インドシナニュース

ベトナム:労働生産性にとっては時給最低賃金額がより効果的か?

ベトナムでは最低賃金額を月額から時間額に変換し、労働生産性を向上させる必要がある。

ベトナム経済政策調査委員会 (VEPR)によると、ベトナムの競争力問題は時給最低賃金額を導入することにより解決できる可能性があるという。

これは9月13日、ハノイでベトナム経済政策調査委員会 (VEPR)と日本国際協力事業団(JICA)が共催した、「ベトナムにおける労働生産性と賃金の上昇」と題された講習会においてベトナム経済政策調査委員会 (VEPR)が行なった提案の一つである。

ベトナムは、東南アジアの中で最も労働生産性が低い国の一つである。

ベトナム統計総局(GSO)が発表した数字によると、ベトナムの労働者一人当たりの平均生産率は2010年以降23.6%増と大幅に改善しているものの、ベトナムと近隣諸国との差は依然として大きいままである。とりわけベトナムの生産率は、シンガポールの1/15、日本の1/11、韓国の1/10と低い。

国家社会委員会のBui Sy Loi副委員長によると、時給最低賃金額の導入により労働生産性が向上し、市場経済の本質に反映されるという。時給最低賃金額はまた、企業と従業員のメリットといった面でも調和を作り出す。

労働科学・社会情勢研究所のNguyen Thi Lan Huong前所長もまた、時給最低賃金額が企業・従業員ともに柔軟性と利便性の高いものであることに合意した。

世界中でも多くの国が時給最低賃金額を採用しており、こうした国が最低賃金額の高い上位10カ国を占めているとHuong氏は述べた。

こうした国としてはオーストラリア、ベルギー、オランダ、ニュージーランド、ドイツなどが挙げられる。

「労働生産性を向上させるためには政府が最低賃金策を変革し、企業と従業員が従業員の賃金を自分たち自身で交渉できるようにしなければなりません。規模や採用方針は企業間で異なり、労働生産性をベースに給与を支払うことによって従業員がより一所懸命働くことにつながります。」とFoster Electric社の代表La Van Thanh氏は述べた。

こうした提案は、最低賃金額の上昇と比較して労働生産性の向上がゆっくりとしたペースで行われており、近隣競合国との競争といった面でベトナムに悪影響を及ぼしているという懸念に対して行われた。

ベトナムでは2007年-2015年の間に最低賃金額が毎年二桁成長するなど賃金が急激に上昇しており、GDPやCPIを大きく上回っている。

同期間、最低賃金の上昇率は労働生産性の上昇率よりも高かった。とりわけ、労働生産性に対する最低賃金額の比率は25%から50%と大幅に上昇した。

こうした動きは中国やインドネシア、タイなどの近隣諸国では見られていない。ベトナムにおける最低賃金と労働生産性の上昇率のギャップは他国と比較して急速に広がっているのである。

(下記表参照)

労働生産性

上昇率(%)

最低賃金

上昇率(%)

中国 9.1 8.8
インドネシア 3.6 2.6
マレーシア 2.1 2.5
フィリピン 2.6 0.4
シンガポール 1.8 1.2
タイ 2.7 3.5
ベトナム 4.4 5.8

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最終更新:2017年09月20日06:01

ベトナム:Vinatexの売却は困難となる見通し

ベトナムの繊維・アパレル産業の人気低迷により、国家資本投資公社(SCIC)がベトナム繊維公団(Vinatex)を完全に売却するのは難しくなるかもしれない。

国家資本投資公社(SCIC)は国の代理として国家持株を売却する予定だが、Vinatexは対象となる55企業の一つである。具体的には、国家資本投資公社(SCIC)は53.48%であるVinatexの国家持株の全てを2018年中に売却予定である。

Vinatexは5兆ベトナム・ドン(2億2000万米ドル)以上の資本金をもって、2015年1月に株式化された。

全株式中、国家が所有するのは2.675兆ベトナム・ドン(1億1770億米ドル)に相当する53.48%である。

国家所有資本の完全売却は事業低迷を解決し、繊維・アパレル部門の競争が熾烈化する中で企業の競争力を高めるための施策なのだとVinatexのLe Tien Truong社長は述べた。

いくつかの証券会社によると、Vinatexの条件が良くないことから同社の国家持株の売却は円滑には進まない見通しであるという。

Hung Yen縫製株式総会社のNguyen Xuan Duong 会長は「投資(VIR)」紙に対し、「最近になってベトナム繊維・アパレル産業の魅力が薄れてしまっているので、Vinatexの国家持株をこの時期に売却するのは難しいと思います。以前は外国投資家や投資ファンドで産業に興味を示すものもいましたが、アメリカのTPP離脱後市場の有益性が薄れ、注目度が下がりました。」と語った。

今や産業が最低迷期に差し掛かる一方で労働者の賃金が耐えず上昇し、投資家にとって利益率が低い状態となってしまっている。そのためベトナムの繊維・アパレル産業が競争するのは難しくなり、同時にこの時期この産業に注目する投資家も大変少なくなっているのだ。

Vinatexは市場シェアを拡大し、コーポレート・ガバナンスを強化するための投資家を探しており、規模の拡大を目指して国内市場の需要拡大を期待している。

こうした野望はTruong社長も認めており、Vinatexは3-4年間で資本金を10-15兆ベトナム・ドン(4億4000万-6億6000万米ドル)にまで引き上げる目標を立てている。

国家所有資本の売却は困難を極めるものの、効率的に売却を行い国有資産の損失を回避するために最善を尽くすとTruong社長は述べた。

「私たちの考え方と投資家の考え方が異なり、その違いがネックになってしまうことを憂慮しています。」

Vinatexは事業に突破口を開くような大きな変革を望んでいる。「全ての国家持株をすぐに売却し、Vinatexがより積極的になれることを望んでいます。」とTruong社長は述べた。

2017年上半期のVinatexの売り上げは、対前同時期より15%増となる8.2兆ベトナム・ドン(3億6080万米ドル)となった。また税引後利益も2016年上半期より4.5%増となる3166億ベトナム・ドン(1390万米ドル)であった。

同期間中、Vinatexは総資産についても6%増となる21兆ベトナム・ドン(9億2400万米ドル)を報告している。一方で、在庫も4000億ベトナム・ドン(1760万米ドル)以上増え、3.6兆ベトナム・ドン(1億5840万米ドル)近くにのぼっている。

2017年、Vinatexは16兆ベトナム・ドン(7億400万米ドル)近くの収益を上げ、7490億ベトナム・ドン(3300万米ドル)の連結税引前利益を上げることを目標としている。

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最終更新:2017年09月19日17:11

ベトナム:インド企業がポリエステル工場PVtex救済に乗り出す

インドのReliance Industry CompanyはPetroVietnamと提携し、ベトナム北部ハイフォンのDinh Vuポリエステル工場の再稼働を目指すことを決定した。

9月15日までに工場再建計画が公表される予定である。

8月23日から24日にかけて、工場を操業するPetroVietnam Petrochemical and Textile Fiber JSC (PVTex)、PetroVietnamとRelianceは提携計画を話し合うための協議を行い、再建計画におけるRelianceの役割について合意した。

Relianceは維持管理、原材料供給、セールス等に携わる人員を提供する。PetroVietnamはPVTexへの株式購入による資本提携を提案したが、まだこれに関する公式発表はない。

加えて、PVTexは工場の操業を継続するための増資について国内提携企業と協議し、同時に伸加工糸(DTY)製造ラインの品質評価について専門家と協議を行っている。

現在、29の機材のうち24は稼働できる状態にあり、残る機材は稼働前にメンテナンスが必要な状態である。

以前、PetroVietnamはシンガポールのFortrec Chemicals Companyに販売・製造にかかる提携提案書の提出期限の延長を提案していた(当初の提出期限は2017年7月31日)。

2016年8月に、商工省はPetroVietnamに対しFortrec社との交渉を加速させ、早急にDinh Vu ポリエステル工場を再稼働させるよう要請していた。

当時、Fortrec社は工場の機材が問題なく作動し、想定生産量を生産できるのであれば、Fortrecは試験稼働期間の原材料を提供し、PVTexとの2年間の業務提携契約にサインすると表明していた。その後、Fortrecが安価で製品の販売を担うという想定であった。PetroVietnamはこの計画を政府と商工省に提出し、承認を求めた。Fortrecはベトナム政府の承認が2017年7月31日までに得られると想定していた。

しかし、この日付が過ぎても政府からのPetroVietnamへの承認は与えられていない。そのため、8月8日、Fortrec は回答待ち期間が長すぎるとし、PetroVietnamに対し、ベトナム政府の承認前に提案書を提出するよう求めていた。

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最終更新:2017年09月13日12:39

ベトナム:繊維協会(Vitas)が賃金引き上げの中止を首相に要請

地域別最低賃金の引き上げと社会保障や海洋運賃の値上がりが結びつくことで、ベトナム繊維・縫製産業の発展に対する懸念を引き起こしている。

ベトナム繊維協会(VITAS)は、繊維・縫製企業が競争力を高め事業を拡大できるよう、2018年の地域別最低賃金の引き上げを見送り、保険料率と海洋運賃価格を調整するよう首相に対し提言した。

繊維協会の統計によると、2017年上半期の繊維・縫製産業の輸出売上高は対前10%増となる141億米ドルに到達したという。国別の輸出売上高を見ると、対アメリカは57.9億米ドル、対ヨーロッパ連合は16.9億米ドル、対日本は14億米ドル、対韓国は10.2億米ドルであった。

しかしながら、こうした輸出売上高の伸びにもかかわらず、繊維・縫製産業の発展は様々な要因により妨げられており、首相や当局による政策の調整が必要となっている。

その一つとしてベトナム繊維協会は、国内の生地を原料として使用している企業の輸出製品に対する付加価値税(VAT)を免除するよう財務省に対し要請している。この提案は企業が国内の生地原料を使用することを促すことを目的としたものだ。

さらにベトナム繊維協会は、2018年の地域別最低賃金の値上げを見送り、保険料率と海洋運賃価格を調整するよう首相に対し提言した。

またベトナム繊維協会は首相に対し、企業の財政に合うように海洋運賃価格を見直し、計算し直すことを定めた公文書No.5036をハイフォン市人民委員会が実施するよう強く促した。

ベトナム繊維協会が首相に対し、賃金、税金、そして保険制度の見直しを提言したのはこれが初めてではない。

2017年の地域別最低賃金を7.3%引き上げる首相の決定に対し、この引き上げが繊維・縫製企業の総生産費を2.9%引き上げることになるだろうとベトナム繊維協会は説明した。ベトナム繊維協会は地域別最低賃金の引き上げを2020年、もしくは2022年まで先送りすることを望んでいる。

同時にベトナム繊維協会は、給与計算や保険料の掛け率の基礎として最低賃金を使用することをやめるように要請した。

2007年から2017年の間、ベトナムの地域別最低賃金は国内企業が21.8%、外国直接投資(FDI)企業が15%の平均年率で上昇している。

8月7日に開かれた2018年の地域別最低賃金の引き上げ率を決定する最終会合では、関係当局が6.5%の折衷案に至り、承認に向けて首相に提出することが決定した。

もし承認されれば、引き上げは2018年1月1日より施行されることになる。

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最終更新:2017年09月12日12:13

ベトナム:倒産の危機に瀕するDinh Vuポリエステル工場

ペトロベトナムとベトナム繊維公団(Vinatex)の合併事業であり、ペトロベトナム石油化学社とTextile Fibre JSC(PVTEX)社が展開するDinh Vuポリエステル工場は、外国投資の協力を得ることができなければ倒産に陥る可能性がかなり高くなる。

ニュースワイヤーDantriによると、ペトロベトナムは政府と商工省(MoIT)に対し、外国投資家がDinh Vuポリエステル工場再建に協力を行うための承認を求めているという。

承認を待つ中、ペトロベトナムはシンガポールのFortrec Chemicals社に対し、両当事者間の取引や製造に対する協力提案の期限の延長を申し込んでいる。(当初の期限は2017年7月31日であった)

8月8日、Fortrec社はベトナム当局の承認の待ち時間が長すぎると述べ、当局の承認前に提案を提出するようペトロベトナムに対し要請した。

商工省はペトロベトナムに対し、Fortrec社と妥協に至った上でDinh Vuポリエステル工場を再開するよう、昨年の8月に強く促していた。

当時Fortrec社は、工場設備が問題なく稼働し生産能力に見合う量を生産することができれば、Fortrec社が試験操業期間中の原料を供給し、同時にPVTexとの2年間の協力契約に署名すると表明していた。

それによりFortrec社は、製品を他社に負けない価格で販売することが可能になる。

ペトロベトナムはこの計画を政府と商工省に提出し、承認を求めた。Fortrecs社は、2017年7月31日までにはベトナム当局の承認を受けられると考えていたという。

しかしながら、ベトナム当局は期日になってもペトロベトナムの計画に対して回答しなかった。

Fortrec社と同時期に、ペトロベトナムとPVTexはインドのReliance Industry社とも協力計画を相談するためのオンライン会議を開催していた。その中でペトロベトナムとPVTexは、インドのReliance Industry社を主として原料を供給し、製品の販売を行う提案を行った。またペトロベトナムは、PVTexの株式を購入する様Reliance Industry社に働きかけるつもりである。

ペトロベトナムの代表によると、同グループはReliance Industryに対し、8月末に開催される公式ワーキングセッションへの招待状を送付したという。

8月初頭、ペトロベトナムはVinatexと会合を開き、工場の生産製品の消費に対する解決策を議論した。

VinatexのTran Quang Nghi会長は、もし工場が品質の安定した製品を生産し、2014年や2015年度同様に支払いや配送を期日どおりに行えば、Vinatexが工場から購入するポリエステル繊維の量を現在の2倍、または過去に交わした契約に準じて少なくとも1.5倍に増量すると述べた。

それ以外にも、Vinatexとベトナム繊維アパレル研究所は、工場の品質コントロールや、デザイン部門の製織・染色段階に対するサポートも引き続き行っていく。

PVTexがパートナーに対し株式の譲渡を行えるよう、ペトロベトナムはコンサルタント会社に工場の資産額の計算を依頼した。工場を再開する計画が全て実現しない場合、PVTexは破産を申告しなければならない。

Dinh Vuポリエステル工場は2014年5月、生産能力の48%に相当する、一日あたりのポリエステル繊維及び糸生産量236トンの生産力で操業を開始した。しかしながら売れ残りの在庫が膨らみ、工場は何度も運転を停止せざるを得なかった。

ペトロベトナムが発表した報告書によると、2016年6月時点で、PVTexでは3.008兆ベトナム・ドン(1億3540万米ドル)の累積損失が生じていたという。2015年だけでも、その数字は対前年1200億ベトナム・ドン(538万米ドル)積み増しとなる1.2兆ベトナム・ドン(5380米ドル)であった。PVTexはその低迷により、7070万米ドルの短期借入金を含む2億2139米ドルの総負債額を返済することが不可能になっている。

監査人はプロジェクトの承認、請負先の選定、さらには設備の購入などに関して「規制の意図的な違反」や「無責任さ」を示すものを見つけており、それが損失や投資資本の無駄遣いにつながったという。

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最終更新:2017年09月06日13:37

ベトナム:低排出エネルギー技術は繊維・アパレル部門にとって唯一の生命線

世界銀行はベトナムの繊維・アパレル企業向けに、省エネルギーのための近代設備投資に対する資金を融資する「ベトナム企業のためのエネルギー効率プロジェクト(VEEIE)」という3億1250万米ドル規模のプロジェクトを正式に開始した。

この融資パッケージは、米国国際開発庁(USAID)とベトナム繊維協会(Vitas)が8月23日にハノイで開催したワークショップ「ベトナムの繊維・アパレル企業における低排出エネルギー技術導入に対する技術援助」という取り組みの一環として導入された。

ベトナム企業が近代技術に投資するためのローンを提供することを通じて、世界銀行はベトナムの、特に繊維・アパレル企業の効果的かつ安全なエネルギー活用を支援することを目指している。

このプロジェクトは2017~2022年の期間に、次の4項目の組み合わせで実行される。第1はエネルギー効率投資に対するローンで、世界銀行は5年間で3億1250万米ドルの融資枠を提供し、この資金は商業銀行に振り分けられて企業の融資に活用される。

第2は企業や関連当局に対する技術と能力強化支援で、第3はリスク分担基金の設立、最後は1000万米ドルの地球温暖化対策プログラムである。

「ベトナムの繊維・アパレル企業は低排出エネルギー技術に対する投資資金の最大80%について、長期・低金利ローンを受けることができるため、特にこのプロジェクトの恩恵を享受することができます。」とVEEIEの共同リーダーであるChu Ba Thi氏は述べた。

これまで商業銀行と世界銀行との間に仲介業者は介在しておらず、ベトナムの企業は商業銀行に登録しさえすれば申請書が世界銀行に直接送られるため、こうした融資を容易に受けることができるとThi氏は続けた。

このプログラムを実施することにより、世界銀行は年間37億キロワットの電力、215万トンの石炭使用量、967万トンのCO2排出量を削減することを目標としている。

Viet Thai Garment Export JSCの代表は、同社の取締役会では近代的でエネルギー効率の良い技術や、外国パートナー企業の厳しい基準に沿った投資の重要性を認識しており、同社では照明システムと、日本やヨーロッパから輸入されたボイラーおよび蒸気配管システムに投資し、CO2排出量の削減やエネルギーの節約に取り組んでいると述べた。

「私はこのプログラムでは有利な条件が提示されており、ベトナムの中小企業等にとって非常に有用だと思います。当社においても取締役会においてローン申請を提案したいと思います。」とViet Thaiの代表は述べた。

このイベントの構想の中でUSAIDはまた、ベトナムの企業、特に繊維・アパレル企業がエネルギー問題に対応するのを支援するため、ベトナム低排出エネルギープログラム(V-LEEP)を立ち上げた。

V-LEEPはベトナムの公共機関および民間事業者を支援するためにUSAIDが出資するプロジェクトで、エネルギー部門における低排出エネルギーを実現するための効果的な政策、規制、インセンティブなどの環境面を確立するとともに、再生可能エネルギー開発および産業エネルギーの効率改善に対する投資を促す。

このプログラムでは、技術や資金へのアクセス、利益を生むプロジェクトの開発、ベトナムにおける持続可能な再生可能エネルギーの開発など、クリーンエネルギーを拡大させるために重要な開発を促進させることとしている。

現在ベトナムには6000社以上の繊維・アパレル企業があるが、そのほとんどが低付加価値でシンプルな製造プロセスを採用している一方で、この産業はCO2排出量が2番目に多くなっている。

USAIDのレポートによると、繊維・アパレル産業は毎年30億米ドル相当ものエネルギーを費やしているが、中でもエネルギーを最も使用する設備は、ボイラーと蒸気配管システム、コンプレッサー、照明システムであり、それらによく使用されるエネルギー源は石炭、電気、石油となっている。

エネルギーコストの増大は製造コスト増につながり、それが製品価格を押し上げ、さらにはベトナムの繊維・アパレル企業の競争力低下をもたらす。

ベトナム繊維協会(Vitas)のVu Duc Giang会長は、ベトナムの繊維・アパレル企業は、利益率の低下、外国パートナーからの納期短縮の要求、中国、インド、スリランカ、ミャンマーなどと同等の価格設定など、多くの困難に直面していると述べた。さらに、ベトナムが署名した自由貿易協定は、まだベトナム企業に恩恵をもたらしていない。

こうした状況下にあって、USAIDと世界銀行のプログラムがベトナム企業、特に繊維・アパレル企業の生産コスト削減と競争力強化を目的とした低排出エネルギー技術の適用を支援することが期待されている。

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最終更新:2017年09月05日11:24

ベトナム:国際ファッションブランドの脅威に立たされる国内ブランド

ベトナム市場には更に多くのファッションブランドが参入し、かなりの市場シェアを獲得しているという状況で、ファッション産業の国内企業は市場シェアを奪還し、自らのポジションを取り戻すための解決策を見つけなければならなくなっている。

 

国際ファッションブランドの急激な台頭

ニュースワイヤーのVietnamnetによると、ベトナムには現在200近くの外国ファッションブランドがあり、市場シェアの最大60%を占めているという。

2004年からベトナムに参入しているMango、2013年にベトナムに参入したイギリスブランドのTopshop、2016年にデビューした有名なお手頃ブランドZara、そして最近ではスウェーデンのHennes & Mauritz AB (H&M)が第1号店の出店を今年9月9日にホーチミン市で行うと発表するなど、その多くがお手頃価格のファッションブランドで、リーズナブルな価格の幅広いファッション商品で顧客を惹きつけている。

ファッションショップの前に並ぶファンの長い列の写真は、ベトナム市場の大きな可能性を示している。

世界の最新トレンドに追いつこうとベトナムの若者は外国ブランドを好んでいるため、国内のファッションブランドの中にはこうした有名ブランドが優位に立っていることを心配するものもいる。

しかしながら、一般の収入が少しずつ高まり衣服に対する需要が伸びてはいるものの、ベトナムのような発展途上国では「お手頃価格」も実際は「お手頃価格」ではなく、こうした有名ブランドにとって価格は依然として障害である。

そのため、ベトナムのファッションブランドも、もしベトナム人の好みを理解し、商品をよりリーズナブルな価格で提供することができれば、まだ可能性はある。それ以外にも、広告にさらに費やし顧客の注目を集めれば、ブランドの認知度を高めるのに役立つかもしれない。

 

成功の見込みが高い最新マーケティングツール

外国ファッションブランドの優位性が国内企業の目を覚まし、市場シェアを取り戻し生き残るための解決策を見つけることを余儀なくさせている。さもなければ、国内のファッションブランドは少しずつ外国ブランドに顧客を取られ、倒産してしまう。

通勤服の有名なベトナムブランドK&K Fashionは、市場競争が激化していることやライバル企業の強みが何であるかを理解し、人気が高まるeコマースに力を入れ、Criteoコマース・マーケティング・エコシステムを活用してターゲット顧客の特定と総売上げの増加に努めている。

クリック率が43%増加、顧客転換率が66%増加、そして取引成功率が121%増加するなど、K&K Fashionはこの最新のマーケティングツール導入から6ヶ月で結果を得ていることを報告している。

Criteoコマース・マーケティング・エコシステムは小売店やブランド、出版社が協力し、購入プロセスのあらゆるポイントでデータを入力するもので、オープン、安全、透明性があり、公正な環境である。

The Wall Street Journalはこのマーケティングツールに関し、「消費者のオフライン・オンラインの購買慣習に関するより正確なデータがあればあるほど、小売業者やブランドは購入の可能性がより高い人達を広告のターゲットにすることができる。」とコメントした。

K&K Fashionのこの事例は、グローバル化の時代において、マーケティングに最新技術を採用することでファッションブランドが成功を収めている一例となる。また、将来的にはより多くのベトナム企業が革新的な戦略を取り入れ、最新技術を利用して売り上げを伸ばし、特に巨大外国企業などの無数のライバルと競争していくことが望まれている。

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最終更新:2017年09月04日13:28

ベトナム:外資系小売業者が投資を拡大

以前から多くの外資系小売大手がベトナム市場に参入してきたが、その多くがこの市場の潜在的な成長可能性にかけて、さらに投資や事業を拡大する予定としている。

 

ベトナムへの投資強化

最近の「投資」紙とのインタビューにおいてイオン・ベトナム社の西峠泰男社長は、ベトナムの小売部門には大きな成長の可能性があるため、この国においてさらに事業を拡大していく必要があると述べた。

2017年初めにイオングループは、観光開発、不動産投資、農業、商業サービスを含む3つの主要ビジネス領域に特化した複合企業であるベトナムのBIMグループと、ハノイのHadong地区にイオンモールを開発するための業務提携契約書にサインし、ホーチミン市にも進出するこの日本の小売業者にとって、ベトナムで5店舗目となるショッピングモールの建設を進めることとした。

「2025年までに20のショッピングモールを開業するという予定が遅延し、これまで4店しか開店できなかったのは、最適な事業用地が見つからなかったためです。」と西峠社長は述べた。

西峠社長は、イオンでは来期以降の投資計画を加速させる予定であると続けた。具体的にこのグループでは、毎年2つの新しいショッピングモールを開業する予定とした。短期的にはハノイ、ホーチミン市、ダナンなどの大都市に注力し、その後他の地方都市への投資も計画する。

ホーチミン市において、イオン社は10ヘクタールの土地に3店舗目となるショッピングモールを建設することを計画している。契約は交渉中であるため西峠社長は正確な立地を明らかにしなかったが、第8区、第12区、またはThu Ducのような郊外に着目しており、第3のショッピングモールはこうした地域のどこかに開店される可能性があるという。

2017年6月には日本の小売大手セブン&アイ・ホールディングス社が、ホーチミン市に第1号店となるセブンイレブンを開店し、ベトナム市場に参入した。同社では2017年中にセブンイレブンブランドのコンビニエンスストアを20店舗、その後3年間に100店舗をオープンする予定としている。 セブンイレブンの参入によって、早くもベトナムのコンビニエンスストア間では競争が激化している。

今年フランスのGroupe Auchan社は、スーパーマーケットを開業するためにドンナイ省の市場を調査した。幾度かの調査の末Auchan社は、Bien Hoaに地元のクリーンな食品に特化した1500平方メートル規模のスーパーマーケットを建設する計画を明らかにした。

Auchan社は2015年にベトナム市場に参入し、現在ホーチミン、ハノイ、タイニン省に13のAuchanスーパーマーケットを展開しており、平均売場面積は1500平方メートルとなっている。

 

地元企業とのパートナーシップ

ベトナムへの外資参入の波の他に、地元企業との連携によってベトナムにおける影響力を強化している外資系小売の新たな流れも見られる。例えばイオン社は、地元スーパーマーケットのCitimartとFivimartの株式持分を継続的に増加させている。

これによりイオン社は、TopValuブランドの製品を供給し、各社における商品とサプライチェーンの開発に協力している。

ベトナムで店舗を拡大するだけでなく、外資系小売業者はベトナム製品を海外のスーパーマーケットや店舗で販売することも目指している。

この傾向について、Aeon Topvalu Vietnam社の塩谷雄一郎代表は、イオン・ベトナムはアセアン地域で最も高い成長率を達成したことから、イオンの主要な投資先と見なされていると述べた。

現在イオングループは、アジアに1万4000以上の店舗があり、うち1万1000店舗が日本に、2,000店舗以上がその他アセアン諸国にある。

「ベトナム製品はまずアセアン諸国のイオン店舗に、そしてその後は日本に持ち込まれることになるでしょう」と塩谷氏は述べた。

2017年初めに韓国のLotteグループは、ベトナムにおける小売事業を強化する目的で、Ciputra Hanoi Mallを買収するための必要な手続きを完了させた。Lotteはこのプロジェクトに3億米ドルを投じ、2017年第2四半期に建設を開始する予定としているが、それ以外の情報はまだ公表していない。

Ciputra Hanoi Mallは2007年に建設される予定であったが、Lotteに買収される以前は放置されていた。今回の投資はハノイにおける最初で最大規模の外資系不動産プロジェクトとされ、総投資額は20億米ドルを超えるものとなっている。

 

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最終更新:2017年08月30日09:51

ベトナム:Central Groupが投資拡大

バンコクポスト紙の報道によると、タイの企業グループCentral Groupはベトナムでの事業拡大のため今後5年間でさらに5億米ドルを投資すると発表した。これはベトナム市場での足場固めを目的としている。

ベトナム市場におけるCentral Groupのこれまでの最大の投資は2016年のBig Cハイパーマーケットチェーンの買収であった。

Central Group VietnamのPhilippe Broianigo社長は、追加資本はショッピングモール、卸売業、ホテル経営、文具店、そして特に食品、電化製品などのベトナムでの既存事業の拡張に使われると述べた。

特に、3000万-6000万米ドルが、電気店チェーンNguyen Kimの30店舗の開設に使われるという。Central Groupは現在Nguyen Kimの株式の49%を所有している。

Nguyen Kim 20店舗に加え、来年は2億1060万米ドルをかけてBig Cを20店舗、さらに卸売店LanChi Martを開設する予定であるという。

残る資金は2019年から2021年にかけて支出される。

積極的な投資計画により、Central Groupは2017年のベトナムでの売り上げを10億5000万ドル、今後5年間での売り上げを115億米ドルと見込んでいる。

Nguyen Xuan Phuc首相の臨席のもと、8月18日にタイで始まった第2回ベトナム商品週間で、Central GroupのTos Chirathivat社長は、ベトナムとヨーロッパが同社の優先投資地域であると述べた。ベトナムの高いGDPの伸びと市場の成長可能性を根拠に、同社はベトナムでの事業拡張を続けるという。

Central Groupはベトナムですでにハイパーマーケット、電化製品、ホテル経営、ファッションデパート、輸出業、卸売業の6業種を展開し、160店舗を経営している。

加えて、同社はホーチミン市に200-500室規模の自社ホテルの建設を予定している。

2016年4月、Central Groupは11億4000万米ドルを投じ厳しい競争を勝ち抜けBig C Vietnamを買収した。買収により、Central GroupはBig Cの43店舗、ショッピングセンター30か所のネットワークを手にしている。

 

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最終更新:2017年08月29日12:02

ベトナム:生活水準が上がる中、最低賃金の引き上げは効果を得ず

従業員の実質所得引き上げによる新しい賃金を阻害し、社会手当に妥協が生じる可能性があるとして、地域別最低賃金の引き上げに対する懸念が上がっている。

 

賃金引き上げに伴う手当の縮小

2018年の地域別最低賃金引き上げについて協議する最終会議が8月7日に開かれ、関連当局は6.5%の引き上げで妥協に至り、承認に向けて首相に提出することになった。もし承認されれば引き上げは2018年1月1日から有効となるが、地域別最低賃金の引き上げにより従業員は本当に利益を被るのかという疑問は依然として残っている。

国家賃金評議会Doan Mau Diep会長付きの労働傷病兵社会省副長によると、企業側は賃金予算の増加を相殺するために、既存の手当を削減しなければならないという。

地域別最低賃金の引き上げに対する企業側の反対理由については、社会・健康保険費用の引き上げの負担にもある。

「最低賃金の引き上げにより、社会・健康保険の支出も増えます。企業側と従業員側はこの負担増加をともに負担しなければならず、結果として従業員の賃金は増えるものの、収入は減る可能性も大いにあります。」とHung Yen縫製総公社(Hugaco)のNguyen Xuan Duong 会長は述べた。

Duong氏によると、Hugacoには現在1万5000名の従業員がおり、もし当局案が承認されれば、社会・健康保険の支出は年間180億ベトナム・ドン (79万1820米ドル)増加するという。14あるHugacoの子会社の内9社のみが黒字を出しており、そのため支出の急増はHugacoの経営を難しいものにするという。

別の企業の代表は、現在企業収益の60%を給与の支払いに充てていると述べた。もし地域別最低賃金と保険料が引き上げられれば、企業側は既存の手当を削減せざるを得なくなる。

賃金の引き上げは生活の質を向上させるのか?

Hankyong JSC社の従業員であるDang Quoc Huynhさんは、現在公式給料では350万ベトナム・ドン(153.97米ドル)受け取っており、そこに70万ベトナム・ドン(30.79米ドル)の月間手当と残業代200万ベトナム・ドン(87.98米ドル)がつく。

このため、6.5%のもしくは23万ベトナム・ドンの増加はごく少ないものだ。仮にHankyong社の取締役会が既存の手当を削減または減らすと決定すれば、収入の変化はないことになる。地域別最低賃金の引き上げ案については、毎年徐々に下がっていっている。過去3年間の引き上げ率を見ると、2015年は15.1%、2016年は12.4%、そして2017年は7.3%であった。

しかしながらベトナム労働総同盟の労働者・労働組合研究所によって2017年に行われた企業従業員の給与と生活水準に関する調査によると、残業を望む従業員率は非常に高いものであったという。とりわけその割合は、外国投資の企業、衣料品・革製品、電気・電子、製造・処理でそれぞれ46.9%、40.5%、48.5%、47%であった。

残業を望む従業員の理由は、家賃、食料、子供の学費、そしてヘルスケアなどの基礎支出に十分な金額を稼ぎたいがためである。

そのため研究所は、地域別最低賃金の引き上げは従業員が最低限の生活水準要件を満たすには不十分であると結論づけた。

中央経済管理研究所のNguyen Dinh Cung所長は、毎年地域別最低賃金の引き上げについて会議を開く代わりに、地元当局は企業側も従業員側も利益を被ることができるよう労働市場の抜本的な改革を行うべきだと述べた。

 

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最終更新:2017年08月29日09:17

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