インドシナニュース

ベトナム:TPP頓挫にもかかわらず、アパレル工場はフル稼働中(後)

 

海外直接投資(FDI)ブーム
そんな状況下においても、ベトナムでは既にポストTPP時代へ移行しつつある兆しがある。昨年トランプ氏と民主党のライバルであるヒラリー・クリントン氏、バーニー・サンダース氏が揃ってこの貿易協定に反対する意向を示したにもかかわらず、ベトナムは引き続き過去最高額の外国直接投資を集め続けた。
昨年のベトナムにおけるFDIは9%増の158億米ドルと、過去最高を記録した。製造業と加工業では、LG Display社による15億米ドルの投資とLG Innotek社による5億5000万米ドルの投資の2つの韓国プロジェクトなどに主導され、多額の外国投資を受け入れた。
米国によるTPP撤退がLG Display社の事業に及ぼす影響は限定的だと、同社は電子メールで発表した。ベトナム投資という決定は、「単純に関税メリットを見込んでのものではありません。」と同社は述べた。「そのため、ベトナム投資やベトナムにおける事業戦略に関する我々の決定に大きな変更はありません。」とした。
TPP交渉の一環として、ベトナム政府は国有企業の改革を加速させることに合意した。 TPPは米国の参加なしでは進まない可能性が高いが、政府は投資家の望むこの改革を止めるつもりはない、とUS Asean Business Councilのベトナム代表であるVu Tu Thanh氏は述べた。この改革はベトナムや他の東南アジア諸国がポストTPPにおける投資抑制に苦しむのを防止するのに役立つだろう、と彼は述べた。
「私は(トランプ大統領が主張する)米国に対する投資促進がアセアン諸国に犠牲を強いとは思いません。まだまだ潤沢な資金が溢れているのですから。」と彼は述べた。

 

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最終更新:2017年02月01日13:59

ベトナム:TPP頓挫にもかかわらず、アパレル工場はフル稼働中(前)

 

ベトナムのアパレルメーカーNhaBe Garment社は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に大きな期待を寄せていた。
Calvin Klein、Michael Kors、Kenneth Coleなどのブランドに商品を供給するこの会社では、2011年から昨年までに輸出量が2倍以上となる7億2900万米ドルまで増加したが、工場数を当初の2倍となる35箇所に増やして、ベトナムも参加する予定であったこの12カ国による貿易協定による関税率の大幅な軽減を見込んでいた。
ドナルド・トランプ大統領は一筆をふるい、2030年までにベトナムの国内総生産(GDP)を8%引き上げると世界銀行により推計されていたこの野心的な貿易協定を破棄した。しかし、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で去年米国に対する輸出高がトップになる見込みのベトナムにおける多国籍企業の熱意は冷めていない。
「我々はすべての工場の期待に応えてきました。」とNhaBe社で発注、設計、製造を担当するMichael Laskau常務は述べた。「TPPの問題により、顧客企業が我々から離れていくことなど想定していません。」
トランプ大統領の中国貿易に対する扇動的な発言や、中国製品に45%の関税を課すという脅しは、企業にとって製造を中国以外の国にシフトさせる強力なインセンティブとなっており、中でもベトナムはその有力候補として名が挙げられている。
TPP交渉の終焉はベトナムにとって確かに痛手ではあるものの、この国の若くて低コストの労働力は国際的な投資家らを惹きつけている。
「ベトナムは労働集約型の外国直接投資だけでなく、急速に発展しているベトナム市場に参入したいと望んでいる企業にとって、魅力的であり続けるでしょう。」と香港にあるNatixis SA社のTrinh Nguyenシニアエコノミストは述べた。
ベトナムは今後も改革プロセスを継続し、貿易協定のコミットメントを満たしていく予定である、と外務省のLe Hai Binh報道官は明らかにした。
ベトナムでは、米、コーヒーなどの農産物輸出国から東南アジアの製造拠点に変貌を遂げ、海外投資家主導による経済発展を長年にわたって享受してきた。
ベトナムで4500人を雇用し、台湾に本社を置くTainan Spinning社は電子メールによる声明で、TPP交渉の終了による自社計画の変更はないとし、「Tainan Spinning社では、その強みとコミットメントに鑑み、今年下半期にベトナム事業のさらなる拡大を検討している。」と述べた。
中国バッシング
近隣諸国の約3分の1の低賃金だけでなく、港湾への良好なアクセスにより、中国はベトナムにほとんど太刀打ちできない、と香港HSBCホールディングス社のアジア・エコノミストであるJoseph Incalcaterra氏は述べた。「ベトナムは依然としてかなり有利な状況にあります。」
Bloombergのインテリジェンス・アナリストであるCatherine Lim氏によると、中国に代わる投資先を探している企業には、AdidasやNikeといったブランドにシューズを供給する大手メーカーである Yue Yuen Industrial Holdings社も含まれている。Yue Yuen社やアパレルメーカーのShenzhou International Group社は、「中国からの輸入品に対する米国のペナルティ方針を受け、顧客への影響を最低限にするために、その生産をベトナムやインドネシアなどの工場にシフトする可能性がある。」との見方を12月14日付けの報告書で明らかにした。
広報担当者によるとYue Yuen社では、低賃金、地方自治体の支援、熟練労働力を理由に、ベトナムにその生産の40%以上を依存している。「我々はベトナムでの生産について、TPPによる重要な影響はないと考えています。」とこの広報担当者は述べた。
TPPが発効していればベトナムに大きな利益をもたらしていたことは疑いようもない。ベトナム税関によると、ベトナムの対米輸出は昨年、15%増の385億米ドルにものぼった。またベトナム輸出の約19%は繊維・衣料品となっている。
TPPはベトナムの米国に対する衣料品輸出において17%もの関税削減効果が見込まれていた、とCIMB証券ベトナムのアナリストであるNguyen Xuan Huy氏は月曜日公表の報告書に記した。TPPにより、ベトナムに拠点を置くアパレルメーカーは、「米国に製品を輸出する際に大きなメリットを得られたであろう。」と彼は述べた。そして貿易協定解消により、「そのメリットは霧消した。」とした。
またNatixis社のNguyen氏は、「ベトナムは依然として、非常に重要な貿易相手国であり、世界最大の経済国である米国との自由貿易協定を締結していない。」ことを指摘した。TPPはベトナムの主要産業である履物・アパレル産業に対する関税を引き下げるはずであった。
ベトナムにある米国企業は、このトランプ大統領による政策決定に失望の意を示した。ハノイにあるアメリカ商工会議所のAdam Sitkoffエグゼクティブ・ディレクターは、「TPPから撤退するというトランプ大統領の決定は、アメリカとベトナムの企業、投資家、労働者、農家、消費者にとって悪いニュースである。」とEメールで述べた。
(後編につづく)

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最終更新:2017年02月01日11:58

ミャンマー:アパレル産業が今後数年間で大幅な成長の見込み

ビジネス情報を提供するTextiles Intelligence社が刊行するGlobal Apparel Markets誌最新号によると、ミャンマーのアパレル産業は今後数年間で大幅に成長することが予測されている。

この予測によると、アパレル産業の雇用は2015年半ばに約23万人であったのが、2020年までに150万人まで増加し、衣料品輸出も2014年の15億米ドルから2020年には120億米ドルに達する可能性があるとした。

そのターニングポイントは、2011年3月30日に改革派のThein Sein大統領が軍事・文民政権のリーダーに就任したことであり、そのことにより西側諸国の投資家や衣料品企業の購買部がミャンマーに注目するようになった。ミャンマーを調達先に選んだ最初のブランドは2013年のH&M社で、それに2014年のGap社が続き、この2社がその他の企業に道を開くこととなった。

2011年以前ミャンマーは、50年もの間軍事政権に支配され、官僚主義と腐敗に悩まされ、国際的な制裁を受けて孤立し、非常に貧しい国であった。しかし近年、こうした制裁のほとんどは解除されており、多くの国ではミャンマーで生産された衣料品に対し、自由貿易や特恵貿易の優遇措置を与えている。

またアパレル産業への外国直接投資(FDI)は、近年制裁を解除された後、目覚しいペースで増加しており、ミャンマーからの衣料品輸出は2013年に26.5%、2014年にさらに27.4%と急成長を見せた。

今後の発展計画としてミャンマー政府は、「国家輸出戦略2015-2019」と題した文書の中で、繊維・アパレル産業向けの戦略を公表した。特に、繊維・アパレル産業では次のようなことを提言している。加工賃取引(CMP)中心のオペレーションから、製品売買取引(FOB)条件に移行すること、物量を増加させること、品質を改善すること、より多くのニット製品を生産すること、そしてさらに、FOB条件のオペレーションからオリジナルデザインの製品を取り扱うことができるよう、デザインの専門知識を習得することなどである。地理的な面からも、ミャンマーの各輸出市場において取引の最大化をめざすとしている。

また、ミャンマーの道路・港に投資が行われてきており、アパレル業界の国際競争力を向上させ、サステイナブル(持続可能)な生産を促進しようとしている。

しかしアパレル業界の長期的な成長見通しについて、業界観測筋の意見は分かれており、既に成功を収めている衣料品輸出国における偉大なライバル企業のような地位を獲得するには、多くの課題を解決する必要があるという。

ミャンマーを訪問した専門家達は、時代遅れの機械設備やインフラ、弱い教育体制、お粗末な公衆衛生システム、公平性、整合性や誠実性に疑問の残る裁判制度、地元住民にさえ満足にサービスが提供できず、ましてやグローバル企業には対応できないであろう銀行システムを目の当たりにしてきた。

ミャンマーでは天然繊維の生産量が少なく、また化学繊維の生産はできないため、アパレル産業で使用されるほとんどすべての繊維を輸入する必要がある。さらにこの業界では、職業訓練プログラムを欠いているため、バイヤーが慎重に交渉を進めることが予想されており、欧米の小売業者からの需要が急速に増加するとは考えにくい。

結果としてアパレル業界では、現代的な機械、原材料、熟練労働者、社会・環境の認証制度、信頼性のあるエネルギー源、物流インフラやスムーズに機能する金融システムを求めている。

とはいえ、ミャンマーにおける画期的な進歩として、2015年後半に国に大きな変化を及ぼす2つの出来事がおこった。最初の出来事は2015年9月に発効した最低賃金制の公示である。2つめとして、もっとも重大なイベントの一つであるが、2015年11月8日に実施された、ここ数十年で初めてのミャンマーの公式選挙が挙げられる。

この二つの出来事を、経済及び政治ニュースの視聴者は固唾をのんで見守った。しかし、いずれの出来事においても、全体として穏健に、平和裏に、落ち着いて遂行され、このことは将来のために良い前兆を示すこととなった。

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最終更新:2016年04月04日14:16

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