インドシナニュース

アジアの繊維取引の動乱

ザ・ウールマーク・カンパニーの香港における顧客管理主任Daniel Chan氏は、「企業は、TPPの一部ではないことを理由に中国国外へ撤退しようとしている」と述べた。

「現在の利益率が低いために製造業者は経費を節減しようとしている。このため、東南アジアでの工場設置について述べる際、ほとんどが東南アジアへ生産拠点を移した中国や香港の業者であった。」

TPP協定は、世界経済の40%、すなわちオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの12カ国にわたって貿易、投資、知的財産、労働、データ保管、国有企業、環境について広範囲の新規定を設定すると予想される。

Chan氏が述べるには、繊維産業において競争を促進するために設定された関税撤廃には即座に反応があり、中国からベトナムへの生産シフトは勢いづいた。

世界貿易機関によると、12のTPP加盟国は2013年に全体で650億米ドル相当の繊維製品、1540億米ドル相当の衣類を輸入し、世界の輸入シェアのそれぞれ20%、32%を占めている。

ザ・ウールマーク・カンパニー香港支社長Alex Lai氏は、繊維製品の製造・加工はアジアにおいて革命を経験していると述べた。

「製造業は、人件費の理由で中国からバングラデシュ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、インドネシアといった東南アジアへと移行しており、将来的には、欧州や米国への輸出におけるTPPの関税優遇措置は魅力的になるだろう」とLai氏は述べた。

「サプライチェーンにおける大手企業はすでにTPP加盟国間で事業を構築している。」

 

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最終更新:2016年07月04日12:01

ベトナム繊維産業、オーストラリアのウールに期待

ベトナム繊維産業によるサプライチェーン投資の拡大に伴い、ベトナムが新たな競争相手の一員として、オーストラリアのウール産業の競り市場に登場する日も間近のようだ。

ベトナム繊維産業による視察団は今月オーストラリアを訪問。Australian Wool Innovation(AWI)(ウールマークの認証や羊毛工業の技術指導などを行う非営利組織)、およびザ・ウールマーク・カンパニーの案内で、繊維への理解をさらに深めた。ザ・ウールマーク・カンパニーは現在ベトナムで、53社のメーカーとパートナー関係を結んでいる。

第1の視察団となったのはウールマーク社のパートナー企業らで、ウールについて学んだほか、先週はダボ市でウールの講座に参加した。講座では、Tourle一家が経営するメリノウールの会社にも訪問した。

15組のグループは今週シドニーに到着し、AWIの技術担当チームから製造パイプライン全体について学び、ウールの炭化、トップ工程、仕上げ、染色などの講義を受けた。

一方、第2の視察団も今週オーストラリアに到着。同視察団にはモデルやベトナム小売大手のCanifa社を取材するテレビクルーも参加し、2014~15年秋冬のテレビ番組として、オーストラリア産のメリノウール製ニットウェアを宣伝する農場でのキャンペーンを撮影する。

Canifa社はウールマークのライセンス認可会社で、ベトナムに約40店舗を展開している。

またファッションデザインをテーマにしたテレビ番組Project Runway Vietnamのメインスポンサーも務めており、番組ではデザイナーに対してメリノウールを使ったデザインを課題として与えていた。

Project Runway Vietnamのプロモーション撮影はシドニーのMrs Macquarie's Chairで行われ、オーストラリアの農場風景をオペラハウスのシーンとともに紹介する。

Canifa社は昨冬、2万5000着のメリノウール製衣料を製造しテスト販売を行った。結果は完売となり、同社は今冬ニットウェアの宣伝キャンペーンを強化している。

また今月末には、ベトナムのニットウェアメーカーの一団が訪豪し、メルボルンで開催されるAustralian International Sourcing Fairに参加する。同展示会は地元のバイヤーと世界各国のサプライヤをつなぐ役割を果たしており、各ニットウェアメーカーもオーストラリアの小売業者を対象に、自社のメリノウール製衣料を出展する。

 

新たなサプライチェーン

AWIの製品開発・商品化部門で統括マネジャーを務めるJimmy Jackson氏によれば、AWIのベトナムでの最終目標は、脂分の付いた生ウールが衣料品になるまで、オーストラリア製ウールのサプライチェーンを全面的に構築することだという。

Jackson氏は「まずニットウェアの分野から着手して、アクリル素材のニットからウール素材へと転換を図る。この方法は特に設備投資も必要なく、比較的正攻法と言えるだろう」と話す。

ウールマーク社とパートナーを組む53社のベトナムメーカーは昨年、中国とヨーロッパの紡績業者から、オーストラリア産ウールの原糸を約100万キロ輸入した。

Jackson氏はまた「われわれは衣料品メーカーとのつながりもあるし、最近では原糸に対する需要も高い。次に必要なステップは、メリノウールの原糸を製造できるサプライヤをベトナムに作ることだ」と述べた。

現在AWIの技術担当チームは2社の企業に対して、指導を行っている。これら2社は長年にわたりアクリル100%の原糸とウール原糸の混紡を専門にしてきた会社である。

新会社のLen Viet(ベトナム・ウールの意味)社は工場設立の承認を受けており、最新設備を備えた梳毛紡績工場を新設する。同工場の竣工および稼働開始は2015年後半の予定。

技術担当チームは「われわれは工場の設計・設立において助言を行っているほか、ウールの紡績と染色に関する基本知識を教えている」と話す。

一方Jackson氏は、現在ウール原糸には強い需要があるとし、「ベトナムに必要なのはウールトップの国内のサプライヤ。ウール紡績を行う企業が今後、ベトナムに現れればいいのだが」と述べた。また「ウールトップ加工の工場設立に興味があり、投資を行いたいという人が現れることを期待している。そうすればベトナムでの製造サプライチェーンは完全なものとなり、バイヤーが脂付きのウールをオーストラリアから直接買い付けることも可能になる。最終目標としているのは、より多くのバイヤーをオーストラリアの競り市場に呼び込むことだ」と話した。

さらにベトナムの視察団が今回の渡航費用を自費で負担していることから、彼らはみなオーストラリアのウールに対して強い関心を示しているとの見解を示し、「多大な時間とお金を費やしてウールについて学ぼうとしている。その姿勢が何よりの証拠」と述べた。

Jackson氏の話では、投資に依存している以上、現段階でベトナム企業がどれだけのウールを買い付けるのかは分かっていたとし、だがオーストラリア産のウールに関心を示す他の企業を連れて来ることで、何か良い影響が生まれるのではないかと期待していたという。またAWIとパートナーを組んでいるベトナム企業のほとんどが衣料産業に従事しており、恐らく18.5~23ミクロンのウールを中心に、ベーシックデザインの衣料品を製造しているようだと話した。

 

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最終更新:2014年11月21日06:00

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