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中国本土から「ベトナム製」へ (後)

「我々と同じ賃金レベルでも、人手は全然足りません。」と彼は言った。

一方、通貨騰貴が利益に影響を与える。人民元は2005年から対米ドルで30%以上上昇している。春節期間には調整があるが、中国通貨は依然として中長期的に上昇すると予想されている。「影響は巨大です。我々は米ドルで受け取り、人民元で支払いしています。」とChung氏は述べた。

さらに局面を変えると、アセアン各国は、欧州連合(EU)への輸出品に対する免税措置を受けている。「それは少なくとも10%の節約になります。これらすべての要素を考えると、ミャンマー製品はヨーロッパのバイヤーには非常に安価になっている。中国製はその輝きを失ってしまっています。」とChung氏は言い、「アセアン製品は、アセアン-中国自由貿易地域内での税制優遇を享受しますし、中国本土のビジネスの競争相手になるわけではありません。」と付け加えた。

「すぐに移転するのが良いのかどうかは言い難いところです。しかし、最終的には移転しなければなりません。中国の状況は悪化する一方です。東莞の昔の企業家仲間の多くは、空の工場の建物を残して出て行ってしまっています。そして彼らの多くは東南アジアで新たな拠点を求めています。残っている人たちも大抵は業務を縮小しています。」とChung氏。

東南アジアは長年製造業者らの視野に入っていて、移転候補地の選択肢が多いが本当の意味で勝ち組を特定するのは難しい。

「状況はめまぐるしく展開しています。私は2年前にカンボジアを推奨していましたが、10月以降、全国的なストライキでにっちもさっちもいきません。1月には、警察との衝突で死亡者が出ましたし、今また新たな大型ストライキが起ころうとしています。」と、香港貿易発展局の主任エコノミストDickson Ho氏は述べた。

従来の常識としては、新規工場の収支が合うまで4〜5年かかるとされている。投資には、十分検討した上での決定が必要となる。コストアップ圧力につながる賃金上昇率を見積もることが重要とHo氏は言う。労働者が非生産的行動に転換しないかどうかを知ることも重要である。ストライキ中に窃盗を働くなどすれば、工場は大きな危険に晒される。

「安定した環境が重要ですし、労働組合と賃金の影響を政府が制御する必要があります。変更が日常業務に影響を与えてはなりません。しかし、給与がインフレと歩調を合わせることができないときは、問題が起こるでしょう。その場合、賃金を上げる必要があります。」Ho氏は言った。

「過去一年間に、ベトナムはこの地域における低コストの生産拠点として、より魅力的になってきました。多くの香港のメーカーはインドネシアにも移動しましたが、ベトナムがはるかに近いです。ハノイは飛行機で2時間以内ですし、広西チワン自治区から高速道路で行くにも便利です。」

ベトナムでの最低月給は2013年末に約130ドルにまで上昇した。

「それはカンボジアやミャンマーよりも高いですが、ベトナムの強みは安定性です。ストライキはあまりなく、さらに、給料は他の国のように急上昇していません。将来、中国で環境規則がより厳しくなったときに、洗いや染めなどのアパレル加工などはベトナムに移るでしょう。」とHo氏は言った。

「それは香港の工場だけではありません。いくつかの大規模な本土の織布工場も昨年、ベトナム北部の沿岸国境の街モンカイへ移動しました。サプライチェーンを整えるのは簡単です。経営陣はそこで紡績し、生地を織る計画でいるので、製品はベトナム原産として認識されるし、環太平洋経済連携協定に従い米国との貿易で優遇政策を受けられます。」

長年も珠江デルタにあったので、移転は容易な作業ではない。中国本土では、すべてのサポートが手近にあるが、高値である。移転後は一から再構築する必要がある。

「多くのメーカーが昨年積極的に移転を考えましたが、その多くは様子を見ることを選びました。30年前は、みな30代、40代でしたが、今はいい歳ですし。若い世代が引き継ぐことを望んでいなかったり、信頼できる経営者を見つけるのがあまりにも難しかったりする場合は、続けていくことは不可能です。」とHo氏は述べた。

 

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最終更新:2014年04月24日14:00

中国本土から「ベトナム製」へ (前)

香港製衣同業協進会会長であり特別行政区の立法評議会メンバーであるFelix Chung Kwok-pan氏のもとにようやく朗報が届いた。彼がミャンマーで交渉している土地は、何度も何度も訪問し、計算しつくされた上で、最終的に確保された。香港のアパレル・メーカーの第一陣は、現在、ミャンマーに移動している。

「すべてがスムーズに展開したら、来年半ばにはテープカットを行っているでしょう。工業団地のインフラ整備は今年末で終了すると見込まれていますし、我々は移動して自社工場を建設しますが、それは時間のかかることではありません。」とChung氏は言った。

Chung氏が言及する土地はThilawa経済特区にあって、ヤンゴン郊外にあるミャンマーの主要経済実験地区である。この工業団地は日本企業とミャンマー政府によって共同で開発されている。香港のアパレル・メーカー12社は、3月、工業団地内の40haの土地の同意書にサインした。最終条件はまだ交渉中であるが、さしあたって各社300万ドルまでの投資がまずは期待される。

「これだけでは不十分ですので、ヤンゴンの隣のバゴー管区にもう一つ土地を確保しました。これは121haで、来年には利用できるようになります。他の多くのアパレル・メーカーがそこに移動しようと考えています。約30の香港のアパレル工場がミャンマーで操業し始めています。」 とChung氏は述べた。

今年50歳になるChung氏は東莞にニット工場を持っているが、中国本土はもう価格面で太刀打ち出来ないと考えている。

「中国本土があまりにも高くなっています。生産基地としてはもはや競争になりません。」と彼は言う。

一番の問題は労働コストである。Chung氏によると、ミャンマーでの月給は労働者一人当たり100ドルであるに対し、広東省では近年急激に上昇し今や600ドルとなっている。

「昨年第三回全体会議(中国共産党第18回中央委員会)で示されたように、中国本土の労働者の収入は2020年までには倍増するでしょう。つまり、6年後には1200ドルかそれ以上になるということです。」Chung氏は言った。

さらに、工場経営陣は人口統計学的な問題に直面している。4月に発表されたインベスコ報告書によると、2010年から2020年までに、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、カンボジアなどの人気の東南アジア諸国での労働年齢人口は、2350万人まで増加する一方で、中国は3170万人の労働者を失う。

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最終更新:2014年04月24日08:26

アジア縫製業界、さらなる棲み分けを行う

アジアの衣料品製造業は今後3~4年間、競争の激化に応じて、更なる棲み分けが行われるだろうと専門家らは言う。中国、タイ、ベトナムは高級衣料を主に生産し、バングラデシュ、ラオス、ミャンマー、カンボジアは廉価品を主に生産するだろう。

現在のところ、世界市場の衣類の大部分がアジアで生産されている。2005年から2011年までの間に、ベトナムの衣料品輸出は32%増加し、中国は15%増加した。インド、トルコ、マレーシア、タイの増加率は約7%であるとベトナム繊維協会(Vitas)のデータは示す。

タイ衣料品製造者協会(TGMA)の統計からは、中国からの衣料品輸出が世界の衣料品輸出の35%を占めることがわかる。バングラデシュ、インド、パキスタン、スリランカは世界市場の16%から18%を占める。東南アジア諸国に関しては、この数字は10~12%である。

操業開始時の必要資本が小さくて済み、アジアには多くの安い労働力があるので、衣料品製造や繊維産業はアジアの多くの国々で経済発展における重要な役割を果たしているが、一方で、人々の利益に大きな影響力を持つ。

カンボジア衣料品製造者協会会長Lu Qijian氏によると、カンボジアの繊維輸出は同国の輸出総額の80%以上を占めていると言う。GDPへの貢献は15%から18%になる。バングラデシュの衣類輸出収入は同国の年間の外貨収入の約78%に相当する。

南アジア、あるいは、東南アジア諸国の衣料産業は好景気だが、開発はまだ一部に限定されているという問題に直面している。1つの重大な問題は労働コストの上昇である。

安い労働力がアジアの繊維産業の利点だが、東南アジア諸国では、それが一層明白である。 しかし、近年、労働コストは上昇している。ベトナムの最低賃金は20%上がり、今年、インドネシアとラオスはそれぞれ20%と22%上昇した。カンボジア人の平均月収はおよそ100ドルで、それが労働力不足の問題に繋がっている。

労働力に加えて、投資家は低い生産性と粗悪な製品品質への心配に対処しなければならない。そのうえ、原料輸入に依存し過ぎているので、東南アジアの衣料産業の正味価格を上げるのは難しい。

タイの生地メーカーの社長は、現在のところ、唯一タイだけが衣料産業の中ですべての生産工程を国内で行うことができると述べた。カンボジアとバングラデシュは、原料がなく、縫製品を生産できるだけである。

ベトナムのメディアによると、ベトナム衣料産業に必要な生地の11.8%は国内で生産される。 ほとんどの高級生地は輸入されている。2012年に、カンボジアは、中国本土、台湾、タイ、日本、韓国から31億2000万ドル相当の原料を輸入した。

中国と比べて、東南アジア諸国と南アジアの国々には、多くの利点がある。したがって、中国の廉価品衣料メーカーの中にはそういう国々へ工場を移転するところがある。Lu Qijianは、中国には先進技術と高い技能があるので、高級衣料産業はまだ中国で残っていると言う。

 

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最終更新:2013年07月27日06:00

ミャンマー繊維産業:投資誘致に向けて

ミャンマー政府は投資家誘致のためのインセンティブを発表している。新しい外国投資法は2012年11月に承認された。それによると、外国人は半数に満たない比率の条件で私営企業とも政府企業とも合弁事業を行うことができる一方、1988年から旧法通り、100%外資のビジネスを所有できる。土地のリース期間は、これまでの最長30年から50年までに延長された。そして、10年間、二度契約の延長を認められる。また、5年の免税期間以外に、メーカーは輸出から上げられる利益において最大で50%までの減税の措置を受けられる。また、1年以内にそれを再投資すると、税額控除か緩和を受けられることになる。

しかしながら、縫製産業においては、経費は話の一部にすぎない。工場は単に衣服ではなく、ファッションも製造している。効率は重要な要素である。生地を織りはじめてから製品を梱包するまでの生産のサイクルは、ときには45日間という短期間を要求され、現地での垂直展開のサプライ・チェーンを持たないミャンマーにとっては試練ともいえる。

ほとんどすべての材料は海外から運ばれ、ほとんどがシンガポール経由で積み替えられる。広東から、マラッカ海峡を通過してヤンゴンまで到着するのに船便で21日間かかるとPrince Edward Road Management株式会社社長Lewis Leung氏は言う。港湾施設は、縫製工場が集中しているヤンゴンで現在十分すぎるキャパシティーを持っているにもかかわらず、通関業務や港湾業務がまだ香港ほど効率的ではない。

また、船便のコストも高い。例えば、香港からヤンゴンまで20フィートのコンテナを出荷するのが1,000米ドルかかるが、ホーチミン市までのコストはわずか500米ドルである。しかしながら、Leung氏は、コンテナ船で運ぶような巨大な貨物の場合は、船便のコストもまだ「許容範囲内」であると言う。

エネルギー不足は潜在的投資家への別の問題提起である。ミャンマーでの工場経営には、自家発電設備が不可欠である。政府発表では、1月から産業用の電力供給は、毎日午後4時以降中断され、民間使用に電気が宛がわれる。救いは、ミャンマーではディーゼル燃料供給が安定しているということである。「ディーゼル燃料は1Lあたり0.9米ドルで、香港より安いです。」とLeung氏は言い、電気の公共料金はキロワット時(KWH)あたり0.12米ドルであるに対して、自家発電の電力は1KWHあたりわずか0.2米ドルで済むと付け加えた。

香港アパレル会のChung Kwok-pan氏は投資の潜在性をミャンマーのリスクの裏面と評す。 「ミャンマーの利点は何もないことで、それが不都合でもあります。」

Leung氏は、突き詰めていえば、ミャンマーには明るい未来があると信じている。改革に忠実であることで、ミャンマーは、10年前にベトナムやカンボジアが作った成長モデルに則り、米国や欧州市場から援助や取引を勝ち取れる。2011年までに、ベトナムとカンボジアの繊維業界は大成功を見て、それぞれ156億ドルと40億ドルの輸出貿易額を達成した。

「今が、ミャンマーに入る最も良いタイミングです。」とLeung氏は言う。「香港の工場は、あらゆる経験を持っています。期待は大きいです。10年後に、私たちは、この国で今の香港のような繁栄を見ることになるでしょう。」

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最終更新:2013年03月20日06:00

縫製工場はカンボジアの経済特区に目を向ける

無錫(江蘇行政区)の繊維・縫製企業で私企業のHOdo Group Co Ltd、は、その事業を多角化しようとして、カンボジア南部のシアヌークビルで事業拡大を目指している。

Prey Nob地区にはシアヌークビル経済特別区(SSEZ)を設立するために、2007年以降協力に投資した、と同社社長Zhou Haijiang氏は言う。プロジェクトは、現在3平方kmだが、最終的には11平方kmまで拡大されることになっている。

特別区への総投資は、3億2000万ドルに達することになっている、とZhou氏は言う。

「完成すれば、経済特区は今後数年で東南アジアのこの国に150,000名の仕事を創出することができる」と彼は言う。

Zhou(46)は11月8日に始まる予定の中国共産党第18回国民会議の代表に選ばれた24人の民間企業家のうちの1人である。

HOdo社はHOdoブランドの下で衣類を販売し、2008年以降2ケタ成長を続け、2011年には収益で351億元(56億ドル)を上げている。

経済特別区は機能的な産業団地で、すでに23社を引きつけている。

アイルランドに拠点を置くHorseware Products(カンボジア)Co.社、アメリカに拠点を置くGaley Global(カンボジア)Co.社とフランスのCambodian Gateway Underwear Co., Ltd.を含む8つの外国企業も中にはある、とZhou氏は言う。

特別区の従業員の95%以上は、地元の人である。

「HOdoの試みは『グローバル化』という国の要求に応えるもので、産業団地は海外進出した中国企業によって開始された9つの経済特区のうちの1つです」とZhou氏は言う。

特区の建設は、東南アジア諸国連合の廉価な経費、有利な貿易条件と広大な市場に助けられている。

内部関係者によれば、カンボジアのベテラン労働者の1ヶ月の給与はおよそ100ドルで、会社が1000人ほど雇用していると、月間では、中国の平均的な工場よりおよそ2700万元少ない給与支払いで済むと言う。

カンボジアも国に輸入できる綿花の量を制限するクオータがないので、会社が原料のコストを下げるのに都合がいい。

 

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最終更新:2012年10月26日14:00

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