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ベトナム:eコマースの新興企業が伝統工芸の職人らを支援(後)

(前編より)

 

Jewelise社

2013年、韓国人のSong JayPhil氏は、家族が30年近く宝石ビジネスを営んでおり、技術とクラウドソーシングを組み合わせることにより職人を支援する、という社会的使命を担うことを決意した。

彼の起業したJewelise社は、デザインコンテストを主催しており、そこでの受賞者は広く紹介され、その製品は、デザイナー、顧客、および職人を結びつけるプラットフォーム上で販売されることになる。

Jewelise社はまず、Born2Globalという、韓国政府の未来創造科学部が国を超えて韓国系新興企業を支援するプログラムにおいて形成された。その結果Jewelise社は、シリコンバレーのファッションテクノロジーの促進者として(300社中)トップ10に数えられ、既にシードファンディングを受け、また、韓国の新興企業・起業家開発機関(Korea Institute of Startup and Entrepreneurship Development)から7万5000米ドルを受け取った。

8月にJayPhil氏はハノイを訪問し、彼の新規事業のビジネスモデルをベトナム市場に投入した。「我々は従来の(韓国の店舗とブランドを結びつけるという)ビジネスモデルを方向転換し、今は米国市場に照準を合わせた新しいウェブサイトを開発しています。」と、JayPhil氏は述べた。最高経営責任者(CEO)として彼は現在、Jewelise社の英語によるクラウドソーシングプラットフォームを開発するのに、ハノイにある現地開発者の人材プールを活用している。

Song氏は最終的に、12月上旬には米国に直接ベトナム原産の手作りジュエリー製品を輸出し、年間680億米ドルの米国ジュエリー市場の一部を獲得したいと考えている。

 

<伝統の維持>

技術、革新、そして伝統の融合により、より多くの地元職人を国際市場へ効率的かつ倫理的につなげることが、ベトナムの工芸品産業を健全に残していく1つの希望となる。

未来は明るいように見える:ベトナム国外の消費者は、Fashion4Freedom(F4F)社の手彫りのドラゴンウェッジシューズのために、1000米ドル以上を喜んで支払うことが分かっているが、彼らはまた、同じ価格帯の他の製品にも高い期待を示している。

これら新興企業にとっての主な課題は、常に高品質な製品をお客様に届け続けることである。しかし、Fashion4Freedom(F4F)、Wild Tussah、Mekong+社などが示してきたように、そうすることは不可能ではない。

今日ベトナムには約1,500の手工芸村があり、陶器、シルク、漆器などの製品に専門性を持っている。そしてベトナムは、観光客が中部海岸沿いの町、ホイアン(ユネスコの世界遺産として知られている)のような場所を旅行する際に、安価な仕立て服を購入するのに人気の場所となっている。

おそらく我々は、ベトナムにおいてBy Own、Efaisto、Jewelise社のようなより多くの新興企業が出現するのを目の当たりにすることになるだろう。この国に足を踏み入れなくとも、守られた古代ベトナム文化の一片を体験することを想像する - これが、これら新興企業が目指している未来である。

 

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最終更新:2015年10月31日11:41

ベトナム:eコマースの新興企業が伝統工芸の職人らを支援(前)

ベトナムが世界貿易機関(WTO)に加盟して2年後の2009年に、社会的に信頼性の高い衣料品のサプライチェーンを構築し、ベトナムの地元工芸品の伝統を保護していくことを目的に、ベトナム系アメリカ人のLanVy Nguyen氏によってFashion4Freedom(F4F)社が設立された。

それから6年経たないうちにこの会社は、ベトナム初となる高級手工芸品を生産するための、倫理的で、拡張性のあるビジネスモデルを完全に確立した。Fashion4Freedom(F4F)社のウェブサイトによると、今日では一貫生産サービス、職人、そして市場のインキュベーターを抱えており、“100の村、協同組合、作業場”にインパクトを与えている。

Fashion4Freedom(F4F)社は、ベトナムの地元工芸品産業に良い影響を及ぼすパイオニアであったが、今ではベトナム新興企業の新勢力が、ユニークなスタイルや、最新のファッショントレンド、顧客の体型など、個別の要求に応じた洋服やアクセサリーを世界中に供給している。

新興企業の外国人創業者は、ベトナムに革新をもたらし、ビジネスを好転させることに取り組んできた。彼らは皮革、ファッション、ジュエリー産業を保有しているが、それらの古い慣習を破壊しようとしている。そしてより重要なのは、彼らは環境への影響を考慮しながら、ビジネスパートナーである地元職人のために、倫理的かつ公正なビジネスモデルを構築することを優先的に行ってきたということである。

それはベトナム電子商取引の新世界の幕開けであった。

 

By Own社

まずBy Own社では、インターネット上で手作りの特注皮革製品を販売している。ベトナム統計総局(GSO)によると、2013年において、皮革およびその関連製品製造者の総生産高は、約78億米ドルであった。創業者であるベトナム系オーストラリア人のJessica Hilston氏は、オーストラリア西部のパース州で育ち、現在はホーチミン市を拠点としているが、昨年の夏にBy Ownの最初のコンセプトを思いついた。

Jessica氏は、「私は長い間、自分のビジネスを始めることを夢見てきましたが、従業員から起業家に大きな飛躍を遂げた時から、失敗に対する恐怖は心を離れません。」としたが、結局昨年の冬に開業準備のためにベルリンで過ごす間に、彼女はベトナムへ戻って、自分の情熱にとことんまでつき従うことを決意した。

今年の初めHilston氏は、将来の注文に応じるための優れた地元職人を見つけるために、ベトナム中を旅した。彼女は、By Own社ウェブサイトの3つの注文ステップにより、お客様へ全ての製品を21日以内に、世界中送料無料で届けることを計画している。

「サイゴンでの開業準備期間を通じて活力がみなぎっており、物事が今まさに始まろうとしている実感があります。」とJessica氏は言った。

By Own社は、公式には9月に事前受注を開始した。が、既にオーストラリアから、今月のデリバリー計画数分の受注を受けている。今のところHilston氏は、彼女の最初のコレクションの残りの製品を発売開始することに取り組んでおり、その後は、クリスマス向けに男性用by Own社ブランドの皮革製品を上市することに集中する予定としている。

 

Efaisto社

次にホーチミン市にある新興企業、Efaisto社(社名はHephaestusという、ギリシャ神話の職人の神に由来する)は、世界中の製造業者のネットワークを形成することを目指して、まずベトナムで開業した。ベルギー人のBernard Seys氏と、フランス人のLou-Adrien Fabre氏の二人によって共同設立されたEfaisto社は、誰でも世界中の職人から、特注の衣料品やアクセサリー、最終的には家具も注文することができるようになる電子商取引サイトを運営する。

このチームにとって、20世紀における衣料品の大量生産方式は、個性を排し、労働者には効率性と規模を集中することを強いるものであったが、21世紀は個人の表現の時代としている。

Bernard氏は、「Efaisto社は、ユーザーにとって、それぞれのニーズに合わせて商品が仕立てられるようにする一方で、作り手にとっても、それぞれ独自のスタイルに価値を与え、以前は手の届かなかったような市場へアクセスできるようにします。」とした。

二人とも数年前からホーチミン市に住んでおり、金融リスク管理とソフトウェア開発会社で働いた後、今年初めにチームを組むことにした。今彼らは、Efaisto社を立ち上げることに力を注いでいる。

Efaisto社は今週、プラットフォームにおける取扱製品数が増加し始めているため、実際のメーカーや取引内容を入力したシステムのベータ版を立ち上げた。

欧州委員会(EC)によると、2014年ベトナムから欧州圏への輸入は、50億ユーロ(56億米ドル)以上であった(履物、帽子、その他のかぶり物、繊維、繊維製品から構成される)が、Efaistoチームは、今年の年末のベルギーとフランスのクリスマスツリーのもと、職人に最初の製品を製造してもらうことを目指している。

Fabre氏によると:

我々の仕事は、ユーザーとメーカーの間のギャップを埋め、商品の新基準としてオーダーメード取引を確立することにあります。

次の計画としてこの意欲的な二人は、Efaisto社における次の開発フェーズを進めるため、近い将来、シードラウンドによる資金調達を受ける計画としています。

 

(後編へつづく)

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最終更新:2015年10月31日08:40

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