インドシナニュース

カンボジア:プレアシアヌーク州の経済特区で労働力不足が問題に

プレアシアヌーク州の経済特区(SEZ)には製造工場やサービスを最大限度活用するための労働者が不足していると関係者は話す。

労働省が2月26日に発表したところによると、プレアシアヌーク州プレイノップ地区の経済特区の製造業全体で少なくとも1600人の労働者が不足しているという。労働省は、カンボジアは今後も熟練労働者の不足に苦しむこととなると予測している。

州労働局のYov Khemera局長は、政府はプレアシアヌーク州の労働力不足を認識しており、その原因のひとつは多くのカンボジア人がタイ等に仕事を求めて流出していることであると話す。

Khemera局長は、労働力不足は製造業セクターが拡大しつつあることの証左でもあると話す。「現在は熟練労働者についての懸念は得になく、一般的な労働者の確保が問題となっています」と彼は話す。

州労働局によると、経済特区の93工場の労働者の80%がプレアシアヌーク州の出身で、残りを他地域の出身者が占めている。

最高国家経済評議会(SNEC)のMey Kalyan上級アドバイザーは、特に政府が製造業への外国融資誘致に力を入れる現在、労働力と熟練労働者の確保は製造業の発展のために重要であると話す。

「カンボジアは近隣国より労働力人口が若いため、可能性があります」とKalyan氏は話す。しかし、熟練労働者の不足が問題であるとも指摘する。Kalyan氏は熟練労働者の不足でカンボジアが単純作業に依存するようになることを懸念する。

Kalyan氏、Khemera局長ともに、製造業者は労働者のスキル向上のためより多くの訓練を提供すべきであると話す。

Kalyan氏は、政府が労働力のスキル強化により注力すれば、カンボジアの地域内での競争力は向上するだろうと話す。

「カンボジアは農業社会から工業社会に転換しつつあります」とKalyan氏は言う。しかし、高い電気代、交通網の不備、熟練労働者の不足といった問題が解決されないまま残されているという。

労働省の報告書によると、2015年に縫製及び他の製造業で9万人が新たな職を得た。また今年、縫製労働者の最低賃金は月額128米ドルから140米ドルへと増額された。

Khemera局長は、カンボジア国内の賃金が上昇し、労働環境が改善すれば、海外で働くカンボジア人は帰国するであろうと話す。

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最終更新:2016年03月04日14:58

カンボジア:2015年の工業製品輸出額が17%の伸び、靴製品の伸びが顕著(後)

最高国家経済評議会(SNEC)のMey Kalyan上級アドバイザーはクメールタイムズに対し、カンボジアは経済の多様化を進めておりこの動きを歓迎すると話す。しかし、同時に縫製・製靴産業では他の輸出国の貿易協定締結やミャンマーの同産業での成長に伴い、競争が激化しつつあることも強調した。

Kalyan氏はベトナムとEU間で協議されている自由貿易協定にも言及した。現在カンボジアが享受しているEUへの縫製・製靴製品の無税・無枠の輸出が、協定批准後にはベトナムにも適用されることとなる。

Kalyan氏は、上昇しつつある最低賃金と米ドル高もまたカンボジアの縫製・靴製品輸出には危険要因となると話す。上昇しつつある人件費を相殺するためにも、カンボジアのドル建て経済にはドル下落を受け入れる余地はない点が他の輸出国とは異なる。

「カンボジア政府、投資家、労働者は皆同じ船に乗っているわけですから、こうした問題をともに解決しなければなりません」とKalyan氏は言う。縫製・製靴産業の将来性を確保するためには、ストライキや抗議活動は解決策ではなく、労働者と工場経営者は共通認識に立たなければならない、そして労働者はアジア地域や世界の競合国との競争に勝ち抜くために技能を向上し生産性を上げなければならない、とKalyan氏は続ける。

カンボジア国立銀行の報告によると、総輸出額の約70%を占める縫製製品輸出は、2015年に前年比12%の成長、2014年には前年比9%の成長を記録している。

カンボジア縫製製品の最大市場はEUで、米国が続く。縫製製品輸出のうち米国市場が占める割合は2010年の60%から2014年には35%へと低下した。同時期にEUが占める割合は23%から42% へと増加した。

この動きは途上国を対象としたEUの「武器以外全て」のスキームにより、カンボジアがEU市場への無税無枠のアクセスを得たことで起こった。カナダや日本等の他の先進国への輸出も増加している。

 

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最終更新:2016年02月08日14:09

カンボジア:2015年の工業製品輸出額が17%の伸び、靴製品の伸びが顕著(前)

工業・手工芸省が1月31日に発表した報告書によると、2015年の縫製、靴製品、その他工業製品の総輸出額は前年比17%の増加となる71億米ドルであった。

カンボジア縫製業協会のKaing Monika広報部長がクメールタイムズ紙に語ったところによると、縫製製品輸出額は2014年の53億米ドルから14%増加、靴製品の輸出は2014年の4億4100万米ドルから20%以上増加したという。この増加は国内の工場数の増加によるものとしている。

「非常によい数字です」とMonika氏は話す。国内の新工場のほとんどは中国資本だという。業界アナリストによると中国の製造業、特に労働集約的な産業で、若く、豊富で安価な労働力を求めて東南アジア諸国への移転が進んでいるという。

Monika氏によると、縫製・製靴工場は熟練労働者の確保に苦労しているが、縫製セクターの「カオス」がなければバイヤーの信頼を築くことができるだろうと話す。カオスとは特に賃金、労働環境、食事、ボーナス等の改善を巡って頻発する労働者のストライキや抗議活動を指している。

世界最大の自由貿易協定とされる環太平洋パートナーシップ協定(TPP)へのベトナムの参加はまだカンボジアの縫製産業に影響を及ぼしてはいないとMonika氏は話す。TPPによりベトナムの縫製・靴製品は米国市場に無関税、割当量無しの輸出が可能となるが、まずは加盟を表明した12カ国の政府による承認が必要となる。その中には米国議会も含まれるが、米国議会には現在の案への反対意見も存在する。

Monika氏は、TPPは今後3年以内にカンボジアの縫製・靴製品輸出に影響をもたらすであろうと予測する。しかし、カンボジア政府関係者はクメールタイムズ紙に対し、次の米国での選挙後に協定内容は変化するであろう、カンボジアも昨年TPP加盟を打診されたと語っている。しかし、米国大使館関係者はカンボジアに対する正式な打診はされていないと話す。

工業省の報告書によると、2015年のカンボジア国内の工業・手工芸の工場数は1450、そしてその大部分、1007工場を縫製・靴・バッグ工場が占める。同報告書によると、食品・飲料・タバコ工場が120、紙・製紙工場が38、化学・ゴム・プラスチック工場が101となっている。

手工芸、縫製、靴、バッグ工場での雇用者数は75万4000人、工業、手工芸セクター全体での雇用者数は86万人だった。

Cham Prasidh工業・手工芸省大臣は、同省職員は生活水準向上のため工場の登録手続きを迅速化し、中小企業やその他業者への施設改善についてのコンサルティングサービスを提供していると説明する。

「工業・手工芸セクター開発のためには、国内、国際的な機関や民間企業も含め、関係者全ての参加が必要になります。工業・手工芸省は効率性を上げ、中小企業が戦略的な開発計画に基づき発展していくよう支援しています」とPrasidh大臣は話す。

 

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最終更新:2016年02月08日12:09

カンボジア:2015年、縫製工場労働者の2000人近くが失神で倒れる

昨年、カンボジアのアパレル縫製工場及び製靴工場で倒れた縫製工員の数は2014年と同じく1806人で、発生工場数は5.8%減少していると1月7日に公表された報告書に記されている。

全国社会安全基金(NSSF)の報告書によれば、集団失神は全国32の工場で発生し、14人の男性を除けば残りはすべて女性だった。

報告書では集団失神を引き起こす要員をいくつか挙げ、一番の原因は「集団心理」によるものとしている。次に多い原因としては残業を挙げ、倒れた工員の23%はアパレル縫製工場や製靴工場での働き過ぎだと報告書は述べている。それ以外の工員が倒れた理由としては、「化学物質」(18%)、「物理的」(16%)、「虫刺され」(7%)、「機械」(2%)を挙げている。

「2015年の失神の状況を2014年と比較すると、人数は同じだが、発生工場数は5.8%減少した」と全国社会安全基金(NSSF)政策部長であるCheav Bunrith氏は述べた。

「工員らの失神が起こらないようにするために、雇用者や工場幹部らは工場内での失神が起きる主要因を改善するべきです」とBunrith氏は述べ、報告書が14日に発表されると付け加えた。

彼はまた、全国社会安全基金(NSSF)が指導する工場のワークショップでスタッフが清掃を徹底するよう呼びかけ、工員らに職場の安全、基金のメリット、交通安全について指導した。

さらには、工場の代表と医療スタッフが工員養成プログラムに参加すべきだと述べた。

労働者組合運動連合代表のPav Sina氏は、昨年倒れた工員らは2013年や2014年のような病人ではなかったと述べた。2014年のILOの報告書では、70万人の縫製労働者のうち41%以上が貧血だと推測している。

労働者の健康を保証するために政府はいくつかのステップを追っていくべきだとSina氏は言う。

「2015年の失神の状況は改善されていますが、労働省と職場事故防止委員会がもっとしっかり工場の労働条件や職場環境を監視すれば、さらに良くなります」と彼は言い、そうすれば失神も減少すると言い添えた。

Sina氏は工場で倒れる工員の数を減らすのは労働省や工場運営者の責任だと強調した。両者には労働者への義務があり、労働省は安全な職場環境を整えない経営者を処分する責任があると訴えた。

「労働省と全国社会安全基金は通達に従わない工場にペナルティーをあたえるべきです」と彼は述べた。

Sina氏は昨年彼の組合で約100人が倒れたと明らかにした。

全国社会安全基金の以前の報告では、昨年工場の集団失神が発生したのは、プノンペン、カンダル州、スヴァイ・リーン州、コンポン・スプー州、プレア・シアヌーク州、タケオ州、コ・コン州、コンポン・チュナン州に及ぶ。

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最終更新:2016年01月15日15:03

カンボジア:140以上のアパレル生産工場が閉鎖

12月25日に商業省が発表した報告によれば、今年150近くの衣料品や製靴工場が閉鎖された一方で、新しく50の工場が開設された。

報告によれば982のアパレル生産工場と90の製靴業者が商業省に登録されている。このうち衣料品を製造する130の工場と、靴を製造する14の工場が今年閉鎖され、新たに53のアパレル生産工場と5つの製靴工場が商業省に登録された。

商業省の輸出入担当課長のHo Sivyong氏によれば、新しく開設された工場よりも閉鎖された工場が多いものの、いくつかの世界的に展開するブランドがカンボジアの工場からさらに製品を購入すると約束したことを引き合いに、来年生産は増加するだろうと楽観的だ。

一方でSivyong氏はより高い賃金を求めるストライキは新しい投資を阻むものであり、ミャンマーに製造拠点を移転する動きが進行中だと述べた。「労働者による高い賃金を求めるデモや要求はカンボジアに対して投資を検討している投資家に対する難題だ」と氏は述べ、カンボジアで工場を閉鎖した企業のいくつかはミャンマーに製造拠点を移転したと付け加えた。Sivyong氏はカンボジアと同様、ミャンマーもEBA制度(武器以外のすべての産品に対する無税・無枠措置)のもと、ヨーロッパ市場へ無税・無枠の輸出が可能と指摘した。

いくつかの工場が閉鎖される一方で、他の工場への展開も明らかになった。「ある場所で製造を停止した企業の中には他の場所で新たに操業したり、他の工場と合併したりする事例もあった」とSivyong氏は言う。

経済学者のSrey Chanthy氏は、貿易は今後まだまだ期待できると述べた。衣料品や靴の輸出は昨年と比較して非常に増加していると氏は言う。閉鎖した企業が他の工場と合併をするのであれば効率が改善するとChanthy氏は述べた。

「他の(中規模、重工業もしくはハイテクの)工場や投資対象と置き換えられているのであれば大きな問題ではありません」Chanthy氏は言う。閉鎖している企業のなかには製造拠点をミャンマーやアフリカ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟予定の国など、賃金がより安い国に移転する可能性がある。TPPは北米、南米、アジア地域にわたり自由貿易協定をつくりだすことを目的としている。カンボジアはTPPに含まれていないが、ベトナムやマレーシアは加盟予定である。TPPがいったん発効されれば米国市場における輸出においてベトナムと競争して張り合うことはできない、というのがアパレル生産業者らの懸念事項だ。

Chanthy氏は政府に対してビジネス環境を改善し、マクロ経済の安定を維持し、政治の安定性を向上させ、労働や産業界の規制を改善し、カンボジアの主要輸出市場である米国やEUをしっかりと確保すべくカンボジアが投資家に対して魅力的なものと映り、競争力を高められるよう、いかなる手段も講じてほしいと呼びかけた。

「来年の(衣料品と製靴)業界に関して私はまだ楽観的な見方をしていますが、政府にとっては試練の時であり、厳しい局面を迎えると思っています」とChanthy氏は業界がカンボジア国内だけではなく他国との競争の激化により困難に直面しているとも述べた。

氏によればTPPもまたカンボジアの衣料品や製靴業界に影響を与える可能性があるという。

匿名を条件に語ったカンボジア縫製製造産業協会(GMAC)のある幹部の話によれば、例えば先週スヴァイリエン州バベットの経済特区近隣で発生した労働者らによるデモなどのためにカンボジアへ投資する信頼を失い、生産を停止しているアパレル工場や製靴企業もあるという。

氏によれば投資家らは安全を確保するために近隣諸国の新しい拠点を探し求めているといい、業界における紛争も日常的なことになってしまったと付け加えた。「デモは非常に簡単に暴力化する可能性があり、これが企業の財産だけでなく買主(の決断)にも影響を与えます」と氏は語った。

「労働者らは労働法に対しての理解が浅く、その上政府の役人らは厳しい措置をとらず法を犯しても罰したりしません」と氏は言う。

これ以上労使関係を悪化させず、製造の安定を図り、投資家だけでなく工場が製造する衣料品や靴を購入する企業の信頼を得るために、政府の役人らは労働者らに対して今より上手く労働法を説明する必要がある、とGMACの幹部は述べた。

 

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最終更新:2016年01月07日11:53

ベトナム:ハイフォンの下着縫製工場で食中毒発生

12月29日のベトナム国内の報道によると、ベトナムでヴィトリアズ・シークレットやワコール等ブランドの下着を生産する香港資本の縫製工場で、数百人の縫製労働者が食中毒により病院に搬送されたという。

Thanh Nien紙の報道によると、患者の多くはRegina Miracle International Vietnam Co. Ltdの女性労働者で、患者650人のうち3分の2以上は12月28日にハイフォン市の病院やクリニックに搬送された。ハイフォン市はハノイ市から100キロの距離にある。

患者の多くが工場の食堂で米飯、魚、肉、野菜、ヨーグルトの昼食を摂った後にめまい、胃痛、頭痛を訴えた。「29日の昼の時点で、223人がまだ入院していますが症状は軽微です」とハイフォン市保健局のPham Thu Xanh局長は国営ベトナムテレビでのインタビューで答えている。

Thanh Nien紙によると、当局は労働者の症状の原因を調査するとともに、原因が判明するまで食事を提供した企業を一時的に業務停止とした。ハイフォン市の関係者、同工場のベトナムと香港の事務所からはコメントを得ることができなかった。

Regina Miracleのウェブサイトによると、同社は1万5000人から2万人を雇用し、「ヴィクトリアズ・シークレット、ワコール、アンダーアーマー等の有名ファッションブランドの多様なランジェリー、靴、スポーツ用衣類を生産」している。

近年、記録的な外国投資が行われ、工場が急増しているベトナムでは、特に工場の食堂での食中毒事件が頻発するようになっている。

統計によると社会主義国家であるベトナムの2015年のGDP成長率は好調な輸出、外国投資と上昇基調の国内消費に支えられ6.68%を記録し、過去5年間で最高となった。外国投資は前年比17.4%の増加で、投資額は過去最大の145億米ドルを記録している。

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最終更新:2016年01月05日11:51

カンボジア:アパレル工場労働者にとって致命的な年

国家社会保障基金(NSSF)の報告によれば今年初めの11カ月間で工場の通勤帰宅途中に交通事故で負傷したアパレル工場で働く労働者は7000人以上、死亡は130人にのぼった。

1月1日から11月30日までの間に発生した6491件の交通事故で労働者らを運ぶ車両が巻き込まれ、7357人の労働者がケガを負ったという。

報告書によれば、事故で130人の労働者が死亡し1068人が重傷を負ったという。工場への通勤帰宅途中で毎月平均10人以上の労働者が死亡、約90人が負傷したことになる。

事故の主な原因は運転手だとNSSFは言う。スピード違反、交通規則への違反、飲酒運転、追い越し、間違った車線での運転が主な事故の原因とのことだ。

Collective Union of Movement of Workers代表のPay Sina氏によれば、交通事故は衣料品工場で働く労働者にとって大きな懸念事項だという。「まだまだ大きな問題です。労働者の安全が気がかりです」Sina氏は語った。

「当局が問題解決に乗り出さなければ事態は悪化するでしょう」と氏は警告した。

Sina氏は労働者らを運ぶトラックの運転手は交通規則の訓練を受けるべきで、労働者の通勤に使用する車両もより品質の高いものを使用すべきだと述べた。また氏は労働者が危険な通勤をせざるをえない状況を避けることができるよう、工場の近くに宿泊できる施設を設けるべきだとも述べた。

Sina氏によれば、しばしば30から40人の労働者が一つのトラックに押し込められ、中には50人以上の労働者を運ぶものもあるという。労働者らは、多くの労働者が一つのトラックに乗せられるため立っていなければならず、事故があった場合により危険が増すと訴えた。

Free Trade Union代表のOum Dina氏は今年発生した交通事故で死亡した21人の労働者についての報告をまとめたという。一方負傷者はさらに約200人にのぼる。「数はまだ完全に出そろっていません」とDina氏は言う。また報告は5月にスヴァイリエン州で10人が死亡した大規模な事故しか反映されていないと付け加えた。たとえ事故に巻き込まれた労働者が自身の労働組合に属していたとしても、実際何人の労働者が事故で負傷したかを追うのは情報が少なく難しいと労働組合の代表者らは言う。

カンボジアの労働法と国際的な労働基準にすべての衣料品を輸出する工場が準拠するよう監督する国際労働機関(ILO)のBetter Factories Cambodia(BFC)プログラムは、コンプライアンスのチェックリストに交通安全の項目を含めていない。BFCの役割は、法律に基づいて労働者が受け取るべき交通費を工場が提供するよう取り組むことだ、とBFCプログラムマネージャのEsther Germans氏は言う。

それでも安全な輸送は「早急に取り組むべき」問題だとGermans氏は語った。「すべての関係者により協力があってはじめて実現されると思います。特に工場や労働者の代表らが自宅からの通勤帰宅時に安全だと実感できるように取り組むみ、リスクのない優しい環境で働くことを楽しむことが大切です」と氏は付け加えた。

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最終更新:2015年12月15日06:04

カンボジア:縫製工場の空きスペースを保育施設に

Kampong Speu州のHirota工場の保育園は、部屋の中央に折りたたみベッドがあり、サイズはおよそ6平方メートル、大型のクローゼットより少し大きい程度である。カンボジアの他の多くの工場付設保育園と同様、Hirota工場の保育園は常に空である。

「こういった施設は非常に狭いので、誰も工場付設保育園に子供を連れてきません。」縫製工場の約1200人の労働者の一人であるChhorn Sophaさん(26歳)は言った。Sophaさんには2歳になる息子がおり、現在第二子を妊娠中である。彼女の息子は、Kampong Cham州で、彼女の母親によって育てられており、Sophaさんは月に1回だけ息子に会うことができる。「息子は私の母と一緒にいるので大丈夫です。」と彼女は言った。「でも私としては、息子と一緒にいれたならもっと幸せでしょう。」

100人以上の従業員を抱える縫製工場は、労働法により、従業員のための無料の保育施設を提供するか、保育にかかる費用を補助することが求められている。実際のところ、工場付設の保育所は狭い上、子供の世話をするスタッフも配置されておらず、また工場労働者は子どもが2歳になった後は、保育費用の補助もほとんど受けていない。

「カンボジアのどの工場もまともな保育サービスを提供していません。」コミュニティ法律教育センターのMoeun Tola氏は言った。「工場ではただ、いくつかのがらくたを置いた、ベビーシッター不在の小さな部屋を提供しているだけです。」

カンボジアにおける70万人の衣料品労働者のうち、女性が約90%を占めている。その多くに子供がいるが、便利な育児サービスの選択肢がないため、3ヶ月の有給出産休暇が終了した後、親子は離れ離れになることになる。多くの場合子供たちは、工場から遠く離れたところにいる祖父母の世話になり、母親は毎月仕送りをする。

保育サービスにおいて、衣料品労働者にはほとんど選択肢がない。「我々の知る限りでは、多くの産業分野において、残業時やいつ(移動手段である)バンやトラックが動くかに頼っている工場労働者が容易に利用できる保育施設はありません。」と労働者権利団体Solidarity CenterのカントリーディレクターであるWilliam Conklin氏は述べた。

たとえ保育所が近くにある場合でも、その費用を支払う余裕のある労働者はほとんどいない。一部の工場では育児費用を従業員に支給しているが、たいていの場合、子供が18ヶ月に達するまでの期間、たったの月額6米ドルを支払っているのみである。工場労働者に対する8月の調査によると、子供の世話にかかる費用は月額平均50米ドル以上であり、彼らにとってローンの支払いに次いで多額の出費となっている。

こうした育児費用は(子供と一緒に暮らす)母親にとって負担となる一方で、幼い子供から引き離されることは、(子供と一緒に暮らせない母親にとって)感情的な負担となっている。 「私はとても悲しく思っています。」 Kampong Speu州のAnful工場で働き、娘はKampong Thomで彼女の母親と暮らしているPunh Pomh(35歳)さんは言った。

「私は自分の子供から引き離されているのが嫌です。」Cambo Kchom工場で働くSoeung POVさんは言った。「私は毎日、自分の子供に何か起こっていないか、事故にでも遭っていないか心配です。」

工場組合のリーダーたちは、もっと良い保育施設の整備を要求するとしているが、工場経営者の動きは鈍い。Hirota工場の副組合長のSok Sala氏は、経営者がより大きな保育施設を設置することに合意したものの、1年半前に合意してから未だ設置されていない、と述べた。

「彼らはいつも(サービスを)提供すると言うが、遅れ遅れです。」と彼は言った。この点について、Hirota工場の経営者からコメントは得られなかった。

カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、もし十分な保育施設を準備したとしてもほとんどの母親は、子供たちに自宅で家族と一緒に過ごさせることを望むだろうと述べた。 「カンボジアの文化においては、保育所を利用する習慣はなく、祖父母に自宅で子供たちの世話をしてもらうのが一般的です。」と彼は言った。 「工場が保育施設を整備しても、そこに誰も子供を預けないでしょう。」

文化慣習に関係なく、多くの衣服労働者にとって、子供と離れ離れであることは依然として受け入れがたいことである。

「毎月娘と母のところに行くたびに、工場に戻りたくなくなります。」とPunh Pomhさんは言った。「でも私は工場で働かねば彼らをサポートするお金がないのです。」

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最終更新:2015年11月20日05:54

カンボジア:縫製工場が解雇した労働者の復職を拒否

カンボジアのHong Sen Textile (Cambodia)社の所有者らは11月11日、福利厚生の充実を求めてストライキを起こしたことを理由に解雇した職員の復職を拒否した。彼らが新しい職に応募する場合は別という。

政府職員、企業代表者らと2時間に及ぶ非公開協議に参加した35歳の縫製労働者Nhoem Srosは、復職が認められない限り抗議活動を継続すると話した。「会社は交通費として月額8ドル、昼食代として日額0.25ドルを提示し、私たちもその提案を受け入れました。しかし会社は私たちの復職を認めませんでした」と彼女は言う。

ストライキ解決委員会のTes Rukhaphal副委員長は、およそ1000人の労働者が当初の提案を受け入れ、新従業員として仕事に戻ることに合意したという。700人以上が工場での元の仕事に戻ることをまだ要求しているという。

「雇用者側・労働者側双方と、労働者らが元の仕事に復職できるよう交渉する予定です」とRukhaphal副委員長は話す。最終決断は調停委員会に持ち込まれるだろうとも副委員長は付け加えた。Srosは州知事と労働省の職員が同社と交渉し労働者らを助けようとしたものの、会社側は解雇した労働者の復職が関連する提案は全て拒否したという。「会社は私たちが仕事に戻ることを認めましたが、新職員としてであって、私たちの仕事は保証されていません。会社側の代表者らは、その理由は教えてくれませんでした」と彼女は話す。彼女はまた、もし労働者らが新職員として戻ることに合意すれば、彼らのスケジュールと労働時間は経営側がどのようにでも変えられるという。「彼らは、仕事があるときには電話すると言いました。つまり、私たちの仕事は全く不安定なのです」と彼女は続ける。

タケオ州のLay Vannak州知事は、「同社は厳しい姿勢を保持しており、そして同社は労働法に従う必要がある」と話す。

州知事によると、合意に至りそうであったが、抗議活動中の労働者の要求に応えたところで、異なる労働組合の代表者らがそれぞれ異なる要求をしてきたことに同社の代表者らが苛立ったのだという。

「企業代表者は、もし省庁が法律を適用しないのであれば、彼らの工場はすぐにでも破産すると言いました。合意が出来ない場合は、工場を閉鎖することを決めたとも話しています」と州知事は話す。

「労働者に仕事を失って欲しくないですが、工場の閉鎖も望みません」と州知事は言う。Rukhaphal副委員長は、調停委員会が全関係者から聞き取りを行うものの、両者が歩み寄ることを望むと話した。

 

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最終更新:2015年11月16日06:01

カンボジア:識字率向上のため、本嫌いだった歌手が縫製工場で読書キャンペーン

人気歌手Sokun Nisaは教育団体Siparの親善大使として、カンボジア国内で読書を広めるためのキャンペーンに参加する。

Town Productionに所属する歌手Nisaは、コミュニティや縫製労働者による読書を広めることでカンボジアの識字問題に立ち向かおうとしている。

彼女の最近の村落や縫製工場への訪問では、行く先々でファンの歓声が沸き起こり、笑顔が見られた。

Nisaは、彼女自身子供時代は読書が嫌いで世界を知らず、本好きであった友人たちが素晴らしい将来に飛び立っていくのに比べて遅れを取ったと親善大使として話す。

「私は読書が好きではありませんでした。でも様々な国を旅するようになると、読書好きの人々にたくさん出会いました」と少し後悔を含んだ笑顔で彼女は話す。

彼女は、Siparとともに工場を訪問し、縫製労働者である多くのファンに出会って驚いたという。

「私は彼女たちのために歌い、そして読書の良さについても話しました」

親善大使の仕事は無給だ。Nisaは社会の役に立ちたいだけだと話す。

「読書はとてもよいことですし、若い人も年長の人も皆、読書をして知識を深めていくことを勧めたいのです。親には子供に読書を勧めてあげてほしいと思います」と彼女は話す。

NisaはSiparと協力して読書を広めるための歌を作り、彼女自身が歌うことも計画しているという。また、この先もNisaは特に縫製工場での読書キャンペーンにより頻繁に参加することを計画している。縫製工場で出会った笑顔と熱意は彼女の心を温め続けている。

 

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最終更新:2015年10月09日12:00

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