インドシナニュース

インドネシア:政府が繊維産業の原材料輸入の合理化をめざす

多くの雇用を創出しつつも世界的な競争激化に直面する繊維産業の活性化のため、インドネシア政府は繊維製品の原材料輸入プロセスの合理化を計画している。

12月6日に開催された閣議で、ジョコ・ウィドド大統領は関係省庁に対し、ベトナムを始めとする域内競争における国内企業の競争力強化のため、輸入手続きを簡素化するよう指示した。ベトナムでは輸入関税がかからないが、インドネシアでは5-20%の関税がかかる。

「企業の負担低減のため、繊維製品の原材料の輸入手続きを簡素化する必要がある」と大統領は述べた。

ジュネーブの国際貿易センターの統計によると、インドネシアのアパレル・衣類アクセサリーの輸出額は2014年の34億2000万米ドルから2015年には33億米ドルへと4%近く減少している。

ジョコ大統領は、さらなる工業化の進展のためにも繊維産業の急速な活性化が必要であると主張する。

「日本、中国や韓国等、アジアの工業国の多くが工業化を繊維産業の開発から始めている」と大統領は述べた。

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最終更新:2016年12月19日12:04

ベトナム:TPPの有無にかかわらず統合を続行予定

ベトナム商工省のTran Tuan Anh氏によると、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)に反対しようとも、ベトナムは企業を支援しその他の協定の交渉を行う、事業・投資環境の改善に向けた改革を続行する予定であるという。

TPP貿易協定に反対するトランプ氏がアメリカ大統領選で勝利したことを受け、共和党が貿易協定に終止符を打つ可能性があると多くの専門家が考えている。

これに対し、ベトナムの国際経済統合に対する見解と方針に変更はないことを、Ann氏は進行中の国会に合わせて報道に伝えた。TPPはベトナムが参加に合意した自由貿易取引の一つではあるが、ベトナムはビジネスチャンスを作り出し、経済成長を加速させるその他の自由貿易協定(FTA)も推し進める予定である。

TPPの未来を予測するには時期尚早であり、TPPの有無にかかわらずともベトナムは統合に向けた準備を整えているとAnh氏は述べた。

もしTPP協定が順調に導入されれば、ベトナムの様々な部門に多くの利益をもたらすことになる。繊維、衣料、履物、海産物などの主要輸出製品の輸出額はアメリカ、日本、カナダ向けに大きく拡大するであろう。一方で例えTPPが承認されなくとも、ベトナムにはまだ別の輸出市場があるとAnh氏は加えた。

副首相・外務大臣のPham Binh Minh氏は、今月初めにホーチミン市で開催されたベトナムサミット2016において、ベトナムはTPP協定に参加することにより、アジア・パシフィック諸国との貿易関係を強化し、ベトナムやその他TPP加盟国に対するビジネスチャンスを作り出すことを望んでいると明言した。

従って、ベトナムはアメリカを含めたすべての加盟国による貿易協定の批准を期待しているという。

ベトナムが交渉過程に費やした時間や努力を考慮すれば、何らかの理由によりTPPが承認されない場合は失敗とみなされるであろうとMinh氏は述べた、しかしながらTPPとは別に、ヨーロッパ連合やユーラシア経済連合など、ベトナムはその他の多くの提携国とFTAを結んでいることにも言及した。

ベトナムやその他アセアン諸国は東アジア地域包括的経済連携のFTAの準備を進めており、加えてアジア太平洋経済協力フォーラムでは地域内でのFTAを交渉中である。

さらにベトナム商工省のDo Thang Hai副相は、ベトナムが加盟国となっている10のFTAがすでに施行されており、1つのFTAが発効予定、そして複数のFTAが交渉中であることを説明した。

Hai氏は、貿易協定の有無にかかわらず、国際統合に対するベトナムの経済政策に変更はないことを強調した。

TPPの交渉以前にも、ベトナムは世界貿易機関(WTO)など様々な政府間国際機関に参加してきたことをHai氏は述べた。国内のビジネス環境は改善されており、ベトナムは持続的な成長を遂行すべく、投資環境の再構築や民間分野の開発、公債管理の強化を加速させてきた。

経済学者のNgo Tri Long氏によると、国際化により他国との協調は必須のものとなっており、ベトナムは最悪の事態に備え、TPPに依存しない最善策を準備すべきであるという。

その他の展開としては、日本の衆議院でTPP協定承認案と関連11法案が可決された。

バラク・オバマ大統領は、経済に対する中国の影響力が高まる中、アメリカに国際的な貿易の政策を設定させたとして12カ国間の交渉を擁護した。

日本とアメリカの他に、TPPにはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの10カ国が参加している。もしTPPが完全に施行されれば、世界経済の40%を占める見込みである。

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最終更新:2016年11月23日06:03

インドネシア:インドとの協力で繊維産業の再活性化

インドネシア繊維協会(API)は国内の繊維産業関係者に対し、生産施設を定期的に改善し、インドネシアの繊維製品の世界市場での競争力を維持することに努めるよう呼びかけた。

インドネシア繊維協会のAde Sudrajat会長は、国内の多くの繊維メーカーの多くがいまだに旧式の機材に頼っており、世界的に需要が低下する中、機材への投資にますます後ろ向きになっていると話す。

この問題に対応するため、Ade会長は例として、政府が国内企業と繊維機材部門で世界を主導する立場にあるとされるインドの繊維機材製造業者の仲介を行うことを提案した。

Ade会長は、バンドンで開催された第10回インド国際繊維機械展示会(インドITME-2016)の紹介イベントに参加したのち、「例えば、縫製繊維機材購入のための信用供与などを通じて、インドネシアとインドは協力体制を強化することができます」と語っている。

Ade会長によると、現在インドには製糸、染色機械の製造企業が少なくとも1000社存在する。人口約12億のインドには繊維産業だけで4500万人の労働者を擁する。

インドネシアの主要貿易相手国である日本や米国からの発注の減少などを要因として、過去5年間、インドネシアの繊維輸出は伸び悩んでいる。中央統計局(BPS)の統計によると、2011年から繊維輸出は130億米ドル程度で伸び悩んでいる。

もう一つ、貿易相手としてのインドの優れた点は、インド製の縫製機材の価格が中国製と同程度で安価であることだとAde会長は指摘した。

インドITME-2016のSanjiy Lathia会長は、インドの繊維産業は政府の輸出促進策を受け、成長を続けるであろうと楽観的な見方を明かした。

Sanjiy会長によると、インド政府は今後5年間で繊維品輸出を300億米ドル増やそうと、縫製産業で1000万人の新規雇用創出を目指している。

「昨年の輸出額は450億米ドルでした。今年も輸出額はおよそ6-8%成長すると見込まれています。インドは繊維品の巨大なマーケットを擁しています」とSanjiy会長は述べた。

インドITME-2016は12月3日から8日までムンバイのボンベイコンベンション・エキシビションセンターで開催される。このイベントは1500社以上が様々な繊維機材、アクセサリー、部品、革新的な繊維技術を展示するもので、繊維業界で世界最大規模の展示会の一つである。

中央統計局の統計によると、世界市場におけるインドネシアの繊維・アパレル製品の競争力は2014年だけで1.3%低下している。その反面、ベトナムは競争力を前年比で1.8%上昇させた。インドネシアの競争力低下は米国、ヨーロッパ市場でも明らかであり、米国市場では25%、ヨーロッパ市場では3%の低下を示している。

 

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最終更新:2016年10月22日06:01

インドネシアがアセアン域内労働者の共通最低賃金を提案

インドネシアは次回のアセアン労働相会合で、加盟国の労働者保護のため最低賃金の制定を提案することを予定している。

アセアン加盟国の国民の保護に不備があるとの懸念の中、Jusef Kalla副大統領はこの共通最低賃金の概念を提案した。

Antara News Agencyの報道によると、「アセアン諸国は国民を搾取から保護する必要があるとの私の意見に対し、ベトナムは強く賛同してくれました」とKalla副大統領は6月2日に述べたという。

他のアセアン加盟国も地域内の労働者に最低賃金を導入することに関心を示しているという。

Kalla副大統領は、加盟国の労働大臣が近日中に会談し、この問題について協議すると発表した。

「全員が賛同しつつあります。カンボジアも賛成しています」と副大統領は言う。

Kalla副大統領は、インドネシア政府は大規模多国籍企業がアセアン域内でより低賃金を求めて争うような事態を望んでいないと付け加えた。

「競争は良いことです。それに今までのところアセアンは低賃金で負けてはいません。原材料についても、工場についても同じことです」とKella副大統領は言う。

インドネシア政府はアセアンの事務局長を招聘し、この問題についてベトナム、カンボジアを交えて協議する意向であるという。

「インドネシア、ベトナムとカンボジアは多数の労働者を擁しています。バングラデシュ、マレーシア、シンガポールの協力も仰ぐかもしれません。タイですらすでに人件費は高くなっています」

最近マレーシアで開催された世界経済フォーラムの場において、副大統領はアセアン地域全体に及ぶ標準最低賃金の制定を提案している。

副大統領によると、多くの多国籍製靴・縫製企業が低賃金を理由にインドネシア、ベトナム、カンボジアに工場を移転しつつある。

「こうした企業は靴や衣類を15ドルで製造し、100ドルで販売しています。このような方法で使われるのは止めましょう。域内の労働者を搾取させてはなりません」とKella副大統領は語る。

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最終更新:2016年06月10日06:01

インドネシア:TPPの原産地規則がアパレル産業の重石となる可能性 

「インドネシアが環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する場合、ヤーン・フォワード・ルールに気をつけなければなりません。」とBenny Soetrisno氏は言った。

インドネシア繊維協会(API)諮問委員会の委員長は最近の記者会見の場において、米国主導で進められているTPPは、地元の繊維産業に損失よりも利益をもたらすだろうが、国はこの業界すべての製造プロセスにおける体制の準備を支援すべきだ、と述べた。

「TPP加盟国から原材料供給を受けて製造された衣料品のみが、その関税を免除される、とのTPPの規定があります。」と彼は指摘した。

米国主導のこの経済連携協定が一旦発効すると、加盟国間取引におけるゼロ関税適用を認められるためには、加盟国内から調達された原糸や原反を使用して繊維・アパレル製品を生産することを求める、ヤーン・フォワード・ルールが適用される。

インドネシアが最終的にこのいわゆる21世紀型の経済連携協定に参加する場合、同条項が適用されることとなる。

TPPは現在、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、米国の12の加盟国から構成されている。12の加盟各国ではTPP批准へ向けて国内手続きを進めており、その完了には約2年かかると予想されている。

ジョコ・ウィドド大統領は昨年10月に訪米した際、インドネシアがTPPに参加する意思があることを示し、また前回の米国・ASEAN首脳会議に出席した際にも、インドネシアでは現在、TPPに参加する場合の利益と課題の両方を検討している、と述べた。

インドネシアのアパレル産業は、国がTPPに参加することになった場合、その利益を最も享受する部門になると考えられている。

産業省のアパレル、皮革、フットウェアその他産業を管轄するMuhdoriディレクターは、アパレル産業では既に上流から下流までバリューチェーンが構築されており、TPP参加のための体制準備は整っている、と述べた。

一方で産業省の統計データによると、インドネシアは2014年に86億米ドル相当の繊維、糸、織物、衣料品、タペストリー、その他繊維製品を輸入したが、そのうち大きな部分がTPP加盟国ではない中国から来ていると推計されている。

ベトナムはTPP加盟国の一つであるが、まだいくつかのタイプの原反を中国からの輸入に頼っており、以前からヤーン・フォワード・ルールに関する懸念が持ち上がっている。

APIのAde Sudrajat会長は、TPP参加によって国のアパレル産業に利益がもたらされると前向きであるものの、衣料品の全製造プロセスのバリューチェーン開発に対し、政府からの支援が必要であると主張する。

労働環境の面では、例えば生産工場に隣接する場所にアパレル会社が寮を建設することを政府が支援するようなことが考えられる、とした。

「我々が生産工場から離れた地域から労働者を募集することができるよう、政府にアパレル工場従業員のための住宅に助成金を支給するよう求めたいと思います。」と彼は言った。

多くの産業で業務効率を向上させるためにレイオフを行ってきたと伝えられる一方で、アパレルメーカーでは、その事業拡大を支える労働力不足に苦しんでいる。

Surakarta、Boyolali、Wonogiriにあるアパレルメーカーでは、既に1000人規模の新規雇用を行ったが、なおも多くの労働者を求めている。

インドネシア投資調整庁(BKPM)のFranky Sibarani代表は、彼の組織では多くの労働者を必要としている他の業種に誘導できるよう、企業に対してレイオフ計画があれば報告するよう求めている、と以前明らかにした。

APIは、インドネシアがTPPに参加する場合、特にアパレル輸出が急増するだろうと予想している。

インドネシアのアパレル輸出は2005年に86億米ドルであったのが、2014年には127億米ドルに増加しているものの、そのパフォーマンスは、2011年の53億米ドルから2014年には262億米ドルまで達したベトナムの後塵を拝している。

Ade会長は、彼の組織ではTPPによって米国をその主要な取引市場の一つとして取り込むことにより、今後10年以内にインドネシアのアパレル輸出が倍増すると予想していることを明らかにした。

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最終更新:2016年02月27日11:36

インドネシア:アパレル産業に今年ビジネスチャンスは訪れるか(後)

(前編より)

 

異なる視点として、繊維・衣料品部門に対する国内外の投資計画を記録管理しているインドネシア投資調整庁(BKPM)に目を向けることも有意である。BKPMによると、2015年を通じて投資計画の明らかな増加があり、そのことは2016年も労働集約型(産業への)投資が続くのではないかという点について、肯定的な評価につながっている。2015年前期における繊維・衣料品部門に対する投資は明確にプラス成長となっており、例えば、織物繊維加工業では82のプロジェクトから213%増となる2.4兆インドネシアルピア(1億7600万米ドル)、織物製織業では25のプロジェクトから613%増の1630億ルピア、衣料品産業では16%増の9410億ルピア、衣料品アクセサリ業では15のプロジェクトから563%増の2160億ルピアを記録した。

投資計画は、2015年にテキスタイル部門において取得された原則許可数として記録されており、前年比で68%増の総額13.1兆ルピアであった。BKPM幹部のFranky Sibarani氏によると、テキスタイル部門の投資計画には10万1000人の労働者の雇用増も含まれている。これらの投資計画の実現が、政府が2016年の目標として掲げる200万人の雇用創出に対し、大きく貢献することが期待されている。

BKPMの投資データは、アパレル産業に回復の望みがあることを示している。しかし、ナショナル・ブランドの開発、生産に必要な原材料を確保するために現在開発中の綿の物流拠点への継続的な投資や、さらなる経済政策の発動による産業開発の促進など、政府による積極的な努力と支援がある場合にのみ、この業界は回復を遂げることができるであろう。今後、ガス、電気やディーゼルの市場価格下落により、全産業の競争力は高まっていく可能性がある。政府はまた、輸入をコントロールして関税ゼロ政策から国内市場を保護するような取り組みを重ねるなど、業界の業績改善を支援している。政府の政策には、インドネシア国家規格(SNI)の強制適用、財とサービスの調達に際して国産品の強制利用(P3DN)、アパレル・フットウェア業界の機械設備のリストラなどが含まれている。

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最終更新:2016年02月23日12:04

インドネシア:アパレル産業に今年ビジネスチャンスは訪れるか(前)

インドネシアにおける2015年の景気減速は、まだいくつかの産業に悪影響を及ぼしており、繊維・アパレル産業もそのうちの一つである。繊維産業の業績は、苦境から脱出するのに必要とされる楽観的な気運が盛り上がらないために、2016年も低調に推移すると予想されている。

世界経済の回復は国内経済同様不透明で、未だ改善の兆しは見られない。インドネシア繊維協会(API)のAde Sudrajat会長は、繊維産業における来年の成長についても悲観的な意見を持っている。

2015年10月時点での繊維業界のパフォーマンスは、満足いく結果からは程遠いものであった。この部門の国内総生産(GDP)は縮小に苦しんでおり、前年同期比で6.1%のマイナス成長となった。この数字は製造業全体の4.3%、インドネシア全産業の4.7%といったGDP成長率と比較しても、悪い結果であった。

世界経済の状況として、国際通貨基金(IMF)は2016年の経済成長見通しを3.6%から3.4%に引き下げた。さらに米国についても2.6%の経済成長しか見込まれていない。インドネシアの繊維輸出は強く世界経済の状況に左右され、特にこの部門の最大の輸出先市場である米国やヨーロッパの影響を強く受けるため、繊維産業の成長率に悪影響がもたらされることとなる。

米国と欧州に対するインドネシア繊維産業の輸出シェアは、それぞれ31%、16%となっており、この数字は例えばアセアン諸国や日本に対する輸出シェアよりもはるかに大きいものである。2015年の繊維輸出実績は、前年の126億8000万米ドルから120億米ドルとなり、前年同期比で約5.3%の減少であったと推計された。

昨年10月時点では、インドネシアの繊維輸出はたったの102億米ドルであり、目標の約77%止まりであった。この理由の一つとして、インドネシアの輸出製品は周辺ライバル国、特に米国や欧州市場においてはベトナムからの衣料品と競争しなければならないことが挙げられる。

ベトナムでは人件費が低いままであるため、加工費がさほどかからず、製品の製造コストが比較的安い。このことはインドネシアの状況と対照的である。この東南アジア最大の経済市場においては原材料コストが上昇しているのに加え、生産コストも人件費の高騰によりかさんでいる。これにルピア安が加わることによって、多くの企業でこうした状況に耐えられなくなり、ビジネスから撤退していることも頷ける。ますます高騰する生産コストが、特に繊維産業において従業員を解雇せざるを得ない状況をもたらしている。

例えばAPIの調査によると、繊維産業はバンドン市の4地区に集中しているが、2015年1月から5月の間に6000人もの労働者が解雇された。こうしたレイオフがもしジャワ島で起これば、数万人~数十万人規模の労働者がその職を失うことが容易に想像できる。APIによると、一般に下流工程産業でこのような緊急レイオフの手段に訴えることが多い、としている。

さらに、インドネシアの繊維・アパレル製品の競争力は低下し続けている。中央統計局(BPS)のデータによると、2014年単年で世界市場におけるインドネシアの繊維製品の競争力は1.3%も低下した。一方でベトナムでは対照的に、前年比1.8%も競争力が上昇した。インドネシアの競争力低下は世界市場において発生しただけではなく、米国や欧州市場においてもそれぞれ25%、3%低下した。

通商大臣のThomas T. Lembong氏は、アパレル・フットウェア部門におけるインドネシア最大のライバルとして、ベトナムに脅威を感じているとした。ベトナムが環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に加盟することにしたのも、一層脅威に拍車をかけている。Lembong大臣の見解では、この競争はベトナムがEUとの間で自由貿易協定(FTA)を締結したことにより、ますます熾烈になるだろうとしている。EU間自由貿易協定によりベトナムが、米国市場より大きな、20カ国以上から構成される欧州市場へのアクセスを獲得することを意味する。Lembong大臣はTPPについても、その12の加盟国は米国主導ですぐに世界市場の40%をコントロールするようになり、そのためインドネシアでも、今後2年以内にTPPへの参加を目指すようになっても不思議ではない、とした。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年02月23日08:03

マレーシアとベトナムがインドネシア製造業の脅威に

インドネシアの製造業者らは、マレーシアとベトナムが他の8カ国とともに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参入することを懸念していると語る。

インドネシア繊維協会(API)のErnovian Ismy事務局長は、関税削減と貿易障壁の低下により、両国の製品は市場での競争力を強め、結果としてインドネシア製品の市場シェアの脅威となると話す。

Kontan.comによると、Ernovian事務局長は「TPPに加盟すれば、他の加盟国市場への参入が有利になります。ベトナムとマレーシアが米国などTPP加盟国のインドネシア製品を駆逐することも可能です」と話したという。

Ernovian事務局長によると、マレーシア、ベトナムとインドネシアの製造業製品は繊維、繊維製品、タイヤ、自動車部品、電子部品など類似しているという。

インドネシア繊維協会の統計によると、インドネシアは昨年12億ドルの繊維・繊維製品を輸出している。最大の市場は米国(36%)であり、その後に中東諸国(23%)、ヨーロッパ(16%)、日本(7%)、東南アジア(7%)が続く。

インドネシア製靴業協会(Aprisindo)のEddy Widjanarko議長は、新たな貿易圏である

TPPは長期的な影響を及ぼすだろうと話す。「ベトナムはさらに多くの靴類生産を受注し、インドネシアは低迷することになるでしょう」と彼は言う。

商務省のデータによると、インドネシアの2014年の靴類輸出は41億1000万ドルに達し、2013年の輸出額38億6000万ドルから6.44%増加している。主要輸出先は米国、英国、ベルギー、ドイツ、日本であった。

すでに報道されている通り、米国、カナダ、日本、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールとベトナムがTPPへの加盟を表明している。これら12カ国は世界の貿易額の4割を占める。

Ernovian事務局長、Eddy議長ともにインドネシアはTPPに加盟するべきであり、もしそれが不可能ならば政府は同様の貿易協定をヨーロッパ及びトルコと早急に締結すべきであると主張する。

PT Pan BrothersのFitri Ratnasari Hartono代表は、ヨーロッパとの貿易協定がない限り、インドネシア製品は競争力を失う、インドネシア産繊維の輸出先である米国、日本市場はTPP加盟国に奪われてしまうと懸念する。

「ヨーロッパとは準備協議を始めたところなので、これから貿易協定を結ぶこともあり得ます」とHartono代表は話す。

 

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最終更新:2015年10月19日11:55

インドネシアの繊維業界、難題に直面(後)

(前編より)

 

国内市場ではインドネシアのTPT産業が直面する障壁は、特に中国や韓国からの輸入製品の流入である。

過去5年間、インドネシアのTPT輸入製品の平均的な価格は12.45%上昇した。もう一つの課題は今年初めの燃料や電気などのエネルギー価格の高騰である。これによりTPT産業におけるコストは急上昇した。これは輸入製品が20%程度まで安価である国内市場において、インドネシアのTPT製品の競争力が弱まる大きな要因である。

2015年の第一四半期において、TPT輸入は今年の輸入目標である50億米ドルの半分の20億米ドルに達した。2014年においてインドネシアのTPT輸入は32.88%が中国、続いて韓国(17.81%)、ASEAN(10.41%)を占めた。インドネシアのTPT輸入のほぼ全部(およそ94.24%)がHS第50から60類に含まれる。

インドネシアのTPT輸出のほぼ全部を占める衣料品であるHS第60から63類は、輸入においては全体の5.76%しか占めていない。経済担当調整大臣府が発布した法令No. 132/PMK.010/2015はいくつかのTPT製品に対して輸入税率を引き上げることなどを含む、輸入品の流入を減らそうという政府の取り組みの一つである。成立の引き上げにより影響を受けるTPT製品のほとんどはHS第61類に分類される。特に紳士や男児用のオーバーコートの輸入税率は15%から25%に引き上げられた。

米ドルに対してのルピア安による綿など原材料価格の変動もまだ見られる。

現在までTPT産業で使用されるほとんど(約95%)の綿が輸入されなければならない状態である。これは国内産の綿の品質が平均よりはるかに低く、TPT産業に対する供給の保証が見込めないからである。

原材料の価格変動に影響を及ぼしているルピア安は、業界全体にも影響を与えており、大きな課題となりつつある。価格変動のほか、綿の調達ルートも妨げとなっている。綿の調達の多くは仲介を通して行われている。つまりTPT業界に携わる人は綿を高い価格で仲介を通して購入しなければならない。APIの事務総長によれば、インドネシアにおける綿の輸入調達パターンとしては、60%が海外から、30%がマレーシアの倉庫から、そしてその他の10%が再販するためだけのために輸入する小売業者である。綿の輸入経路の長さは、衣料品における不可欠な原材料である綿が、エンドユーザに到達するころには高い価格になっていることを意味する。これを踏まえ、APIは綿をマレーシアの倉庫からインドネシアの倉庫に移動するよう早急に促し、特に輸送や倉庫など流通におけるコストを削減しようとしている。このAPIの期待は、TPT産業のために緩衝在庫を持とうとしている商業省の優先的なプログラムと方向性が合致しているようである。

商業省はTPTと履物産業に対して輸出の売上げを伸ばすよう働きかけており、そのために様々な刺激となる策やインセンティブを提供している。はじめに、商業省はいくつかの産業用の原材料を輸入するにあたり政府負担の税金(BMDTP)を低減するなど、繊維や繊維製品のための原材料をより簡単に入手できることを含む追加的なインセンティブを提供する予定だ。

第二に、関連する業界に対してAct No. 3/2014に指示されているように融資を受けやすくしている。第三に、綿業界に対して緩衝在庫をつくっている。

第四に、国内の取引を促進させるため省庁間の調整を引き受けている。第五に、直接的に輸出を促進する策を実行している。これに関しては、商業省はインドネシアの衣料品を購入する国々との自由貿易協定(FTA)の形で協力できる機会を提供できるよう計画をしている。FTAに関して商業省は国内産業にとって最大限プラスとなるようパートナーシップを構築するという政府の約束を取り付けている。

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最終更新:2015年08月25日14:02

インドネシアの繊維業界、難題に直面(前)

インドネシアの繊維・繊維製品(TPT)業界は国内外からの圧力に直面している。

国内市場では年間末まで続く見込みの経済の低迷が国民の購買力の低下につながり、繊維製品に対する需要が低下している。

ローカル市場における需要の低下や生産にかかるコスト、厳しい競争があいまって、製造業者は生産設備の縮小に追い込まれている。その一方で、インドネシアの輸出先においても経済成長が低迷しているために輸出市場も現在低迷している。

結果、2015年の第一四半期におけるTPT業界の業績は相対的に悪く、前年比0.98%のマイナス成長率という縮小に伸び悩んでいる。これは製造業の3.87%やインドネシアの国内総生産(GDP)の4.71%という成長率よりも業績が悪い。

TPTの輸出の低下は2015年の第一四半期にすでにあり、年間を通して停滞がみられると見込まれている。2015年の第一四半期において、TPTの輸出はちょうど23億米ドル相当であった。これは前年度と比較して25億米ドル少ない額である。インドネシア織物製品協会(API)会長のAde Sudrajat氏によれば、TPTの今年の輸出目標は昨年実現された126億米ドルと同じ数値である。2015年第一四半期のTPTの輸出はこの目標の18.3%しかまだ達成していない。

インドネシアのTPT業界の総売上高は過去三年間平均で200億米ドルであった。このうち輸出は全体のおよそ63%を占める。輸出の数値が多くを占めるTPT業界の業績は世界の経済情勢、特にインドネシア最大のTPT輸出市場である米国やヨーロッパの影響を非常に受ける。

2015年米国経済は改善する見込みである。一方で、インドネシアのTPT輸出の回復に対する影響はすぐに著しくみられるものではなく、今年は実感できない可能性が高い。

加えてインドネシアのTPT輸出は、滞留時間と呼ばれる港における荷役や積み下ろしにかかる長さなど、様々な国内の制約に直面している。

もうひとつの制約は米国やEUなど主要な輸出先との自由貿易協定の少なさである。インドネシアの繊維製品における主要な競合国であるベトナム、マレーシアはすでに自由貿易協定を締結している。

さらに、TPT輸出の全体の60%近くが衣料品である。これらの製品は分類に調和システム(HS)を採用しており、第61類(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る)、第62類(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く)、第63類(紡織用繊維のその他の製品、セット、中古の衣類、紡織用繊維の中古の物品及びぼろ)に分類される。輸出先の国や地域に分類すると、インドネシアのTPT輸出の最大相手国は米国であり、全体の31.08%を占め、EU16.02%、日本9.60%、トルコ5.10%、ASEAN6.90%と続く。インドネシアの米国に対してのTPT輸出の大半が第61類と第62類に分類され、それぞれ47.07%、46.65%を占めた。同時期におけるインドネシアのEUに対するTPT輸出は全体として上記2分類に集中することはなく、より第62類に重きを置く結果(41.67%)となった。第61類は31.84%であった。

 

(後編につづく)

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最終更新:2015年08月25日06:02

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