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ミャンマー:アパレル製品輸出の大幅増には海外直接投資が不可欠

英国のシンクタンクが公表した最新の報告書は、ミャンマー経済の変革には、アパレル製品輸出など労働集約型産業に対する中国などからの海外直接投資(FDI)が積極的に推進されなければならないと指摘した。

またこの調査では、高スキル人材の不足に取り組むためにアパレル産業におけるトレーニングの拡充と、金融・貿易政策双方の改革に取り組むべきと指摘した。

Stephen Gelb氏が執筆した「ミャンマーに対する海外直接投資と経済改革」と題したこの報告書は、2017年6月にSupporting Economic Transformation(SET)から発表された。

英国国際開発省(DFID)が資金を拠出するSETは、開発途上国の政府およびそのパートナーに対し、実践的な政策支援を提供することを目的としたOverseas Development Institute(ODI)が主導するプログラムである。このODIとは、国際開発と人道問題を専門とし、ロンドンに拠点を置くシンクタンクである。

今回の報告書は、同じタイトルを付したODIレポートの要約版である。この報告書では中国などからのFDIを利用することによって、アパレルや建設を中心とした経済改革と貧困解消に向けた経済成長を積極的に推進する可能性を検討している。

投資企業管理局(DICA)のデータによると、金額的に中国がミャンマー最大の海外投資家であり、電力・石油・ガスがその最大の投資先となっている。同時に、中国と香港の投資家はアパレル部門に対してもかなりの投資を行っている。

この報告書では、ミャンマーのアパレル産業に対するFDIは非常に重要な役割を果たしており、大きな雇用を生み出していると論じた。

ミャンマー縫製業者協会(MGMA)のデータによると、2015年中ごろ、ミャンマーにおける登記済みアパレル企業の約55%が、完全、または部分的に海外資本であった。内訳として、その25%が中国、17%が香港、29%が韓国、12%が日本の資本であった。

このレポートによると、外資系企業がアパレル輸出のほとんどすべてを担っており、近年さらにその傾向は増しているという。またEUと米国の経済制裁解除が、輸出の伸びをさらに押し上げるのに貢献している。

アパレル業界では2015年中頃に約20万人の雇用が創出され、そのうち4分の1の労働者が中国と香港の企業に雇用されている。しかしこうした外資系アパレル企業は、ミャンマーにおける輸出増と雇用創出以外の利益、連携、波及効果をほとんど生み出していない、とこの報告書は指摘した。

報告書はまた、ミャンマーに高スキル人材が不足していることを理由に、こうした外資系企業には現地のマネージャーはほとんど配置されていないとした。

この報告書は、FDIがアパレル部門において不可欠である、と次のように論じた。

「ミャンマーは、(アパレル製品や建設、インフラストラクチャー)部門における中規模企業を大幅に育成させなければ、(アパレル輸出の)目標を達成することはできないであろう。」

「競争力のある地元企業はまだ出現していないため、FDIは両部門において不可欠であるが、経済規模や地理的に近いことを加味すると中国が最も有望な投資源となるであろう。」

報告書は、参入規制を緩和し、国際企業による公正で公式な市場参入を妨げる「面倒な手続き」を取り除くようミャンマー政府に提言した。

「ミャンマーは参入障壁を緩和し、アパレルや履物など労働集約的な部門への積極的な投資促進を行うべきである。」

「中国やその他の外資系アパレル企業の参入は、特に世界の小売企業やアパレル企業などによる買収を通じてさらに促進される可能性がある。」

さらに、ミャンマーのアパレル産業における起業、経営スキル、技術スキルの不足に対処するために、3つのソリューションが提言された。中短期的には「外国人や外資系で働く国内の熟練労働者の既存または新規地元産業への再配置」を意味する「労働循環」を挙げた。また起業支援政策は、ミャンマー人だけでなく外国人も利用可能にすべきであるとした。

長期的には、管理者や技術者の供給を増やすために、アパレル産業に特化した第三者教育機関を開発すべきであると指摘した。

報告書はまた、アパレル製品輸出に必要な貿易与信を利用可能にし、FOB生産者や裁断・縫製・包装(CMP)業者に関税を課さずに生地輸入ができるようにするなど、さまざまな金融・貿易制度の改革を求めた。

「ミャンマーに対する海外直接投資と経済改革」というこの報告書では、建設・インフラ部門に対するFDIも分析している。

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最終更新:2017年08月15日06:02

ミャンマー:アパレル工場が電気料金抑制のために太陽光発電システムを設置(後)

(前編より)

 

太陽光エネルギー活用の増加は、ミャンマーのエネルギー需要の高まりに対して送電線による電力供給の不足が深刻であるということを意味する。

このエネルギー供給不足と代替の選択肢がないことは、大企業、多国籍企業、中小企業、都市部と農村部の住民に影響を与えてきた。

先月ミャンマーにある日本商工会議所の中川勝司会頭はMyanmar Times紙に対し、電力供給の不安定さは、同国でビジネスを進める上で最大の障害であると語った。

十分で安定的なエネルギー供給がなければ、製造会社は最適な生産能力を保つことができない。

IFCの調査データによると、ミャンマーの人口の65%にあたる約700万世帯が送電線による電力供給サービスを受けられないという。農村部では3分の2以上の家庭がろうそく、灯油、低品質のバッテリー、ディーゼル発電機を利用してエネルギー需要を賄っている。

世界銀行グループやその他の支援団体の協力を得てミャンマー政府は、送電線の延伸と自家発電プログラムの組み合わせにより、2030年までに安定的な電力サービスに国民全員がアクセス可能となることを目指す国家電化計画を採択した。

太陽光エネルギーは外国人投資家によって主導されているが、また一部の投資家は太陽エネルギーへのアクセスを分散させることを目指している。

7月6日Greenlight Planet社は、バゴー地区にSun Kingブランドの小売店を開店した。この店では様々な太陽光ランプや家庭システムの購入に対し、EasyBuy(と呼ばれる分割払いサービス)と一括払いのオプションを提供している。

Sunlabob社は地元の協力会社と共に製品の導入やメンテナンスサービスを提供し、商業・産業向け太陽光発電技術の開発をリードする最初の国際ソーラーカンパニーになることを目指している、とScandling氏は述べた。

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最終更新:2017年07月26日12:02

ミャンマー:アパレル工場が電気料金抑制のために太陽光発電システムを設置(前)

ミャンマーのあるアパレル企業では、今後電力料金の上昇が予想されるのを受け、送電線を使った電力消費を削減するために太陽光発電システムを設置した。 7月3日月曜日ラオスに本社を置くSunlabob社は、オーストリア資本の縫製工場であるAnita Asia社に、ミャンマーで2基目となる、ピーク時92.6キロワットもの出力を持つ屋上型太陽光発電設備の設置完了と稼動の開始を発表した。なおミャンマー初の太陽光発電システムは、2016年末にヤンゴンのJunction Cityに設置された。 Sunlabob社の代表は、7月20日のMyanmar Times紙インタビューにおいて、ミャンマーの電気料金が今後高騰するに違いないため、Sunlabob社では太陽光発電事業に注力し、コスト削減を可能とする代替電力を提供していくことを目指すと述べた。 この太陽光発電システムは25年以上稼働できるように設計されており、Anita Asia社の電力需要の25%を自家発電によって賄い、会社に継続的なコスト削減をもたらすことが期待されている。 「現在ヤンゴンにあるAnita社のエネルギー需要の約25%は太陽光発電でカバーされており、費用を節減するだけでなく、環境負荷も軽減させ、事業の持続可能性という我々の誓約を実証するものとなっています。」とAnita Asia社のStephan Seidelマネージング・ディレクターは述べた。 2000年に設立されたSunlabob社はラオスを拠点に再生可能エネルギー開発事業を営み、発展途上国中心に分散型の再生可能エネルギーと浄水ソリューションの提供サービスを提供しており、アフリカ、アジア、太平洋諸島にも進出している。 同社のEvan Scandlingマネージング・ディレクターはMyanmar Times紙に対し、都市部においては商業や産業向けに送電線を使った屋上太陽光発電システムを、農村部では商業や村向けに自家発電の太陽光発電システムを稼動させることに注力していると述べた。この会社では、過酷な環境下でも稼動できるよう設計された発電システムを各所に設置するのを支援している。 2014年の操業開始以来、同社ではミャンマーで初となる2つの太陽光発電システムを建設しただけでなく、日本国際協力システム(JICS)の支援を得て、シャン州とチン州の11の村に(すべての電力負荷を発電機、太陽光・風力・水力など分散型電源から供給する)太陽光発電のマイクログリッドシステムを設置した。 Scandling氏は、アジア開発銀行(ADB)や世界銀行グループのような機関が、ミャンマー市場において太陽光発電という新しい技術に対する認識を広めるのに貢献してきたと述べた。 「3年前にはマイクログリッドシステムはほんの一握りにしか認知されていませんでした。しかしこの3年のうちにADB、GIZ、DRD、世界銀行などからの支援を受け、太陽光エネルギーが利用可能であることを様々なステークホルダーに知らしめたという意味で、大きな進展が見られました。」 「政府関係者もまた、太陽光エネルギーの意義を理解し始めています。」とEvan Scandling氏はMyanmar Times紙に述べた。 「実際に数々のプロジェクトが開始されています。人々は太陽光エネルギーが実行可能な選択肢であること認識し始めたのです。」 「太陽光エネルギーは当初、それが新技術であるために多くの疑念を持たれていました。ですが今では、人々はそれが実行可能な選択肢であるというデータや証拠を得ています。人々の認識と理解が変わったのです。」と彼は続けた。 その将来について楽観視されているものの、この国の太陽光発電はまだまだ意識改革の段階にある。ミャンマーの太陽光発電産業が世界の他の国々と同じ勢いで発展するためには多くの課題が残されている。 太陽光発電部門はその他ほとんどの事業同様、この国における複雑で不明瞭な規制に悩まされている。 Scandling氏は、政策や規制の明瞭性や透明性の確保は、産業界がミャンマーの市場を開発するにあたり明確な指針となり、太陽光発電事業を含むすべてのビジネスに対し、より良いビジネス環境を提供し、その収益獲得を支えることになるだろうと述べた。 そんな中、ミャンマーの首都ネピドーによる太陽光発電産業への支援は注目に値するという。 「政府からソーラーパネル、コンバーター、充電コントローラーへの輸入関税が免除されています。これら3つの設備はすべて、太陽光発電システムを構築する上で重要な部品となります。このことは、政府の太陽光発電事業の重要性に対する認識を示していると言えるでしょう。」とScandling氏は述べた。 彼はまた、政府が今後3〜5年の電力料金の見通しを示すスケジュールを公表すべきだと提案した。これにより業界は、送電線による電力と比較した太陽光発電の競争力を見積もることが可能となる。 また彼は、ミャンマーの主要電源による電気料金が上昇するだけで、ミャンマーの人々にとって太陽光発電システムがコスト節減につながるだろうと予測した。 (後編へ続く)

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最終更新:2017年07月26日06:02

ミャンマー:タイや日本など海外からの帰国労働者を対象とした雇用創出が課題に

労働・移民・人口省U Thein Swe大臣は、タイ国内で労働法の規制が厳格化され、ミャンマーからの出稼ぎ労働者が帰国しつつあることを受け、政府は帰国者向けの雇用創出を計画していると述べた。

7月5日の労働省での記者会見で、U Thein Swe大臣は「政府は民間セクターと協力し、タイからの帰国者向けの雇用創出を計画している」と述べた。帰国者を対象とした雇用創出が政府の短期的優先事項となるという。

「大統領の主導で民間セクター開発戦略が実施される。新たな投資法や規制を整備し、ミャンマー投資委員会が国内・海外の企業による投資促進を図る。また、関係省庁が中小企業の資金調達の簡易化のためのプログラムを実施する。現在、帰国労働者は求人中の縫製工場で働くことができる。求人中のポストを埋めるため、ミャンマー商工会議所連盟との共催で就職フェアが頻繁に開催されている」と大臣は述べた。

現在までに3万4069人の出稼ぎ労働者が帰国し、地元で就職を希望する者もいるものの、ミャンマー国内で必要な書類を取得し、すでに職業斡旋業者や工場との繋がりのあるタイに戻ることを希望する者もいると大臣は述べた。

タイ国内にはおよそ300万人のミャンマー人が合法的、あるいは違法に働いていると政府は推測している。

一方で、労働省は求職者を日本に送ることを検討しているとU Thein Swe大臣は述べた。

「日本に合法的に労働者を送るための覚書を交わすことを予定している。詳細は覚書の調印後に発表する」と大臣は述べた。交渉はすでに最終段階にあるという。

ミャンマー人求職者は日本で製造業、建設業、農業の3つのセクターで働くことができ、渡航前には職業訓練プログラムも提供されるという。

「職業訓練と日本語のクラスが提供され、日本で想定される困難なども説明する。労働者の選定は日本側が行う」と大臣は説明した。

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最終更新:2017年07月11日12:04

ミャンマー:ヤンゴンのバッグ縫製工場で正当な賃金を求めるストライキが発生

ヤンゴン・ラインタヤ群区のShwe Linn Ban工業団地にある中国系のバックパック工場Worldwide Valueでは6月19日、1000人以上の労働者がストライキに突入した。

労働者達は、労働法に基づいた給料の引き上げと自らの権利を要求している。

「不可能なことを求めているわけではありません。雇用者側は拒否しないでほしい。もし要求が認められれば、これ以上の騒ぎは起こさないと約束します。」とストライキのリーダーを務めるKo Thet Naing氏は6月19日、ミャンマー・タイムズ紙に対して語った。

労働者の要求事項は合計13ある。その中には、日曜の賃金を2倍にすること、土曜日の終業時間を午後4時半とすること、雇用者側は労働者に対し法律に基いた有給の支払いを行うこと、などが含まれている。

そのほかには、基本給の賃金引き上げの要望、労働時間に対する給与の支払い、工場の清掃を労働者達にさせるのではなく、清掃人を雇うこと、空調を良好にすること、給与明細の賃金データを明確にすること、なども要求されている。

「雇用者側は退出許可も出したがらないし、失神した者にすら休暇を与えようとしません。我々が作業場から運び出した際には、診療所に送るだけでした。診療所に送られた労働者の賃金は常に、1万5000ミャンマーチャット〜2万ミャンマーチャットほど差し引かれます。また、病欠で休暇をとった労働者の日当もカットされます。」労働者のMa Wai Waiさんはミャンマー・タイムズ紙に対し語った。

また労働者達によると、労働させられる時間は平日朝8時から夜7時半までであり、土曜日も毎週朝8時から夕方の6時半まで働くよう求められたという。日曜日に働きたがらない労働者達は脅されたと抗議リーダーのKo Thet Naing氏は述べた。

「雇用者側が日曜日の労働に残業代を支払うことはありません。我々のほとんどが日曜に働くことを望んでいません。それでも日曜日に働くことを余儀なくされているのは、みんな警告を恐れているからです。」とKo Thet Naingは述べた。

労働者達によると、6月16日と17日に二度融和会談が開かれたものの、工場役員によって要求が認められることがなかったため、彼らは工場外部での抗議活動をしなければならなかったという。

6月19日、労働争議問題に関してメディアがコメントを求めたものの、工場役員側が応じることはなかった。

抗議を行う労働者達によると、Worldwide Value Backpacks製造工場はラインタヤ群区に2年前に開設され、およそ1700名の労働者達がこれまでに雇用されているという。

労働法(1951年)によると、雇用者側は一週間につき少なくとも1日休暇を与え、賃金を全額支払わなければならないことになっている。

さらに、15歳以上の労働者で1年間に渡って雇用されている者は、10日間の有給年休が認められている。

また労働法に基づくと、労働者達は6日間の有給臨時休暇を取ることが認められており、労働者は1年間につき30日間の有給病気休暇を取る権利も有している。

 

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最終更新:2017年06月28日08:04

ミャンマー:350人の縫製労働者がストライキ

5月17日、工場関係者が違反行為を行なったとして、ラインタヤ郡区の第3工業ゾーンにあるJoin-Profit縫製工場の縫製労働者350人以上が、労働基本権を求めるストライキを開始した。

5月18日、工場労働者組合のKo Zaw Min書記は、「労働法で規定されているにもかかわらず、我々は休暇を取ることを許されていません。当然の権利であるにもかかわらずです。」とミャンマータイムズ紙に対して語った。

また同氏は、工場側が労働者に休暇を取ること決して許さず、もし休暇を取った場合は給与をカットすると明かした。さらに労働者たちは、工場関係者や労働者監督官が、労働省の役人の目前で締結された以前の労働契約書に関しても違反したと語った。工場側は労働者たちを厚遇すると約束したにもかかわらず、無礼な態度をとったのであった。

そのため5月17日、全工場労働者がストライキに集結し、労働法を遵守し、以前の契約に違反しない様工場側に対し要求した。

「残業を強制されました。みんな疲れているのに、最低賃金すら支払われませんでした。工場関係者は我々の給与を引き上げることを拒んでいます。」と昨日、工場労働者のMa Tin Myo Waiさんがミャンマータイムズ紙に対して語った。

彼女は同工場で4ヶ月間働いているが、就労開始時の日給は1800ミャンマーチャットで、現在は1日あたり約2700ミャンマーチャットを受け取っている。

「給料の受取額は150万チャットで、残業を含めて月に80時間以上働かなければなりませんでした。私の基本給(日給2700チャット)では、支出を補うことはできません。」とMa Tin Myo Waiさんは語った。(給与と計算がどの様にごまかされたのに関しては明確には説明されなかった。)

また彼女は、たった8平方フィートの部屋に、彼女と友人の一人が5万ミャンマーチャット支払わなければならなかったと述べた。

ストライキを行う労働者たちはまた、雇用契約(EC)を取り交わし、労働法に従った社会保障福祉書類を発行するよう工場側に要求した。

さらに彼らは、給与明細の情報の明確化と、十分な理由なしに労働者の給与をカットしないよう、工場のTsp部門と一般労働法を通じて要求した。

5月18日、工場関係者達は工場の正門前で2度、仕事に戻るよう労働者に対し求めた。

ミャンマータイムズ紙とDVBのレポーターは昨日、工場役員とのインタビューに招かれたが、2時間の待ち時間の後にメディアとの面談を拒否された。

ミャンマーの2013年最低賃金法によると、雇用者は3600ミャンマーチャットの最低賃金を各労働者に対し支払わなければならないとされている。(訓練・仮採用期間を含む)

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最終更新:2017年05月22日06:02

ミャンマー:女性縫製労働者らの生活の内幕

ヤンゴン北部のMingalardon工業団地にある縫製工場で働くMa Wutt Yeさんが医師の指示に従って傷病休暇を申請した際、上司はまったく同情を示さずに彼女はすぐに業務から外された。

工場で働いている間、Ma Wutt Yeさんはうつ病と心臓病を患っているとの診断を受けた。しかし彼女の主治医がミャンマーの社会保障協会非公認の公立診療所に勤務しているとして、この工場は彼女の休暇申請を拒絶した。

さらにこの工場では、Ma Wutt Yeさんの社会保障カードの権利行使についても繰り返し拒絶した。

Ma Wutt Yeさんの問題はかなり深刻であるが、こうしたことは決して珍しいことではない。ミャンマー中の工場労働者(特に女性)は、常に虐待と搾取に晒されている。

「改革の背後で置き忘れられた声」と題するドキュメンタリー映画では、これまで語られることのなかったこうした女性らの話を国民に届けることを目的としている。

4月25日にビルマ女性連盟によってリリースされたこのドキュメンタリー映画は、女性縫製労働者66人に対するインタビューと、ヤンゴン郊外のMingalardon、Shwe Pyi Thar、Hlaing Thar Yar工業団地にある13の多国籍企業における4ヶ月にわたる調査結果をまとめたものである。

この30分のフィルムでは、労働権を主張するために工場の方針と戦い、生産ラインでの悲惨な状況を明らかにしようとする3人の労働者に密着している。

ビルマ女性労働組合のメンバーであり、このドキュメンタリー映画の調査員を務めるMa Ei Mon Pyo氏は、縫製工場における労働力の90%は女性が占めているため彼女らに焦点を当てたと述べた。

さらに女性らは、職場における健康や安全に対する問題だけでなく、性差による差別にも直面しているという。

「我々は最低賃金の問題が片付いた後、こうした問題に直面する女性の声を国民の目に届けたいと考えていました。」と彼女は言った。

ミャンマー政府は2015年に弁護士や人権団体と協議し、1日当たりの最低賃金を3600ミャンマーチャットに法的に改定したものの、工場労働者らはこの金額でも依然として生活賃金をはるかに下回っていると主張している。

「我々は工場に行って女性労働者らと面会し、彼女らが一体何を求めており、工場においてどのように扱われているのか、いくつかのグループに分けて議論しました。」とMa Ei Mon Phyo氏は続けた。

工場の中ではたとえ虐待されても、労働者らはマネージャーや監督者に対して意見を申し立てることはできない。また労働者らは、解雇をちらつかされて労働組合を結成することを妨害されている。

多くの工場において労働者が仕事を開始するに当たり、たとえどんなに不当であっても工場のルールと規則に従うことを記した契約に署名することが求められる。

例えば生産ラインで火災が発生した場合、機械のスイッチが物理的に労働者に近いところにあるという理由で、その責任はマネージャーではなく労働者に課されるという。

労働者らはまた、1回のシフト勤務につき2回のトイレ休憩しか取ることができない。また生理痛などのいかなる理由であっても、決められた時間よりトイレに長くいた場合は非難され、給料を削減するなどと脅される。

このような状況においても、仕事を続けたいと望む多くの労働者や、安い労働力を利用し続けたいと望む企業や外国人投資家にとって、声をあげないことが最良の選択肢となっている。

情報・文書部門(the Information and Documentation Department)でコーディネーターを務めるNaw Hel Lay Paw氏によると、ミャンマーのアパレル産業に対する外国投資は、2007年の22億ミャンマーチャットから2012年には120億ミャンマーチャットにまで増加した。

10年間で100億ミャンマーチャットもの成長を遂げたことで、アパレル産業はミャンマーで最も収益機会の多く、魅力的な投資先の一つとして海外投資家らに認知された。

だがこうした経済的な繁栄の一方で、工場労働者はその恩恵をまだ受けていない。

「工場労働者の生活は、抑圧と搾取によってさらに困難なものになっています。労働者の生活水準を改善するどころか、マネージャーらはさらに多くのルールを作ろうとしています。」とNaw Hel Lay Paw氏は説明した。

「労働者らは週6日、1日11時間も稼動し、常に工場で働いています。彼女らは一般的な権利意識に欠けており、工場では懲罰的な虐待が横行しています。」と彼女は続けた。

Ma Wutt Yeさんのように多くの工場労働者は社会保障カードを持っておらず、工場監督者に要求しても無数の言い訳によって拒絶される。ミャンマーの多くの職種において社会保障カードを労働者に支給するかどうかは経営者に一任されており、状況によっては財務上の調整弁として利用されている。

社会保障カードがなければ、労働者らは健康保険や退職給付を受けることを拒否されることとなる。

積極的な改善活動に発展することを期待し、今月後半にはこのドキュメンタリー記録を議会、国中の人権団体、社会組織に配布する予定としている、とNaw Hel Lay Paw氏は明らかにした。

「我々は全国の労働者の権利意識のために戦い、女性労働者らの声について啓蒙していきます。」と彼女は述べた。

 

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最終更新:2017年05月02日14:28

ミャンマー:Guardian紙の労働件侵害報道にMGMAが反論を表明

世界の報道機関が伝えた児童労働や労働搾取問題の疑いに対し、ミャンマー衣料製造協会(MGMA)が反論を表明した。3月6日にヤンゴンで開かれた記者会見にて、MGMAはこうした報道を「容認できない」ものであり「正確ではない」と非難した。

「彼らの報道やその根拠となる報告書は疑い深いものです。」とMGMAのU Myint Soe会長は述べた。

またMGMAのDaw Khine Khine Nwe事務局長は、国際ブランドの工場での児童労働や最低賃金・労働時間に関する問題、労働組合トップの解雇といった否定的な報道は、現実とは異なるものだと語っている。

U Myint Soe氏によると、MGMAが繊維産業での児童労働を支持することは決してなく、MGMAとの取引を阻止し、工場オーナーや規則に違反するブラックリスト業者と協議するNGOとしての義務がMGMAにはあるという。

「繊維産業界で何らかの権利の侵害があれば、労働者はミャンマー労働・入国管理・人口省 労働局に通報すればいい。しかしながら、直面する侵害を労働者たちが省庁に通報することは難しく、様々な方法で抗議しようとする…それが国際報道機関に悪いイメージを持たせる原因なのです。」とU Myint Soe氏は述べた。

Daw Khine Khine New氏によると、ミャンマーの繊維産業はイメージの改善を試みているにもかかわらず、国際メディアが悪いイメージを植え付けているという。

最低賃金の見直しは国のすべての産業を対象とする包括的なものでなくてはならないとMGMAの役員は強調した。

「現時点では、繊維産業だけが最低賃金を守らなければならない状況になっていると思います。」とMGMA役員は記者会見で語った。

これに加えU Myint Soe氏は、最低年齢がミャンマーで重要な役割を果たしていると説明した。ミャンマーでは、14〜16歳の労働者は1日あたり最大4時間までしか働くことができず、繊維工場ではほとんどの労働力を16歳以上の労働者でまかなっている。ヨーロッパや西洋諸国ではこうした習慣が認められていないため、MGMAは国際ブランドの縫製工場では18歳以下の労働者が働かないよう保証するという。

MGMA役員のこうした発言は、フリーランス・フォトジャーナリストのGethin Chamberlain氏に向けられているとみられる。2月5日にGuardian紙に掲載されたChamberlain氏の記事『How high street clothes were made by children in Myanmar for 13p an hour』では、オランダ拠点の多国籍企業研究センターとObserver紙のレポートをもとに、ミャンマー国内で最少年齢14歳の子供たちがいくつかの人気ブランドの衣料を製造するために雇われていることが指摘されている。

Chamberlain氏は、『我々はブランド側が児童労働に関するメッセージを受けとっていると考えていたのですが、本調査により労働コスト削減に対する取り組みにはリスクがあることがわかりました…ミャンマーでの西洋ブランドの衣料品生産のための児童使用の蔓延は憂慮すべきものであり、我々は、児童が必要な教育を受けられるよう全ての企業が責任を持つように求めます。』という研究者Pauline Overeem氏の発言を引用している。

また記事では、『調査員は、Sports Direct、Henri Lloyd、New Look、H&M、無印良品、Pierre Cardin、Karrimor(Sports Directが所有)に供給する工場では最低賃金額に満たない賃金が支払われていることを発見している。H&M、無印良品、Pierre Cardin、Karrimorに供給する工場での最少賃金は1時間あたりわずか13ペンス(約18円)であった。こうした労働者たちの日当は1.06英ポンド(約150円)である。ミャンマーの労働法では、新しい労働者に対し安い賃金を支払うことが認められている。』と、労働者全員に最低賃金を支払っていない疑いのあるメーカーの実名も公表している。

MGMAは上記の記事の抜粋を「違法行為の見え透いた批判」と報道声明にて非難している。

「しかしながら、調査の質(の低さ)により、その労働者が見習い賃金なのか、仮採用賃金なのか、通常賃金なのかを測ることはできません。」と報道声明は述べ、「労働者の中には見習いや仮採用の期間中に法定内の低い賃金の支払いを受ける者もいるが、中には最低賃金に満たないものもいる」とChamberlain氏が自らの発言を言い換えていることを指摘した。

またMGMAは、労働者の中に時間給が13ペンスの者がいることを否定した。

「臨時ボーナスや残業代を除き、縫製師は通常一時間あたり50〜80ペンス受け取っています。」とし、イギリスでは時給50ペンス(約70円)が少ない賃金に見えるかもしれないが、ミャンマーは「後発開発途上国」であり、「環境上問題ではない」と説明した。

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最終更新:2017年03月15日06:00

タイ:ミャンマー人縫製労働者から暴利をむさぼるブローカー達

移民労働者権利ネットワーク(MWRN)によると、タイ国内で「ピンクカード」を保持するミャンマー人達は、母国の身分証明書の入手のため、ブローカー達に7000タイバーツを支払うことを余儀なくされているという。

「法を遵守している様な規模の大きい工場では移民労働者の費用で暴利をむさぼる様なことはありませんが、規模の小さな工場ではそれが起こっています。市民カード(CI)申請を理由に、ブローカーや工場役員達が労働者達から6000〜7000タイバーツを回収しているのです。」とMWRNのU Aung Kyaw副会長がThe Myanmar Times紙に対し語った。

またタイ拠点の移民運動グループによると、CIの申請過程が複雑であるため、ピンクカードや一時書類を保持するミャンマー人のCI取得希望者達は、ブローカーを利用しなければならないという。

CI申請のサービス費用を名目に、ピンクカード保持のミャンマー人移民労働者の多くは6000〜7000タイバーツをブローカーに支払うよう言われている。

「ミャンマーの移民労働者達は、CIを取得すればタイ国内の移動や帰国を自由に行えると知っているため、CIの取得を強く希望しています。そこでブローカー達が工場役員達と結託して暴利を貪っているわけです。」とU Aung Kyaw氏は述べた。

ミャンマー政府が2月に発表したところによると、市民カードの発行はタイ国内でピンクカードを保持するミャンマー人移民者を対象に行われており、現在(3月3日)タイに6つある発行センターで300タイバーツの申請料金で取得が可能であるという。

またミャンマー政府は、余分な料金の支払いを避けるため、ブローカーを利用しないよう移民者達に呼びかけている。

しかしながら、移民者達にとってCIの申請プロセスは複雑であり、ブローカーに頼らざるをえない状況にあるとU Aung Kyaw氏は述べた。

「ミャンマー人移民者達は、家に帰りたいがためCIの申請に熱心です。しかしながら、雇用者の書類が必要な上、ブローカーの手助けも必要で、労働者達がCIを取得することは容易ではないのです。」とタイの繊維工場で働く移民労働者はThe Myanmar Timesに語った。

また移民労働者運動活動家によると、CIを取得したタイ国内のミャンマー人労働者達はパスポートも申請しなければならないため、二倍の料金を支払わなければならないという。

彼らはまた、ミャンマー政府は CIよりも利便性の高い仮パスポートをピンクカード保持者に対して発行すべきだとも述べた。

タイには400万人のミャンマー人労働者がおり、内170万人がミャンマー政府の発行する仮パスポートを、80万人がタイ政府の発行するピンクカードを所持していると推定されている。

ピンクカードは、タイに不法に入国した移民労働者達を対象に発行されており、制限区域内で一時的に居住し労働することが認められている。なお彼らは、各管理機関の許可なしに制限区域外に出ることは禁止されている。

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最終更新:2017年03月07日06:02

ミャンマー:労働者らの襲撃により中国系繊維工場が閉鎖

ストライキ中の労働者達の襲撃を受けたヤンゴンにある中国系繊維工場Hangzhou Hundred Tex繊維工場では、襲撃で破損した設備や内装の修復のため、工場役員によると一時的に操業を中止しているという。

Hlaing Tharyar地区のShwe Lin Ban工業団地にある同工場では、労働者との合意事項は締結しており、修復が完了すれば操業を再開する予定であると同工場役員は発表している。

発表によると労働者に対しては工場の閉鎖期間に対し最低賃金額が支払われる予定だというが、操業開始の時期に関しては明らかにされなかった。

Daw Hla Hla Htwe工場長がMyanmar Times紙に語ったところによると、修復作業はすでに始まっているという。

また、襲撃に参加した労働者に関しては警察調書を提出したと同工場長は述べた。

「労働者たちが工場の発表を了承したのは、仕事をしていなかった期間中に対し最低賃金額の支払いが行われるからです。」と本件に関し労働者をサポートしているミャンマー労働組合総連盟地区会長のMa Win Theingi Soe氏は語った。

2月25日、ヤンゴン地域仲裁評議会が労働組合長の復権を工場に命じたことにより、約500名の労働者たちは一週間に及ぶストライキから手を引いた。

労働者達が1月30日にストライキを開始したのは、承認なしに休暇を取ったことを受けて工場役員が組合長を解雇したためであった。

Ko Thet Paing Oo組合長は、麻疹に感染したため病院の推奨を受けて約二週間の休暇を取ったのだと2月27日Myanmar Times紙に対して明かした。

それにもかかわらず組合長は無許可休暇を理由に工場から解雇されたという。

「我々が法に基づいて労働者の権利を主張し、工場側が7000万ミャンマー・チャットの補償をしなければならなかった事が原因で、工場役員達は私の事を快く思っていませんでした。彼らが私を解雇したのは、私がストライキを支持していた事を不満に思っていたからで、それを認めたようなものです。」とKo Thet Paing Oo組合長は述べた。

2月23日、同僚の解雇に激怒した労働者達が工場を襲撃し、家具や設備を破損した。

在ヤンゴン中国大使館は同日の内に声明を出し、中国系企業や資産を保護し、襲撃の加害者に対してしかるべき処置をとるようミャンマー政府に対し要請した。

それを受け、ヤンゴン市政は労働者に対し翌日までに工場から立ち退く様指示を出している。

地区の労働当局はインタビューには応じていない。

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最終更新:2017年03月01日11:32

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