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カンボジア:2014年は仲裁評議会にとって記録的な年に

カンボジアで労働者と雇用主が労働紛争を解決する手助けをするために設立された独立紛争解決機関にとって、2014年は最も忙しい年となった。

新しく発表された2014年の年間報告書によると、仲裁評議会は昨年361の紛争を取り扱い、件数は前の年に比べて27%増えた。

「2014年に、設立から最多の労働紛争解決業務を行い、仲裁評議会は節目を迎えました。」と仲裁評議会基金(ACF)の理事長のKong Phallack氏は報告書の序文で語った。

報告書によると、労働争議解決の役割を担っている評議会は、昨年労働省から持ち込まれた2370件の個別の問題申立を処理し、1380件を解決し、696件については判断を下した。45の訴訟からの残りの298件は訴訟終了により未解決に終わった。

 

取扱紛争数の増加

「取扱紛争件数が大幅に上昇したものの、評議会は73%の解決率を保ち、調停、仲裁が適切な場合において、それらの手続きによって当事者が問題を解決することを確実にした。」と報告書では述べられている。

仲裁協議会基金のトレーニング・コミュニケーション・マネージャーであるAnn Vireak氏は、取扱紛争件数が増えていることは、労働者と雇用主が、論議を解決する手段として、(ストライキではなく)調停を選んでいるということを意味していると語った。

「仲裁評議会に持ち込まれた紛争の件数は論争中の当事者が国の労働紛争解決手続きに従っているという前向きな指標です。そして、協議会が紛争を対処する能力があるという信頼と信用の高まりを示しています。

 

衣料品分野の紛争

2003年に国際労働機関の基金によって作られ、寄付による支援を受けている仲裁評議会は、10年の運営期間で2000件以上の紛争を扱い、1456の仲裁判断を出してきた。そのうちの90%は衣料品セクターのものだ。

70万人の労働者が働いている衣料品セクターは、カンボジアでも最も大きく、また最も労働組合化されている産業の一つのため、驚く数字ではないとVireak氏は話す。

「衣料品分野は、組合化や公的な労働紛争解決手続きの利用といった領域を含めて、労使関係への関与が最も活動的なセクターの一つといえます。と彼女はKhmer Times誌に語った。カンボジアで登録されているおよそ3000の労働組合のほとんどが、衣料品分野のものです。」

仲裁評議会の決定には拘束力はないが、データによると、およそ4分の3ほどの紛争が解決しており、解決にかかる平均的な日数は17日だ。

2014年に評議会に持ち込まれた案件には、賃金の増額や雇用保障、手当支払い、労働組合員に対する差別の撤廃、労働者の復職問題などがあった。

 

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最終更新:2015年07月15日08:18

カンボジア:縫製労働者ら、再び最低賃金177米ドル目標に

カンボジアの労働組合幹部は、縫製労働者が新最低賃金設定の話し合いが始まる来月、賃金177米ドルを求める運動を再開すると語った。

1月から実施されている現在の最低賃金、128米ドルから38%アップの要求をしているのは、生産性が上昇したためではない。しかし、カンボジア労働組合連合代表のAth Thorn氏は、今回の要求は、プノンペンで貧困ラインを上回る生活をするために必要な収入が150米ドルから177米ドルであると示唆する調査を根拠としていると述べた。また、組合連合は、この最低賃金が他の分野でも適用されるよう推進する。

今年の組合連合の交渉相手は、2017年の選挙における縫製労働者の支持を得たいと考えている政府の役人だ。労働省の役人たちは、「魅力攻勢」とも呼ばれる産業の労働者たちと会合を持っている。

同時に、カンボジアから衣料製品を調達しているグローバルブランドに対しては、貧しい国々における労働者の福利厚生を守るために、一層の取組みをするようプレッシャーがかかっている。

カンボジア国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)の代表は、この傾向を歓迎している。「カンボジアでは、他の国と同じように、サプライチェーン全体に渡り、自分たちの人権に対する責任を認めている企業は、残念ながらまだ多数ではなく、例外的な存在でしかありません。」とOHCHRのWan-Hea Lee代表は語った。

先週、主要先進7ヶ国は多国籍サプライチェーンにおける労働権の遵守向上を強く求めた。

 

グローバルブランドの動向

グローバルブランドのH&Mは、Khmer Times誌に、カンボジアの労働者が生活賃金を得られるよう、カンボジアの衣料品を今よりも高い値段で買い取るつもりだと話した。

「私たちは、賃金上昇に肯定的です。」とスウェーデンのブランドの広報であるAnna Erikssonは言う。「私たちはサプライヤーに、縫製労働者にフェアな生活賃金を払ってもらいたいと思っています。そして、サプライヤーがそうできるような価格を支払う用意をしています。」

LevisとAdidasの代表もこの考えに賛同した。

「Levi Strauss & Co社はカンボジアでの調達にしっかりコミットしています。そして、私たちには衣料品産業における労働権と経済発展を支援してきた強い歴史があります。」とLevisの広報はKhmer Times誌にEメールで述べた。「私たちの関心は、カンボジアの未来に注がれています。」

Adidasは、昨年、カンボジアは国の二番目に大きな生産拠点になったと述べた。全世界中でのカンボジアからの購入割合は、2013年の12%から16%に増えた。「Adidasグループはサプライヤーと、現在、そして今後もAdidasにとって重要な調達国であるカンボジアの長期的な成功に全力で取り組みます。」とグループの広報、Silvia SaccagniはEメールで答えた。

 

懐疑的な政府と企業

しかしながら、ビジネスリーダーと政府の役人は懐疑的である。2008年の世界的金融危機の後、バイヤーはカンボジアへの注文を減らし、賃金と生産コストがより低いバングラディッシュからの購入を増やしたことを指摘した。

労働・職業訓練大臣Ith Samheng氏は昨日の会議で、最低賃金の計算には、生産性、雇用主の利益性、インフレ、地域別比較を考慮する必要があると述べた。

彼は、政府は、最も安価な労働者を求める国際的な製造企業を失うことを懸念しており、また、地域の他の国々では、カンボジアよりも最低賃金が安いとも言った。

「国民に仕事を供給するため、工場にカンボジアに残ってほしいと思っています。もし賃金を上げすぎてしまえば、工場を失うことになりかねません。」

 

厳しい交渉と競争

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、賃金上昇は生産性の向上に伴うものであるべきだと主張した。

彼は、カンボジアの生産性は中国の水準の半分のレベルだと述べた。そして、ベトナム、バングラディッシュ、ミャンマーとも競争しなければならないことも指摘した。

新しい最低賃金についての交渉は今年の終わりまで継続すると予測される、と組合の代表たちは述べた。

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最終更新:2015年06月22日06:00

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