Phuongの代表が中国のウォルマート事務所を訪れ交渉を行い、後にウォルマートチェーンに参加した。

Thuan Phuongは初年に20万点の商品の注文を満たしたが注文は年々増加している。今や年間300万-500万点の商品を提供しているが、増えつつある需要にこたえるためにロンアン省にさらに2か所の工場建設を計画している。

Thuan Phuongの副本部長Nguyen Hoai Anh氏はウォルマートと提携することはたやすいことではないと語る。市場調査を徹底的に行い、巨大な小売業者の要件を満たすための生産規模の設計や仕上げが十分に大きい閉ざされた生産チェーンを作る必要があった。

ウォルマートのグローバルソーシング担当のJocelyn Tran氏は女性が経営する企業、もしくは女性労働者が多数を占める企業から商品を調達することを優先すると述べた。

これを受け、ウォルマートのKara Valikai氏はウォルマートの購買客の多くは女性だと語った。

またおよそ2000社のベトナム企業がウォルマートに製品を納入することができるだろうと述べた。ウォルマートでは現在衣料品、靴製品、海産物、美術品、子供の玩具のサプライヤーを求めている。その一方で企業のほとんどが女性経営者だ。

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最終更新:2016年02月20日06:36

ベトナム:新たに署名されたTPPがもたらすチャンスに企業らが期待

ベトナム企業らは2月4日に正式に調印された環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)がもたらすチャンスを十分に活用するとともに、課題に直面する準備も整っている。

商工省大臣Vu Huy Hoang氏によればTPPは高品質な新しい世代の協定であり、輸出を促進し、外国からの投資をより一層呼び込み、ベトナムの地域と世界における地位を向上させることができるという。

これらのチャンスを見込んでベトナムの衣料品業界は統合のプロセスに同調するための構造改革を行うべく、多くのイニシアチブを導入してきた。

数多くの生産チェーンが協定の原産地規則に適合するための運用を開始した。これにより原産地率と衣料品企業数社の株式価格を上昇させることが可能だ。

ベトナム繊維公団 (Vinatex)会長Le Tien Truong氏はベトナムが大量の生地を輸入しなければならないと語った。

そのためVinatexは長期にわたり準備を重ね、生地生産地域を確立すべく外国企業と連携をはかってきた。

繊維業界における優れた企業としてPhong Phu CorporationはVinatexの子会社や他の企業と大規模なサプライチェーンを形成すべく緊密に連携を図ってきた。一方では管理能力や技術の改革を行い、大手の外資の競合企業ともしっかり向き合うことができるように備えてきた。

しかしながらTPPに対する知識が不足しているために未だ改革に向けて何も動きを見せていない企業も存在する。製品資材の60%以上がベトナム国内調達であると証明された場合に適用されるゼロ関税がどれだけのメリットをもたらすのかを多くの企業は理解していない。

商工省軽工業部門長を務めるPhan Chi Dung氏は、業界が生地原料の源泉に投資したいのであれば1000ha規模の生地を調達する地域を見つけなければならないと指摘する。

一方で多くのローカルの地域は生地を作り出すための大規模な田畑を提供していない。これは衣料品製造により引き起こされる環境汚染に対するリスクを恐れているためだ。

加えて協定が発効されると企業らは製品、サービス、投資、数え切れないほど多くの貿易保護策、製品の品質に対するさらに厳しい要件などの熾烈な競争に直面する。

国際経済統合分野間運営委員会会長であるTrinh Minh Anh氏は企業が競争力を高めるために国際基準に見合うための努力を重ねるべきだと提言した。また自社の製品に対する一連の動きがもたらす影響を分析するために統合過程に対する十分な理解と適切な行動計画を持つべきだと促した。

Hoang大臣は政府、国家管理機関や関連する省庁や部門に対してベトナムで販売される製品の品質を保証する基準作りに気を配るとともに、ベトナムに基準以下の製品がもたらされないよう求めた。これにより国内企業の発展を促進するのがねらいだ。

氏は企業がタイムリーな対応をとれるように利益とともに課題を認識し、協定がもたらす優位性を最大限利用することができるよう、TPPに対する企業の関心を高める為のコミュニケーションを促すことが必要だとも訴えた。

 

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最終更新:2016年02月16日06:00

ベトナム:米国投資家ら、繊維・アパレル業界に積極投資

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)やその他の自由貿易協定がもたらすチャンスに期待して米国資本がベトナムに流入し続けている。

ドンナイ省のLong Binh工業団地の保税倉庫は運用を開始してから6ヶ月でフル稼働している。Huntsman Textile Effectsが経営し、染料や化学薬品を提供している。

Huntsman Textile Effects社長のPaul G. Hulme氏は染料や化学薬品をより迅速に提供することができるよう保税倉庫を設けたという。

同社は国内の需要にあわせて将来さらなる拡張も検討している。

Paul G. Hulme氏はベトナムにおける業績に関して楽観的な見方をしており、TPPが発行され、さらなる資本が繊維製品に対してもたらされることで製品に対する需要が伸びることを期待している。

Vietstockは 2015年9月末にSavillsが発表した報告書を引き合いに出し、2015年の上半期におけるベトナムの外国直接投資(FDI)は、すでに表明されている外国直接投資総額の76%を占めたと述べた。

ベトナム繊維協会(Vitas)によれば繊維業界における外国直接投資資本は2015年末に20億米ドルと過去最高に達したという。

一方で米国商工会議所(Amcham)はベトナムの米国に対する総輸出高は2020年までに514億米ドルに達する可能性があると予測する。この内繊維・アパレル製品の輸出高は152億米ドルを占める。

また市場に対する衣料品・繊維製品の輸出は2025年までに200億米ドルに達する可能性もあると予測する。

TPPが発行されたのちにベトナムの繊維業界が掴むことのできる大きなチャンスを認識している米国の投資家らはベトナムに工場を設立しようと群がった。

Avery Dennison Group傘下のAvery Dennison RBISは1月にハウザン省のLong Hai工業団地に3000万米ドルの工場を落成させた。

Avery Dennison RBISは強いブランド力を持つユニクロ、ノースフェイス、ナイキ、アディダスなどの製品を製造することが予測される。同社はロンアン省の新しい工場により生産能力を増大させ、より顧客の要求にこたえることができるようになる。

同社の代理人によれば、TPPはより多くの繊維・衣料品製造業者を引き付け、その数が増えれば増えるほど同社のビジネスは好調だろうと語った。

2015年7月にはAvery Dennison RBISはホーチミン市のビンタン地区に製品流通センターを開設した。

ベトナム綿紡績協会(Vcosa)会長のNguyen Son氏は付属品、染料、化学薬品に対する需要はベトナムにおいてさらに多くの繊維・アパレル工場が設立されるにつれ高まることを期待している。

ベトナムは現在同業界で何十億ドルもの価値の製品を輸入している。

 

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最終更新:2016年02月15日05:57

ベトナム:繊維部門の苦境は2016年も続く

過去10年間米国と日本のパートナー向けに製品を製造してきたある縫製企業の社長は、昨年の受注数が「劇的に低かった」ため、同社が困難に直面していることを認めた。

2014年に市場の需要が増加すると見越し、同社ではビンズン省に工場を新設することを決定したものの、期待どおりに受注が伸びなかった。

ホーチミン市やタイニン省だけでなく南北部の多くの中小企業では、ますます困難になる状況下で、自社の作業場を売りに出している。

その売出価格は、稼働時間と工場の規模に応じて6000万から350億ベトナム・ドンと様々である。

中小企業だけでなく大企業もまた、大きな困難に直面している。多くの中小縫製企業が他社との合併を画策する一方で、大企業では顧客をつなぎ止めるため、販売価格の値下げを含むあらゆる手段を講じている。

例えばベトナム最大の繊維企業グループであるベトナム繊維公団(Vinatex)では、2015年売上は前年よりも11%上昇したものの、税引前利益は横ばいであった。

VinatexのHoang Ve Dung副社長は、多くのアパレル企業では中国、インド、マレーシアなどのライバル企業と競争するため、販売価格を大幅に引き下げざるを得なかったと述べた。

Vinatexでは2016年についても悲観視しており、生産性については11%の増加を見込んでいるものの、売上についての成長目標は8%にとどまる。

VinatexのTran Viet取締役は、為替レートの変動が業績に悪影響を与える恐れがあるため、今年の生産計画策定においては慎重な姿勢を取っている、と述べた。

「Vinatexが(2015年)増収であったにもかかわらず、利益が横ばいになった理由の一つに、ベトナム・ドン通貨高が挙げられます。」と彼は述べた。

「(昨年は)中国の人民元が4.8%下落し、ベトナムのライバル国であるマレーシアやインドの通貨もまた、ベトナム・ドンよりも大幅に下落しました。」と彼は解説した。

さらにそれらが繊維メーカーに影響を与えたことにより、綿とポリエステル繊維価格も急激に下落し、顧客は契約を反故にした上で値引きを求めてきた。

中国と競合することは、ベトナム企業にとって頭痛の種である。VinatexのDung副社長は、中国の人件費は確かに増加しているものの、中国企業は原材料供給をコントロールすることができるため、ベトナム企業と比較してなおも有利である、と述べた。

「原材料生産を増加させることができる場合にのみ、ベトナムが他の市場を惹き付けることができるのです。」と彼は言った。

それでも繊維部門における外国直接投資(FDI)は近年急激に増加している。ある報告書によると、昨年登録されたFDI資本は、過去20年間にわたりベトナムに投下された投資額の総合計と等しい15億米ドルに達した。

 

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最終更新:2016年02月03日06:04

ベトナム:TPPによる国内ファッションブランドの過酷な未来を警告

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効し、アパレル製品の輸入関税が現在の20%からゼロに下がると、ベトナムのファッションブランドは深刻な課題に直面することが予想されている。

ホーチミン市1区に住む主婦のHongさんは、ブラックフライデー(米国における感謝祭の翌日の金曜日)に購入した商品に満足したようだ。

このセール期間中、Gapのシャツが1枚あたり15~17米ドルの価格となった。Hongさんは税金、配送料を加えて、45万ベトナム・ドンを支払わねばならなかったが、その金額は国産シャツの値段と同じ位であった。

その他のブランド品の価格も50~60万ベトナム・ドン程度で、Hongさんら都会に住む一般的な人々にとって「手頃な価格だ」と言う。

Hongさんは、TPP発効後に輸入関税がゼロとなり、外国製製品がより低価格で販売されることを期待している。

An Phuoc Garment社のNguyen Thi Dien CEOは、輸入関税ゼロによってベトナム企業がより過酷な競争にさらされることになる、と述べた。

小規模メーカーは市場から撤退するか、自社で製品を製造する代わりに、輸入した製品を国内で販売(するよう業態を変更)せざるを得ないことになるだろうとした。

ベトナム企業は、特にアセアン地域における衣料品の関税がゼロに引き下げられた2012年以降、何年にもわたって中価格帯市場において、タイ、中国、韓国からの輸入品と競争を強いられてきた。

多くのベトナムメーカーでは、アセアン地域からの輸入増大により、生産を縮小せざるを得なかった。

ベトナム繊維協会(Vitas)によると、ベトナム企業のうち20%のみが国内市場向けの製品製造を望んでいる一方で、大半の企業は輸出向け生産に注力しようとしている。

ベトナム繊維公団(Vinatex)のHoang Ve Dung副社長は、増加する外国製品が国内市場に浸透してきており、そのことはベトナム企業にとって脅威である、と述べた。

Dung副社長はまた、国内企業が存続、発展し続けるには、自社オリジナルデザインによる製品を生産して自社ブランドを育てるか、小売ネットワークを拡充し、小売店舗からショッピングモールへ、また地方から都心へ広げていくか、という2つの道しかない、と続けた。商工省によると、2014年の国内繊維・衣服品の消費者価値は35億米ドル、75兆ベトナム・ドンであった。

さらに、原産地が不明確な製品の売上を含めると、実際の数値はより高い可能性がある。

ベトナムでは約200の海外ファッションブランドがひしめいており、中間、及び高級品市場セグメントの売上が全体の約60%を占めている。

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最終更新:2016年02月01日06:03

ベトナム:外資系企業が縫製会社買収を模索

多くの外国人投資家、とりわけ中国人投資家が、繊維・アパレル企業を買収しようと、ベトナムに押し寄せている。

一方で、ここ2ヶ月ほどの間、作業場や工場売却に関する広告が、紙媒体、及び電子版新聞に掲載されている。

あるアナリストによると、売却を希望する企業はほとんどが、新規開発において大規模なライバル企業に太刀打ちすることができない小規模企業である。

また、それら売りに出している企業のほとんどは、ハノイ、ホーチミン市やビンズン省など、便利な輸送条件にある地域に立地しているという。

現在ハノイのハドン地区にある1万2000平方メートルの敷地を占める縫製工場が売りに出されている。この工場には、5000平方メートルもの敷地の作業場に加え、管理部門、セキュリティルーム、食堂、従業員の休憩室、さらには電力システムと通りに面した製品を展示する売店まで含まれる。

最近締結された繊維・アパレル産業の合併&買収(M&A)取引において、買収者のほとんどは外国人投資家であった。

ビンズン省では、3万6000平方メートルの敷地の工場が200万米ドルで売りに出されている。この工場ではすぐに生産するのに必要な機械設備が備わっている、と広告されている。

ほとんどの場合、これらに対する買収者は外国人投資家である、とアナリストらは指摘している。

アナリストらはまた、それは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の恩恵を受けると想定されるベトナム国内の繊維・アパレル産業ではなく、外資系企業(FIE)を指す、とした。

ベトナム繊維協会(Vitas)のDang Phuong Dung副会長は、繊維・アパレル産業におけるM&Aの波は、「予見されたもの」であるものの、国内企業のほとんどが外国人投資家に売却されていることを認めた。

彼らは強固な財務基盤と経験を保有しており、(まさに今が)TPPによる利益を得るためにベトナム企業を買収する絶好のタイミングである、ということをよく知っている。

「私が危惧しているのは、TPPはベトナム企業に利益をもたらさないかもしれない、ということです。 M&A取引によって、自由貿易協定による利益を享受できるのは、ベトナム企業ではなく、外資系企業(FIE)であろう、ということなのです。」Dung副会長は述べた。

あるレポートによると、ベトナムの繊維・衣料品の輸出売上高の70%は外資系企業により計上されており、この産業における外資系企業のオペレーションと役割の大きさを示している。

M&Aによってベトナム企業が縮小する一方で、外資系企業はさらに拡大するであろう、とアナリストらは警告している。

あるアナリストは、ベトナムの繊維・アパレル企業の買収は、外国人投資家の「計画的な動き」である、とコメントした。

またM&Aにより、外資系企業は繊維部門における投資プロジェクトを制限しようとする地元当局による規制をかわすことができる。こうした投資プロジェクトは、環境汚染を引き起すとして、これまで阻止する動きが取られてきた。

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最終更新:2016年01月13日14:43

ベトナム:繊維業界における中国による企業買収の動きに危機感

中国が繊維製品や衣料品の生産を統制することができれば、輸出用製品を生産するベトナム繊維産業を支配しうると専門家らは警鐘を鳴らす。

多くのベトナムの繊維製品製造業者らが中国の投資家に会社を売却して、中国企業の傘下となる動きが広がっている。

ハノイ繊維・服飾産業大学前総長のNguyen Van Hoan氏によれば、厳しい規制を回避しようと中国が既存のベトナム企業を買収していると述べた。

繊維工場は大きな環境問題を引き起こすことから、地元当局は現在では繊維産業に対する投資を推奨していない。それ故中国がベトナムにおける生産を拡大する一番の近道は操業中の企業を買収することなのだ。

Hoan氏が心配なのは中国がベトナムの熟練労働者をベトナム企業から引き抜き、訓練にかかるコストをかけなくしていることだ。

ホーチミン市経済大学のThai Tri Dung氏もまた、繊維業界ではベトナムと中国の間で最近の合併や買収が続いていることを明らかにした。

「彼ら(中国の)実際の目的は、労働者を提供してもらうネットワークを構築することです。中国がベトナム企業の熟練労働者を引き付けることができると考えるのは妥当です」と氏はベトナム企業が中国企業の傘下になるかどうかは慎重に検討すべきだとも付け加えた。

Dung氏は中国がベトナム企業を買収する動きは人材の開発と輸出に影響を与えるだろうと指摘した。従って「中国企業との取引には引き続き警戒する必要がある」と提言した。

また氏はいったんベトナム企業が中国企業の子会社となると、ベトナムの輸出市場は中国の市場となってしまうとも述べた。

中国の投資家に会社を売却して中国企業の傘下となるベトナム繊維製造業者は日に日に増えている。

理屈の上では「ベトナムが製品を輸出しているものの、お金を稼ぐのは中国」という構図になっている氏は解説する。

「長期的には国家経済に不確実性を生み出すでしょうし、ベトナムの繊維・アパレル製品の輸出は完全に中国企業に支配されることになります」と氏は言う。

事実その危険性が高くDung氏の言うとおりだ、とあるアナリストは言う。「繊維・衣料品は輸出製品を作り出すベトナムの重要な産業です。中国がこの産業を支配するようになると他の農業や漁業といったビジネスの分野も統制し始めるでしょう」と氏は警告した。

実際中国からの海外直接投資(FDI)の呼び込みは、引き続き議論を引き起こす課題の一つだ。中国からの直接投資により中国の投資家が旧式の技術をベトナムに持ち込み、環境汚染を引き起こすとベトナムの専門家らは信じており、歓迎されていない。

何千人もの中国人労働者がFormosa社に雇い入れられている一方で、ベトナムの労働者は雇用されていない。

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最終更新:2016年01月11日06:02

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