インドシナニュース

世界的大手アパレル向けの縫製工場で働く女性労働者への虐待が日常的との報道(後)

(前編より)



GapH&M両社も加盟しているEthical Trading InitiativeETI)のDebbie Coulter氏は、次のように述べた。「これらの申し立てについて深く関心を寄せています。性に基づく暴力はいかなる状況下においても許されることではなく、ブランド各社はサプライチェーンで働く女性が保護されるよう改善策に取り組む必要があります。」

「我々は、H&MGapがこうした申し立てを調査し、サプライヤー工場と協力して、被害を受けた女性らを迅速に救済することを期待しています。」

ETIは加盟企業と定期的に連携し、全労働者にとっての解決策を迅速に適用していくために必要な支援を行っていきます。」

H&Mは電子メールにて、Guardian紙に対して次のように回答した。「すべての虐待やハラスメントはH&Mグループの信念に反します。女性に対する暴力は最も広く行われている人権侵害の1つですが、性に基づく暴力は世界中の女性を日々苦しめ、健康、尊厳、身の安全を侵害しています。このため私たちは、ILO内で議論されている職場における性に基づく暴力に反対する国際条約など、職場における女性の人権を守るための取り組みを推進しています。」

「報告書にあるすべての指摘を調査し、各生産国のチームと共に工場別にフォローアップを進めて参ります。」

Gapは、この申し立てについて「深刻に受け止めて」おり、これらの問題を調査、解決するためのデュー・デリジェンスを実施しているとした。

「我々は、衣料品を生産する人々が健全な環境で働き、敬意をもって扱われることを徹底するよう全力を尽くします。我々の価値観と目標を共有できるビジネスパートナーを選別するためにサプライヤー基盤を強化し、我々が調達を行う工場については、ILOBetter Workプログラムに基づき監査する対象を増やして参ります。」

「我が社のベンダー行動規範は、環境および人権に関するポリシーと完全に合致したものであり、いかなる差別をも禁じています。我々は、コンプライアンスチェックのためにブランドのサプライヤー評価を定期的に実施し、サプライチェーンにおいて差別行為または報復行為などの事例を認知した場合、サプライヤーに対して速やかに状況を改善することを要求します。」

Gap社は、性に基づく職場の暴力は深刻な問題であり、ILO活動の重要なテーマであることに同意します。」



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最終更新:2018年06月12日12:01

世界的大手アパレル向けの縫製工場で働く女性労働者への虐待が日常的との報道(前)

~アパレル企業各社はファストファッションの短納期がアジア工場におけるハラスメントと暴力の土壌を生むとの申し立てを調査

労働組合や権利グループによると、ファストファッションの納期に対する圧力が、GapH&Mに商品を供給するアジアの工場で働く女性たちに対する性的・肉体的な虐待につながっているという。

GapH&Mの衣料品サプライチェーンで発生している性に基づく暴力について、先週Global Labor Justiceが公表した2点の報告書によると、この2社に供給する工場で働く540人以上の労働者が脅しや虐待を受けたと報告した。

この報告書では、今年1月から5月にバングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、スリランカで記録されたこうした主張は、短納期と低コストに対するプレッシャーが直接の原因である、と主張している。

今回の報告書は、職場の嫌がらせに取り組むために国際労働機関(ILO)が今週行っている情報交換会の中で明らかになった。

この調査に協力したNGO 団体Central CambodiaTola Moeunディレクターは、H&MGapのサプライチェーンの中で非現実的な目標を達成するために働かされている女性縫製労働者にとって、虐待は日々の現実であると述べた。「職場から報復される恐れがあるため、こうした事案のほとんどが報告されません。」

GapHMの両社はGuardian紙に対し、これらの申し立てについて調査し、ILO条約を含め、暴力撲滅のための取り組みを受け入れると述べた。

Global Labour Justice の米国ディレクターであるJennifer Rosenbaum氏は、次のように述べた。「我々は性に基づく暴力が、グローバルサプライチェーン構造に起因していることを理解する必要があります。HMGapなどファストファッション向けのサプライチェーンモデルは、不合理な生産目標を安価な契約によって強いるため、女性たちは残業をしても無給で、過度なプレッシャーを受けながら急いで作業しなければなりません。」

「労働組合や多くの政府は、性に基づく暴力に関するILO条約が必要であることに同意していますが、一部の雇用者は依然として反対しています。」

H&Mはインドにある235の縫製工場をサプライヤーとして利用している、とこの報告書は明らかにした。先月バンガロールにある工場で賃金と労働条件に関する紛争が発生したが、女性のテーラーは調査官に対し、彼女は髪の毛をつかまれて殴られ、「お前は売春婦だ。お前のようなカーストは売春宿にでもいるべきだ。」と罵られたと話した。

また別のH&M向けサプライヤー工場で働く従業員は、生産目標を達成できなかったため、罰として殴られたと調査官に語った。

「私がミシンで作業していると私の班の上司が後ろに来て、「生産目標が達成できていない。」と叫び、私を椅子から床に引きずり落としました。そして彼は私の胸などを殴った後、私を引きずり上げては床に叩きつけるのを繰り返し、最後に私を蹴ったのです。」

スリランカにあるH&M向けサプライヤー工場で働くある女性は、次のような不満を漏らした。「女性が触れたり掴んだりされたことについてミシンの保全管理者に注意をすると、報復されてしまいます。時に彼らは、ミシンがきちんと動かないようにしてしまうのです。その後彼らは見て見ぬふりをして、長い間それを直そうとしません。そうすると監督者が、生産目標が達成できていないと私たちを叱責するのです。」

インドネシアでGap向けに商品を供給している工場で働くある女性は、毎日ばかと罵られ、作業が遅いと嘲られ、雇用契約を終了すると脅かされていると話した。

「彼らは材料を投げつけたり、私たちの椅子を蹴ったりします。彼らは直接私たちに触れず、警察に示されるような証拠を残さないのです。」と彼女は言った。



(後編につづく)



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最終更新:2018年06月12日06:01

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(後)

(前編より)

 

カンボジア労働省の国家社会保障基金のCheav Bunrithディレクターは、栄養摂取と気分が悪い際の手当てに関する教育プログラムのおかげで、卒倒事故の数は2015年の1800人から去年には1160人にまで減少したと述べた。しかし彼は、工場環境の改善の必要性についても認めた。「冷却システムは工場の規模に応じて設定する必要があり、加えて安全な電気供給システムも整えなければなりません。」

集団卒倒について研究している医療社会学者のRobert Bartholomew氏は、劣悪な環境下で長時間勤務が行われた19世紀の英国において頻発した類似の事故と、カンボジアの事故を比較検証している。それは「潜在的な政治的抵抗」の一形態である、と彼は指摘した。「こうした事故が頻発する原因は肉体的ではなく心理的なものであり、集団における心因性疾患の一種なのです。」とBartholomew氏は述べた。

「労働者に栄養価の高い食品を提供することは有効で良いことですが、長時間労働、ストレス大きい労働環境、低賃金の問題についても徹底的に改革することが必要です。」と彼は述べた。

Observer and DanwatchがPuma、VF Corporation、Nike、Asicsに確認したところによると、これらの企業では昨年の11月から今年3月にかけて発生した一連の事故について調査を行ったという。Nike社は火災予防の措置をとり、火災訓練の回数も増加させたとした。また内部監査によりNike社の定める上限値を超える最高30℃の室温が検出されたため、冷却システムと空調設備も新たに導入された。「社会への影響と工場における是正措置の必要性を示す兆候と受け止め、我々は真剣に失神の問題に取り組みます。」とし、Nike社ではまた、短期雇用契約制を採用しないこととした。

Puma社は、栄養補助食品の提供や健康診断の実施、換気システムのメンテナンス、労働者管理委員会の設置などの勧告を行ったことを明らかにした。またPuma社では現在、2年以上勤務する労働者について、短期雇用契約から切り替えようと計画している。こうした取り組みは、国連の労働機関と国際金融公社とのパートナーシップからなるBetter Factories Cambodia(BFC)と共同の取り組みである。「集団卒倒の原因は複数あり、それらは複雑に絡まりあっています。」とした。「ブランド各社、工場、労働者、政府との間で協力的な取り組みが行われてこそ、状況は改善されることになるでしょう。」

Asics社もまた、BFCとも協力し取り組んでいる。「労働者の失神は、さまざまな要因によって引き起こされる複雑な問題です。」とし、「工場ではAsics社とBFCと共に、労働者の意識改革と安全衛生トレーニングに注力するだけでなく、換気システムの改善を含む様々な問題に対処して参ります。」と続けた。

VF社は世界的に1000ものサプライヤー工場と共に取り組んでいるとした。「当社のチームは温度管理や休憩時間など、契約サプライヤー工場における労働条件がその地域の法律や規制に沿っていることを確実なものとするよう懸命に努力しています。」とした。

 

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最終更新:2017年07月01日12:01

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(前)

スポーツウェアブランド各社は、短期雇用従業員が30℃以上の室温の中10時間勤務する工場において事故が相次いだと総括

 

世界で最も有名なスポーツウェアブランド複数社に対して供給を行うカンボジアの工場で働く女性たちは、労働環境に起因して繰り返して発生する集団卒倒に苦しんでいる。

昨年1年間で、Nike、Puma、Asics、VF Corporationに製品を供給する4つ工場で働く500人以上の労働者が病院に搬送された。昨年11月に3日間にわたって発生した最も深刻な事故では、360人もの労働者が卒倒した。ブランド側もこの事故を認めたが、これは60万人強の、そのほとんどが女性の縫製労働者を何年にもわたって悩ませてきた一連の失神騒動の一つであった。

デンマークの調査メディアグループであるObserver and Danwatchは、2015年に57億米ドル規模にも達したアパレル業界で働く労働者、労働組合、医師、慈善団体、政府関係者に対してインタビューを行った。

失神を経験したある女性は1日10時間、週6日働いており、疲れと空腹を感じていたという。室温が37℃にも達する3つの工場では、過度に暑い室温にも問題があった。隣国ベトナムでは工場の温度は32℃を超えてはならないと規定しているが、カンボジアにはそういった制限はなく、労働者の就業が困難となるほど室温が「非常に高い」レベルに達した場合は、雇用主はファンや空調設備を設置することが求められる。

また労働組合によると、3つの工場で働く労働者にとって短期雇用契約もストレスと疲労の主な原因であるという。

カンボジアの月額最低賃金は120英ポンドで、一日2時間の労働時間外労働を含むと工場によっては150~190英ポンドになる。賃金水準は様々であるが、労働者の権利同盟であるAsia Floor Wageによると、問題となった4つの工場ではいずれも、カンボジアにおいて月300英ポンドとされる「生活賃金」を支払っていないという。

米国の大学で構成され、縫製工場を監督するWorker Rights Consortiumで東南アジア地域を統括するBent Gehrt氏は次のように指摘した。「適切な労働環境や生活賃金に対するきちんとした投資は行われていません。労働者が失神するような事故は、もっと劇的に何かを改善する必要があるという明確な示唆なのです。」

短期雇用契約は雇用不安の「根本的な原因」となっており、それが故に労働者は残業を拒否できないのだ、と彼は続けた。「労働者は残業をしなければ、契約を更新されないと考えるでしょう。」

カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、集団卒倒は工場の生産を停止させて生産性の低下を引き起こし、数十万英ポンドものコスト要因となるという。360人の労働者が3日間に亘って倒れた際は、コンポンスプー州のAsicsの靴を供給する工場では一時的な閉鎖に追い込まれた。

Collective Union of Movement of Workersの代表であるNorn Sophea氏によると、一人の女性が、気温が37℃にも達する工場で発作を起こした際、「集団パニック」が発生したという。「特定の部門にはその場所を冷やすための小さなファンがありますが、その他の場所では、ファンは工場のほこりを取り除くだけの機能しかなく、そういった場所は非常に暑くなるのです。」とSophea氏は指摘した。

Nikeに製品を供給している工場において火事から逃れるために殺到し、28人が倒れたという事故では、労働者たちは命の危険さえ感じた。Pumaに商品を供給している工場において分厚い煙が蔓延した際も、また別のパニックが発生した。

プノンペン郊外のPuma向けにスポーツウェアを製造する工場では、3月に煙が工場の床を覆い、150人の労働者が倒れた。28歳のある女性は、2時間も意識不明となった。

「私は爆発音を聞きました。ほどなく煙が工場に充満しました。皆怖がり、パニックになったのです。私は逃げるために出口に走りましたが施錠されていたため、マネージャー専用のドアの方に走ったのです。」と彼女は言った。「多くの労働者が後ろに殺到していました。何人かの労働者は逃げることができず、失神し始めたと聞きました。」

カンボジアのアパレル労働者連盟のKim So Thet会長は、工場に冷却システムの設置を求めた。「乾季には室温はとても高くなります。」とSo Thet会長は述べた。「毒物のような臭いがする発電機の火と熱が組み合わさって、労働者は病気になってしまいます。」

Puma社は爆発に関する報告は上がってきていないが、発電機の不具合によって煙が発生し、作業員は避難口から逃げようとしたようだ、とした。

長時間労働、ストレスの多い労働環境、そして低賃金という点で、抜本的な改革が必要となっている。

不十分な換気と工場内外の化学物質が劣悪な労働環境を引き起こしている上、地方工場の労働者はトラックで最大2時間立ちつくしなど、通勤に疲れきっている。

 

(後編に続く)

 

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最終更新:2017年07月01日06:01

ミャンマー:時給13ペンスで働く児童労働の例が繊維産業で指摘(後)

(前編より)

 

ミャンマーの工場オーナーは、コスト削減への強いプレッシャーをブランドから受けているという。ミャンマー衣料製造協会のDaw Khine Khine Nwe会長は、格安衣料がどのように生産されているかを考えるようイギリスの買い物客達に対し訴えかけている。「値段を上げ労働者に還元するよう我々はバイヤーに求めていますが、彼らは乗り気ではありません。」

昨年のヤンゴンでのObserver紙のインタビューに対し、Nwe会長は「消費者は常により良い品質を求めますが、値段に関しては常に最も安いものを求めます。どちらがより大切なのでしょうか?」と答えた。

国際ブランドは値段の高い国から労働コストの低いミャンマーに生産拠点を移行し、2010年から2014年にかけて輸出額は3倍となる7億8700万英ポンドに増加した。ミャンマーには現在400以上の工場があり、その90%が女性である35万人の労働者を雇用している。

今回のレポートで、Somoは企業に対し労働者に生活賃金を支払うよう訴えかけている。

「衣料品企業は、衣料を低コストで素早く生産できる生産拠点を常に探しています。大量の安価労働者と輸出入関税の優遇から、繊維産業ではミャンマーが過去数年間で急速に人気の調達先となっています。」と報告されている。

しかしながら、労働権に対する違反がはびこっており、ミャンマーでの繊維産業における労働環境にはとても受け入れがたいものがある。なるべく低い料金を確保するのに必死な外国人バイヤーに後押しされ、アジアのサプライヤーは不当な「底辺への競争」の中ミャンマー国内にショップを立ち上げている。

「このレポートで報告されている問題点は認識しています。我々はサプライヤーや国内の地元パートナーと協力し、問題を訴えかけ、倫理的な繊維産業をミャンマーで発展させるよう努力しています。」とNew Lookは述べた。

H&Mは、レポートが「産業全体の課題」を投げかけるものであり、「我々にとって全ての製品が良好な労働環境のもと、環境、健康、そして安全に配慮して生産されたものであることは最重要事項です。人々が尊敬を持って扱われ、我々のサプライヤーが労働者に対し良好で公平かつ安全な労働環境を提供するよう望んでいます。」と回答している。

なおH&Mは児童労働が決して容認できるものではないと強調しつつも、ミャンマーでの労働法定年齢が14歳であることを指摘している。

Sports Directは労働者に対するインタビューを「裏付けに乏しく証拠がないものである」として退け、「我々は(レポートを)公表しないよう強く忠告します。」と代表者が述べた。しかし、同社が発表した声明においては、「我々がこういった類の違反を容赦することはなく、これを反映する方針を施行しています。この方針の詳細は我々のウェブサイトの奴隷労働禁止法に関する当社の声明に明記されています。」

無印良品の代表者は、「我々は社内でも社外パートナーとの提携においても、良好な労働習慣を常に保障するよう世界規模で取り組んでいます。」と述べている。

Pierre Cardinは今回の事例をさらに調査し、適切な対策をとると表明している。

Henri Lloydは幾度にもわたるインタビューに応じず、Somoがレポートに対するコメントを表明する機会を与えた際も反応しなかった。

 

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最終更新:2017年02月09日13:49

ミャンマー:時給13ペンスで働く児童労働の例が繊維産業で指摘(前)

新たなレポートによると、イギリス繁華街の主要ブランドで販売されている衣料品の一部を生産するために、最少で14歳の子供達が雇用されているという。

いくつもの主要ブランドがミャンマーの低コスト工場に生産を移転しているが、New Look、Sports DirectのLonsdaleブランド、そしてH&Mは、児童労働が行われている工場を使用していることが判明している。労働者達が捜査官に語ったところによると、子供達は法定最低賃金の半分に過ぎない、一時間あたり最少13ペンス(約18円)の賃金しか受け取っていないという。

メジャーブランドに供給する工場での児童の使用は、労働コストの最小化を追うブランド達の「底辺への競争」の結果であると労働権の活動家達は言う。

オランダに籍を置く、多国籍企業に関する研究センター(オランダ語のイニシャルから「Somo」として知られる)では国際ブランドに供給する12の工場で400名の労働者にインタビューを実施し、Observer紙とともにレポートをまとめた。

「ブランド側は児童労働に関するメッセージを受けとっていると我々は考えていたのですが、本調査により労働コスト削減に対する取り組みにはリスクがあることがわかりました。」と研究者である Pauline Overeem氏は語った。「ミャンマーでの西洋ブランドの衣料品生産のための児童使用の蔓延は憂慮すべきものであり、我々は、児童が必要な教育を受けれるよう全ての企業が責任を持つように求めます。」

ここ数年、ブランド側も主要サプライヤーの工場における児童労働を排除する事にいくぶんかは成功したが、中国等での賃金上昇により、14歳以上の児童を1日4時間まで法的に雇用できるミャンマーなどの、より安い市場に生産拠点の移行を進めている。

ミャンマーにおける法定最低賃金は1日8時間労働で3600チャットであり、時間給に換算すると26ペンス(約36円)となる。調査対象となったすべての工場では、労働者たちが週に6日間勤務している。労働関連のNGOは、最低限の生活水準を満たすには最低賃金を少なくとも1日6000チャットとする必要があるという。

調査を行った全ての工場で18歳以下の労働者を雇用していた。LonsdaleとNew Loookに供給する工場では複数の労働者が14歳で仕事を始めたと陳述している。

New Lookと同じ工場から調達しているドイツのブランドでは、工場において児童雇用の証拠も含めた「違法行為」があったと報告している。調査員によると、その工場では後に18歳以下の労働者を全員解雇している。調査員に年齢を聞かれた労働者の一人は、「本当の年齢を知りたいのですか?それとも工場での私の年齢ですか?」と回答したという。また他工場の労働者は調査員に対し、「バイヤーの工場訪問時、児童労働者はその日仕事に来るなと言われます。」と語っている。

H&Mと無印良品に供給する工場には15歳以下の労働者が複数いるとも報告されている。H&Mは、以前14歳の労働者を2名発見したものの、11月時点の調査では14歳以下のものはいなかったと述べている。

また調査員は、Sports Direct、Henri Lloyd、New Look、H&M、無印良品、Pierre Cardin、Karrimor(Sports Directが所有)に供給する工場では最低賃金額に満たない賃金しか支払われていないことを発見している。

H&M、無印良品、Pierre Cardin、Karrimorに供給する工場での最少賃金は1時間あたり13ペンスのみであった。こうした労働者たちの日当は1.06英ポンドである。ミャンマーの労働法では、新しい労働者に対し安い賃金を支払うことが認められている。

労働者たちは、その様な低い賃金で暮らすことは難しいという。Lonsdaleに供給する工場で働いていたThiriとYandaは、無断居住地区にあるその場しのぎの小屋で電気や水道もなしに暮らすのがやっとの事であったと語った。

「ここに住むことのメリットは、家賃にお金を払わなくて良いのでなんとかやりくりできることです。」とThiriは述べた。

ミャンマーの工場法では残業も含めて週に60時間以上働かないよう労働者に求めているが、New Look、Sports Direct、Henri Lloyd、Karrimor、H&Mに供給する工場ではそれより長い時間労働していることが報告されている。H&M、無印良品、Sports Direct、Henri Lloydに供給する工場では超過勤務の強制が、New Look、Pierre Cardin、H&Mに供給する工場では無給残業が報告されている。

 

(後編へつづく)

 

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最終更新:2017年02月09日11:49

タイ:国王追悼のための喪服の価格吊り上げに政府が警告

商業省は製造業者と協調し喪服の安定供給を目指す

タイ政府は敬愛されたプミポンアドゥンヤラデート国王を悼む国民が喪服を購入していることから、全国的に黒い衣服が不足するだろうと予測した。

商業省は、喪服の安定的な供給のため製造業者と協調しており、販売業者による価格の吊り上げは厳しく罰せられるであろうと発表した。

70年に及ぶ在位期間にわたって神同様に畏敬されたプミポンアドゥンヤラデート国王が10月13日に崩御し、タイは悲しみに包まれている。

様々な公的活動はキャンセルされ、テレビ番組や歓楽街も11月まで喪に服するためトーンダウンするよう要請されている。

こうした要請による経済の停滞が懸念される一方、少なくとも喪服の売り上げは急増している。

商業省のNuntawan Sakuntanaga国内貿易部長は消費者に対し、製造業者が需要に対応できるまで喪服の購入を延期するよう呼びかけている。

Nuntawan部長は「今後数日間は黒いシャツの供給は少ないかもしれませんが、縫製業者は不足することはないと主張しており、また価格も通常通りです」と述べたとNation紙は報じている。

Nuntawan部長によると、国王の崩御以来、黒い衣類が通常の倍の価格で販売される例があったという。

価格吊り上げをした者は14万バーツ(3900米ドル)以下の罰金及び禁固7年以下の罰則を受ける可能性があるとNuntawan部長は述べている。

プミポン国王はほとんどのタイ国民の知る唯一の国王であり、道徳的に清廉潔白なイメージの国父的存在であった。国王の崩御はタイ国民に深い悲しみをもたらした。

国王が88歳で亡くなった病院からバンコク市内の王宮へと遺骸を運ぶ車列の通り道には14日、肖像画を掲げ国王を追悼する数十万の臣民が詰めかけた。

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最終更新:2016年10月18日06:00

ミャンマー:H&Mの工場、14歳の労働者を雇用

ファッション小売巨大企業は、スウェーデンの新しい雑誌が出たあと2つの工場に対し措置を講じたと話すが、労働環境について不安は拭えない

 

スウェーデンで来週発行される雑誌によると、スウェーデンのアパレル小売企業H&Mは、14歳の幼い子供たちが日当たり12時間以上労役にあたっているミャンマーでアパレル縫製工場を運営している。

「働きたいという人なら誰でも雇っていますよ」と14歳で働き始めた少女の一人であるZu Zuは筆者らにModeslavar、つまり英語で言うなら「ファッション奴隷」に関して話してくれた。

記者のMoa Kärnstrand氏とTobias Andersson Akerblom氏は、ミャンマーの法律と国際労働会議に違反した夜10時まで働いているという15歳の少女たちに会った。ミャンマーの中心地ヤンゴンに近いMyanmar Century Liaoyuan Knitted Wear とMyanmar Garment Wedgeの2つの工場で働いている少女たちだ。

H&Mは、14〜17歳のグループが2013年から長時間働いているということに気づいて以降、両方の工場でIDカードと残業に対して措置を講じていると述べた。

しかし声明には、「国際労働法によると、14〜18歳が働いているのは児童労働ではありません。ILOはむしろ、ミャンマーでの労働からこの年齢グループを除かないことの重要性を強調しています。H&Mは当然、どんな種類のものであれ児童労働を許しません」とあった。

その新事実は、公式にはビルマとして知られるミャンマーでの状況について新たな不安をもたらし、それは近年、H&MやC&A、Aldi、Gapに加わったMarks & Spencer、Tesco、Primark、New Lookなどのイギリス小売業者らにとっても同様である。

昨年、ミャンマーの工場での労働環境について調査を行ったOxfamのErinch Sahan氏は、児童労働の調査には踏み込まなかったが、強制残業と低賃金が蔓延っているのを知ったと話した。

「ミャンマーの労働者の無力化が広がっていることを考えると、これらの問題が起こっていることにあまり驚きません」とSahan氏は話した。

去年ミャンマー政府は、一日8時間の最低賃金を3600チャット(2.80米ドル)と定めたが、これは世界の中で最も低い金額の一つである。

ガーディアンが連絡を取ったイギリスの全小売業者は、発展途上国において国際労働機関(ILO)の勧告のもとで14に分類された児童労働の使用をサプライヤーに禁じた適切な方針を持っていると述べたが、ILOは健康や安全を脅かしたり教育の妨げになったりしない限りは13〜15歳の子供は軽労働をしてもいいとしている。

ミャンマーで3つの工場を稼働させているMarks & Spencerは、サプライヤーらは18歳以上の雇用のみを許可していると話した。New LookとPrimarkは、工場で働く労働者16歳以上でなければならず、これはすべて巡回等の措置を通してチェックされていると述べた。彼らは皆、Modeslaverに強調された工場は使っていないと話した。Tescoだけは、児童労働を許可していないと述べた。

「我々の製品が良い労働環境下と安全、健康、環境への考慮によって作られることは、我々にとって最も重要なことです。我々はそのため、IDカードと残業に問題のあるミャンマーの2社のサプライヤーに対して措置を講じているのです」とH&Mは述べた。

さらに、10代の子供たちが国際的な勧告と地元のルールに反してサプライヤーの工場で長時間働いていたことは「容認できないこと」だと付け加えた。

「どのような残業でも、我々の需要だけでなく法律に従ったものであるべきで、これは14〜18歳の年齢グループにおいて特に重要です。もしサプライヤーが我々の基準や国家の法律に沿わないようであれば、決められたやり方に従う我々は即時に、サプライヤーにアクションプランを定めるよう要求しますし、このケースにおいても同様です。問題になっている2つのサプライヤーへの方策の懸念の一つは採用の慣例の改善で、それはIDカードの扱い方の改善に帰結します」とH&Mは述べた。

Myanmar Century Liaoyuan Knitted Wearと Myanmar Garment Wedgeはコメントを要求したが、回答しなかった。

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最終更新:2016年08月25日06:01

カンボジア:危険な中絶リスクに晒される女性縫製工員

縫製産業に従事する女性は、実家や支援ネットワークから離れ、中絶医療を含む安全な医療サービスを受けることができないでいる。

カンボジアにある多くの縫製工場の一つで働く若い女性のSopheakさんは、ベッドの上で泣きながら座っている。彼女はたった今妊娠していることを知らされ、ボーイフレンドはそのニュースを聞いた途端に彼女のもとを去った。

「ボーイフレンドもおらず、未婚でお金もないのに、赤ちゃんだけができました。」彼女は友人が慰めようとした際そう嘆き、「赤ちゃんを中絶することができる秘密の場所」に行く決意を明らかにした。彼女は友人を見上げながら、「こんなことをあなたに言うべきではなかったのだけれど」と続けた。

これはNGO支援団体によって作成されたビデオの一場面であるが、画面上で繰り広げられるこうしたドラマは、多くのカンボジア人縫製労働者にとっての現実である。

アパレル産業はカンボジア経済にとっての要であり、女性にとっても唯一最大の雇用先である。約500ある工場では若く、多くは田舎から都会に移り住んできた約50万人の女性労働者を雇用している。

実家や支援ネットワークから離れ、低い教育レベルや低所得といった環境の中で、こういった女性らは特に弱い立場に追い込まれ、国連人口基金(UNFPA)によると、中絶を含めた医療に関する情報やサービスを受けることができないでいる。

カンボジアの法律では女性は妊娠12週までは中絶することが認められているが、調査によると多くの縫製労働者がこの処置が合法であることを知らないでいる。その結果、彼女らはどうしたら安全な中絶医療を受けられるのか知らず、大多数は高価で危険を伴う民間医療を受診している。

3つのNGOが共同して推進するPartnering to Save Livesという支援団体により公表された2014年の調査によると、縫製工場で働く90%以上の女性は中絶が合法であることを知らず、また調査でインタビューした900人の縫製労働者のうち18%は中絶を経験したと述べた。当時国の平均中絶率は5%であった。そしてこれらの女性の約75%が、安全に中絶できる場所を知らなかった。

カンボジアの非営利団体であるリプロダクティブ・ヘルス協会によって運営されている、プノンペンの小さなクリニックのマネージャーを務めるChok Chanda医師は、「危険な場所」で施術を受けた、縫製労働者を含む多くの患者を治療してきたことを認めた。

「クリニックを訪れる中絶処置後の合併症を発症した患者のほとんどが、医療用中絶ピルや旧来の中国製ピルの誤った服用によって中絶が不完全な状況となっています。」と彼女は言った。「彼女らは薬局でピルを購入して自宅でそれを摂取しますが、どうやって使用するのか方法を理解していないのです。本当はピルを2回摂取した上で、検診を受ける必要があるのです。」

多くの女性は安全な中絶サービスを受けられる施設を知らないため、または働く場所に近いからといって無免許の民間診療所や薬局に行っている。

また、未婚の女性にとって婚前交渉はまだ眉をひそめられる環境の下で、彼女らはこの不名誉な事態を避けるため、中絶処置のために遠距離を移動するような選択を行っている、とChanda医師は指摘した。 「彼女らは危険な場所に行き、その後合併症を発症して私達のところにやって来るのです。」

2008年世界保健機関(WHO)は、毎年危険な中絶処置により世界で47000人もが命を落とし、何百万人もの女性が一時的または永久に不妊となっているとの推計を示した。

生殖における妊産婦の健康と権利に関するケア・アドバイザーであるJulia Battle氏は、「中絶に関しては、多くの誤解と混乱がある」ことを認めている。彼女はこのことが誤った中絶の理由の一つであると言い、彼女の組織では性と生殖の権利についての意識を高めるため、首都とカンダル州にある16の工場で女性縫製労働者に対してトレーニングを行っている。

教育用のミニドラマを放映するほか、縫製労働者によく伝わるよう、それをスマートフォン上で共有できるようにしているとBattle氏は述べ、このトレーニングセッションでは「性交渉、現代的な避妊、緊急避妊から安全な中絶に関する議論を深めています」とした。

今年の中間レビューによると、縫製労働者の約45%が安全な中絶措置を受けられる場所を少なくとも1ヵ所知っていると答え、2年前の27%と比較してトレーニングによって工場における知識水準が上昇しているという結果が示された。

しかしカンボジアの多くの工場で、なおも多くの女性が黙殺されていることをBattle氏は認めている。「工場は何百もあります。我々がケアできない工場ではおそらく、望まない妊娠をどのように防ぎ、どこでどのように安全な中絶処置を受けられるのか、まだよく認識されていないと思います。」と彼女は言った。

安全な中絶を容易に受けられるようにするため政府は何をすべきかと問われ、保健省の広報担当者は国立母子保健センター所長Tung Rathavy博士に照会したが、博士はコメントを避けた。

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最終更新:2016年07月19日12:00

ミャンマー:英国の小売業者が最低賃金保証を歓迎(後)

おそらく最も憂慮すべき点として、バングラデシュの衣料品工場で起きた最近の事故に際し、約半数の労働者が、火災の問題について避難路が塞がれていることや、監督者または管理者による抑圧的なふるまいによって、工場内を安全と感じていないとした。 労働者の1人は、Oxfamに次のように語った。「消防隊はありますが、ただの見世物です。」

スウェーデンの小売業H&Mは、ビルマにおける欧州資本最大の事業者の1つで、13の工場と取引している。このことは、ビルマにおいて善を推進する力となる可能性がある、と述べた。

「ビルマは目覚しい発展と成長の可能性を秘めており、我々は雇用創出や繊維産業における持続可能性基準を引き上げることに貢献することができると考えています。ミャンマーは、手間のかかる衣服を生産する能力を備えた、成熟した衣料品産業を持っています。」と広報担当者は述べた。

H&M社は、ビルマの衣料品産業を魅力あるものとし、熟練した労働市場を維持するために、統一の最低賃金制を導入し、「経済繁栄のドライバとして開発、成長させる必要があります。」とした。

M&Sは約2年前にビルマ参入し、3つの工場と取引してきた。またTescoもほぼ同時期に参入し、2つの工場を利用している。いずれの会社も定期的に工場を監査し、倫理基準を満たしているか確認している、とした。

Primarkは何ヵ所の工場と取引しているか明らかにしておらず、ビルマから「非常に少ない数」を調達している、と述べるにとどまった。 「これらの調達先は我が社の行動規範や、労働者の権利が尊重されるべきという点をよく理解しています。」とこの小売業者は述べた。

Topshopは、ビルマの1つの工場と取引を行っており、すべての調達先が会社の行動規範に沿っていることを期待している、と述べた。

New Lookは、2014年にビルマからの調達を開始し、コートやジャケットを作る4つの工場と取引をしているとされている。New Lookは(この点について)コメントを差し控えた。

 

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最終更新:2015年09月09日14:02

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