インドシナニュース

カンボジア:持続可能なファッションの萌芽(後)

(前編より)

 

2008年に以前縫製労働者をしていたKunthear Mov氏と共にDorsu社を設立したHanna Guy氏は、この事実を常に意識している。ビジネスを可能な限りサステナブルなものにするとともに、この二人は従業員のために良好な作業環境を提供すること力を注ぐこととし、カンポット州の住民が手工業に代わる仕事を見つけるのに役立つスキルを教えることにした。Dorsu社は8年間かけてゆっくりと成長を遂げ、現在カンポット州に店舗2号店と新しい作業場を開設することを計画している。同社では可能な限り環境に配慮することにしているが、すべての意思決定においてその代償もある、とGuy氏は言う。アップサイクル素材を使用するのでさえ利益相反があるが、顧客はその商品が台湾、韓国、中国やその他の国で生産させているのかを知りもしないし、また彼らはどんな環境で生産されているかも知る由もない。「我々自由貿易に認定される素材を輸入するかどうかについて、意思決定を行おうとしています。」と彼女は述べた。それは良い製品を輸入することと、既にここにあるものを利用することのいずれが良いのか選択するということを意味する。

これらのブランドの共通項は、何を基準に彼らが意思決定しているのか、公開されているということである。この意思決定のプロセスは会社のウェブサイト上で開示されており、「倫理」問題に不可避の厄介な問題も同様に明示されている。衣料品産業は、消費者のために閉鎖的なサプライチェーンを構築しているのに対し、カンボジアにおける多くの企業では、そのプロセスを明らかにしている。全体としてカンボジアの発展ペースは力強いものの、Dorsu社のような企業は、この国のプロセス全体の問題に対処するほどの影響力はない、とGuy氏は言う。

「私は縫製工場で働く人の数が年々増加していることについて、なお非常に失望を感じています。」と彼女は言う。「デザイナーや小さな宝石メーカーなどが年々増加していることは素晴らしいことですが、ファストファッションも同様に成長し続けているのです。」

カンポット州のオールドマーケットストリートにDorsuはある。Tonléはプノンペンに2店舗を展開しており、一つは110号通りとSisowath Quayのコーナーにあり、もう一つは155号通りの59Cにある。

Good Kramaの服は、オンラインショップか、Bassac Lane のPaperdollsで見ることができる。

 

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最終更新:2016年03月24日12:08

カンボジア:持続可能なファッションの萌芽(前)

一般の人々はカンボジア製の衣料品というと、数千人もの労働者が働く大規模工場のイメージを思い浮かべる。衣料品は一斉に縫製されて欧米市場向けに積み上げられ、不良品は埋め立てられるか、焼却される。

しかしこの産業に属する小さなグループが、このイメージを一新し、カンボジアでの衣料品デザインと製造のプロセスを改革しようとしている。環境に優しい技術を採用し、従業員には良い賃金や福利厚生を提供しながらも、これらの企業では国内外でその製品の販売をますます増加させることに成功している。

Good Krama社は、こうしたプノンペンの倫理的なファッションの流れに新規参入した企業であるが、都会のカジュアルウェアに特化し、カンボジア独特の万能布であるクロマーをアレンジした象徴的なチェックのスカーフを扱っている。同社では“クロマー”という社名にもかかわらず、スカーフを販売するだけでなく、Tシャツ、パンツ、帽子やドレスをデザインし、そのすべてにおいてクロマーのパターンを何らかの形で取り入れている。

「我々のコンセプトは伝統的な織物技術にモダンなデザインをブレンドすることであり、すべてクロマーに触発されて製造しています。」とフランス人であるが、幼年期のほとんどをサンフランシスコで過ごした、共同経営者のKatia Nicolas氏は述べた。「我々は真にカンボジア的な様式で、非常に昔ながらのプリントを取り入れたかったのです。」

カリフォルニア大学バークレー校において環境経済学の学位を取得したNicolas氏はまた、ファッション界にサステナブル(持続可能)デザインという考えを取り入れた。地球上のすべての企業で、それぞれ“倫理”の定義は異なるが、Good Krama社では主に調達に着目している。Good Krama社では可能な限り、タケオ州で主に女性の手で生産されるSomnangという手織りシルクと天然染料を使用している。地元で調達できない場合は、最先端の技術を使用して木材パルプを原料にした繊維の一種であるテンセルのような天然素材を輸入している。

環境に優しい方法で生産する衣料品には難しさも伴う、とNicolas氏は認める。もちろん製品価格に反映されるコストの問題もある。また可能な限り同社では、縫製工場からの廃棄物の再利用を意味する、アップサイクル素材を使用しているが、このことは一貫性のあるデザインを生産するために必要な、同一素材を十分に確保することが困難であることを意味する。

Good Krama社は今年1月にその衣料品販売を開始したばかりだが、既に海外、特にアメリカ西海岸から注文を受けている、とNicolas氏は明らかにした。「製品がどこから生み出されているのかを問う時代の流れが高まっています。」と彼女は言った。「そして人々はまた、世界でのファストファッションの影響力に気がついています。」

Good Krama社は、(例えば同社のスナップバックキャップが中国で生産されることを認めるなど)、そのサステナビリティ(持続可能性)における制限は緩やかなものであるが、プノンペンにあるファッションブランドであるTonléは、いわゆる「クローズド・ループ」生産システムを採用しており、そのすべての生産プロセスにおいて、環境に配慮していることを必須としている。 2008年にアメリカ人のRachel Faller氏が立ち上げたブランドから派生して2013年に生まれたTonléは、縫製工場からのアップサイクル素材のみをその原材料としている。

大量生産の衣料品製造を見てFaller氏は、この生産システムに膨大な廃棄物が発生することに気がついた。「私は全体の30~40%もの廃棄物が出ることに気付き始めました。」とFaller氏はポッドキャストのGreenblutで述べた。「廃棄物は原材料加工、裁断、最終の品質管理から発生します。またブランドは時には発注に対し、それらを不合格にしたりします。こういったプロセスから大量の廃棄物が生まれるのです。」

こうした廃棄物の一部は埋め立てられて炭素物を発生させる原因となったり、また一部はデザインの知的財産権の問題から焼却されたりする。これらに直面し、Faller氏と彼女のチームは、“廃棄物ゼロ”を目指すことを決めた。

このことが彼らを極端に走らせ、彼らは工場の不良品をリサイクルするだけでなく、自社の店舗で衣料品を生産する過程で必然的に発生するような小さな廃棄物までも使用している。彼らはそういった廃棄物を一つに編みこみ、バッグやアクセサリーを生産したり、紙を作ったりして、それらを店舗で販売している。同社では毎年1万キロ以上の布地を再利用することで、15万4000ポンドの炭素物の発生を抑えていると推計している。

Tonlé社は現在、世界でスローファッション界のリーダーとして認知されているが、ビジネスとしては依然として、カンボジアの衣料品産業のほんのわずかな部分を占めるにすぎない。同社のウェブサイト上に31名の従業員がリストアップされており、大半が地元出身者である。それに関連して、Good Krama社やまた別のスローファッション企業であるDorsu社でも直接的または間接的に、さらに数十人を雇用している。だか、それと対照的に、カンボジアの衣料品産業では約70万人もの労働者を雇用している。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年03月24日10:08

カンボジア:Kool As Uの創業者、自国のアパレル産業の将来を見据える

真新しいブティックの洋品店のショールームでOu Kosal氏は美しく、自身によるデザインの洋服が豊富に取りそろえられている棚を指さしながら、これがまだ将来の展開へのほんの一部分に過ぎないことを認めた。

「まだまだ成長中です」とKosal氏は自身の名前の文字を取って名付けられたアパレル会社であるKool As Uについて語った。19番通に2年半近く前に店舗をオープンしてからKosal氏は家賃コストと新しい場所で店舗を設けたいとの理由で11月に突然閉店した。そして208番通(51番通と63番通の間)にあるバーを友人が閉店する聞くや否や再出発のチャンスを求めて飛び付いたのだ。

地元の材料を使った普段着が主製品のKosal氏のデザインは高温のカンボジアに適しており、クメール様式のアパートの2階で手に入れることができる。氏にとっては5がラッキーナンバーのため、3月25日か4月5日にオープンの予定だ。店舗は通りからは見えないが、Kosal氏はすでにカンボジアの新進気鋭のデザイナーとして名を上げており、顧客が店舗を見つけてくれると考えている。

Kosal氏は自身の顧客基盤は地元の中産階級と外国人居住者との事実上半々だと言う。

「私のお客様の多くは(市場にあるものよりも)より品質が高く、(独創的に)デザインされたものを求めている中産階級の方々です」と氏は説明する。「お金はあるが海外まで行き買い物はしたくない人たちです」ショールームに飾られた衣服は標準的な仕立屋やセントラルマーケットで求めるものよりは高価であるものの、法外というわけでもない。材料やデザインによりズボンは一着ちょうど23米ドル、短パンは15米ドルだ。

他の企業から特別に注文された衣料品を仕立てる5人の従業員と小さな作業場からなるKosal氏の会社は氏の経歴を考えれば素晴らしいものだ。Kosal氏はクラチエ州の出身、1999年に高校を卒業した。当時はビジネスや財務分野の学位を提供できる大学は限られており、デザインに関する教育は前代未聞であった。

代わりにKosal氏はプラダやバーバリー等最高級な国際的な企業に調達を行う工場の取引担当として、カンボジアの巨大な衣料品業界を通し実践的な教育を受けてきた。10年間に渡り氏は直接注文、デザイン、製造の工程を見たのち、15年近く後になってようやく自身の洋服ラインを立ち上げる準備が整ったと感じたのだ。

「カンボジアは成長し始めている気がしたので、何か違うことを始めなくてはならないと思いました。自分自身で何か立ち上げたいと思ったのです」と氏は言う。

国内の工場で衣料品が製造されたのち世界の先進国に輸出されているのを目の当たりにしてKosal氏は地元のブランドを立ち上げるという目標を立てた。「カンボジアは主に世界に衣料品を提供している。なぜここで製造してここで販売しないのか」と尋ねた。

氏はゆっくりとだが、ポールスミス等の英国ブランドに発想を得たという光沢のあるデザインに魅了された贔屓の顧客層を築き上げた。同時に衣料品製造分野で豊富な経験を持つ衣料品業界に勤めていた従業員らから構成された自身の作業場は小規模の、主に国際的なブランドからの注文に対応するために拡張した。

今月2店舗目をオープンするのに合わせ、Kosal氏は衣料品のラインと作業場の2つのビジネスを近いうちに分離しなければならないと語る。氏はいつか大規模な衣料品工場と取引するほど大きな規模を持たないブランドに対応するために小さな工場を作りたいと願っている。

「(2つのビジネスを)一緒にしたくはありません。また他のデザイナーが私を宣伝しているようにも感じてほしくありません」と氏は説明する。「小規模に展開するデザイナーや企業を支援したいとの思いから会社を立ち上げたのです」

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最終更新:2016年03月18日06:01

カンボジア:プレアシアヌーク州の経済特区で労働力不足が問題に

プレアシアヌーク州の経済特区(SEZ)には製造工場やサービスを最大限度活用するための労働者が不足していると関係者は話す。

労働省が2月26日に発表したところによると、プレアシアヌーク州プレイノップ地区の経済特区の製造業全体で少なくとも1600人の労働者が不足しているという。労働省は、カンボジアは今後も熟練労働者の不足に苦しむこととなると予測している。

州労働局のYov Khemera局長は、政府はプレアシアヌーク州の労働力不足を認識しており、その原因のひとつは多くのカンボジア人がタイ等に仕事を求めて流出していることであると話す。

Khemera局長は、労働力不足は製造業セクターが拡大しつつあることの証左でもあると話す。「現在は熟練労働者についての懸念は得になく、一般的な労働者の確保が問題となっています」と彼は話す。

州労働局によると、経済特区の93工場の労働者の80%がプレアシアヌーク州の出身で、残りを他地域の出身者が占めている。

最高国家経済評議会(SNEC)のMey Kalyan上級アドバイザーは、特に政府が製造業への外国融資誘致に力を入れる現在、労働力と熟練労働者の確保は製造業の発展のために重要であると話す。

「カンボジアは近隣国より労働力人口が若いため、可能性があります」とKalyan氏は話す。しかし、熟練労働者の不足が問題であるとも指摘する。Kalyan氏は熟練労働者の不足でカンボジアが単純作業に依存するようになることを懸念する。

Kalyan氏、Khemera局長ともに、製造業者は労働者のスキル向上のためより多くの訓練を提供すべきであると話す。

Kalyan氏は、政府が労働力のスキル強化により注力すれば、カンボジアの地域内での競争力は向上するだろうと話す。

「カンボジアは農業社会から工業社会に転換しつつあります」とKalyan氏は言う。しかし、高い電気代、交通網の不備、熟練労働者の不足といった問題が解決されないまま残されているという。

労働省の報告書によると、2015年に縫製及び他の製造業で9万人が新たな職を得た。また今年、縫製労働者の最低賃金は月額128米ドルから140米ドルへと増額された。

Khemera局長は、カンボジア国内の賃金が上昇し、労働環境が改善すれば、海外で働くカンボジア人は帰国するであろうと話す。

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最終更新:2016年03月04日14:58

カンボジア:2015年の工業製品輸出額が17%の伸び、靴製品の伸びが顕著(後)

最高国家経済評議会(SNEC)のMey Kalyan上級アドバイザーはクメールタイムズに対し、カンボジアは経済の多様化を進めておりこの動きを歓迎すると話す。しかし、同時に縫製・製靴産業では他の輸出国の貿易協定締結やミャンマーの同産業での成長に伴い、競争が激化しつつあることも強調した。

Kalyan氏はベトナムとEU間で協議されている自由貿易協定にも言及した。現在カンボジアが享受しているEUへの縫製・製靴製品の無税・無枠の輸出が、協定批准後にはベトナムにも適用されることとなる。

Kalyan氏は、上昇しつつある最低賃金と米ドル高もまたカンボジアの縫製・靴製品輸出には危険要因となると話す。上昇しつつある人件費を相殺するためにも、カンボジアのドル建て経済にはドル下落を受け入れる余地はない点が他の輸出国とは異なる。

「カンボジア政府、投資家、労働者は皆同じ船に乗っているわけですから、こうした問題をともに解決しなければなりません」とKalyan氏は言う。縫製・製靴産業の将来性を確保するためには、ストライキや抗議活動は解決策ではなく、労働者と工場経営者は共通認識に立たなければならない、そして労働者はアジア地域や世界の競合国との競争に勝ち抜くために技能を向上し生産性を上げなければならない、とKalyan氏は続ける。

カンボジア国立銀行の報告によると、総輸出額の約70%を占める縫製製品輸出は、2015年に前年比12%の成長、2014年には前年比9%の成長を記録している。

カンボジア縫製製品の最大市場はEUで、米国が続く。縫製製品輸出のうち米国市場が占める割合は2010年の60%から2014年には35%へと低下した。同時期にEUが占める割合は23%から42% へと増加した。

この動きは途上国を対象としたEUの「武器以外全て」のスキームにより、カンボジアがEU市場への無税無枠のアクセスを得たことで起こった。カナダや日本等の他の先進国への輸出も増加している。

 

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最終更新:2016年02月08日14:09

カンボジア:2015年の工業製品輸出額が17%の伸び、靴製品の伸びが顕著(前)

工業・手工芸省が1月31日に発表した報告書によると、2015年の縫製、靴製品、その他工業製品の総輸出額は前年比17%の増加となる71億米ドルであった。

カンボジア縫製業協会のKaing Monika広報部長がクメールタイムズ紙に語ったところによると、縫製製品輸出額は2014年の53億米ドルから14%増加、靴製品の輸出は2014年の4億4100万米ドルから20%以上増加したという。この増加は国内の工場数の増加によるものとしている。

「非常によい数字です」とMonika氏は話す。国内の新工場のほとんどは中国資本だという。業界アナリストによると中国の製造業、特に労働集約的な産業で、若く、豊富で安価な労働力を求めて東南アジア諸国への移転が進んでいるという。

Monika氏によると、縫製・製靴工場は熟練労働者の確保に苦労しているが、縫製セクターの「カオス」がなければバイヤーの信頼を築くことができるだろうと話す。カオスとは特に賃金、労働環境、食事、ボーナス等の改善を巡って頻発する労働者のストライキや抗議活動を指している。

世界最大の自由貿易協定とされる環太平洋パートナーシップ協定(TPP)へのベトナムの参加はまだカンボジアの縫製産業に影響を及ぼしてはいないとMonika氏は話す。TPPによりベトナムの縫製・靴製品は米国市場に無関税、割当量無しの輸出が可能となるが、まずは加盟を表明した12カ国の政府による承認が必要となる。その中には米国議会も含まれるが、米国議会には現在の案への反対意見も存在する。

Monika氏は、TPPは今後3年以内にカンボジアの縫製・靴製品輸出に影響をもたらすであろうと予測する。しかし、カンボジア政府関係者はクメールタイムズ紙に対し、次の米国での選挙後に協定内容は変化するであろう、カンボジアも昨年TPP加盟を打診されたと語っている。しかし、米国大使館関係者はカンボジアに対する正式な打診はされていないと話す。

工業省の報告書によると、2015年のカンボジア国内の工業・手工芸の工場数は1450、そしてその大部分、1007工場を縫製・靴・バッグ工場が占める。同報告書によると、食品・飲料・タバコ工場が120、紙・製紙工場が38、化学・ゴム・プラスチック工場が101となっている。

手工芸、縫製、靴、バッグ工場での雇用者数は75万4000人、工業、手工芸セクター全体での雇用者数は86万人だった。

Cham Prasidh工業・手工芸省大臣は、同省職員は生活水準向上のため工場の登録手続きを迅速化し、中小企業やその他業者への施設改善についてのコンサルティングサービスを提供していると説明する。

「工業・手工芸セクター開発のためには、国内、国際的な機関や民間企業も含め、関係者全ての参加が必要になります。工業・手工芸省は効率性を上げ、中小企業が戦略的な開発計画に基づき発展していくよう支援しています」とPrasidh大臣は話す。

 

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最終更新:2016年02月08日12:09

カンボジア:2015年、縫製工場労働者の2000人近くが失神で倒れる

昨年、カンボジアのアパレル縫製工場及び製靴工場で倒れた縫製工員の数は2014年と同じく1806人で、発生工場数は5.8%減少していると1月7日に公表された報告書に記されている。

全国社会安全基金(NSSF)の報告書によれば、集団失神は全国32の工場で発生し、14人の男性を除けば残りはすべて女性だった。

報告書では集団失神を引き起こす要員をいくつか挙げ、一番の原因は「集団心理」によるものとしている。次に多い原因としては残業を挙げ、倒れた工員の23%はアパレル縫製工場や製靴工場での働き過ぎだと報告書は述べている。それ以外の工員が倒れた理由としては、「化学物質」(18%)、「物理的」(16%)、「虫刺され」(7%)、「機械」(2%)を挙げている。

「2015年の失神の状況を2014年と比較すると、人数は同じだが、発生工場数は5.8%減少した」と全国社会安全基金(NSSF)政策部長であるCheav Bunrith氏は述べた。

「工員らの失神が起こらないようにするために、雇用者や工場幹部らは工場内での失神が起きる主要因を改善するべきです」とBunrith氏は述べ、報告書が14日に発表されると付け加えた。

彼はまた、全国社会安全基金(NSSF)が指導する工場のワークショップでスタッフが清掃を徹底するよう呼びかけ、工員らに職場の安全、基金のメリット、交通安全について指導した。

さらには、工場の代表と医療スタッフが工員養成プログラムに参加すべきだと述べた。

労働者組合運動連合代表のPav Sina氏は、昨年倒れた工員らは2013年や2014年のような病人ではなかったと述べた。2014年のILOの報告書では、70万人の縫製労働者のうち41%以上が貧血だと推測している。

労働者の健康を保証するために政府はいくつかのステップを追っていくべきだとSina氏は言う。

「2015年の失神の状況は改善されていますが、労働省と職場事故防止委員会がもっとしっかり工場の労働条件や職場環境を監視すれば、さらに良くなります」と彼は言い、そうすれば失神も減少すると言い添えた。

Sina氏は工場で倒れる工員の数を減らすのは労働省や工場運営者の責任だと強調した。両者には労働者への義務があり、労働省は安全な職場環境を整えない経営者を処分する責任があると訴えた。

「労働省と全国社会安全基金は通達に従わない工場にペナルティーをあたえるべきです」と彼は述べた。

Sina氏は昨年彼の組合で約100人が倒れたと明らかにした。

全国社会安全基金の以前の報告では、昨年工場の集団失神が発生したのは、プノンペン、カンダル州、スヴァイ・リーン州、コンポン・スプー州、プレア・シアヌーク州、タケオ州、コ・コン州、コンポン・チュナン州に及ぶ。

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最終更新:2016年01月15日15:03

カンボジア:140以上のアパレル生産工場が閉鎖

12月25日に商業省が発表した報告によれば、今年150近くの衣料品や製靴工場が閉鎖された一方で、新しく50の工場が開設された。

報告によれば982のアパレル生産工場と90の製靴業者が商業省に登録されている。このうち衣料品を製造する130の工場と、靴を製造する14の工場が今年閉鎖され、新たに53のアパレル生産工場と5つの製靴工場が商業省に登録された。

商業省の輸出入担当課長のHo Sivyong氏によれば、新しく開設された工場よりも閉鎖された工場が多いものの、いくつかの世界的に展開するブランドがカンボジアの工場からさらに製品を購入すると約束したことを引き合いに、来年生産は増加するだろうと楽観的だ。

一方でSivyong氏はより高い賃金を求めるストライキは新しい投資を阻むものであり、ミャンマーに製造拠点を移転する動きが進行中だと述べた。「労働者による高い賃金を求めるデモや要求はカンボジアに対して投資を検討している投資家に対する難題だ」と氏は述べ、カンボジアで工場を閉鎖した企業のいくつかはミャンマーに製造拠点を移転したと付け加えた。Sivyong氏はカンボジアと同様、ミャンマーもEBA制度(武器以外のすべての産品に対する無税・無枠措置)のもと、ヨーロッパ市場へ無税・無枠の輸出が可能と指摘した。

いくつかの工場が閉鎖される一方で、他の工場への展開も明らかになった。「ある場所で製造を停止した企業の中には他の場所で新たに操業したり、他の工場と合併したりする事例もあった」とSivyong氏は言う。

経済学者のSrey Chanthy氏は、貿易は今後まだまだ期待できると述べた。衣料品や靴の輸出は昨年と比較して非常に増加していると氏は言う。閉鎖した企業が他の工場と合併をするのであれば効率が改善するとChanthy氏は述べた。

「他の(中規模、重工業もしくはハイテクの)工場や投資対象と置き換えられているのであれば大きな問題ではありません」Chanthy氏は言う。閉鎖している企業のなかには製造拠点をミャンマーやアフリカ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟予定の国など、賃金がより安い国に移転する可能性がある。TPPは北米、南米、アジア地域にわたり自由貿易協定をつくりだすことを目的としている。カンボジアはTPPに含まれていないが、ベトナムやマレーシアは加盟予定である。TPPがいったん発効されれば米国市場における輸出においてベトナムと競争して張り合うことはできない、というのがアパレル生産業者らの懸念事項だ。

Chanthy氏は政府に対してビジネス環境を改善し、マクロ経済の安定を維持し、政治の安定性を向上させ、労働や産業界の規制を改善し、カンボジアの主要輸出市場である米国やEUをしっかりと確保すべくカンボジアが投資家に対して魅力的なものと映り、競争力を高められるよう、いかなる手段も講じてほしいと呼びかけた。

「来年の(衣料品と製靴)業界に関して私はまだ楽観的な見方をしていますが、政府にとっては試練の時であり、厳しい局面を迎えると思っています」とChanthy氏は業界がカンボジア国内だけではなく他国との競争の激化により困難に直面しているとも述べた。

氏によればTPPもまたカンボジアの衣料品や製靴業界に影響を与える可能性があるという。

匿名を条件に語ったカンボジア縫製製造産業協会(GMAC)のある幹部の話によれば、例えば先週スヴァイリエン州バベットの経済特区近隣で発生した労働者らによるデモなどのためにカンボジアへ投資する信頼を失い、生産を停止しているアパレル工場や製靴企業もあるという。

氏によれば投資家らは安全を確保するために近隣諸国の新しい拠点を探し求めているといい、業界における紛争も日常的なことになってしまったと付け加えた。「デモは非常に簡単に暴力化する可能性があり、これが企業の財産だけでなく買主(の決断)にも影響を与えます」と氏は語った。

「労働者らは労働法に対しての理解が浅く、その上政府の役人らは厳しい措置をとらず法を犯しても罰したりしません」と氏は言う。

これ以上労使関係を悪化させず、製造の安定を図り、投資家だけでなく工場が製造する衣料品や靴を購入する企業の信頼を得るために、政府の役人らは労働者らに対して今より上手く労働法を説明する必要がある、とGMACの幹部は述べた。

 

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最終更新:2016年01月07日11:53

ベトナム:ハイフォンの下着縫製工場で食中毒発生

12月29日のベトナム国内の報道によると、ベトナムでヴィトリアズ・シークレットやワコール等ブランドの下着を生産する香港資本の縫製工場で、数百人の縫製労働者が食中毒により病院に搬送されたという。

Thanh Nien紙の報道によると、患者の多くはRegina Miracle International Vietnam Co. Ltdの女性労働者で、患者650人のうち3分の2以上は12月28日にハイフォン市の病院やクリニックに搬送された。ハイフォン市はハノイ市から100キロの距離にある。

患者の多くが工場の食堂で米飯、魚、肉、野菜、ヨーグルトの昼食を摂った後にめまい、胃痛、頭痛を訴えた。「29日の昼の時点で、223人がまだ入院していますが症状は軽微です」とハイフォン市保健局のPham Thu Xanh局長は国営ベトナムテレビでのインタビューで答えている。

Thanh Nien紙によると、当局は労働者の症状の原因を調査するとともに、原因が判明するまで食事を提供した企業を一時的に業務停止とした。ハイフォン市の関係者、同工場のベトナムと香港の事務所からはコメントを得ることができなかった。

Regina Miracleのウェブサイトによると、同社は1万5000人から2万人を雇用し、「ヴィクトリアズ・シークレット、ワコール、アンダーアーマー等の有名ファッションブランドの多様なランジェリー、靴、スポーツ用衣類を生産」している。

近年、記録的な外国投資が行われ、工場が急増しているベトナムでは、特に工場の食堂での食中毒事件が頻発するようになっている。

統計によると社会主義国家であるベトナムの2015年のGDP成長率は好調な輸出、外国投資と上昇基調の国内消費に支えられ6.68%を記録し、過去5年間で最高となった。外国投資は前年比17.4%の増加で、投資額は過去最大の145億米ドルを記録している。

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最終更新:2016年01月05日11:51

カンボジア:アパレル工場労働者にとって致命的な年

国家社会保障基金(NSSF)の報告によれば今年初めの11カ月間で工場の通勤帰宅途中に交通事故で負傷したアパレル工場で働く労働者は7000人以上、死亡は130人にのぼった。

1月1日から11月30日までの間に発生した6491件の交通事故で労働者らを運ぶ車両が巻き込まれ、7357人の労働者がケガを負ったという。

報告書によれば、事故で130人の労働者が死亡し1068人が重傷を負ったという。工場への通勤帰宅途中で毎月平均10人以上の労働者が死亡、約90人が負傷したことになる。

事故の主な原因は運転手だとNSSFは言う。スピード違反、交通規則への違反、飲酒運転、追い越し、間違った車線での運転が主な事故の原因とのことだ。

Collective Union of Movement of Workers代表のPay Sina氏によれば、交通事故は衣料品工場で働く労働者にとって大きな懸念事項だという。「まだまだ大きな問題です。労働者の安全が気がかりです」Sina氏は語った。

「当局が問題解決に乗り出さなければ事態は悪化するでしょう」と氏は警告した。

Sina氏は労働者らを運ぶトラックの運転手は交通規則の訓練を受けるべきで、労働者の通勤に使用する車両もより品質の高いものを使用すべきだと述べた。また氏は労働者が危険な通勤をせざるをえない状況を避けることができるよう、工場の近くに宿泊できる施設を設けるべきだとも述べた。

Sina氏によれば、しばしば30から40人の労働者が一つのトラックに押し込められ、中には50人以上の労働者を運ぶものもあるという。労働者らは、多くの労働者が一つのトラックに乗せられるため立っていなければならず、事故があった場合により危険が増すと訴えた。

Free Trade Union代表のOum Dina氏は今年発生した交通事故で死亡した21人の労働者についての報告をまとめたという。一方負傷者はさらに約200人にのぼる。「数はまだ完全に出そろっていません」とDina氏は言う。また報告は5月にスヴァイリエン州で10人が死亡した大規模な事故しか反映されていないと付け加えた。たとえ事故に巻き込まれた労働者が自身の労働組合に属していたとしても、実際何人の労働者が事故で負傷したかを追うのは情報が少なく難しいと労働組合の代表者らは言う。

カンボジアの労働法と国際的な労働基準にすべての衣料品を輸出する工場が準拠するよう監督する国際労働機関(ILO)のBetter Factories Cambodia(BFC)プログラムは、コンプライアンスのチェックリストに交通安全の項目を含めていない。BFCの役割は、法律に基づいて労働者が受け取るべき交通費を工場が提供するよう取り組むことだ、とBFCプログラムマネージャのEsther Germans氏は言う。

それでも安全な輸送は「早急に取り組むべき」問題だとGermans氏は語った。「すべての関係者により協力があってはじめて実現されると思います。特に工場や労働者の代表らが自宅からの通勤帰宅時に安全だと実感できるように取り組むみ、リスクのない優しい環境で働くことを楽しむことが大切です」と氏は付け加えた。

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最終更新:2015年12月15日06:04

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