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ベトナム:アパレル産業、中国との協力関係の必要性を気付かせる存在

ベトナムのドンナイ省での工場製の履物を含む繊維産業の台頭は、中国-ベトナム間の協力関係を強めてきた。

 

ベトナムは今週、約1000年にも渡り中国の支配から独立し乗り越えて来たいう事実を祝った。両国は過去には多くの場面で対立してきたが、現在の特に国際的な舞台では、両者が好調な産業ではあまり注目されていない。

中国が繊維・アパレル産業で世界最大の輸出国であり、そしてベトナムがそれに続くという事実は、同産業がこの友好的な協力関係の象徴である良い例である。アナリストらは、ハノイが北京と同じような道をたどっている、と説明する。両国とも共産主義の指導者たちがここ数十年で輸出主導の市場資本主義に向かった。そしてベトナムは世界へ向けて更なる履物、衣類、バッグの輸出販売を行い、中国に続いていく。

「中国とベトナムは世界の繊維市場で極めて重要な地位を占めています。両国の産業は非常に補完的です」と中国国家衣服協会会長、Chen Dapeng氏は今月ホーチミン市で開催された貿易会議で述べた。

同産業で両国は顧客を奪い合うが、中国の工場がビジネスに必要な生地等の多くを供給している一方で、中国の労働コストが上昇するにつれてベトナムの工場が労働力の供給を更に増加している面において双方が補完的な関係である。

「私たちはアジア諸国の多くが協力し合えると信じています。私たちは中国の投資を受けるだけではなく、ベトナムのサプライヤーも改革しているのです」とベトナム国営繊維企業グループ(VINATEX)のLe Tien Truong社長は述べた。

ベトナムは中国のように巨大で複雑な繊維サプライヤーおよび加工業者のネットワークを持っていないため、Truong氏らは国内改革について語った。

それが、小国が大国を輸入品の最大の供給源として全般的に依存している理由の1つである。地政学的な問題に関係なく、現実は国境の両側にある繊維企業が利益を上げるために協力関係にあるということである。

一方では、アメリカと中国の間の貿易戦争の中で、後者の競争相手はベトナムへのビジネスの一部を失っている。 その一方で、中国からベトナムに工場を移管しているのは第三者の海外企業だけではなく、中国の投資家自身でもあり、彼らはサプライチェーンの一部を南(ベトナム)に移管することが有益であると考えている。

今月、 ホーチミン市郊外の工業団地で中国の繊維会社の大規模な派遣団がベトナムのパートナーを探していた。ベトナムへの世界的な関心の転換は、現在でも履物およびアパレル製品の輸出リーダーである中国に到達する後押しをした。

「我々はベトナムのこれまでの大きな努力を祝福します」と中国紡織工業連合会(CNTAC)の孫瑞哲会長は述べた。

同氏は、中国はその取り組みを、インフラだけでなく、繊維製品を含む民間産業に対しても、数十カ国に融資および助成金を供与する「一帯一路:シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード」の一環としてベトナムの努力への支援に努めると述べた。 北京はすでに、石炭火力発電から造船所、肥料工場まで、ベトナムで数十のプロジェクトに資金を供給してきた。

「中国は、世界中で関係改善のために最善を尽くしました」と孫会長は述べた。

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最終更新:2019年04月27日18:13

カンボジア:新最低賃金交渉、来月開始予定

カンボジア政府は9月からアパレル産業労働者の最低賃金交渉の新しいラウンドを開催すると発表した。政府は、2014年初頭にアパレル産業労働者のストライキの激化が治安部隊による少なくとも5人の死亡を招いたため、工場オーナー、業界有識者、組合の間で年間最低賃金交渉を開催している。

政府の発表によると「カンボジアでの最低賃金に関して、関連するすべての関係者は社会的評価(家庭状況、インフレ、および日々の経費)および経済的評価(生産性、国の競争力、雇用状況および産業の所得水準)を使用し、また貧困ラインを基盤にしなければならない」ということになっている。

カンボジア労働組合連盟のYang Sophoan会長は、「2013年と2014年のストライキ以来、複数回の賃金上昇があったにもかかわらず、アパレル産業の力に比べて労働組合の存在は依然として弱いままです」と述べた。

「交渉に労働者の声と数字を提出し労働者を守ろうと努力してきた組合は少ないです」と彼女は述べ、労働者の権利を擁護している組合は日常的に政府によって疎外されていた、と言う。

「私たちの声がまとまっていなければ無視されます。では、雇用主の議論に基づいて決定した場合、どうしたら選挙に勝つことができるでしょうか。政府は通常、労働者を支援する声に賛成しません」と彼女は語った。

カンボジア労働組合総裁のAth Thorn氏は、新しい労働組合法と裁判所による独立組合指導者の標的設定が労働者代表に圧力をかけていたと指摘した上で合意した。

「裁判所は私の案件を含め、多くの訴訟を抱えています。私は裁判所に78件の刑事訴訟を起こしており、それが私たちの負担です」と彼は述べた。

主要野党が不在の中、先月の大統領選挙でカンボジア人民党が圧倒的に勝利したことも、交渉中に組合へ圧力を掛けていた可能性がある、と彼は語った。

昨年、Hun Sen首相は選挙に先立ち、70万人以上のアパレル産業労働者の支持を得るため、最低賃金を月170米ドルに引き上げ、交通費や医療ケアなどの追加給付を行った。

彼はまた、医療処置が容易に受けられるように、アパレル工場近隣に保健所の設立を命じた。

Sophoan氏とThorn氏は、近年の急激なインフレに対処するには、労働者の収入を大幅に増加する必要があると述べている。

それに対し、労働省広報担当者のHeng Sour氏はノーコメントであった。

カンボジアの主要アパレル産業団体であるカンボジア縫製業者協会(GMAC)のKen Loo事務総長は、工場オーナーが容認できる数字へのコメントを拒否した。

「我々は日々の競争に直面しています。労働組合には、要求する前に[雇用主の]能力を考慮して欲しいのです。競争のための猶予をあたえてもらわないと。賃金上昇が高すぎると、私たちは注文をもらえません」と述べた。



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最終更新:2018年08月22日06:01

カンボジア:故郷での雇用機会を夢見る移民労働者(後)

(前編より)

 

国際労働機関(ILO)によると、タイにおける移住労働者の平均月収は163米ドル、マレーシアでは137米ドルである。これは多くの労働者にとって短期的な利益にはなるが、移民の多くは管理されていないためかなりの危険が伴うと専門家は指摘する。

ほとんどの移民労働者は祖国へ戻った後、失業者となってしまう。彼らに対する雇用機会や就職斡旋制度が不足しているためだ。

労働者の権利擁護団体CentralMoeun Tola会長は、200万人以上のカンボジア人が移民労働者であり、そのほとんどが信頼できない仕事に就いていると述べた。「これらの移民労働者は、出国期限前に本国へ送還されることになっています。彼らはそこで永遠に働き続けることはできません。なので、一度外国企業が労働者を雇うのを止めれば、私たちは深刻な問題に直面するのです。多くの失業者が出るでしょう。政府がこの問題に対応すべきなのです。そうでなければ、これら失業者達はすぐに、食べ物を手に入れるために盗みや強盗を始めるでしょう。それは、社会全体への負担になります」とMoeun Tola会長は述べた。

ILOと国際移民機関(IOM)によると、カンボジア移民労働者の10人に8人が人権侵害を体験している。また、彼らの約70%は、現地到着後から身体的・精神的健康問題を抱えている。

経済学者のNgeth Chou氏は、移民労働者のほとんどが海外での就労中に技能を高めず、それはつまり、本国へ帰国後も国を去ったときと同程度にしか雇用されないことを意味すると述べた。また、経済移民の結果として、より多くの高齢カンボジア人が両親が海外で就労している間の彼らの子供たちの世話を任され、より多くの若者たちが早くに学業から去ることを余儀なくされているとChou氏は付け加えた。

「私は、未熟練の経済移民が長期的な利益になるとは思えません。むしろ短期的な解決策です。私は自身が競争市場にいるので、この問題に重大な懸念を抱いています。さらに悪いことに、私たちは物を作ることがまったく得意ではなく、私達の人的資源は外国の経済を支えています。これでは、私たちが競争から利益を得る可能性はほとんどありません」とChou氏は述べた。

ILOによると、自身の技術に合った仕事を海外で見つけることができるのは、カンボジア人20人に対し1人だけで、移民労働者は現地人に人気のない低賃金産業の需要に合わせて雇われているという。

しかし、労働省報道官のHeng Sour氏は、全般的に経済移民はカンボジアにとって長期的利益になると話す。「移民労働者はより高い収入を得て、新たな労働経験を得ます」と述べ、移民労働者の帰国後の状況改善に政府が取り組んでいると付け加えた。

「まず私たちは、違法に海外滞在していた移民労働者たちを保護する制度を作らなければなりません。次に、彼らが送還された場合、彼らがどの仕事を続けることができるか考えられるように情報提供をする必要があります。また、彼らの海外就労技術と経験を証明する必要もあります」とSour氏は述べた。

過去数年間に渡る大規模な政府の取り組みと、2014年以降にタイが不法滞在の移民労働者数万人を強制的に送還してくるで、何十万人と言うカンボジア人が移民労働者として登録している。

近年では、当局により1000人近いカンボジア人が虐待的環境から救助されている。

CentralTola会長は、政府の対策は不十分だと話す。

「政府は、経済移民防止策を打ち出すべきです。賃金を定め、農業を促進するために人々への特権として土地を与えることで労働市場を強化するべきなのです。

私達がこのような行動を実行すれば、移民を防ぎ、国内で労働者に仕事を提供できるようになるでしょう。もし、彼らがカンボジアで仕事を見つけられない場合、彼らは国外へ行き他の仕事を探さねばなりません」とTola会長は述べた。

このような考えはカンボジアの移民労働者に好評だ。

「政府が国民にもっと仕事を提供することを望んでいます。そうすれば、国を離れて国外で働く必要は無いのです。外国では、年齢は関係ありません。仕事の無いカンボジアとは異なり、いつでも仕事を見つけることが出来ます。私は故郷で仕事が欲しいのです。海外で働きたくありません」とYenは述べた。



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最終更新:2018年08月21日15:03

カンボジア:故郷での雇用機会を夢見る移民労働者(前)

Phorn Yen氏にとってカンボジアを去ることは、本当に仕方のないことだった。

多くの同国人のように、Yen氏と彼の妻は故郷ポイペトに子供を残し、仕事を探すために隣接するタイへと渡った。カンボジアにおける物価が急速に賃金を上回ったからだ。

Yen氏は家族に1万米国ドルほどのささやかな家を購入するため、十分なお金を貯めたかった。彼らがポイペトを去った2013年の平均年間世帯所得が850米国ドルだったことを考えると、1万米国ドルは巨額である。

この夫婦は仕送りをするために毎月約600米国ドルを貯めることが出来たが、外国で働くことの難しさが彼らに負担となっていた。Yen氏と妻は今年初めにポイペトへ戻ったが、それ以降、仕事を見つけることができていない。

「どう働けば良いのかまったくわかりません。お手上げです。気候が農作物生産に向いていないため、農業は選択肢にはなりません。漁業も考えたのですが、採算が合いません」とYen氏は述べる。

2005年以降、就職口も農業の仕事さえもない貧しい村や地域からの何百万というカンボジア人たちが同じ道をたどり、自立や新しい機会を求めてはるか遠くの地まで行くカンボジアの若者も増えている。

同国政府がタイや他国への経済移民の一部を支援している一方で、仕事を求めて海外へ行く多くのカンボジア人は不法就労をしている。合法経済移民でさえ、不法ブローカーや外国企業による搾取といった問題を抱えている。

2014年に工場労働者による激しいデモと治安部隊の衝突で少なくとも5人が死亡し、その後、カンボジア労働組合は政府から譲歩を引き出し、アパレル縫製工場労働者たちの最低賃金は月170米国ドルまで引き上げられた。しかし、賃上げは生活費上昇に追いつけていない、と専門家は言う。

2014年にタイへ移ったカンボジア人アパレル縫製工場労働者のSok Heng(32)によると、環境や賃金は彼女が以前働いていたコンポンチャム州で提供されていたものよりもかなり良いという。

「カンボジアでは賃金が上がれば賃料も上がりました。タイは違います。賃金が上がっても、出費は増えません」

しかし、状況が改善されたのにもかかわらず、Heng氏はいまだ故郷にいる家族を養うほど十分に稼げていないと言う。

故郷を離れたくなかったし、賃金や環境が改善されるなら故郷へ戻りたい、とHeng氏は話す。「もう疲れました。ホームシックなんです。ここはカンボジアとは違います。私達は家族と遠く離れているのです。たとえ空腹でも、家族と一緒に住む方が良いですし、幸せに生きられます。しかし、故郷に戻っても、仕事があるかどうかわかりません」とHeng氏は述べた。

かつて韓国で出稼ぎ労働をし、現在はカンボジアでタクシー運転手をしているYon Chomnab氏(30歳)は、自身のために明確な貯蓄目標を設定することが故郷から離れて過ごすことに役立つし、帰国後に自身で小さな会社を始める計画に集中して取り組むことができる、と述べた。

「出稼ぎを終えた後、次に何をするか?いくら貯蓄できるか?自身で適正に資金管理をしなくてはいけません。そうしないと、仕事をしようと他国へ到着しても、仕事をしに来たことを忘れ、ただ浪費してしまいます。何も持たずに故郷へ戻ってくるのは危険です」と彼は述べた。



(後編につづく)



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最終更新:2018年08月21日13:39

カンボジア:米国、欧州がカンボジアのアパレル産業における労働者保護を要求

米国と欧州の特命全権大使はプノンペンを訪問し、この国で主力となるアパレル部門における最低賃金交渉の妥結に続き、労働者の権利保護を求めた。

カンボジアの労働諮問委員会(LAC)では、労働組合、政府、雇用主の三者間協議にて、来年の最低賃金を月額165米ドルにすることに合意した。この月額165米ドルという金額は、Hun Sen首相が月5米ドル増額させた上での数字である。(訳注:実際には月額170米ドルに決定された)

米国のWilliam Heidt大使と欧州のGeorge Edgar大使は、カンボジアの労働大臣であるIth Sam Heng氏との会談の後、Facebook上でその概要を公表した。

「2人の大使は、主要ブランドや各政府にとって重要な課題である労働者の権利問題について協議した。その中で彼らは、労働組合の選定、公正かつ透明なプロセスに基づいた組合の登記、労働争議に対する裁定の透明化、またその期限の設定など、労働者の権利について扱う国際労働機関(ILO)の勧告を明確に推進することの重要性を強調した。」と公表文の中で明らかにした。

Heidt米国大使は、カンボジアが何年にもわたって国際パートナーとの協力関係を推進してきたことにより、カンボジア調達に対する米国や欧州主要ブランドの信頼度が非常に高まっていると指摘した。Heidt大使はまた、カンボジアが労働者の権利問題に関して継続的に進展させることは、米国市場へのアクセスだけでなく、米国のバイヤーからの信頼を維持するのに役立つだろうと続けた。

カンボジアのアパレル業界は昨年、約70万人の主に女性からなる労働者を雇用し、その輸出額は60億米ドル以上にも上ったという。

労働省の報道官は政府系のニュースウェブサイトであるFreshnewsに対し、最近プノンペンと西側諸国との間に政治的緊張があったものの、欧州と米国はカンボジアのアパレル製品を購買し続けるだろうと述べた。

カンボジア労働組合連合のYang Sophoan代表はVOAクメールに対し、カンボジアにおいて数千もの組合が政府に登録されており労働組合が普及しているという意見について、そのほとんどが労働者を静めようとする雇用主によって設立されており、誤解であると述べた。

また、カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長は政治家に対し、カンボジアの産業を守るために紛争を終わらせ、西洋諸国との間で完全な関係修復をすることを求めた。

貿易データによると、カンボジアの衣料品輸出において米国と欧州が約3分の2を占めている。

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最終更新:2017年10月13日06:01

カンボジア:労働組合指導者ら、修正されずに労働組合法が成立するのを懸念

現在制定中の労働組合に関する法律について、労働組合代表者らは労働者の権利保護が困難になるとして、多くの修正を求めている。

国民議会の委員会で現在検討されている新法案について、議員らは幾つかの条項について修正に合意したものの、労働組合指導者らは議員らによる修正案は不十分であると話す。

新法案では工場内で労働組合を結成できず、暴力的なデモが発生した場合、労働組合組織者は刑法による処罰を受けることを定めている。カンボジア国内ではおよそ1000の労働団体が活動しており、それら団体の多くが約70万人の縫製・繊維製造セクターの労働者らを代表している。

カンボジア労働連盟のAth Thon会長はVOAクメールに対し、議員らは労働組合指導者らが最も懸念する条項について十分に話し合っていないと話す。「今後の推移を見守っています。この法案をより良いものとするため、意見を出して参加していくつもりです」と彼は話す。

カンボジア労働組合連合のYang Sophoan会長は、労働者の権利保護を困難にする条項を削除するよう議員らに訴える。幾つかの条項は完全に削除される必要があり、そうしなければこの法律は「労働者や労働組合の利益を保護するものではなくなる」と話す。

削除を求める条項には、労働組合から労働省への財政報告の要求、工場で労働組合を結成するために必要な最低従業員数の規定などが含まれるとSophoan会長は話す。

与党カンボジア人民党と野党カンボジア救国党の議員らは、法案のいくつかの部分に反対しており、その中には労働者のストライキやデモの決定権に関連する条項が含まれる。救国党の議員には、レストラン従業員や家庭の使用人など他の労働者も包括するような法律にすべきだとの意見もある。

救国党のSon Chhay議員は、労働組合はストライキ決定のために全ての組合員による話し合いを持たなければならないという条項に反対であると話す。「数千人、数十万人の組合員がいる労働組合もあります。どうやって決定することができるでしょうか」と彼は話す。慎重な扱いの必要な条項については1月13日に協議される予定であると彼は述べた。

人民党の報道官でもあるSok Sysan議員は、国民議会の作業部会での話し合いを経て、法案についての協議と「後半な意見聴取」が行われると説明した。

1月6日時点で、労働省からのコメントを得ることはできなかった。

 

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最終更新:2016年01月11日12:00

カンボジア:多数の製造工場が労働者を一時雇用停止にしていることが明らかに

~カンボジアの製造業は、約60万人に雇用を提供する主要な経済推進力

カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、労働組合リーダーがより高い最低賃金を要求することを表明している一方で、少なくとも15工場で、受注不足により労働者を一時雇用停止にしていることが明らかになった。

カンボジアの製造業は、約60万人に雇用を提供する主要な経済推進力である。しかしこの分野は、膨らむ生活費を補填するのに、労働者がより高い賃金を要求するため、近年多くの騒乱が発生している。今月末にもさらなる賃金交渉が予定されている。

工場は、こうした騒乱やコスト上昇が潜在的なバイヤーを遠ざけることになる、と述べている。カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、毎年いくつかの工場が労働者を一時雇用停止としているが、「但し、その数は多くありません。」と述べた。Loo書記長は、受注の減少が、この一時雇用停止の背景にある主な理由であるとした。

「我々は、昨年からこの点(需要減)を心配していました。ですが組合は我々を信じませんでした。」と彼は述べた。

一方で、労働組合リーダー達は、生活維持費に関する新たな調査結果を踏まえ、以前よりさらに最低賃金を引き上げるための交渉を開始する予定であることを月曜日に公表した。労働組合は当初、月額最低賃金を128米ドルから177米ドルへ引き上げることを求めていたが、現在はそれを、207米ドルにしようとしている。

アルマーニ向けに衣料品を生産しているKin Tai工場の労働者代表のChheang Thida氏は、7月15日以降およそ500人が一時雇用停止にされており、「工場が労働者を一時雇用停止にするような事態は初めてです。」と彼女は言った。工場のリーダーは、この一時雇用停止は、労働者が大量失神したことを掲載するソーシャルメディアの写真に起因するものではない、と労働者に説明した。

地域法律教育センターにおける労働プログラム長であるMoeun Tola氏は、多くの工場が、本来ピークシーズンとなる8月に、労働者を一時雇用停止にしていると述べた。

Tola氏は、過去に工場がそのまずい経営のために労働者を一時雇用停止としたことはあったが、受注不足によるものはなかったとし、現在の雇用停止は、最低賃金の賃上げ要求に対抗するための工場の戦術かもしれない、と危惧していることを付け加えた。彼はバイヤーに対し、「バイヤーは、工場が労働者へ適正賃金を支払うことを求めていることを示すように」呼びかけた。

地域法律教育センターのために工場を調査しているVa Kunthea氏は、ここ数週間で雇用停止する工場は増えているとした。しかし彼女は、カンボジアにある全ての工場の約5%と話ができたのみであり、実際には彼女が認識しているより多くの一時雇用停止が発生していると予想している。

労働者運動共同組合のPao Sina会長は、労働者は一時雇用停止があってもなお、賃上げは必要であるとした。「我々はまだ留まることができません。」と彼は述べた。

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最終更新:2015年09月23日06:00

カンボジア:労働組合、さらなる賃上げを要求

カンボジア縫製工場の労働組合らが、最低賃金の引き上げをさらに要求する構えだ。

労組の代表らは、縫製労働者の給与について、物価上昇に対応するには1カ月当たり少なくとも177米ドル必要だと話す。カンボジアの縫製産業は国内最大の雇用者数を誇る産業で、現在、約60万人が働いている。

カンボジア・アパレル労働者民主組合連盟(CCAWDU)のメンバーらは引き続き、国際的な団体や海外の委託企業と会談し、賃上げの支援を呼びかけるとしている。

CCAWDUのAth Thorn代表は、VOAクメールの取材に対して、自身や関係者はこれまで過去数カ月にわたってアジアや欧州、南米などを巡り、賃上げを支援してくれる組織を探してきたと語った。

カンボジアでは2013年、賃上げを求めてデモが発生したが、翌年1月、当局による厳しい弾圧を受け、少なくとも5人が死亡、数十人が負傷した。

だがこれにより、1カ月の給与は128米ドルへと引き上げられた。しかしThorn代表やその他関係者らはこの額を十分ではないとし、「やはり177米ドルは必要だ」と述べている。

Thorn代表および関係者らは先月、日本、ブラジル、ノルウェー、スウェーデンなどを訪問し、国際的な団体や海外の委託企業と話し合いを行った。同代表は、「オスロでは100社以上もの企業と会談しました」と話す。

労組らは賃金の引き上げを望んでいるが、実現できない場合には、公共の場で賃上げを求める集会を始めたいと考えている。Thorn代表は、デモ活動は最終手段だとし、「平和的な話し合いで解決できない場合には、われわれは国会前に集結し、自分たちの姿勢を示すつもりです。必要であれば、デモ活動も止むを得ません」と述べた。

一方で国際労働機関(ILO)は、カンボジアの物価を割り出すなどデータ収集を行うことで、賃上げ交渉の支援を行っている。ILOは、Eメールで「労働組合には、こうしたデータを利用して詳細な情報を得た上で、2016年に向けた最低賃金の賃上げ交渉に臨んでもらえれば」とコメントしている。

カンボジア労働組合連盟のYaing Sophorn代表の話では、Sophorn氏はこれまで、組合内で提起された懸案事項や生活水準に見合った給与などについて、メンバーらと話し合いを行ってきたという。同氏は、「われわれはこれまで、問題を提起してきたメンバーや労働者たちと話し合いを行ってきました」といい、「懸案事項として挙がっているのは、給与の引き上げについてです」と述べた。そして話し合いで解決しなければ、最終的には抗議行動に及ぶ可能性もあると補足した。

当局による厳しい弾圧の後、労組代表の多くが、2013年末から2014年頭に発生した縫製労働者のデモ行為において、これらの暴動を扇動したとして提訴された。

提訴された代表らには、Yang Sophorn氏やAth Thorn氏のほか、Pao Sina氏(労働者運動共同組合)、Chea Mony氏(自由貿易組合)、Rong Chhun氏(カンボジア組合連盟)などが挙げられる。これらの代表らは皆、他の労組と会談したり、集会に参加したりしないよう警告されている。

彼らは自己の潔白を訴え、こうした禁止命令は、賃上げ要求を止めさせる一種の作戦なのだと主張している。そして公正な賃金や適切な労働環境は、労働者が心身ともに健康であるために、極めて重要なものなのだと述べた。

カンボジアの縫製工場では、労働環境が劣悪だったり、単に栄養不足だったりするために、毎年、何百人もの労働者が貧血を起こしている。近年発生している工場建物の崩壊によってもまた、労働者が負傷したり、死亡したりしている。つい先週も、19人の縫製労働者が自動車の衝突事故によって亡くなった。通勤費用を節約するために、1台の小型トラックに何十人もの労働者が乗り込んでいたためだ。

Pao Sina代表は、欧州連合(EU)の関係者らに、賃上げの支援を要請していると話す。同代表は、「賃金が上がれば、労働者たちは、乗車人数が定員以内の安全なトラックを利用することができます」といい、これによって労働者の安全を確保することができると述べた。現在、カンボジアで生産される衣料品の多くがEUに出荷されている。

労働者らは、賃金を上げて欲しいと話す。Morn Saveinさんもその1人だ。Saveinさんは現在、Svay Rieng州のBavet市で働いており、月収は129米ドルだ。この月収で、生活費、子供の学費、往復の通勤費用を賄わなければならない。通勤には片道2時間かかり、「通勤に利用するトラックには、毎月20米ドル支払っています」と話す。

Saveinさんは、先日の衝突事故で、姉妹のMorn Savonさんを亡くした。Saveinさんは、「給与が今よりも高ければ、事故は起きなかったかもしれない」と語った。

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最終更新:2015年06月01日05:52

TPPを視野に、繊維企業各社ベトナムに押し寄せる

中国とその労働者が裕福になるにつれて、世界のメーカーはビジネスを行うためのより安価な場所として、南方に目を向けている。しかし、カンボジアはストライキに直面しており、タイでは政府がいつ果てるともしれない抗議に悩まされている。また、ミャンマーはインフラの整備が必要である。その結果、多くの企業がベトナムに狙いを定めている。

実際に、何百もの企業が国際繊維展示会Saigon Texを目当てに、先週末のホーチミン市に押し掛けた。ベトナムは中国と国境を接し、政治的安定と低コストだけでなく、地理的な利便性を誇っている。それらは、スペインに本拠を置くJeanologia社のような企業を引き付けている。同社は展示会でデニムのレーザー加工技術を披露した。

「ベトナムはアメリカとヨーロッパのブランドにとって、実に重要な拠点になりつつあります。」 とJeanologia社地域マネージャーBorja Trenor Casanova氏は話す。

環太平洋経済連携協定(TPP)も追い風である。貿易協定交渉国12カ国のうちの一つとしてベトナムは、国の最大輸出品である繊維製品の関税を削減するという条項から最も利益を得る立場にいる。

関税削減のメリットをうまく利用しようと、外国企業がベトナムへと工場を移している。ドイツ、トルコ、米国などからのメーカーを代表する会社Thach Anh Vang社社長Nguyen Thi Cam Tu女史は、「我が社の年間売上高が2013年に50%増加した理由の一つにはTPPが挙げられます。」と述べた。

「最近引き合いがかなり多いので、投資がたくさん行われているのではないかと考えております。」展示会場の彼女の隣のブースで巨大紡績機が轟音を立てる中、彼女は言った。

この成長は国中に反映されている。統計総局によると、繊維輸出は2014年第1四半期、対前年同期比で20%増加した。

生産や収益が着実に上昇している一方で、ベトナムの企業や関係者らは、繊維産業の脆弱性を認識している。それはほとんどの材料を他国から購入しているということである。商工省副大臣Ho Thi Kim Thoa女史は展示会で、「ベトナムは独自で生地を増産する目標を立てなければなりません。」と聴衆に語った。

「これらの目標は、技術革新、品質管理の向上、労務管理、環境管理のみならず、国際基準に従った繊維サプライチェーンの改善が今すぐにでも必要であることを示しています。」とも彼女は述べた。

現地サプライヤーが十分に成長していないなら、ベトナムは環太平洋経済連携協定(TPP)の可能性を最大限に活用することができない。TPP協定には、ベトナム製品が輸入時に非課税措置を受けるためには、TPP加盟国の材料でアパレル製品を作る必要があるという、“yarn-forward”原則が含まれようとしている。

しかし、人々は他の方法でも縫製業を改善しようとしている。Jeanologia社のレーザー印刷は、ベトナムがサプライチェーンにおいて付加価値を上げる助けをする技術の一つであるとCasanova氏は述べた。ベトナムは2010年には低中所得国の地位を得たが、今もなお安い労働力に大きく依存している。しかし、中所得の罠を避けるためには、輸出製品に付加価値を与える方法を見いだす必要がある。ビジネスにおける環境維持を促進するだけでなく、その目的のためには技術が必要だろうとCasanova氏は述べた。

「ベトナムは、業界の変化に関心を見せています。」と彼は言った。

 

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最終更新:2014年04月26日06:00

フン・セン首相がカンボジア労働者の労働条件改善を訴えるも、組合は懐疑的

フン・セン首相は、国外の出稼ぎ労働者が労働不足に直面しているカンボジアに帰ってくるよう、公共事業省に縫製工場の労働条件改善を迫った。

2009年に30万人だったカンボジアの繊維産業に従事者は、現在、約600の工場で約50万人が働いている。しかし、これと同じくらいの多くの労働者が、タイ、マレーシア、韓国、日本など海外で働いていると考えられている。

繊維産業の成長というのは、海外出稼ぎ労働者が工場に帰って来くることを意味すると、フン・セン首相は述べた。

「労働者が本当に不足しているのです。」とフン・セン首相は公共事業省他省の幹部へのスピーチにおいて発言した。「利益があるところに、労働者は行きます。労働者に他の場所より安い賃金で働くことを強制するのはできません。」

労働活動家は繊維産業の障害になっている問題への首相の認識を歓迎したが、事態の改善には懐疑的なままであると言う。

「我々は、首相が取り上げた問題が真実になるかどうかについて見極めたいのです。」とカンボジア労働組合連盟指導者Rong Chhun氏は言った。末端の役人がフン・センの要請を聞き入れるかどうか疑わしいと彼は言う。

地域法律教育センターの労働プログラムの指導者Moeun Tola氏は、NGOが長い間工場での問題に取り組んできた中で、フン・センの発言は驚くべきであると言う。フン・セン首相の要請が実行されるなら、そして、彼がちょうど政治目的のためにスピーチをしていないならば、「問題を解決することができると思います。」とMoeun Tola氏は言う。

労働条件や賃金を改善すれば、カンボジアは、同様に海外に労働者を出しているミャンマーのように労働者を引き付けることができると彼は言う。

自分と自分の家族のために、カンボジア人は自身の国で働かなければならないと、タイの漁船に乗って奴隷制度を逃れた労働運動家Prum Vannak氏は言う。

「今日、たとえ生活がかつかつの月給わずか100ドル~200ドルだとしても、私はカンボジアで働きます。というのは、海外で働くことはカンボジアで働くほどよくないことを思い出すからです。」と彼は言う。海外出稼ぎ労働者は、奴隷状態にされたり、警察に逮捕されたり、雇い主に虐待されたりする危険性や直面すると彼は言う。

その縫製業が女性ばかりを雇用するので、カンボジアは重工業の投資家を引きつけることができないと、自由貿易連盟理事長Chea Mony氏は言う。繊維産業は相変わらずで、労働者の労働条件は劣悪なままで、労働争議が続き、生産に関してできるだけコストをかけたくないと考える雇用主からの圧力はなくならないということである。

「首相のスピーチは意味がありません」と彼は言った。

 

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最終更新:2012年12月17日06:00

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