インドシナニュース

ミャンマー:持続可能な縫製産業を目指し、社会的責任(CSR)重視へ

ヤンゴンで開催された「アジア繊維産業の持続可能な開発」と題されたセミナーにおいて、テインセイン大統領の経済顧問であるAung Tun Thet氏は、ミャンマーにおいては新たな課題に対応するための政治経済面での改革が進行しつつあるため、アジア開発銀行はミャンマーが2030年までに中所得国となると目していると話した。

このセミナーはEU及び国際労働機関(ILO)の支援により開催された。

これら改革は海外直接投資(FDI)を誘致するためでもある。繊維産業は、今後数十年にわたってミャンマーの持続可能な経済産業開発を可能にするため、ミャンマー政府が「責任ある」投資家を募りたいと期待する主要なセクターのひとつである。

大統領経済顧問によると、政府の方針として企業が純利益の1-5%を企業の社会的責任(CSR)事業のために確保することを奨励するという。アセアン諸国でこのような政策をとるのはミャンマーのみである。

加えて、Aung Tun Thet経済顧問によると、ミャンマーにおける海外直接投資は国連の労働者保護基準とその他の国際法規に従う必要があるという。

同セミナーにおいてAye Myint労働大臣は、ミャンマーは現在民主化という転換点にあり、また輸出・国内市場向けの持続可能な産業と中小企業のための強固な基盤を構築しつつあるところであり、EU及び国際労働機関がこのセミナーをミャンマーで開催したことは非常に適切な選択であったと話した。

Aye Myint大臣はまた、政治その他の分野における改革の成功は経済成長と、改革が開始されてからの4年間で多数の雇用を創出している繊維産業のような労働集約的な産業の成功に大きく依存していると話した。

さらに、大臣は現在、海外企業がミャンマーで効率的に雇用創出できるようにするため18の労働関連法案が審議中であると述べた。

労働大臣は、現在ミャンマーに進出している新規工場や外国投資が示す通り、縫製・繊維産業は多数の雇用を創出すると同時に多額の外国投資を誘致できる可能性が高いため、ミャンマーの今後の工業化において非常に重要な役割を果たすと話した。

 

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最終更新:2015年04月06日14:04

タイ:ヘンプ素材を使った雑貨ブランド盛況、日本にも輸出

タイのショッピングモールThanya Shopping Parkにある雑貨店「Hemp Thai」では、人類の知恵とイノベーションとが融合している。そこはまさに、この世で最も丈夫な素材とされるヘンプ(麻)を使った、ハンディクラフトやインテリア製品などの宝の山だ。製品には防水性のショルダーバッグや、防火性の壁紙、良い香りのするバッグなどがあり、どの製品も天然染料で染めたヘンプを素材としている。

マーケティング・マネジャーのArthit Ritraweeさんは、「私の叔母はヘンプのスペシャリストです」と話す。そして「叔母はChiang Raiにある、ある研究チームで働いていました。そこでは、数十年前に法律で違法とされたヘンプが、いかに実用的であるかのリサーチを行っていました。研究の結果分かったことは、ヘンプが日常生活で役に立つということです。ヘンプからは、例えば丈夫な衣服やシャンプー、薬などを作ることができます」と続けた。

また同店立ち上げまでの経緯については「叔母は2003年、自身のブランドHemp Thaiを立ち上げようと決めました。しかしわれわれは当初、ヘンプを素材としたユニークな製品を日本へ輸出するだけでした。そして5年後、製品の範囲を広げ、生活雑貨やインテリア製品なども扱うようになったのです。製品によっては、デニムやラバーなどヘンプ以外の素材と組み合わせたものもあります」と語った。

店の入口には、その昔ヘンプ繊維を編む村人が使用していた古い木製の織機があり、まるで一昔前の繊維工場のようである。

店内は3カ所に区切られ、最新の家具や衣料品、アクセサリーなどが並べられている。またChiang Rai県の山岳民族が製作したハンディクラフトもある。

染色に使われるのは天然染料のみで、化学薬品は使われていない。例えば黄色にはマリーゴールドを使用し、茶色には樹皮、赤には天然のラック染料を用いている。

Arthitさんは「天然ヘンプは主にChiang Raiで入手します。リサーチによると天然のヘンプ繊維には多くの特性があることが分かっています。例えば、丈夫で防水性があり、通気性が高く、色あせもせず、綿の10倍も丈夫であることなどです。われわれは村の人たちと密接に協力し合い、製品の売上も彼らに渡しています。こうした活動が、収入の増加や、地方文化を保護するための後継者の育成につながれば良いと考えています」と話した。

また「製品は主に日本に輸出します。日本には5カ所の直販店があり、またシンガポールの高島屋でも一部の製品を手に入れることができます。大手靴メーカーのコンバースも、われわれの生地を使って限定版のスニーカーを製造したことがあります。そのスニーカーは、その後アメリカでベストセラーになりました」とも述べた。

デザインはシンプルで機能的、また山岳民族の伝統的な機織り技術から発想を得たものとなっている。さらにナノ技術を採用したことで付加価値が生まれ、品質保証にもつながっている。

注目の製品としては、防水性のバッグ、ラバーソールとレザーソールの男性用のオックスフォード・シューズなどが挙げられる。またナノカプセルの詰まったショルダーバッグもあり、このバッグはこするとユーカリプタスや緑茶、バラの香りを放つ。

ファッション・コーナーには、シンプルだが機能的なブラウスやTシャツ、カーディガン、パンツ、スカート、帽子、スカーフなどが売られている。他にもヘンプとデニムを使ったトートバッグやメッセンジャーバッグ、ハンドバッグ、財布、パスポートケース、多目的バッグなどがある。

インテリア製品には、さまざまなデザインのバスケットやバケツ、ランチョンマット、枕カバー、ベッドシーツ、ヘンプの樹皮で作ったクッションなどがある。

Arthitさんは「われわれはまた廃棄物ゼロを目指して、村の若い人たちに売れ残った製品を使ってもらいハンドメイドの買い物袋を作っています。その売上もまた村の人たちに渡しています」と話した。

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最終更新:2015年04月04日06:04

タイ:アパレル輸出企業、従来市場の見通し暗く新たな市場を模索

タイのアパレルメーカーが、アジアとヨーロッパ諸国で、新たな市場を獲得しようと必死になっている。というのも、主要な輸出市場の今後の見通しが明るくないからだ。一方で税制上の優遇措置を受けている近隣の新興国を生産拠点とした、スポーツウェアやユニフォームなどの輸出にも注力している。

先月27日から3日間、首都バンコクで開催されたExport Garment Fair(アパレル輸出見本市)で、輸出企業らはみな同じような見解を抱いた。それは「新たな市場を探さねばならない」ということだ。というのも、為替レートが不安定なため、主に欧州連合(EU)など従来市場での取引が難しくなっているからだ。

タイ衣料品製造業者協会(TGMA)のThavorn Kanokvaleewong会長によると、中国、ユーロ圏以外のヨーロッパ諸国、ASEAN市場などとの取引は順調に行われているという。これらの国では衣料品の需要が高く、通貨も比較的安定しているためだ。同会長は「労働コストの上昇によって、中国では以前よりも多くの衣料品を輸入しなければならなくなっています。またASEANの新興国でも、衣料品に対する需要が増加していることが分かっています。そしてタイは、これらの国々に対する主要な衣料品供給国なのです」と述べた。

さらに日本ではビジネスの成長は鈍化しているが、政府が中国からの輸入を削減する政策を打ち出しているため、タイのアパレル市場は今後、日本への輸出を促進できるのではないかと期待している。

にもかかわらずTGMAは、世界経済の低迷によって、衣料品輸出は今年2~5%減少するとみており、あるいはせいぜい横ばいだろうとの見方を示している。

Thavorn会長は、タイのアパレル輸出企業はこれまで、主に米市場やEU市場など、従来から取引のある市場に依存するところが大きかったと話す。だがこれらの市場では今後、市場の縮小が起きる可能性が高いとみられている。

2月現在のTGMAの統計によると、衣料品輸出において、タイの第1の輸出相手国は米国で、そのシェアは35%だった。その後EUの21%が続き、日本が15.4%、中国が5.4%、ASEAN諸国が5%となっている。

米国とEUでのシェアは過去5年間連続で低下しているが、これとは反対に中国とASEAN諸国でのシェアは大幅に増加している。

タイでは今年1~2月期、衣料品の輸出額が、前年比9.4%減の4億3543万ドル(141億9000万バーツ)だった。対米輸出においては7.9%減、対EU輸出では17.12%減となっており、対日輸出、対中輸出はそれぞれ5.29%減と1.7%減だった。一方でASEAN市場への輸出においてはわずか0.08%減に留まった。

Thavorn会長は、世界経済が回復すれば、タイの衣料品輸出も第2四半期にはプラス成長に転じる可能性があるとみている。一方でタイの輸出企業らが今後、新規市場へ進出しようとしている点についても述べた。

タイアパレル輸出大手のHi-tech Group社の社長で、TGMAの顧問でもあるVallop Vitanakorn氏は、タイバーツが相対的に強いことや、EUでデフレ経済が進んでいることなどがアパレル産業の重荷になっていると話す。

ユーロ相場の下落により、アパレル輸出企業によってはEU諸国からの発注を受けるのは難しいところもあるという。というのも為替差損において、対米輸出においては約10%、対EU輸出に至っては最大で20%もの損失が発生する可能性があるからだ。

TGMAのYuttana Silpsarnvitch理事長は、タイのアパレル輸出企業にとって今後、見込みのある市場は、中国本土や香港、ASEAN諸国だと話す。また中国は、国内の労働コストが上昇したことでこの先、輸入に頼らざるを得なくなるだろうと述べた。

Yuttana理事長は、今後5年の間に、中国は純輸入国になる可能性があると話す。従ってタイの輸出メーカーは巨大な中国市場の需要についてリサーチを開始すべきであるほか、中国への投資に努めることで、従来市場への輸出で発生する為替差損を相殺すべきであるとしている。

さらに最高峰のサッカー大会であるUEFA(欧州サッカー連盟)欧州選手権が来年フランスで開催されることから、カンボジアやミャンマー、ラオスに工場を持つタイメーカーへのスポーツウェアやユニフォームなどの発注が増加している。Yuttana理事長の話では、こうした輸出企業の多くはこれまで、一般特恵関税制度(GSP)を利用して対ヨーロッパ輸出を行い、その恩恵を享受してきたという。

だがタイは昨年末、GSPの特権を失った。Yuttana理事長は、これによりタイの対EU輸出には現在12.5%の関税が課されていると述べ、一方でベトナムによる対EU輸出の関税率は9.5%だと指摘した。またラオス、カンボジアおよびミャンマーからの輸入は非関税となっている。これまでのところヨーロッパ諸国による発注のうち、タイのアパレルメーカーが受注する割合は約4~5割だ。これには長期契約を結んでいることや、英国、ドイツ、スペイン、オランダなどユーロ圏の国々で使用するユニフォームは一般的にタイ製であることなどが理由として挙げられる。

 

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最終更新:2015年04月03日06:03

タイ:輸出業者は2015年のアパレル輸出縮小を予想

世界的な景気低迷と為替差損により、アパレル輸出業者は2015年に0-2%の売上増ではなく、4%の売上減を覚悟しなければならない状況である。

タイ縫製業協会のVallop Vitanakorn顧問は先週、バーツの下落とEUにおけるデフレが縫製業界に大きく影響していると話した。

また、2015年初頭にはEUでのタイ産アパレル製品に対しての無関税措置が終了している。

多様な不安要因が世界的な景気低迷を招く中、タイ縫製業協会も2015年の目標輸出額を削減することとなった。

縫製製品輸出の減少は2011年の大洪水以降、過去数年で初めてのことである。

2014年の縫製製品輸出額はおよそ29億米ドルで前年と同額であった。

タイ産縫製製品の主要市場である米国経済の復調があまりにも遅く、一方で輸入業者らがベトナムや労働力の安い他国にさらに集中するようになった。

米国は太平洋戦略的経済連携協定(TPP)によりベトナムと自由貿易関係となるため、タイの代わりにベトナムと取引することを選ぶ輸入業者も出てきた。

政府はバーツが輸出競合国の通貨と同程度に推移するよう注意すべきであろう。今のところ、アジア各国通貨のうちバーツの下落は最低限に抑えられている。

輸出業者は為替差損により米ドル建てで10%、ユーロ建ての場合は20%もの利益減に直面してきた。

為替変動の影響を最も受けているのが一般衣料であるが、スポーツ用衣料とブランド衣料については、輸出業者がすでに為替変動による損失を防ぐための先渡取引の契約を結んでいたため、比較的小さな影響で済んでいる。

タイ縫製業協会によると、タイ産縫製製品の主要市場は現在も米国であり、輸出の約30%を占める。その後に26%のEU、13%の日本、7%のASEAN諸国が続く。

 

 

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最終更新:2015年03月12日14:01

ラオス:新最低賃金が来月から施行か

タイに流出した労働者の引き戻しを狙った法定最低賃金の引き上げが、来月にも公式に施行される可能性があるとビエンチャンタイムス紙が報じている。

タイムス紙が労働社会福祉省の匿名の官僚の談話として報じたところによると、労働社会福祉省は省庁からの公式書類を待っている状況という。

最低賃金は現行の62万6000ラオス・キープ(約76米ドル)から90万ラオス・キープ(約110米ドル)に引き上げられる予定である。

最低賃金の引き上げは2月以降に公式に発表、施行されるであろうと話す官僚もいる。政府は昨年12月22日の国会で最低賃金は間もなく引き上げられると確約した。施行されれば、最低賃金の引き上げはラオス人労働者のタイを主とした周辺諸国への流出問題に対する政策の柱となる。

ビエンチャンタイムス紙が報じたところによると、労働社会福祉省は国会において、ラオス人労働者の生活向上のため、政府に最低賃金を引き上げるよう提案した。労働省はラオス人労働者の海外出稼ぎを減らすことを意図している。

ラオスにおける最低賃金は2012年から上昇傾向となり、設定当初月額34万8000ラオス・キープであったものが、62万6000ラオス・キープまで上昇している。

しかし、匿名を希望する労働省の官僚らによると、月額62万6000ラオス・キープは米ドルで100ドルにもならず十分ではないが、政府は外国からの投資を誘致する必要があったという。

多くのラオス人労働者が合法または不法に近隣諸国で出稼ぎをしており、得に賃金の高いタイに多数が流入している。

最近の労働省の報告書によると、現在5万9000人以上のラオス人労働者がタイで合法的に雇用されている。彼らは地元の手配会社を通じて、ラオスの労働社会福祉局からの書類を整えてタイに入国している。

タイにおけるラオス人不法移民労働者の問題は、政府がラオス人労働者に合法的に働けるカード支給を開始してから大幅に改善された。

従来は不法移民労働者であった11万1100人以上のラオス人がラオス政府の協力のもとに登録を行い、現在ではカードを受領してタイで合法的に働くことができるようになった。

しかし、タイ労働省の統計によると、現在でもタイでは20万人以上のラオス人が不法に出稼ぎをしていると推測されている。

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最終更新:2015年01月30日06:00

ミャンマー:ロンジーからジーンズへ――伝統文化の行方(後)

(前編より)

 

新たなライフスタイル

着心地が楽で、伝統のあるロンジーは、いまだに多くの人々に愛されているが、国内の有名人や海外のアパレル企業が先駆けとなって、ジーンズへの人気が高まっているのも事実である。

Mc Group社CEOのSunee Seripanu氏は、「有名人も、そのほとんどがジーンズを履いていますし、ジーンズを大々的に取り入れた、新しいファッションも生まれています。またタイで働くミャンマー人は、いつもジーンズを履いているため、ミャンマーに帰国する際に、こうしたファッションも一緒に持ち帰ってきます。それを見て、ミャンマーに住む人々も同じ格好をするようになるのです」と話す。Mc Group社は、Mcブランドのデニム・ジーンズで有名なタイのアパレル株式会社。

Sunee氏はまた「ジーンズは今や、新たなライフスタイルとして1つの選択肢になっています。来年、ASEAN経済共同体(AEC)が発足すれば、さらに多くの人が、欧米のファッションやカジュアルなジーンズなどに身を包んで海外を訪れるようになるでしょう。と言うのも、ロンジーでは場違いに見えてしまうこともあるからです。こうした理由からも、ジーンズは必要とされています」と語った。

Mc Group社は昨年ミャンマーに、同国初の販売店をオープンした。そこで、過去2年にわたり、ジーンズに対する人気が高まっていく様子を目にしてきた。

2年前、同社では、ジーンズではなくストライプのシャツが好調な売れ行きを見せていた。だが、この2年間のあいだに、以前より多くのミャンマー人が海外を行き来するようになり、それが発端となって、デニムへの関心が根付くようになった。Sunee氏によると、最近では、ドラマの俳優や歌手もその多くが、ロンジーよりパンツを好んで履いているという。

 

市場での戦い

ミャンマーでは、デニム・ジーンズは特に男性に人気がある。製品はタイや中国、バングラデシュなどからの輸入だ。

Sunee氏は、ミャンマーのデニム市場について、競争の激しい市場だと説明する。タイや中国のブランドもすでに進出して店を構え、世界のトップブランドと軒を連ねている。

Mc Group社は現在、この新しい市場で40%のシェアを獲得している。今年1~9月においては、前年同期比の9000着を上回る1万5000着のジーンズを販売した。

ミャンマー市場のジーンズは、そのほとんどが安価で品質も良くないが、一方、最高品質のジーンズは価格も高いため、多くのバイヤーが手を出せない。Mcブランドの製品は、この両極端な製品の中間に位置するという。1着の価格は約299~399バーツ(9430~1万2590チャット)で、品質は中国やバングラデシュのものよりも良い。

 

ジーンズがもたらす脅威

だがすべての人が、ジーンズ文化へのファッションの移行を暖かい気持ちで受け入れているわけではない。

Thirimingalar市場で食料品店を経営するMoe Lwin Aung(41)さんは、ジーンズを履く文化によって今後、ロンジーが消えてなくなるのではないかと懸念している。ロンジーは、ミャンマー独自の文化を伝えるものだと考えているからだ。「ジーンズを履く人たちを批判しているわけではありません。ただ文化を守るということを、もっと慎重に考えるべきだと思うのです。小さなことかもしれませんが、服装も例外ではありません。私にとってロンジーを着るという伝統は、ジーンズなどには譲れないものです。そうでもしなければ、一体誰が、この貴重な文化を守っていくのでしょうか」と問いかけた。

またMoe Lwin Aungさんは、人々に対して、ミャンマーの伝統を大切にし、国の文化を守っていくよう呼びかけた。そして「すべての人が、文化の保護に努めるべきです。さもなければ、われわれの文化は廃れてしまうことでしょう。何も大がかりな計画を立てようというわけではありません。小さなことから始めれば良いのです。例えば、ロンジーは伝統的な衣装だと認識することです。従ってジーンズに取って代わるべきではありません。われわれは、欧米の文化にのまれてはいけないのです。特に若者は、ロンジーを着ることにもっと誇りを持つべきだと思います。こうした意識を持つことは、基本的なことではありますが、文化を守っていくうえで最も有効な方法と言えるでしょう」と締めくくった。

 

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最終更新:2014年12月13日14:00

ミャンマー:ロンジーからジーンズへ――伝統文化の行方(前)

何十年もの間、国際社会から孤立してきたミャンマーだが、ついにファッションなど、欧米の流行を受け入れ始めた。ミャンマーの街では、今や至るところで、欧米スタイルのパンツやシャツ、Tシャツ、ジーンズなどを目にするようになった。

街を見れば、ジーンズを履く人が増えたことは一目瞭然だ。恐らくロンジーよりも機能的なためだろう。「ロンジー」とはミャンマーの民族衣装で、一種の巻きスカートだ。タイやマレーシアでは「サロン」と呼ばれている。

ミャンマーでは近ごろ、普段着にジーンズを取り入れる人が増えた。KBZ Bankで働くMin Khant Kyawさんもその1人だ。活動的なライフスタイルを持つMin Khant Kyawさんにとって、ジーンズは最適な服装である。彼は「ジーンズは、世界中で最も多くの人が着ているものの1つでしょう。特に若者に人気があると思いますが、それはミャンマーでも同じことです。多くの人が、ジーンズを普段着に取り入れるようになっています」と話す。

Min Khant Kyawさんの見解では、ミャンマーにこうした新しいファッション文化が芽生えた背景には、ミャンマー市場の開放や、ミャンマーを訪れる外国人の増加が関係しているという。彼は勤務中にもジーンズを履いているが、ロンジーを着ているときよりも、自分に自信が持てると話す。Min Khant Kyawさんにとって民族衣装は今や、墓参りや寄付の儀式、婚礼といった伝統行事のためのものである。

彼は「ロンジーは『特徴のない』格好だと思います。ジーンズとロンジーのどちらか一方を選ばなければならないとしたら、私はジーンズを選ぶでしょう」と言い、「私と同じ年頃の若者は、その多くが同じように感じているはずです。もちろんロンジーを好んで着る人たちもたくさんいます。とは言えこの先、ジーンズを着る人たちが増えていくのも事実でしょう。若者だけでなく、年配の人たちにも」と話した。

さらに「ロンジーを着ている人たちについては、誇りに思います。昔から受け継がれてきたものですし、これからも継承していかなければなりません。われわれには文化を守る義務があります。一方で、自分の意思で選択する自由も持ち合わせています。『自分の意思』というのであれば、私は間違いなくジーンズを選ぶでしょう」と語った。

 

ロンジーの魅力

ロンジーは依然として、例えばヤンゴンなど主に低地の地域で、最も一般的な衣服と考えられている。こうした地域では、気温が17度以下になることはめったになく、夏は40度にまで上がることもある。これらの地域で暮らす人々にとってロンジーは、スカートやパンツよりも機能的だと考えられている。ロンジーは通常、腰回りで緩く縛り、正面に生地を折り込んで着用する。そのほとんどが綿と絹で作られているが、綿と絹を両方使用することで、冬は暖かく、夏は涼しい衣服になるという。

ロンジーがいまだに、とりわけヤンゴンの人々に愛されているのは、こうした理由があるためだ。ヤンゴンに住むグラフィック・デザイナーのZaw Min Ooさんは、ミャンマーで暮らす人々にとって、ロンジーは最適な衣服だと考えている。彼は「普段はロンジーを着ています。理由はこの国の気候に非常に適しているからです」とし、ミャンマーの気温の高さについて触れた。また「ジーンズほど、着替えに時間もかかりません。着心地も良いですし、リラックスできます」と続けた。

一方、タイトなジーンズを履いて街を歩く若者については、「どうしたら午後の暑さに耐えられるのか、疑問に感じてしまいます」という。そして「自分でも笑ってしまうのですが、ジーンズで歩く若者を見るたびに、自分の周りから空気が奪われる気がして、息苦しくなります。もちろん彼らに敵意があるわけではありませんし、ジーンズを履くことに反対しているわけでもありません。ただ1つ言いたいのは、衣服というものは、気候に合ったものを選ぶべきだということです」と話した。

ジーンズを好む人々は増加しているが、Zaw Min Ooさんは、これによってロンジーを着る文化が廃れることはないと信じている。「ジーンズを履く文化はこの先、ますます広がっていくでしょう。とは言え、多くのミャンマー人男性にとって、ロンジーはやはり普段着のようなものです。理由はいくつかありますが、ロンジーという伝統的な文化が、ジーンズという新しい文化によって、消えてなくなることはないと思っています。私も時にはジーンズを履いて外出しますが、それでも生きている限りロンジーを履き続けるでしょう」と語った。

(後編へつづく)

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最終更新:2014年12月13日06:00

バンコク銀行、対越投資増でベトナムでの事業拡大狙う

タイ大手銀行のバンコク銀行が、ベトナムでの事業拡大を狙っている。中間所得層の増加と環太平洋経済連携協定(TPP)の締結により、ベトナムでは外国直接投資の呼び込みや輸出促進が期待されているためだ。

同銀行上級副社長で国内事業の統括マネジャーでもあるTharabodee Serng-Adichaiwit氏は、外国直接投資やベトナム・ドンの安定性、所得の増加などによって、貸付額が二桁の成長を見せるのではないかと予想している。

同銀行はすでに首都ハノイとホーチンミン市に各1件ずつ支店を開設している。

ベトナムでは近年、経済発展にともないインフレの抑制や通貨の安定化に努めてきた。また輸出成長率が20~30%と高い割合を示したことから、GDP成長率は今年5~6%になるものと期待されている。

Tharabodee氏によればベトナムの輸出額は月130億米ドルで、これをタイの180~190億米ドルと比較した場合、今後4~5年の間にベトナム経済はタイに追いつく可能性があるという。

海外投資家は賃金の低さや労働年齢人口の多さなどに魅力を感じ、ベトナムに生産拠点を設けて輸出を行っている。

Tharabodee氏は「もちろん中国との政治問題が今後、ベトナムの経済成長に影響を及ぼす可能性も視野に入れている。だがベトナムは今年5~6%のGDP成長率が見込まれており、来年はさらに6~7%の成長率が期待されている。こうした理由から、ベトナム経済は今後ますます発展するものと予測している」と話す。

ベトナムでのバンコク銀行の新規融資は今年1~8月期で10%増となり、同銀行の海外支店では予約が必要になるほどだった。原因としては、ベトナム国立銀行がインフレ抑制の一環として国内の銀行に指示を出し、外貨の取扱規制を設けたことが挙げられる。

こうした外貨規制によって銀行融資は盛んになったものの、その伸びは政府が当初目標としていた12~13%にははるか遠く、わずか4%に留まるに至っている。

Tharabodee氏によれば、TPPの締結はベトナム経済を長期的に強化する助けとなり、特に衣料品や繊維製品の輸出において成長を後押しするものと予測されている。と言うのもベトナムは締結後、交渉に参加している11の加盟国と貿易を行い、恩恵を受けることが期待されているからだ。

ベトナムは前首相が推進したASEAN経済共同体(AEC)よりもTPPの方がメリットは大きく、関税撤廃などの恩恵を享受することができると考えている。交渉担当者らは今年末の妥結を目指している。

現在最大の対越投資国は日本で、2位にシンガポール、3位に台湾、4位に中国が続いている。日本とシンガポールはTPP交渉で2国間協議を行っている国でもある。

Tharabodee氏の話では、対越直接投資が急増していることからバンコク銀行では海外投資家に対する融資を始めたが、現在これらの融資は同銀行の新規融資全体の90%を占めているという。

また「当行では銀行ネットワーク、特に中国でのネットワークを利用して投資の流れを促進していく。理由はベトナムを生産拠点とする中国人投資家が多いからだ。同時にベトナムの大企業から委託を請けている現地の中小企業にも着目する方針」としている。

同銀行は、法人顧客の経営状態などからその顧客と取引のある中小企業のキャッシュフローを見ることができるため、これら中小企業への融資のリスクは非常に低いと考えている。

ベトナムでの同銀行のローン・ポートフォリオは、その20%を中小企業が占め、タイ企業と多国籍企業がそれぞれ40%を占めている。

Tharabodee氏はタイの中小企業がベトナムで事業を展開するのは難しいとみている。理由は、大手資本をバックにした、シンガポールや台湾、香港などのライバル企業とも戦わなければならないからだ。従ってタイの中小企業は、参入に成功する市場を見極める必要があるという。

ベトナムに進出するタイの中小企業のほとんどが貿易関連会社である。

一方バンコク銀行が特に注目しているのはリアルセクター(実質部門)だ。製造工場は体制が十分に整っており、銀行にとってリスクが低いビジネスだからである。

人口が9000万人に達したベトナムの強みは、海外投資家を魅了する豊富な労働力だけではない。中間所得層の拡大が期待されており、現在の700万人から2020年までには2000万~3000万人にまで達すると言われている。タイのコングロマリット(複合企業)の多くはこのことを視野に入れ、すでにベトナム企業を買収し、ベトナムでの将来的な購買力の上昇に備えている。

タイ大手商社のBerli Juckerは、独系大型スーパーマーケットチェーンMetro Cash & Carry Vietnamをこのほど買収。これ以前には日本のファミリーマートが提携を解消した後の店舗を引き受け、名称を「B's Mart」に変更して事業展開を行っている。

タイのコングロマリット、セントラル・グループもまたロビンソン百貨店をオープンさせるなど、ベトナムで事業拡大を進めている。

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最終更新:2014年10月03日06:00

タイのTシャツ輸出、W杯で売上20%増

タイ衣料品メーカーのTシャツ輸出が大幅に増加した。これはサッカーワールドカップ(W杯)開催につき、各国代表チームの応援Tシャツが大量発注されたことを受けたもの。

スポーツウェアメーカーのHi-Tech Apparel社社長Wallop Wittanakorn氏は、「W杯開催に際して弊社では約75万着のTシャツを製造し、20%の売上増につながった」と話す。タイ工業連盟の副会長でもあるWallop氏は、同社の売上はその大半を輸出が占めており、輸出額においては年間42億バーツの収益を上げていると言う。

またタイ国衣料品製造業者協会(TGMA)会長のThavorn Kanokwaleewong氏によれば、タイの輸出相手国は主に、米国、日本、ドイツ、ベルギーおよびフランスだという。Thavorn氏は、「タイはファッション製品の輸出において世界第20位の輸出国」と話し、「小規模の店が廃業していく中、スポーツ人気の高まりやスポーツ製品の改良に伴い、大手スポーツウェア店は次から次へと発注を受けている」と続けた。

Hong Seng Knitting Company社社長Sukij Kongpiyacharn氏は、メーカーは、バイヤーではなくむしろユーザーに重点を置くべきだと話す。また先進技術で製品に付加価値を与えることにより、他社と差別化を図ることができるとも話した。

だが労務管理が甘いことや最低賃金額が高いこと、また労働条件が厳しくないことなどは同国にとって脅威であり、問題への対処が極めて困難であることを意味している。タイ工業省工業振興局(DIP)はこのほど、4つの「戦略的行動計画」発表。これにより、タイのファッションおよび同産業セクターが、ASEANにおいてファッションの中心的な存在となるよう、後押しする方針だ。同計画では、環境効率の改善、能力水準の上昇、販売促進のための戦略強化、同産業に対する認識を高めることなどを策定している。

DIP局長のAtchaka Sriboonruang氏によれば、タイのファッション産業は今最も成長している産業の一つで、付加価値のある製品を産み出す能力があるという。昨年には190億米ドルという規模の輸出総額をたたき出し、同国経済に大きな貢献を果たした。

ファッション関連の輸出品には、靴・履物や宝飾品、アクセサリーなども含まれる。Atchaka氏は、「タイが目指しているのは、ASEANにおいてファッションの中心的な存在になること。目標達成に向けては、海外市場だけでなく国内での販売量を上げることも重要」と話す。

タイのファッション産業の輸出は、欧米や日本に比べると下位にランクインしているが、スポーツウェアの分野に関して言えば、W杯の結果、これらの国に対して大きな差を付けたと言えよう。

 

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最終更新:2014年07月02日09:41

カンボジアの縫製工場労働者、ボーナスに甘んじてストライキ中止

数千人に及ぶカンボジアの縫製工場労働者が、利益を上げながらも問題多き縫製分野で、今後ストライキに参加しないことを条件に50ドルのボーナスを要求していたが、ストライキを終えて仕事に戻ったと、昨日労働組合のリーダーが述べた。

ベトナム国境近くの工場30社で働く約2万人の労働者は、ストライキに悩まされていた2つの工場が最近のストライキに参加していない従業員に報酬を出したことに因んで、ボーナスを要求し二週間前にストライキに突入した。

「ほとんどの労働者は仕事を再開しており、3工場の労働者だけが今もストライキを行なっています。」と労働者運動共同連合代表Pav Sina氏は語った。

工場側は50ドルのボーナスを支払うことに同意していないが、ストライキに対し「解決策を見つける」と言い労働者を安心させたと、彼は述べた。

工場が位置する2つの経済特区を持つバベット市東部の警察署長は、労働者が職場に復帰したことを確認した。

カンボジア縫製業者協会(GMAC)は、工場がストライキに出ない労働者に支払うと約束したことについて、繰り返し否定している。

ウェブサイト上でカンボジア縫製業者協会(GMAC)は、どれほど会社に費用がかかっているかや、国際的なブランド服を作っているかどうかは明らかにしていないが、ストライキは工場での生産を停止させていると述べた。

現地労働法に従い、会社側はストライキによる労働損失日数分の賃金およびその他の給付を支払わないだろうと、カンボジア縫製業者協会(GMAC)は述べた。しかし組合員はそれが新しいストライキの引き金となるかもしれないと警告した。

約65万人もの労働者が、貧しい東南アジア諸国のための重要な外国所得源である、カンボジアの数十億ドル規模の衣料産業を根底から支えている。

縫製労働者はより賃金引上げへの労働ストライキの最前線に立ってきており、カンボジア当局によるいくつかの弾圧にも直面してきた。

1月上旬、繊維工場の労働者に抗議し警察が発砲した際、少なくとも4人の民間人が死亡した。彼らはGap、Nike、H&Mなどのブランド服を作る工員で、月160ドルの最低賃金を要求していた。弾圧の際に逮捕された23人が、彼らの釈放に対する国際的要請があったにもかかわらず、先月裁判にかけられた。裁判所は5月6日に裁判を延期した。

被告人らのほとんどは保釈されず数ヶ月間拘禁されているが、有罪判決を受けた場合、刑務所で最高5年の実刑を言い渡されるかもしれないと、人権団体は言う。

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最終更新:2014年05月13日06:00

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