インドシナニュース

インドネシア:周辺諸国のように貿易チャンスを掴めない焦り(後)

(前編より)

 

これらの問題を解決するための大きな焦りをWidodo大統領から感じられる。大統領は10月に2期目の就任を果たした。雇用創出と1兆米ドルの経済成長を妨げている労働と投資ルールを見直す事を約束した。JokowiWidodo大統領)の責任は重大だ。インドネシアは世界で4番目の人口持ち、かつ平均年齢が30代。人口に恵まれているか時限爆弾のうえにいるような状態だ。

インドネシアは巨大な労働プールだ。2億7000万人の国民の73%が労働年齢に達している。それは労働市場に入ってくる若年層が正しい技術を身につけて職を探す事が出来る限り将来の経済成長に欠かせない鍵となる。先週の火曜日にリリースされたデータで第3四半期の成長は5%に減速し、失業率は5.3%に上昇した。

大統領は10月の就任演説で「現在、私たちは人口の統計上ピークにある。」と語った。「これは大きな挑戦であるとともにチャンスである。もし私たちが仕事を供給できなければ大きな問題だろう。しかし、有利となる政治的及び経済的エコシステムによってサポートされ、優れた人材を育成する事ができれば大きなチャンスとなる。」

前計画相で現在はJokowi内閣の調査技術相でもあるBambang Brodjonegoro氏によると、「もしインドネシア経済がこのまま約5%のペースで成長を続けるのであれば、2200万-2500万の雇用を今後10年以上生み出すだろう。しかし、そのような雇用拡大の中でも、私たちの生産性レベルでは改善されないと思う。次の中国になろう。次の日本にはならずに」。

大統領の改革における優先事項リストの始めには州ごとに変化する複雑かつ重複した労働ルールと条件の仕組み改善に取り組む必要性があがっている。企業は世界で最も寛大な退職金の条件について不満があり、投資における大きなハードルになっている。

10月初旬、古都ソロ(スラカルタ)の近くにあるPan Brothersの工場ツアーで、大統領は「繊維及びアパレル産業はよく労働法に不満を持っている。」と言い、年末までのできる限り早い時期にルールを緩和すると誓った。労働組合を味方にするため、ルールの変更を新しい仕事にのみ適用する提案を妥結し、現在の労働者の権利を保護した。

「政府は投資先としてのインドネシアの魅力を改善するために懸命に努力すべきだ。労働力における訓練や技術を劇的に増やす事は問題解決のカギになる。もし意識をそちらに傾けられなければとても心配なことだった。しかし、今は理解してくれているようだ。私たちは大統領が2期目の間に何をするのか見なくてはならない。これが優先事項だ。」とSri Rejeki Isman社の会長兼社長Iwan Setiawan Lukminto氏は語った。

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最終更新:2019年11月23日17:43

インドネシア:周辺諸国のように貿易チャンスを掴めない焦り(前)

インドネシアへの外国企業の投資が近隣国よりも低い水準なのは、インドネシアの労働法が影響していると考えられる。

 

中部ジャワ州は、かつて砂糖と藍作物の栽培で賑わっていた水田と農場のある地域だったが、今ではアパレル縫製工場が立ち並んでいる。

古都ソロ(スラカルタ)郊外にあるPT Sri Rejeki Ismanの工場のある大きな建物内で、労働者がH&M、Guess、ウォルマートなど向けのアパレル製品を縫う数千ものミシンがカタカタと忙しく稼働している。そこからすぐ近くのPT Pan Brothersの工場ではアディダスのために何千もの赤や白のパーカー製造し送り出している。

低コストのベトナムやバングラディシュのような近隣国にじわじわと置いて行かれてしまったインドネシアの繊維産業は、米中貿易戦争によって引き起こされたグローバルサプライチェーンの劇的な変化によって新しいブームの先端にいる。アメリカのバイヤーは高い関税を避けるために中国のサプライヤーに代わる国を探している。そういった国々は東南アジアに拠点を移している。

繊維・アパレル製品は製造業部門では光の当たる一部分にすぎない。2001年にインドネシアの製造部門はGDPの29%であったが、現在では20%を下回っている。国際連合貿易開発会議のデータによると、インドネシアのシェアがアジアの商品輸出で2.3%なのに対しマレーシアとタイのような近隣国が約3.1%である。

インドネシアが貿易戦争の緊張から恩恵を受けていない兆候が顕著である。非公式であるが世界銀行が行ったインドネシア大統領Joko Widodoへのプレゼンで、6月-8月に海外での製造を拡大する計画を発表している33の中国企業がインドネシアを視野に入れていないというリサーチ結果を出した。ベトナムは明らかな勝ち組である一方で、カンボジア、インドやマレーシアなどその他の国々もまたインドネシアよりも高評価である。

海外からの直接投資先として、インドネシアは他の近隣諸国に対して遅れをとっている。世界銀行によると、2018年にインドネシアに対する海外からの直接投資はGDPの1.9%で、ベトナムの6.3%、タイの2.6%を大きく下回っている。

低パフォーマンスの理由は十分に証明されている。特に輸送においてはインフラが不十分、厳しい労働法、それぞれの産業に投資可能な外国人の投資額の制限、インドネシアでビジネスを行うために困難となる規制上の撤回とお役所的な形式ばった仕事の習慣である。

しかし、ベトナム、タイ、カンボジアのような競合国も同様な問題に直面しているが、労働賃金の上昇している中国からすでに脱却したビジネスを数年前からインドネシアよりも先に上手く呼び込んでいる。

「インドネシアはこのような動きに対し何も準備ができていない。もしこのまま何も変わらなければ、貿易戦争がリスクとなるインドネシアの産業政策を露わにする事だろう。」ジャカルタのPenida Capital Advisorsの社長で、4人の大臣顧問でもあるEdward Gustely氏が語った。

 

(後編につづく)

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最終更新:2019年11月23日15:43

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