インドシナニュース

タイ:イスラム教徒のファッションに乗り出すデザイナーたち

ハラルフード、ハラル旅行の次のイスラム経済の未開拓市場、イスラム教徒のデザイナーファッションが今タイの注目の的だ。

イスラム教徒の衣料品製造はタイにとって新しいことではない。 タイ繊維研究所によればタイ国内には200以上のイスラムの婦人服の仕立屋が主に南部の国境付近の州に展開されている。この中にはバティックの婦人服、男性用のケフィエやアラブの被り物、ヒジャブという女性用のスカーフや被り物の仕立屋があるという。しかしながらイスラムのファッションに特化したブランドはまだ少ない。

しかしこの情勢は湾岸協力会議(GCC)諸国の巨大な市場用のオートクチュールに重点的に取り組む起業家精神にあふれたデザイナー、またこの地域からタイを訪れ、高級品の買い物にふける観光客とともに変化してきた。Tube Gallery、Tango、Theatre、Lawa@THTIら著名なタイのファッションブティックがイスラム市場向けに衣料品を開発している。彼らは独特のファッション感覚と伝統的なアジアのスタイル、それにイスラムの人が好きな細部まで洗練されたきらびやかな手工芸品や刺繍のほどこされた品質の良い布地でできたゆとりのあるドレスを融合させている。イスラム人の服の色の好みは主に黒、紺、紫などの濃い色が多く、金色の糸やエキゾチックな皮が合わさっているものが多い。

バンコクに拠点を置く1999年に設立されたファッションブランドのTube Galleryはしばらく前にイスラムファッションの分野に着手したが、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、クウェート、サウジアラビアなどのGCC諸国の最先端のファッション店舗に品をそろえている。

Tangoは昨年アラブ首長国連邦Al AinのHili Mallにフランチャイズのブティックを開店した。手ざしの刺繍がほどこされた服や蛇皮のハンドバック、オーダーメードの履物などの多種多様なアクセサリが並ぶ。すべてが高級でありながら上品な流行の服だ。

Theatreはまだ中東に進出していないが、イスラム市場向けに特別デザインされたものではないものの、品質の良いゆったりとしたドレスがバンコクのSiam Centerのおしゃれな自社の店舗でGCC諸国からの買い物客に支持されていることを認識している。Theatreはタイのファッション界において最も有名なブランドの一つで、実に25年の歴史を持つ。

Lawa@THTIはタイでもイスラム教徒のいる南部地域でハラル向けのファッションを製造しており、タイ繊維研究所(THTI)により導入された。THTI事務局長Suttinee Poopaka氏によればこれらの製品はマレーシアやインドネシアの東南アジア市場のほか中東向けに製造されており、東南アジアのファッション企業らに新たな機会をもたらすだろうと述べる。THTIは人気の高いオンラインショップも展開している。

数値的にみるとイスラムのファッション市場は入り込む価値が十分にある。2014年にイスラムのファッション業界の支出高は世界全体で2,300億米ドルに達した。これは世界全体のファッション市場の11%を占めるとトムソン・ロイターによる報告書「State of the Global Islamic Economy 2015」は述べている。これは2020年までに3,270億米ドルに達する予測で、主流の衣料品製造業者やファッションデザイナー双方の目覚ましい成長性を示している。世界的に著名な衣料品ブランドであるMango、Zara、DKNY、Tommy Hilfiger 、Uniqloらは皆イスラムのファッションを新たに展開しようと試みており、今回の祝日期間に合わせて衣料品のほかイスラムのファッションアイテムを含む「ラマダンコレクション」を発表した。ラマダンに対する注目の高さは、イスラム教徒のコミュニティにおける買い物シーズンの立場が強くなっていることから起こっている。スウェーデンのブランドH&Mも昨年9月のビデオ広告の中でヒジャブを身にまとったイスラムのモデルを登場させた。

タイにとってはイスラムファッションに対する新たな関心は大きなチャンスとして認識されている。タイ繊維研究所は昨年、タイの繊維・ファッション業界を次の段階に押し上げるためのプログラムのなかでタイ、マレーシア、インドネシアからトップデザイナーを招き、最新のイスラムファッションのデザインを行っている。

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最終更新:2016年01月30日09:30

アジア繊維産業、新たな競争相手のアフリカに対峙

2014年はアジアの繊維産業にとって激動の年であった。中国での労働賃金高騰、カンボジアでの暴力的な労働者抗議、バングラデシュでの工場崩壊は大ニュースになった悪いニュースのほんの一部である。しかしそれらの事件は、極東における業界全体が移行段階にあるようだという事実を指している。

中国海岸沿いの主要な産業中心地では現在の賃金がおよそ500ドル/月、国内では250ドル/月で、中国はすでに安い衣料品生産国としての魅力を失っており、海外のアパレル小売業者は近年、バングラデシュとカンボジアの工場に頼っている。

バングラデシュとカンボジアの繊維部門はそれぞれ、440万人を雇用する250億ドル産業、65万以上の工場労働者を持つ55億ドル産業に成長した。

しかし、これらの最安衣料生産国の労働者は次第に賃金引上げを求めて訴えている。バングラデシュは昨年深刻な労働争議の後、繊維労働者の最低賃金を68ドルに上げた。カンボジアでは2014年11月に労働大臣が、国内の縫製労働者の新たな月額最低賃金をほんの数年前の75ドルから128ドルに設定した。バングラデシュのほぼ倍になる。

スウェーデンのチェーンH&M、スペインの衣料品大手Inditex、米国を拠点とするウォルマートなどの世界的な衣料ブランドもバングラデシュやカンボジアから商品を調達しているが、そのわずかに高くなった賃金は彼らのビジネスモデルにさほど影響を与えていない。なぜなら世界の繊維小売業界における人件費は、マーケティング、輸送、販売、関税、税金の費用を含む全体の生産コストの2%~3%にもならない。

賃金引上げにより、利益が切迫されて苦しむのは現地繊維生産会社だ。

しかし繊維小売業者はすでにアジアに代わる生産拠点を見つけている。H&MはTesco、Primarkと共に、アフリカのエチオピアから衣料品の調達を始めている。エチオピアでは産業労働者の最低賃金はなく、未熟練の縫製労働者は月給35ドルから40ドルと、明らかにバングラデシュの労働コストより安い賃金で働いている。

海外の繊維投資家らを非常に歓迎しており、低賃金労働力(都市の失業率は20%近く)や安価エネルギー、安い国産綿の豊富さから利益を得ている。隣国ケニアでも繊維産業は拡大している。ケニアの月給は約120ドルだが、政府は手厚い優遇策で製造業者らを誘い込もうとしている。

観測筋によると、東アフリカ諸国は繊維生産の面で、東アジアに代わる重大な可能性を持っているかもしれないと言う。低い人件費はさておき、極東の遠い国からよりむしろアフリカからヨーロッパや米国の主要市場へ繊維製品を出荷するほうが、より迅速で安価である。アフリカ諸国も2000年に締結された特別貿易協定の下で、米国繊維市場へ関税なしで輸入できる。天然綿花生産の活用と拡大、国内原材料の使用により、生産者は高価な輸入をしなくて済み、それぞれの国で繊維産業の経済的価値を集約できる。

東アジア諸国にとって、この動きは付加価値産業への移行を意味する。

 

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最終更新:2015年01月10日06:00

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