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繊維産業はカンボジアの政治的成長を焚き付ける

まばゆく白く光る裸電球の下で、若いカンボジア人の生産ラインが、820枚の日産目標を目指し、子供用のパジャマ上下を縫い、アイロン掛けし、折り畳んでいく。これらの衣類はロサンゼルスのショップの棚に行き着き、店頭価格9.97USDで販売される。労働者は大部分が女性で、午前7時30分から始まって、午後4時終業だが、大部分は2時間の時間外勤務に携わる。カンボジアの首都プノンペンの郊外のGawon Apparel工場にはおよそ1,300人の労働者が働き、彼らは1日あたり20,000着、年間で730万着もの製品を生産する。

工場のオーナーは韓国人で、国中で輸出許可証を有する企業約375社のうちの1つである。縫製産業はカンボジアの最も重要で伸び盛りの産業である。45の履物会社と何百もの下請け会社まで含めると、1400万人の人口のうち、業界全体でほぼ500,000人の労働者の雇用を担っている。これらの工場が量産するシャツ、ブラウス、スニーカーが、カンボジアの輸出の80%を占め、わずか130億USDのGDPのうちの40億USDの外貨を稼いでいる。

 

縫製産業の成功は、数十年に亘ってクメール・ルージュ恐怖に怯え、外国の侵入と内戦に苦しんできて、やっとわずか20年前に復興した国の新しい経済活力の希望の徴候である。

Gawon Apparel社の韓国人オーナーMercedes Cha氏は社交的で、信心深い長老派教会員である。3つの工場をカンボジアへ動かしたのは神のお導きに因るものです、と彼女は言う。他の経営者はもっと俗っぽい理由でプノンペンに来ている。すなわち、低賃金と欧米の市場へのクオータ無しでのアクセスである。カンボジアは、中国だけでなく、インドネシアやベトナムやその他の国よりも低賃金で、一躍、この地域の低コスト組立産業の寵児となった。

こうして、国の貸借対照表と、長期政権を維持するフン・セン首相及び彼の政権党カンボジア人民党に奇跡が起こった。ベトナム軍の助けを借りて1979年にクメール・ルージュを一掃した元ゲリラ兵であるフン・セン氏は、西側政府と多くの対外援助グループによって長く非難されてきた。

彼らもこの国の人権の歴史と民主主義の欠如について不満がありとはしながらも、成長を見届けたくてフン・センに耐えてきた。彼の主な後ろ盾は中国である。

しかしながら、最近、ゲームの規則は変わりつつあり、経済的に力を付けた市民がより社会的・政治的権利を要求しはじめた。今年、多くの縫製工場ではストライキが起こり、労働条件と賃金についての抗議の攻撃を受けた。

 

もう一つの微妙な問題は土地権利である。過去10年間に、政府が国有土地使用権を、たいていは中国の開発業者に売って、約30万人が家と村から強制的に追い出された。アパートやショッピングセンターの開発のために首都プノンペン中心の湖周辺の家が一掃されるときは特に論争の的で、抗議の列を引き起こした。

長い間、フン・センがそのような抗議を無視することができた、あるいは、抑えることができたのは、経済が成長していたためである。今は、しかし、彼さえ譲歩をし始めた。5月には、政府はすべての新規の国有土地使用権配分を停止した。9月には、それは雇用主にあらゆる労働者に手当として別途月額10ドルを支払うよう命令した。そして、対外援助グループとの宥和のために、フン・セン政府は、カンボジアでの彼らの活動を制限する法案を黙って棚上げした。

譲歩は、来年に予定される総選挙との関連があるかもしれない。カンボジア人民党(CPP)は、十分な資金を持ち、メディアを掌握していて、草の根組織が強いので、通常選挙結果について心配する必要はない。しかし、現在、この数年間で初めて連合した野党と真っ向から向き合うことになっている。国民議会の123の議席のうちの3つを占める人権党と26席を占めるサム・レンシー党が合併して、カンボジア救国党を結成した。この2つの党は何千もの地方議会議席を持っている。

2党の合併は政府に「今度は本当の恐怖」を与えるだろうし、実際に50議席を獲得することも夢ではないと、議会の著名なサム・レンシー党(SRP)議員であるSon Chhay氏は主張する。楽観的な見方であるが、しかし、少なくとも、今度の選挙は見る価値がある。

 

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最終更新:2012年10月13日06:00

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