インドシナニュース

ミャンマー:アディダス、商品調達を開始

スポーツウェア大手のアディダス・グループは、2年間の「広範な株主への誓約」の実施を経て、ミャンマーからの商品調達を開始した。

アディダスはこのほど、同社製品を製造する世界の工場すべてを記載した最新リストを公表し、同社戦略について発表した。

同じ頃、ミャンマー縫製業者協会(MGMA)は、同国初となるアパレル産業の行動規範を導入したと伝えた。MGMAは同行動規範の草稿を、欧州連合(EU)が資金を提供するSMARTプロジェクトの職員とともにまとめたという。MGMAは現在、300社の会員企業を擁している。

アディダス・グループでアジア太平洋地域の社会・環境問題部門を担当するBill Anderson部長は「新興国であるミャンマーは政変を経て安定しつつある一方、強制労働や児童労働といった人権侵害の問題も残っています」と話し、「貿易規制などミャンマーへの制裁が解除され、われわれはある素朴な疑問を持つようになりました。それは『ミャンマーでビジネスをするなら、環境を整えた上で進めるべきか』というものです。答えは『イエス』でした。さらに『現行よりも基準を高く設定すべきだ』との意見も聞かれました。結果としてわれわれは、当社の方針や取り組みを徹底させるため、長期にわたってこれらを見直し強化することになったのです。最も大切なのは、共に働くミャンマーの人々の権利や利益を保護すること。業界トップとして当社の体面を損なわないよう努めたいと思います」と続けた。

同社は、土地の買収や産業用地の開発に関するサプライヤ向けのガイダンスを詳細にまとめたほか、市民社会グループや国際人権団体、国際労働機関(ILO)、ミャンマーの貿易協会、労働省を含むミャンマー政府などと協力体制を結んだ。

Anderson部長は「当社は現在、ILOヤンゴン事務所およびMGMAと密接に協力して、アパレル産業全体の水準を引き上げようとしています」と話す。

またミャンマーには法定最低賃金が存在しないため、同社はサプライヤ自身が、同産業の一般的な賃金水準を引き上げる形で賃金を設定しなければならないという。同様に詳細な環境法も制定されていないことから、同社では国際的な最善な商慣習を採用することとしている。Anderson部長は「当社は、ミャンマー政府に対して、当社の厳しい基準をクリアできるような法律の改訂を求めています」と述べた。

さらに「ILOへのフィードバックも行っており、例えば現行の法律では十分とは言えないことや、新たな法律についても使用者、労働組合、労働者のすべてにとって明瞭なものであるべきことなど、われわれが感じた点について伝えています。まず政府が取るべき対応は、あちこちに分散している法律を一カ所に統一して文書化することです。そうすれば必要な法規制を、すべての人が理解しやすくなるでしょう」と話した。

ミャンマーには現在、騒音、薬品、塵埃、震動などから労働者を守る規制が存在しない。同部長は「国が規制を施行するまで、サプライヤにはアディダス・グループの健康安全基準を採用してもらうつもりです。同基準は、国際基準および最善な商慣習に則って作成されています」と話した。

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最終更新:2015年02月09日06:00

ベトナム:エコノミスト、繊維・アパレル案件の制限促す

新たな統計によると、海外企業は、環太平洋経済連携協定(TPP)締結を見越して、引き続きベトナム縫製産業への投資を増加させている。だがベトナムのある著名なエコノミストは、環境問題への懸念から、繊維・アパレル案件については、その実施件数を制限するよう担当当局らに呼びかけている。

計画投資省外国投資庁による最新の統計では、韓国が昨年、最大の対越投資国となり、投資額は73億2000万米ドルだった。2~4位には、香港(30億米ドル)、シンガポール(27億9000万米ドル)、日本(20億5000万米ドル)が続いている。また世界の対越投資額は昨年、ベトナム全土の54の都市と省に対して、合計202億3000万米ドルにまで達した。

最近公表された新規アパレル投資案件には、Worldon Vietnam社のものがある。同社はユニクロ、ナイキ、アディダス、プーマの生産を請け負う会社で、今回の発表では、1億6000万米ドルを上積みして、ホーチミン市にある同社工場の生産能力を拡大するつもりだと述べた。また韓国企業のNobland社は、同市Tan Thoi Hiep 工業団地の同社工場に、1800万米ドルの追加投資を行うとしている。

ベトナムは今や、世界で最も成長力の高いアパレル生産拠点である。だがベトナムの著名なエコノミストPham Chi Lan氏は、地元当局に対して、環境問題への懸念から、繊維・アパレル案件はその実施件数を制限すべきだと提案している。

同氏は、ビンズン省の地元メディアのインタビューで、「環境問題への取り組みには多大なコストがかかります。地元当局にとっては耐えきれないほどの負担になるでしょう」と述べた。また担当当局らに対しては、繊維・アパレル案件の実施件数を制限するよう呼びかけている。さらに環境保護については、投資家らが各自の責任を果たさない可能性があるとの懸念を示した。

またいくつかのデータについても言及し、ビンズン省では最近、繊維・アパレル案件の登録申請を約200件も受け付けたという。これにより当局は、特に同案件を対象とした工業団地の建設を急ぐようになった。

自然資源防衛協議会の刊行物「On Earth」への執筆でも知られる、有名ライターのGeorge Black氏はこのほど、ベトナムは現在、発展の過程で重要な岐路に立たされているとし、「まさに今、隆盛を極めるベトナムアパレル産業が、経済の論理に従って、その産業構造を垂直統合化するときだと言えるでしょう」と述べた。

また「綿原料の98%を輸入に頼り、それをその後、約6000件もの縫製工場で裁断・縫製するなどということは、もはや現状に見合っていないと言えます」とし、「ではどうすれば良いかというと、すぐにでも繊維工場を建て、染色・加工施設を建設するのです。そうすれば、裁断・縫製の過程のみならず、衣料品を生産するほぼすべての過程で競争力を発揮できるようになります。しかし同時にその時は、アパレル・メーカーにとって、環境リスクや社会的リスクが急激に増す時期でもあるでしょう」と続けた。

さらにBlack氏は、ベトナムの地理的条件や地形にも触れ、メコン川がもたらす欠点について述べた。同氏は「メコン川は長く、まるでヘビのように細い川です。長さは北から南へ1000マイルにもおよびますが、中間地点の川幅は約30マイルまで狭まります」と説明し、「結果的としてその水路は、上流にある国々の間違った慣行をもたらし、また人々はそれに従わざるを得なくなっています」と分析した。

メコン川は大きく、その流れは5つの国を経てベトナムにたどり着き、最終的に海へと抜ける。下流のデルタ地帯では米作りも盛んだ。だが産業の発展に伴い、今後は産業用地として使用される予定である。川全体のわずか5%に当たるこのデルタ地帯は、川下にもかかわらず30万7000平方マイルにもおよぶ広さである。

一方で、現在交渉中のTPPは12カ国が交渉に参加する国際協定で、世界最大の自由貿易協定とも言われている。

 

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最終更新:2015年02月02日06:01

カンボジア縫製産業労働者約4割に貧血症、労働調査で判明

カンボジアの縫製産業に関する最近の調査によると、対象となった労働者の約40%が貧血症だということが分かった。一方、肥満度を示すBMI(体格指数)の基準値に照らすと、約15%が低体重と判断された。

同調査は、国際労働機関(ILO)が管理する「カンボジア工場改善プログラム」の一環として行われたもので、約1万3300人の工員が働く10件の衣料品工場で3890人の工員を対象に実施された。調査結果に対して研究者らは、労働者の栄養不足が及ぼす健康面や生産性への影響について指摘した。

調査ではまた、縫製労働者の1週間の食費は約9ドルで、1日に換算すると約1.3ドルだということも判明した。

同プログラムの責任者であるJill Tucker氏は「貧血症はしばしば慢性疲労や集中力の低下の原因となり、生産性の低下にもつながる」と説明し、「労働者の健康や生産性の改善に何が効果的なのかは、次の段階で調査する予定。だが工場側は今すぐにでも、状況改善のために対策を講じることができるはず」と付け加えた。

さらに食料の確保に不安を抱える者も多く、標準的な評価基準で調査したところ、調査対象者のうち「食料危機を感じていない」者はわずか3分の1しかいなかった。また食料の確保に「深刻な不安」を抱えている者は、全体の約8%だった。

H&MやInditex社のZara、Next、Primark、Tchiboなど世界的な有名ブランドは先ごろ、カンボジア政府とカンボジア縫製業協会(GMAC)に対して共同で正式文書を送り、現在行われている賃金交渉について考えを共有していることを明らかにした。

これら有名ブランドらが産業のトップや政府に求めたのは、最低賃金額の決定は工場の労働環境を念頭に決定することや、年に1度、賃金調整を目的とした産業別の団体交渉を行うことなどだった。また団体交渉においては、公平かつILOの専門知識を取り入れたものであることとした。

さらに同産業にとって脅威とも言えるこうした労働問題に対して「将来的な発注量の増加が見込まれるなか、カンボジア政府やGMACがどのように解決に当たるのか注視していく方針」とも記されている。

将来的なアパレル需要の増加に対応するには、前向きな姿勢や、結社の自由を確立するための支援、団体交渉を行う権利、適正な生活賃金、安定性、平和的な解決策など、いくつかの条件を整える必要がある。こうした条件を実現することで、カンボジアは自信や必要な信頼を手にすることができ、重要な生産拠点国として市場の発展に貢献し続けることができるだろう。

 

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最終更新:2014年10月07日11:40

ベトナム:労働コンプライアンス改善に遅れ

最近発表された報告書は、外国直接投資(FDI)がベトナムの衣料品製造産業にあふれ続けているため、社会的コンプライアンス法が繊維部門の急速な発展速度に遅れを取り続けていると示唆している。

ホーチミン市(HCMC)輸出加工工業団地局によると、2014年上半期、繊維産業はホーチミン市に入って来た全外国直接投資(FDI)の82.44%を占めた。しかしBetter Work Vietnamが発行した新しい報告書は、繊維産業の重要な労働関連のコンプライアンス問題を指摘している。

報告書内のコンプライアンスに関する詳細な節では、強制労働や賃金および福利厚生は、2013年2月~2014年1月の間にBetter Work Vietnamによって評価された121の工場で減少している重要な分野であることを指摘している。

これにもかかわらず国際労働機関(ILO)が運営するBetter Workは、一般的に参加工場の著しい改善を描いている。

「違反率は一部の地域で悪化しているように見えることがあるが、これは業績が業界全体で悪化していることを単に示すよりも、より多様な工場を引き受けるプログラムの指標である。」

「前向きな変化がもたらされているにもかかわらず、疑問に対する答えは「非対応」のままという状況が存在するので、データが工場で行われたすべての改善を完全に収集していないかもしれないということに留意することが重要である。」と報告書は指摘している。

そのコメントを裏付けるために、Better Workは特に差別や児童労働、労働安全衛生において、著しい改善があった地域があると言及した。

国際労働機関(ILO)が運営するBetter Factories Cambodiaは、6月に統合報告書を発表したのだが、それもまた、コンプライアンスのレベルを変動することを提案し、一部の地域で改善が必要であることを強調した。

その次の段階についてBetter Workは、「Better Work Vietnamは工場がコンプライアンスを向上させるための作業の過程で、法律の遵守を確保し労働条件の改善と事業競争力の関連性を示す手助けをするための戦略を一層識別するために、積極的に社交的パートナーと連携していく。」と述べている。

 

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最終更新:2014年08月29日10:57

ミャンマー:労働問題、投資家向け報告書で注視

産業投資を勧める、投資家向けの新たな報告書によれば、ミャンマーのアパレル産業は、その成長性を高めるために、社会問題や環境問題に早急に取り組む必要があるという。

ミャンマーを生産拠点とする企業のなかには、ギャップやH&Mなど、世界的に有名なメーカーも含まれている。だが現在、同国のアパレル産業では、児童労働が問題視されており、また最低賃金制度が施行されていないことや、雇用法が策定されていないことについても問題となっている。

BSR社(米NPOコンサルティング会社)の公表による同報告書では、環境規制の欠如が経済成長の足かせになっていることについても言及しており、「産業が急速に発展したことで、環境資産の保護を目的とした、包括的な環境規制が必要になってきている。だがこれまでのところ、こうした環境規制は制定されておらず、環境負荷の低減についても考慮されてこなかった」としている。

また報告書では、同産業が継続的な成長を目指す上で欠かせない、4つの重要な項目についても取り上げている。これらの項目としては、労使関係の強化、人材施策の展開、児童労働の撲滅、自国領土の確保が挙げられている。

BSR社によれば、労使関係の改善には投資の増加が効果的であり、投資が増えれば、工場内の労働力を確保する機会にも恵まれるという。またアパレル産業は今後、投資家らとともに、公共機関に対して支援の提供を行うべきだとしている。こうした公共機関には、ミャンマー労働省や国際労働機関(ILO)、労働者の保護を目的とした組織などが挙げられ、さらに支援の目的については、意識の喚起や知識の向上、労使関係の透明化などを挙げている。

一方、人材施策の展開については、「国際的に容認された基準を採用し、近代的な人材管理を行うことが必要。またそれらの内容を明確にすることによって、信頼ある海外生産拠点の地位を確立することができる」としている。

さらに児童労働の撲滅においては、これを優先課題とし、「まず工場での児童就労を禁止すること。アパレル産業には、人材採用の手段や人材管理の方法を改善し、これらを向上させる能力が大いにあるはず」と述べている。加えて、児童労働に代わる考え方として、職業訓練など教育活動を支援する機関や組織を利用するよう勧めた。

同報告書では、最低賃金制度が制定されていないことや、時間外の強制労働についても言及している。同国アパレル産業では現在、バングラデシュなど海外生産拠点と比べて生産性が低下しており、それにプレッシャーを感じた工場管理者らが、従業員に過剰な労働を強いている。

BSR社にコンサルティングを依頼する投資家の多くや、工場の労働環境を注視する国会もまた、「多くの場合、各種手当や賞与などは明確に支給されない」という事実に対して、厳しい意見を述べている。両者は、従業員の人権保護と法定権利の保護のため、手当は適正な方法で支給されるべきとし、過剰労働についても段階的に減らしていくべきとの意見で一致している。さらに「結論としてまず重要なのは、労働者の賃金水準を上げること。また給与額に対する、個人のスキルや生産性、仕事の質や成果の関係性についても明確にし、定期的に給与基準を改定することも考慮に入れなければならない。ただしこれらの支払いは、最低賃金とは別に考えること」と続けた。

ミャンマー衣料品製造組合(MGMA)によれば、現在、国内には、約300件のアパレル製造工場が存在し、25万人の従業員が働いているという。またこれらの数字は、来年にかけて2倍になるものと予測されている。

 

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ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年08月21日10:27

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