インドシナニュース

インドネシア:注目アパレルメーカー/Sri Rejeki Isman社

中国とバングラデシュのアパレル産業で賃金上昇が顕著となった後、アジア太平洋地域のアパレル市場における競争が激化した。このような状況は、インドネシアで繊維アパレル製造業を営むSri Rejeki Isman社(Sritex)にとっては有利となる。なぜなら、海外競合他社における製造コストの上昇はSritex製品の競争力を高める結果につながるためである。

Sri Rejeki Isman社の輸出の大半(同社の総輸出額の約53%)は、アジア各国に出荷されており、残りはヨーロッパ(19%)と米国(18%)となっている。

海外競合他社における最低賃金上昇の問題に加え、Sritexの企業収益を大幅に向上させるもう一つの要因は、欧州自由貿易連合(EFTA)との包括的経済連携協定(CEPA)への署名であろう。この貿易協定はインドネシア政府待望のものであり、実現すればインドネシア企業による欧州市場へのアクセスが容易となる。 EFTAとの間でCEPAが現実に署名されれば、Sritex社のEU市場への出荷は約20%も増加する可能性がある。現在EUに対するインドネシアのアパレル輸出には11~30%の輸入関税が課されている。

また環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から米国を離脱させるというドナルド・トランプ大統領の意思決定は、国際競争力の点においてSritex社にとって有利な状況となった。米国がTPPに加盟した場合、ベトナムなどのTPP加盟国は、TPPに参加しないインドネシアのアパレル輸出業者と比較してはるかに有利な条件で米国への輸出が可能となるはずであった。しかしSritex社の競合相手は、今年初めに米国がTPPを離脱して以来、競争上の優位性を失っている。

Sritex社は東南アジア最大の垂直統合型繊維・アパレルメーカーであり、紡績、製織、染色、縫製の4つの事業セグメントを持っている。Sritex社は最近、この4つのセグメントにおいて拡大成長プログラムを遂行した。

紡績セグメントは売上高全体に占める割合が最も高く約39%を占め、また同社の総輸出額の55%を占めている。最終製品とは異なり、繊維をより糸または編み糸に加工するプロセスである紡績は、景気の影響を一番受けにくく、安定した収益源となっている。

Sritex社はアラブ首長国連邦、EUや北大西洋条約機構(NATO)内のいくつかの国から軍服の生産を受託しているため、縫製部門も利益を上げている。こうした注文は、Sritex製品の品質に対する外国からの信頼が高いことを示している。

Sritex社の(潜在的な)弱点は、原材料の約60%を海外から輸入する必要がある点で、特にインドネシアルピアが弱い時に顕著となる(主にオーストラリア、中東、米国から輸入する必要がある)。これらの原材料には、綿、レーヨン繊維、ポリエステルが含まれる。

そのため同社では最近、年間10万トンのレーヨンを生産可能なレーヨン繊維工場の建設に2億5000万米ドルを投じた。 2018年にフル稼働する予定のこの工場によって、同社のレーヨン繊維輸入が約30%削減可能となると試算されている。

Citigroup Securities Indonesia社は投資家に対し、Sritex社株式の購入を薦めており、同社の株価目標を1株あたり350インドネシアルピアに設定している。8月25日(金)の寄り付きで、Sritex社の株式は1.74%上昇して350インドネシアルピアに達した。現時点での同社の株価は年初来で52.17%上昇している。

» 続きを読む

インドネシア ジャンル:
最終更新:2017年09月01日12:10

インドネシア:繊維各社、アセアン経済共同体(AEC)に対し法的な確実性を要求

インドネシア繊維企業は、徐々に増加している輸入繊維製品の流通に対する、より法的な確実性を政府に対し主張している。流通の増加は、2016年に開始したアセアン経済共同体(AEC)の実施の結果である。アセアン経済共同体(AEC)によりアセアン加盟国における単一市場と単一生産拠点が構築され、織物や繊維製品を含む商品が地域内で自由に流通できるようになった。しかしながらインドネシアの繊維企業によると、他のアセアン加盟国から輸入された織物製品(すなわち輸入税は免除)は、実際のところアセアン非加盟国で生産されているという。

比較的安い繊維製品の流入は、すでに国内外の要因により圧力を受けていたインドネシアの国内繊維産業をさらに圧迫した。2010年1月の中国アセアン自由貿易協定発足以降、インドネシア市場は中国から輸入された安価な繊維製品で溢れていた。同時に、ルピアの下落が外国からの原材料輸入への依存が高い繊維産業に打撃を与え、ガス価格の高騰と相まって生産コストの上昇を引き起こし、インドネシアの繊維メーカーは世界規模の競争についていくことが難しくなった。

上場繊維メーカーSri Rejeki Isman社のIwan Lukmtinto取締役社長によると、アセアン経済共同体(AEC)は発足から8か月たってもなお課題を引き起こし続けているという。今回の場合は、輸入製品の供給源に疑問が残るという、法的枠組みに関する課題である。アセアン加盟国からインドネシアに輸入された多くの繊維製品は、実際のところ(一部が)アセアン非加盟国で生産されたものであり、インドネシアに積み替えされたものである、すなわち、国内の繊維メーカーは、中国やアセアンのメーカーだけではなく、その他の繊維メーカーとも競争しなければならないのである。

インドネシア繊維協会(API)のErnovian Ismy事務局長は、もしアセアン非加盟国がアセアン地域内の関税免除の恩恵を受けているとすれば、それはアセアン経済共同体(AEC)の違反であり、政府は国内の繊維産業を保護しなければならないと述べた。一般的に、他国からの輸入製品には(通商協定が交わされない場合)15%の関税がかかる。

アセアン経済共同体(AEC)の枠組みのもと繊維製品を輸入するためには、2つの要件を満たさなければならない。(1)生地がアセアン加盟国で生産されていること、及び、(2)同じ国内で縫製されること、である。しかしながら、幾つかのアセアン加盟国は外国で生産された生地を輸入し、縫製プロセスのみに携わった製品をインドネシアに輸出している。これは規定に即していない。

2015年、インドネシアは3億4160万米ドル相当の繊維製品をタイから、2億2740万米ドル相当をベトナムから、6520万米ドル相当をシンガポールからそれぞれ輸入している。特に、シンガポールはアセアン地域外で生産された繊維製品の積み替え基地となっている。

世界最大の繊維生産国である中国には大きく引き離されるものの、インドネシアは世界で大きい繊維生産国の一つである。インドネシアは、国内総生産(GDP)の1.21%を占める繊維の輸出拡大を目指している。国内では現在、300万人が繊維産業に従事しており、本産業は雇用源としても重要である。

» 続きを読む

インドネシア ジャンル:
最終更新:2016年10月03日05:54

インドネシア:繊維業界、輸出は伸び悩み、国内市場は低調

インドネシアの繊維・アパレル業界は今年、切迫している状態だ。インドネシアの繊維製品は2016年を通して1%、123億米ドルまでしか成長しないと見込まれている。インドネシア繊維協会(API)が設定した目標値よりも3%低い値だ。API会長Ade Sudrajat氏は第一四半期の輸出は26億米ドルにしか達しなかったと述べた。さらにインドネシアの国内市場でも、ベトナムや中国から輸入される安価な繊維製品と競合する問題を抱えている。

インドネシアで最も古い産業の一つである繊維産業は、東南アジアでも労働集約性がある点から何百万人のインドネシアの人々の雇用を創出し重要な産業の一つだ。現在まで中国が圧倒的に世界最大の繊維製造・輸出国ではあるものの、インドネシアは世界で上位10カ国以内に入る繊維製造業国であり、「小国」というレッテルを張られるべきでもない。

中国経済が急激に上昇している最低賃金を含むいくつもの問題に直面するなか、インドネシアは世界の繊維業界における役割を拡大させることができる可能性を持ち合わせている。しかしインドネシアもまた、最低賃金の上昇やエネルギーの買い取り価格を含む問題を抱えている。従ってベトナム、カンボジア、ミャンマー等東南アジアにおける他の繊維製品製造国が、国際舞台における中国市場のシェアを奪う可能性が高いようにも見える。さらに驚くべきことに、域内のライバルは近年消費者の購買力が弱まり、可能な限り安価な繊維製品を購入したいと考えているインドネシアの国内自体における市場シェアを獲得しつつある。Sudrajat氏はインドネシアの繊維製造業者の国内における市場シェアは30%以下だと言う。実際、通常は消費が上昇するIdul Fitriの祝日(ラマダン明けの大祭)の期間中、氏は国内の繊維製品が目立って販売が上昇している傾向を見ることができなかったという。

最近インドネシア政府は国内産業を支援すべく、国内の労働集約型の産業に対する電気料金を引き下げた。繊維産業は2011年以降のインドネシア経済の停滞以降、最も悪影響を受けた産業の一つだと考えられている。しかしながらこの刺激策はまだインドネシアの繊維業界にプラスの影響を及ぼしていない。Sudrajat氏は国内の繊維業界を 押し上げ、倒産を防ぎ、大量の一時解雇を防ぐためにはさらなる構造改革が必要とされると述べる。

さらにインドネシアはヨーロッパや米国市場とは自由貿易協定を締結していないため、これらの地域でベトナムと競合するのは難しい状況だ。ヨーロッパに対するインドネシアの繊維製品の輸出は11-30%の範囲の輸入税の支払いを行わなければならないが、ベトナムはEUに対して輸入税を支払うことなく輸出を行うことができる。これによりベトナムの製品はより競争力が高まることになる。

Sudrajat氏は、輸出ベースを拡大するには従来とは異なる輸出市場を模索する必要があるという。例えばトルコやイランは新しくターゲットとなる可能性のある国々だ。間もなくインドネシアの代表団がインドネシアの繊維製品の輸出チャンスを見出すためにこれらの国を訪れる予定だ。

インドネシアの工業省はインドネシアの繊維業界が多様化を図り、国内の盛況なファッション業界に対して生地を提供し始めるべきだと言う。現在国内のファッション業界は未だに輸入に大きく依存している状態だ。

» 続きを読む

インドネシア ジャンル:
最終更新:2016年07月18日10:21

«前のニュース || 1 || 次のニュース»
このページのトップへ戻る