インドシナニュース

韓進海運の崩壊が米国西海岸の港湾ストによる混乱再現の引き金に

世界第7位のコンテナ海運会社である韓国韓進海運が8月下旬に破産申請したことにより、数十億米ドル相当もの商品が宙に浮いており、それがアパレル・履物輸出入業者に与える影響も不明のままとなっている。

商品にはアジアで荷積みを待っている状態のものもあれば、海上にあるものの入港の目処が立たないもの、既に混雑した米国の港にあるが荷揚げが保留されているものもある。現在多くのアパレル・履物企業が恐れているのは、ホリデーシーズンへ向けたデリバリーの期限に間に合わず、小売業者が商品不足による売り逃しの機会費用を請求してくることである。今回の倒産により昨年の米国西海岸(港湾ストによる)デリバリー遅延の大混乱が再燃するのではという心配があるほか、船舶供給能力不足の恐れの増大から、米国の輸入業者に運賃の上昇など更なる負担がかかることが懸念される。

ANZ銀行は最近、成長著しい衣料品輸出に支えられて2016年のカンボジアのGDP成長率は7.2%の増加となるとし、同国の衣料品部門の好調な見通しを示した。しかしよく見ると、カンボジアのアパレル産業を取り巻く状況はそれほど楽観的なものではない。カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、アパレル産業の競争力の欠如が大きな問題となっており、カナダ、日本、EUなど、特恵待遇を有している市場に対する輸出のみが伸びている。

Juki社でカンボジア市場の縫製設備営業のマーケットリーダーを務めるGary Yapリージョナル・シニアセールス・エグゼクティブは、低労働コストを競うカンボジア、ベトナム、ミャンマーなどの東南アジア地域の中で、カンボジアは近年の賃金の急激な上昇のためメーカーの利幅があまりにも薄くなり、新設備に投資できないようだと述べた。

バングラデシュでは、包装施設のボイラーが爆発して少なくとも31人が死亡した事故の後、労働者の権利グループがボイラーを含む縫製工場の安全への取り組みを求めている。この爆発は9月10日にダッカから約30 kmにあるガジブル県のTampacoアルミホイル工場で発生し、爆風が巨大な火災を引き起こして3階建ての建物の一部が崩壊した。

工場の安全性はバングラデシュにおける大きな関心事であり、この記憶に新しい悲劇は、「バングラデシュの産業労働者が危険に晒されており、グローバル企業はサプライチェーンにおいて労働者の身の安全を確保するために必要な措置を講じていないことを実証しました。」と労働者団体であるWorker Rights Consortium、International Labor Rights Forum、Clean Clothes Campaign、Maquila Solidarity Networkらは述べている。

これを受け、バングラデシュにおける火災 予防および建設物の安全に関する協定は、是正行動計画(CAP)を提出することができなかった1社を含む4社の衣料品サプライヤーについて、職場における安全対策を怠ったとして除名した。

また最近の研究で、既製服の低コスト生産国としてのバングラデシュの強みが、技術革新の遅れやグローバルファッション業界のバリューチェーンに食い込む能力の欠如から失われつつあると指摘された。コスト優位性が失われた場合、バングラデシュでは他の補完的な輸出産業の育成も危機に瀕することを意味する。

合成繊維は世界的な原油価格の下落により人気が増しているが、この成長は続くと見られており、今後10年で衣料品のブランドがこれらの材料を自社製品に組み込んでいくことになることが予想される。

「なぜ合成繊維が将来に向けた確実な方策となりうるか」というテーマは、just-styleにより発行された4つマネジメントブリーフィングの1つに取り上げられており、残るテーマとして「世界ウール供給の将来見込み」、「低価格のレザーによりもたらされるアパレルブランドのビジネスチャンス」、「コットンの需給チャレンジ」である。

米国は、25年以上停止しているミャンマーに対する貿易上の特恵待遇を復活させようとしている。ミャンマーはかつてのビルマであるが、11月13日から米国の一般特恵関税制度(GSP)に追加される予定である。 GSP制度は米国に対する繊維・アパレル製品の輸出についてはほとんど対象外としているが、GSP国として指定されることは、労働者と知的財産権保護改善の取り組みについての強力なメッセージとなる。

そして米国の選挙に向けて次々と繰り出されるアンチTPPの弁論について、新レポートでは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が繊維の世界取引パターンを変え、米国の繊維輸出に対する需要を減少させる可能性を示唆している。

「米国アパレル生産と環太平洋戦略的経済連携協定」という分析資料が議会の調査局によって発行されたが、TPPが議会や外国政府により承認されれば環太平洋地域に自由貿易ゾーンが確立されることとなるが、繊維産業が最も影響を受ける分野となるだろうと指摘している。

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最終更新:2016年09月24日06:01

リーバイ・ストラウス社が4ヶ国でクリーンな繊維協定を実施

米大手ジーンズメーカーリーバイ・ストラウス社(LS&Co)が、主要調達先4か国の6つの縫製工場における、水、エネルギー、化学物質の使用量削減計画を発表した。同社は、世界銀行グループの一機関である国際金融公社(IFC)が主導する環境維持のイニシアチブ、Partnership for Cleaner Textile (PaCT) と提携を組む。

PaCTはバングラデシュにて2013年に開始し、H&M、Gap Inc、Kappahi、Tesco、Primark、Gstar等の大手ブランド11社参加のもと、1年間の延長を経た2017年6月30日までの期間で実施されている。IFCはバングラデシュにおいて、重要なインフラ整備への投資、金融包摂の拡大、縫製技術の競争力向上、民間セクターの事業参入のための改革支援を行うことで、持続可能な成長と民間セクターの発展を推進してきた。2016年6月期決算までに13のプロジェクトで6億3500万米ドルを貢献しており、現在までの47のプロジェクトの総額はおよそ10億米ドルとなる。

バングラデシュの165以上の縫製工場においてクリーンな製造工程導入に対するアドバイス提供をしているPaCTであるが、バングラデシュ以外の国ではLS&Coのプロジェクトが初の試みとなる。最初はバングラデシュ、インド、スリランカ、ベトナムの6つの工場で試験が予定されている。

「追加国においてPaCTプログラムを試験する最初のIFCパートナーとなることを嬉しく思います。私たちの目標はこの施策を世界的に展開し、サプライチェーン全体で水、エネルギー、化学物質の使用量を大幅に削減することです。」とLS&Coのサステナビリティ担当Michael Kobori副会長は述べる。

地球環境に多大な負担を与える水、エネルギー、化学物質の使用により、世界の縫製関連業は深刻な環境問題に直面しているが、クリーンな製造法の導入により天然資源の使用量を減らし、人や環境に対する脅威を軽減し、また製造工程を改善することで全体的な生産性を向上することができる。シンプルでコストの低い手法を取り入れることで工場での水使用量を最大20%削減し、設備や機械費用の将来的な出費を抑えることにつながる。

またPaCTは、クリーンな製造査定とオンラインの診断プロセスであるPaCT Advantageを通して、サプライヤーによる継続的な改善のロードマップを構築するというLS&Coの目標の達成をサポートする。以後、PaCT Advantageの診断結果を各拠点や国々での基準とすることができるのである。

「世界の縫製産業は様々な国の経済に大きく貢献し、特に女性に対する雇用を生み出し、また環境に優しく持続可能な施策を導入するパイオニアとなってきました。」「IFCはバングラデシュにおいて投資とアドバイスサポートの両方を行い、他の出資者と協働することで、世界に通用する繊維技術の発展と従業員の安全に寄与してきました。」とIFCのPaCTプログラムマネージャーMohan Seneviratne氏は述べた。

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最終更新:2016年09月09日06:01

ベトナム:Better Work Vietnamがスマートフォン用の労働法アプリを開発

Better Work Vietnamは新たに労働法のスマートフォン用アプリケーションを発表した。このアプリケーションは縫製工場やその他のユーザー向けに縫製産業が直面するコンプライアンス上の問題を周知するために開発されたもの。

このアプリケーションには英語版、ベトナム語版があり、国際労働機関(ILO)及び国際金融公社(IFC)との協力により開発された。

アプリケーションにはBetter Workが作成した最新の労働法ガイド第4版が入っており、ユーザーは重要な情報を検索したり、労働法を章ごとに確認したり、ブックマークをつけたり、条項をシェアしたりすることができる。

また、ユーザーの労働法への理解を試すインタラクティブなクイズも含まれており、「よくある質問」のセクションでは工場から寄せられる最も代表的な法律上の質問が紹介されている。

Better Work Vietnamはこのアプリケーションが「工場管理者、人事担当者やコンプライアンス担当者、バイヤーやベトナムへの発注を検討している小売業者にとって貴重な情報源となることを望む」としている。

 

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最終更新:2016年06月27日06:01

ミャンマー:労働者ら、韓国系企業の工場で「追い詰められる」

最新の報告書においてミャンマーの韓国系の衣料品工場の多くで過剰な残業、不適切な給与の支払い、労働組合の差別、セクハラ、危険な労働環境などの問題が発覚した。これは多くの問題のほんの一部だ。

『Under Pressure(追い詰められて)』はミャンマーの労働者の権利団体であるAction Labor Rightsにより発行され、韓国が全面的もしくは部分的に経営する39の衣料品工場における労働条件に関する調査を行った。ミャンマーの法的枠組みの要件と工場の状況を比較するなかで、調査により特に労働時間や残業に関する「大幅な」違反が明らかとなった。

残業は週最大16時間という取り決めに対し約30%の工場においてこれが守られておらず、インタビューが行われた1200人の従業員の中でも過剰な残業が最も大きな懸念事項だった。3分の2近くの労働者(62%)が時間外労働を断ることができず、時間外労働を拒否した者は「gate pass(通行証)」と呼ばれる給与から支払いが控除された事例もあったという。

基本給の要素のほか残業手当や精勤ボーナスがミャンマーの衣料品工場のほとんどの給与明細書でみられたほか、給与計算の方法は約18の異なる方法が見られた。

労働者の間では傷病休暇を取得する権利も課題であり、法的に認められている30日間の休暇を取得したのは約22%のみにとどまった。39%の人は雇用者が給与を削減したり解雇されるまでに3日を超えての疾病休暇を取ることを許可されなかったりすると述べた。

セクハラも報告され、7%の女性回答者が自分自身、また同僚女性がセクハラを受けたと述べた。約10%が労働時間内に言葉による虐待や身体的暴行を受けたと報告した。

調査では労働組合の代表や活動家らが支払い条件、昇給、残業代の支払い、契約の解除に関して不公平な待遇を受けていることが明らかになった。30人以上の労働者がいる企業の雇用主は職場調整委員会を設けることが2012年労働争議解決法のもと取り決められているにも関わらず、調査が行われた韓国の衣料品工場でこれを設けている企業は14%にとどまった。

労働条件も基準以下のところが多く、「不快なほど暑い」気温で生産性や健康に影響を及ぼしていた。非常口を設けている工場は全体の3分の2に過ぎず、存在していても、そのうち26%は利用することができない状態だ。

調査結果に基づき、報告書は法律の強化、罰金、調査や実施に基づき工場のコンプライアンスを向上させるべく多くの提言を行っている。

「国際的なバイヤーや小売などサプライチェーンの他の部分も購買行動の改善のための活動を行うとともにミャンマーにおいて長期的に双方にとって有益となるサプライチェーンの協力関係を築くための投資が必要となります。報告書は人権の適正化のための有益な情報源であるとともに、生産能力の構築を通し工場における継続的な改善を支援するためものです」と報告書は付け加えて述べた。

また韓国政府に対しても同国の企業が「関連する法律や規制、一般的な労働関係、雇用慣行、適切な国際的な労働基準の枠組みのなかで営業を行う」ことが確実に行われるよう求めた。

「今回の調査結果が彼らの活動を支援することを期待しています。また国際的、そしてミャンマーの消費者の特に若い世代における認識が高まることを期待しています。ミャンマーの衣料品工場の労働条件の実態が今後より意識の高い衣料品購買行動につながる可能性があるのです」

 

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最終更新:2016年04月08日06:02

マレーシア:TPPの恩恵で繊維産業中心に2000億米ドル近い経済的利益

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を通し、マレーシアは2027年までに最大2000億米ドルの経済的利益を得ることができるかもしれない。この中でも繊維産業と衣料品部門は最大の恩恵を受ける可能性が高い。

金融サービスを提供するプライスウォーターハウスクーパース(PwC)による試算は貿易協定により一層速い投資の伸びとより多くの市場へのアクセスが可能となる結果の表れだ。2018年から2027年にかけて国内総生産(GDP)は1070億米ドルから2110億米ドル増加し、結果GDPの成長率は0.6-1.15%上昇すると予測されている。

同じ期間内に投資は1360億米ドル-2390億米ドル増加する可能性がある。これは主に繊維産業、建設業、販売業に対する投資が高まることによるものだ。一方輸出の成長は輸入の伸びを上回り、貿易黒字は2027年にGDPの4.3%-5.2%に縮小すると見込まれている。

同国の繊維製品部門がTPPから最も大きな生産量の伸びを記録し、業界は2027年までに3.14-3.78%成長すると見込まれている。

マレーシアは貿易協定に参加する12カ国のうちの1カ国で、他にはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムおよび日本が参加している。2014年の数値では12カ国を合わせると世界経済の40%を占め、累積のGDPは30兆米ドル、人口はあわせて8億人以上である。

特にマレーシアにとってはTPPを通してカナダ、メキシコ、ペルーと米国の新たに4カ国と自由貿易を行うことができるようになる。4カ国を合わせてTPPの経済連合の74%近くを占め、2014年のGDPは約21兆米ドルにのぼった。

「関税非課税とするためにTPP加盟国にTPPが原産国の糸を使用することを要件とする原糸(yarn forward)原則はマレーシアの繊維産業の輸出競争力を高めると期待されます」と報告書は述べた。

「TPPに参加する国々で生産された糸に対する需要が高まることで、繊維企業に対しマレーシアにおける上流工程の製糸業務の拡張を促すと期待されています。上流工程は下流工程の衣料品の生産よりも付加価値が高いのです」

原糸原則が履行されると、米国に対して関税を10%引き下げることで業界は年間1億9千万マレーシア・リンギット(4440万米ドル)のコストを削減することができる。一方1企業当たりの投資額は10億マレーシア・リンギットから15億マレーシア・リンギットに上る可能性がある。

報告によれば特にメキシコとペルーにおける非関税障壁の撤廃はマレーシアの繊維製品の輸出を増加させ、中南米諸国との貿易を促進すると期待されている。マレーシアは2014年にメキシコとペルーに対して8300マレーシア・リンギット相当の繊維製品を輸出している。TPP加盟国で生産された糸に対する要求がたかまることでより高付加価値の上流工程への投資を促進させることができると報告書は示唆している。ある主要な繊維の統合会社は上流工程にさらに10億マレーシア・リンギット以上投資し、糸の仕入れを自社で行うことで糸と繊維の両方の輸出を行うことができるようにすると述べている。

主にTPP加盟国から仕入れを行っている非TPP加盟国の主要な繊維生産業者らも、報告書によればベトナムと比較してより発展したインフラをもつことからyarn forward原則の恩恵をうけるべくマレーシアへの投資へ移行する可能性がある。

一方、非TPP加盟国からの仕入れに大きく依存している下流工程の企業にとっては、調達先がすでに拠点を持っていればマレーシアからベトナム、もしくはヨルダンやハイチのように米国に対して原産国の規定が無くすでに関税ゼロの恩恵を受けている非TPP加盟国へ移転することになるかもしれない。

 

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最終更新:2015年12月18日06:00

ベトナム:TPP協定文書公開で繊維・アパレル製品に関するルールが明らかに

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉終了から1ヶ月経って、協定文書の全文がとうとう公開された。この中には原産地規則の詳細、縫製・アパレル分野のショートサプライリストなども含まれている。

ベトナムにはまた、米国産の綿生地の購入により綿パンツの米国市場へのアクセス改善という特記事項もある。

TPPにより、加盟する12カ国間での繊維・アパレル製品の関税は廃止されることになる。加盟国は米国、カナダ、日本、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、ベトナムとシンガポールである。多くの品目について、協定発行のその日から関税がゼロとなるか、または段階的に引き下げられる。

しかし、特恵関税の対象となるためには、米国または他のTPP加盟国から糸と布地を調達しなければならないという原産地規則が存在する。

協定ではまた、TPP加盟国内での製品製造に利用される場合、TPP加盟国からの原材料は一般的にその他のTPP加盟国からの原材料と同様に扱われるものとしている。TPP域内で製造された製品が原産地規則を満たすかどうかを表示・確認するための全加盟国に共通のシステムが創設される。輸入業者は必要書類が揃っている場合に特恵関税の適用を申請できる。条約ではまた申請を適切に処理するための手続きを担当省庁も示している。

一方で、一般的な原産地規則の例外もある。繊維・アパレル製品に関する章では、およそ200品目を掲載した「ショートサプライリスト」が含まれ、米国を始めとするTPP加盟国が特定の布地や糸を需用量に見合うだけ生産できない場合に柔軟な対応をすることが可能となっている。このリストに含まれる特定の原材料については、TPP域外で生産されたものを使ったアパレル製品でもTPPの特恵関税が適用となる。

加えて、税関の協力と関税忌避、密輸や不正を避けるための法執行、そして繊維分野に関しては輸入が急増し国内産業に深刻な被害が及ぶ場合、または深刻な被害が及ぶ可能性がある場合の特別条項が含まれる。

米国ファッション産業協会(USFIA)の繊維・アパレル輸入業者トレード・輸送年次会議では今週、TPPが及ぼす正の影響についての楽観主義と、いつ施行となるのか、または施行されるのかどうかといった懸念がともに話題となった。米国の港湾は活況を予測しているが、TPP施行のタイミングについてはまだ懸念が残されている。

 

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最終更新:2015年11月12日06:03

ベトナム:Luen Thai社、投資を継続

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結で期待される効果を踏まえると、ベトナムはアパレル生産国として当面は優位的な位置にあり続けるだろうとLuen Thai Holding社は表明している。

アパレル製品・アクセサリメーカーである同社は、ベトナムで現在操業中のThien Nam Sunrise Textile株式会社(TNS)とDuc Hanh Garment株式会社(DHG)を含むベトナムでの事業に今後も資源を投入し、注力し続けていくと表明した。

さらに、米国の特恵関税制度の見直しにより、従来除外されていた旅行用品、ハンドバッグ、スーツケースや財布といった製品も、おそらく2016年下半期から関税減免措置の対象となる可能性があると言及している。

将来の需要増加に対応するため、Luen Thai社は高級・コンピューターバッグ、バックパックの生産基盤のカンボジアとフィリピンへの拡張を予定している。この拡張により短期的なコストは増加するものの、これにより同社は特恵関税制度というチャンスを掴み、中期的にはアクセサリ類の生産を伸ばすことができるとしている。

このコメントは同グループのカジュアル・ファッションアパレル部門の「不調な」結果により、上半期の純利益が半減したことを受けて発表された。昨年上半期の純利益1660万米ドルに対し、今年6月30日までの6ヶ月間の純利益は780万米ドルであり、大幅な減益となった。

収益は昨年の5億6110万米ドルに対し5億2200万米ドルであり、7%減少している。

カジュアル・ファッションアパレル部門の収益は920万米ドルで60%の減少となった。これはOcean Sky Globalとその子会社の工場操業改革とカンボジアでの従業員再配置を原因とした業績不振によるものであった。加えて、2015年上半期、日本の主要顧客からの発注が同社の想定以上に減少したことも響いている。

Luen Thai社のセーター生産部門でも180万米ドルの損失を計上しているが、これは季節的なものと見られる。

同グループでは、2015年下半期についても継続的に業績不振となると予測しており、業績の回復は「2016年にようやく可能となる」と見ている。

 

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最終更新:2015年09月02日13:54

カンボジア:第1四半期の縫製・靴製品輸出は好調

新たなデータによると、2015年の第1四半期、カンボジアの縫製・靴製品輸出は10.6%増加し、また縫製産業、製靴産業の雇用者数も増加している。

このデータは国際労働機関(ILO)が先週プノンペンで発表したカンボジアの縫製・製靴セクターについての新たな報告書で明かされた。

この報告書では、カンボジアの縫製・製靴分野の実績と発展について最新の公式データに基づき概説しており、輸出、賃金、雇用、工場開業と閉鎖、外国直接投資の認可といった点に焦点が当てられている。

この報告書は近々予定されているカンボジアの縫製・製靴分野の最低賃金の見直し作業の参加者にとっても重要な情報となるであろうと国際労働機関は述べている。

2014年6月に、カンボジア政府、労働組合と雇用企業は様々な社会経済的要因を考慮した、根拠に基づく最低賃金の見直し作業を行うことを表明している。

国際労働機関のタイ・カンボジア・ラオス事務所のMaurizio Bussi主任担当官は、「国際労働機関はこの報告書が労働界の関係者らが情報を得た上で議論し、建設的な交渉を行う一助となることを望む」と述べている。

報告書第1版によると、カンボジアの縫製・製靴分野は約60万人を雇用しているが、過去2年間で賃金が大幅に上昇している。同分野で操業している工場数は2015年3月には過去最高の640軒を記録した。2013年末の工場数は528軒であった。

国際労働機関によると、縫製・製靴産業の成長は、新最低賃金100米ドル(2014年1月発効)、128米ドル(2015年1月発効)の制定後の輸出不振とその直接の影響としての雇用不振という予測に反し、好調であるという。

「労働者と労働組合は当然の事ながら賃金が彼らとその家族の生活に十分なものであるか気にかけている。しかし一方で、最低賃金が企業、生産性、競争力と雇用に与える影響への考慮も不可欠である」とBussi主任担当官は話す。

国際労働機関はカンボジアに対し最低賃金額の推奨などは行わないという。かわりに、「公式データの分析に基づいた技術的助言や関係三者に対する支援の提供要請に対応していく」とBussi主任担当官は説明している。

国際労働機関では四半期ごとに新たな報告書を発表することを予定している。

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最終更新:2015年07月28日13:59

衣料品製造産業は本当に中国から撤退していっているのか(後)

(前編より)

 

好調なインド

とはいえ、中国と競合している調達先の国々の幹部の主張も同様に、統計で裏づけられている。

「私たちのインドからの調達ビジネスは、ここ2年の間に3倍になりました。」とアメリカを拠点とする女性向け衣料・アクセサリーブランドのAdrianna Papellの最高執行責任者(COO)、Ashesh Amin氏は話す。彼は、「(中国の工場での)注文を供給するまでのリードタイムは10%~20%増え、価格も6%~8%上昇しました。」と言う。

Amin氏によると、中国から生産拠点を移すトレンドは確かにあるが、去年の10月にようやく始まったものであり、旧正月である2月以降、加速しているという。衣料品製造に従事していた労働者たちは、もっと面白い仕事に移っていっている。「以前は、インドから中国に生地を輸送していましたが、今は、インドで同じ製品が作られることを期待しています。」と彼は語った。

Amin氏は、ルピーが割安であり、エネルギーのコストも低いため、国際的にインドがコストの安い衣料品調達地になっていると話す。また、「インドの企業は機械の輸入を増やし、工場を近代化しています。」とも語った。

インドの衣料品輸出促進協議会(AEPC)は、2015年3月までの今会計年度で、10%の輸出成長を予想している。その結果、インドの衣料品輸出額は165億米ドルに達する見込みだ。

 

上昇傾向のバングラデシュ

バングラデシュの衣料品製造業者もインドと同様に楽観的である。バングラデシュ衣料品製造・輸出業者協会(BGMEA)、前副会長のFaruque Hassan氏は、バングラデシュの企業は、中国での生産コスト上昇により生み出された新しいチャンスをつかむため、工場のグレードアップと安全対策に投資をしていると話した。

一方で、彼は中国からの調達地の流出傾向を生かす、バングラデシュの能力の妨げとなっている課題についても触れた。政治不安、品質と物流の改善を維持する必要性といったものだ。

恩恵を最大に受けるためには、「私たちは労働者のスキルと港の最大取扱量を強化し、ダッカ~チッタゴン間の高速道路を改善する必要があります。」と本紙に話した。

BGMEAの会長であるMohammed Atiqul Islam氏は、不安定な電力供給がバングラデシュの衣料品製造市場のグローバルシェアを増やすのを妨げているもう一つの障壁だと話した。現在、中国の38%に比べ、バングラデシュの市場シェアは5%しかない。

バングラデシュが生産性と効率性を改善しないかぎり、コストの低い衣料品製造者としての強みを失ってしまうだろうと指摘した。「改善できなければ、インド、ベトナム、カンボジア、スリランカ、そしてミャンマーといった国々がチャンスをものにすることになります。」と彼は本紙に語った。また、もしバングラデシュが成功すれば、「そうすれば、中国にも輸出できるようになるでしょう。」とも話す。

バングラデシュは現在、中国に次いで、世界で2番目に主要な衣料品の輸出国である。およそ4500の工場で、450万人の人が働いている。バングラデシュの輸出促進局によると、衣料品の輸出は、今年3月までの9か月間で、年率換算で3.16%上昇し、約186億米ドルに達した。

ダッカにあるシンクタンク、Centre for Policy Dialogueの追加調査ディレクターであるKhondaker Golam Moazzem博士は、中国からの新たな調達拠点移転を取り込めるかは、バングラデシュがどのように国内の政治不安と、とりわけ、不安定な為替変動といった外部要因に取り組めるかどうかにかかっていると主張する。「バイヤーが中国から離れているからといって、バングラデシュに発注先が移るという確かな保証なんてないのです。」と彼は本紙に語った。

 

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最終更新:2015年06月12日14:02

衣料品製造産業は本当に中国から撤退していっているのか(前)

中国と他の国両方の専門家は衣料品製造が中国から他の拠点へと急激に移っているという考えに賛成はしていない。

何年にもおよぶ強い経済成長の結果、中国の衣料品製造業従事者の給料は増え、結果として、中国における織物・衣料品製造のコストが引きあがった。そして、カンボジアやベトナム、バングラデシュ、インドといった、よりコストの低い国へ、中国から生産拠点が移った企業があるのは事実だが、中国の衣料品製造業の縮小現象は誇張されすぎていると専門家はいう。

 

「中国の全体の経済状況は変わってきています。環境規制がより厳しくなり、土地や労働者のコストも上がっており、それら全てが影響しています。しかし、東南アジアへ拠点を移している衣料品製造は、いくつかの外国ブランド専用に、輸出向けに契約をしている生産工場に限られています。」と中国紡織工業連合会(CNTAC)の国際貿易部副理事、Zhao Hong氏は主張する。CNTACは、中国の全織物・衣料品組織の全国連盟である。

Zhao氏は、中国国家統計局のデータによると、国の衣料品製造分野は減少しているというより、合併していっているという。年間販売売上が2000万人民元(320万米ドル)を超える織物・衣料品製造企業の数は、2014年には11.5%減少し、38,319社となったが、業界全体の収益は6.1%上昇し、3600億人民元(581億米ドル)に達した。

2014年は、アメリカやヨーロッパ、日本といった主要な輸出市場では経済が低迷した年であったが、中国の10916社の衣料品製造業者は前年比1.6%増となる296億着の衣料品を生産した。業界の健全な状態を裏づける他の指標として、中国の織物産業による固定資産への投資は2014年に著しく増え、13.4%増の1兆人民元(1610億米ドル)に達した。

 

製造業の通説

イギリスを拠点とするコンサルタント企業で、GapやMarks & Spencer、NextやThe Limitedといった有名ファッション小売り企業を顧客に持つClothesource Limited社の最高経営責任者、Mike Flanagan氏もまた、中国から衣料品製造の拠点が離れていっているというのは、ただの通説にすぎないと考える専門家の一人だ。

「世界市場は成長しているため、多くの製造業者がより大きなシェアを獲得してきています。実際に起こっているのは、そのうちの一部の中国企業所有の製造者が、他の国に移転していっているということなのです。」と彼は言う。

Flanagan氏によると、中国内の工場が合併しているのは事実だが、「実質的には、中国資本の衣料品製造企業の100%が存続しています。」

中国の製造業者が、賃金が上昇することで、国際社会の中で中国の衣料品製造産業の競争力が低下することを心配するのはもっともだが、他のアジアの国々でも、同程度のスピードで賃金が上昇していることは明らかだと強調した。そして、これらの国々は、効率性とインフラの面で中国に大きく遅れをとっている。

「企業が皆中国を離れていっているという、くだらない主張のほとんどは、自分たちの国に人々の興味をひきつけておきたい、バングラデシュ、インド、ベトナムの衣料品製造業者のものです。」とFlanagan氏は話す。

「彼らはまた、政府にインフラへの支出を増やしてほしいのです、またおそらく、より関連性のあるものとして、1990年代後半と21世紀の始めにインドネシアで起きたことが自国で起こってほしくないと思っているのです。」

Flanagan氏によると、そのころ銀行業界は、「業界全体で、遅かれ早かれ、衣料品製造はインドネシアから撤退すると判断していました。」その結果、地元の製造業者に資金を貸すのを止めてしまい、衣料品製造業の衰退を引き起こした。

 

(後編につづく)

 

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最終更新:2015年06月12日06:02

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