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カンボジア:スト終了でGTI社の株価、回復の兆し

台湾系衣料品メーカーGrand Twins International(GTI)社にとって、この1カ月は試練の月だった。と言うのも、労働デモが各地で再発し、産業全体の最低賃金額も今週、新たに設定されたからだ。

だがこうした混乱をよそに、GTI社の株は、アナリストらが当初予測したよりも持続性をみせている。同社は、カンボジア証券取引所(CSX)で上場を果たした企業2社のうちの1社である。

先月20日以来、GTI社で縫製業務に携わる従業員らは、1日1.25ドルの昼食代や、月15ドルの交通費および住宅手当など、各種福利厚生費の増加を求めて波状ストを実施してきた。工場経営者によれば、同社18年の歴史のなかでストライキが起きるのは初めてのことだという。また同社で戦略マネジャーを務めるDavid Liu氏は、従業員が正式に業務を再開したのは今月11日のことだったと述べた。

翌日の12日、カンボジア労働省と労働組合らは、月額の最低賃金を現行の100ドルから128ドルに引き上げると発表し、発効日を来年の1月1日からとした。

この件についてLiu氏は、「当社のストライキが、労働局との合意に至ったことで沈静化し始めたところだった」と説明する。

だが最低賃金の引き上げについては、「昨日聞いたばかり」との理由でコメントを差し控えた。また「賃金については内部協議を行う予定」とし、労働省の決定が同社の経営面や年末の収益予測に及ぼす影響については詳細を語らなかった。

先月20日から今月12日にかけてGTI社の株価は徐々に下降線をたどり、1株あたり2.06ドルだったものが今では1.96ドルとなっている。

とは言えCSXで市場操作の責任者を務めるSoleil Lamun氏は、投資家のセンチメント(市場心理)で考えればGTI社の株価の下落は想定内だったと話す。また「通常、投資家のセンチメントというものはストライキの発生に左右される。これはGTI社のケースにもあてはまるのでは」とEメールを通じて述べた。

一方で「下落したと言ってもわずか数百リエル。GTI社に投資する者なら、労働者のデモになど驚かないだろう。カンボジアではGTI株が発行される前からすでに、今回のストライキと同等かそれ以上の問題が起きていたのだから」と話し、今年1月縫製産業に停滞をもたらした労働者のデモについて触れた。

さらに「ほとんどの投資家はすでに今回のストライキを考慮に入れていただろう。だが問題が長引けば長引くほど、投資家のセンチメントに影響を及ぼすのは明らか」と続け、GTI社が本件を早期解決したことについて称賛した。

縫製産業全体が改革運動を繰り広げることで、GTI株の安定性や寿命について懐疑的な意見を述べる者もいる。またそれは6月16日に実施された同社IPO(新規株式公開)以前から口にされていたことでもあった。

GTI社で最高財務責任者補佐を務めるStanley Shen氏は当時の状況を振り返り、「当社は1月のストライキからまもなくIPOを実施したが、当社への投資を考えていた投資家は、その件について何度も懸念を示していた。しかも当時カンボジアでは、最低賃金の引き上げをめぐる交渉が引き続き行われていた」と話した。

GTI社がCSXで上場した第2の企業となってから半年になるが、同社株は公開当初の2.41ドルから全体で17%下落している。

Acleda証券CEOのSvay Hay氏によれば、こうした下落傾向にも関わらず投資家はGTI社に対して、来年初頭に期限切れとなる、同社初の配当金額の発表を行うよう要求しているという。

また「GTI社のストライキの期間は実に短く、中長期的な投資家のセンチメントは明らかに影響を受けていない」としたうえで、「だが短期で株式売買を行うトレーダーに対しては、確実に影響を与えただろう」と説明した。さらにCSXと証券会社に対する取引依頼は1日平均10件だと補足した。

一方でGTI社がカンボジアの縫製産業に関わっているというだけで、その株も不安定になるようなことはないとし、「今後さらに多くの衣料品メーカーが、大きな障壁もなく市場に参入してくるだろう。それはカンボジアの株式取引にとってもありがたいことだ。企業の成功というものは、その企業が属する産業の状態によって決まるものではない。自社の財政状態や経営状態についていかにオープンであるかによって決まるのだ。それを基に投資家は投資の決断を行うのだから」と述べた。

さらにこの半年間GTI社は投資家への情報提供を怠らなかったとしながらも、同社の現在の業績や投資プロジェクトに対しては、今後さらに留意する必要があるとした。

 

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最終更新:2014年11月19日06:00

カンボジア:フランス繊維縫製協会がアパレル企業の技術訓練を実施へ

フランスの繊維縫製協会Evallianceは10月30日、カンボジア縫製業協会(GMAC)と縫製業界の中間管理職層を対象とした訓練の実施についての協定文書を交わした。

プノンペンで行われた署名式典の席上、カンボジア縫製業協会会長Van Sou Ieng氏はこの協定はより洗練された製品を生産することでカンボジア縫製産業の付加価値となる効率性の向上をはかり、そうした製品をいずれEU諸国に輸出することを目指すものであると話した。

「カンボジアの工場は、発注者からデザインと原材料を渡されるだけの下請けから脱しようとしています。」とIeng会長は言う。

縫製業協会の統計によると、2012年のカンボジアからEUへのアパレル輸出は14 億米ドルであったが、2013年末には18億ドルへと増加している。

今回の協定により、Evallianceはフランスのファッション業界から専門家を派遣し、中間管理職を対象にデザイン及びスタイルに関する訓練を実施する。協定には両者がデータと情報のさらなる共有を進め、両国の企業間の新たな情報交換の機会を設けることも含まれている。

EvallianceのJean Francois Limantour会長は、カンボジアには大量に、高品質のアパレル製品を輸出する潜在的な可能性があると話した。

「第一の目標は輸出を増加させることです。2番目の目標は、付加価値の向上、品質と創造性の向上でカンボジアの繊維アパレル産業の競争力を明らかに向上させることです。」とLimantour会長は話し、最初の訓練過程は12月に開始される予定であると付け加えた。

商業省広報官Ken Ratha氏は今回の協定を歓迎し、この訓練によってカンボジア国内での原材料の生産にもはずみがつくことを期待すると話した。

「カンボジアの繊維縫製業では原材料の輸入により多くの付加価値を失っています。国内生産の原材料を使って国内で製造できれば、付加価値を大きく向上することができます。生地、染色工場が必要です。そうすればいずれ、カンボジアの労働者を単なる集約的な労働力から、熟練労働力に転換することができるでしょう。」とRatha氏は話した。

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最終更新:2014年11月08日06:00

カンボジア衣料産業、第3四半期の輸出額4%減

カンボジア衣料産業では第3四半期の総輸出額が対前年比で減少し、この「低迷」を、最低賃金をめぐる労使間の緊張によって引き起こされたものとしている。

商務省の最新データによれば、第3四半期の総輸出額は、前年同期の16億ドル8000万ドルを4%下回る、16億ドル1000万ドルだった。

一方、1~9月期の総輸出額をみると、今年前半の輸出増が追い風となり、前年同期比6%増の42億ドルとなった。

カンボジア衣料製造業協会(GMAC)のCheath Khemara上級責任者は22日、最近の輸出不振について言及し、その原因を1~6月期における受注減のためとした。そして「長引く抗議活動やストライキの影響で、海外バイヤーの信頼は失われた。彼らはもはやカンボジアでの生産に積極的ではない」と述べた。

最低賃金を160ドルにまで引き上げるよう要求する、縫製労働者らの抗議活動は全国規模で広がり、今年1月5日には、抗議活動に参加していたデモ隊のうち5人が治安部隊の発砲により死亡するという事件も起きた。

Khemara氏は「あの騒動以来、海外バイヤーからの受注は減少している」と話す。そして「リスクを避け、事態が好転するのを待っているのだろう」と付け加えた。

スウェーデンの衣料小売大手H&Mで広報を担当するThérèse Sundberg氏は22日、同社によるカンボジアへの発注量は、1月のデモ騒動以降も特に変更されていないと語った。Sundberg氏のEメールによれば、H&Mは「カンボジアとの関係を長期的なものと考えているため、発注量を減らすことはない」という。

一方、スポーツ用品大手のアディダスもまたカンボジアを海外委託先としているが、発注量に関する質問については、直接的な回答を避けた。アディダスで長年広報部長を務めるSilvia Raccagni氏の話では、1月のデモ騒動以来、同社は政府と協議を続けており、労働争議に平和的解決を見出す努力をしているという。また最低賃金の引き上げ方針が近々発表されることを踏まえ、労使会議においては、十分に調査を行った上で、根拠ある解決法を掲示するよう求めていると話した。Raccagni氏はEメールによる回答で、「海外委託先については、弊社の職場基準を満たしていることを絶対的な条件としている」と述べ、「すなわち、所定の最低賃金、もしくは当該の産業において適切とされる賃金(その賃金が所定の最低賃金よりも高い場合)が支払われなければならない」と補足した。

最低賃金の引き上げ方針の発表は11月の見通しだが、工場側は、カンボジアの衣料産業の現状では、月110ドル以上の給与は支払えないとしている。しかし労働組合側は、月177ドルへの引き上げを要求している。

米衣料小売大手のLevi Strauss社、および米小売大手のTargetも、1月のデモ騒動を受けて発注量を減らしたことが、6月の取材で分かっている。

カンボジア全国独立繊維労働組合連盟(NIFTUC)で会長代理を務めるKen Chhenglang氏は、海外バイヤーによる発注量の減少は産業の混乱に原因があるとし、「バイヤーらが最も懸念しているのは、発注した製品が製造されず、期日通りに納品されないことだ」と述べた。

Chhenglang氏は、給与額を適切にし、労働者の生活を適正に維持できれば、生産性も向上し、産業の安定化にもつながるだろうとの見解を示した上で、「賃金問題が解決されて、全当事者がその決定事項に納得すれば、発注量も回復するのでは」と続けた。

一方、第3四半期の「低迷」にも関わらず、カンボジア経済協会のスポークスマン、Chan Sophal氏は、同産業の将来には今なお希望があるとの見方を示している。「デモによる混乱の渦中にありながら、カンボジアの衣料産業は、今年成長を続け、来年以降も成長を続ける見込みがある。今期の輸出減など、大した問題ではない」と語った。

 

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最終更新:2014年10月27日13:37

カンボジア:工場建設は進むも新規雇用は減少ぎみ

最新の政府データによると、今年に入ってからの9ヶ月間、工場登録数は明らかに増加しているものの、新規雇用創出数は減少している。

10月9日発表された工業・手工業省の統計によると、9月30日までの9ヶ月間に149の新規工場が登録され、これは昨年同期間の21%増となる。

工場が増えれば雇用も増えると思われるものの、同時に同省から発表された新規雇用創出についての統計によると、1月から9月にかけて18%の減少となっている。

工業・手工業省のCham Prasidh氏によると、新しい工場については殆どがカンボジアに既存の工場の拡張によるものだという。

「工場所有者は、すべての卵を同じバスケットに入れておきたくないのです。いくつかの工場では、業務が拡大するにつれ、一カ所に投資を集中したくないという理由で、いくつかの小さな工場に業務を分割しています。」と彼は説明する。

政府の報告書は、新規雇用数の減少はこうした新しく小規模な工場で労働力を統合し、より労働集約的でない業種、例えば食品加工や製品組立て等に移行しつつあるためと解説している。

カンボジア衣料製造協会の上級職員Cheat Khemera氏によると、同協会は毎月およそ5件の新規工場登録を受け付けているという。「新規工場による投資もまだありますが、一方、廃業する工場もあります。」と彼は言う。

 

 

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最終更新:2014年10月11日16:04

カンボジア:米国、低賃金の責任を問われる

10月2日の国会で政府は、米国がカンボジア衣料への不当な輸入関税をカットすれば、工場は労働組合と野党が要求する177ドルの賃金を支払う余裕ができると主張し、最低賃金問題が中心的な話題となった。

両当事者によって満場一致で通過した、工場や手工芸の制御に関する法案についての議論が続く中、産業手工芸大臣のCham Prasidh氏は、異論の多い賃金問題に対する政府の立場を明らかにした。

Hun Sen首相は非常に労働者の給与を177ドル以上に増加させたがっているが、そうすると全ての工場が退散してしまうのでそれは不可能であると、Prasidh氏は国会で語った。

「あまりたくさん要求すると、釜がひっくり返って食べる米がなくなります。」と彼は述べ、稼働している工場を維持する解決策を見つけるために、与党のカンボジア人民党と野党のカンボジア救国党が協力することを提案した。

Prasidh氏によると、カンボジアは昨年世界中に50億ドル相当の衣料品を輸出したが、そのうちの約半分を輸出した米国に5億ドルの輸入関税を支払ったという。

彼は統計を見て、衣料品輸入における米国の厳しい税制が緩和されることにより、労働者に支払われる多額の現金に関する制限が解かれるだろうと主張した。

Prasidh氏によれば、フランスと英国は昨年、米国にそれぞれ300億ドルと400億ドル相当の商品を輸出したが、発展途上国のカンボジアとほぼ同じ金額の税金を支払った。

「それは私たちにとって非常に不当です。近頃私たちが毎年5億ドル支払って米国を支援しているということです。」と彼は言い、政府はこの問題に対して米国にロビー活動をすべきであると言い足した。

欧州連合(EU)は比較すると、後発開発途上国への「武器以外は全て免税」制度により、カンボジアの輸入品には税金を課していない。

国会ではPrasidh氏の後に野党カンボジア救国党(CNRP)のリーダーSam Rainsy氏が、汚職を撲滅することで政府は容易に最低賃金を177ドルに上げることができると、再び議論した。

「私たちは我が国が発展することを望んでいるのかどうか、誰のために発展すべきか、工場のためなのか国民のためなのか、自分に問いかける必要があります。」と彼は言った。

「不当な支払いを完全に減らし非公式支払いを排除すれば、労働者のための利益、国のための利益になると信じています。」

カンボジア救国党(CNRP)のリーダーSam Rainsy氏は12月、スヴァイリエン州で抗議中の縫製労働者に話しかけた。

Rainsy氏によると、必需品、公共サービスや電気などの公益事業の価格も、近隣諸国のタイやベトナムよりもカンボジアの方がはるかに高いという。それは労働者が通常の生活を送るためには、より高い基本給が必要であることを意味する。

カンボジア衣料品製造協会(GMAC)議長のKen Loo氏は、米国はカンボジア衣料輸入特恵関税を認めない唯一の先進国だと言った。

昨年カンボジアは米国に、およそ25億ドル相当の衣料品輸出に対し、約16%の関税を支払ったと彼は述べた。

「もちろん輸出された商品にもよりますが、英国やフランスがその輸出額に対する割合として支払っているのは約1%です。」

「関税が削減されれば、労働者にさらに多くの賃金が支払われることもありうるでしょう。」とLoo氏は同意した。

しかし彼は、工場が完全に賄賂の支払いをやめたら177ドルを払う余裕ができるというRainsy氏の主張に対し異議を唱えた。

「まともな計算をしていないのは明らかです。彼が主張していることは事実ではありません。」とLoo氏は言った。

カンボジアは確かにタイ、ベトナムよりも高いコストに直面したが、この議論は工場所有者のコストにも適用されるだろうと、彼は言い足した。

労働者運動共同連合代表Pav Sina氏は、賃金問題が議会で議論されたことは嬉しいが、与党が黙認するなんて信じられないと述べた。

「賃金が177ドルに上昇した場合、野党のカンボジア救国党(CNRP)がそのためのロビー活動を行うことになるため、CNRPがより評判良くなるでしょう。」

「しかし両党が、労働者の適切なレベルに給与を増加させる解決策を見つけるべきです。」と彼は言った。

雇用主、政府、労働組合で構成された労働諮問委員会は、10月10日に新たな賃金を設定したいと考えている。

 

 

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最終更新:2014年10月08日12:38

カンボジア衣料製造協会発表、2014年は受注減少

カンボジア衣料製造協会(GMAC)では、繊維部門は不安定な状況が続いているために2014年末まで期間の見通しは暗いと予測している。

プノンペンポスト紙に提供された調査結果のサンプルでは、GMACのメンバー247社のうち50%は、年末までの期間の生産を満たすのに十分な注文を持っていないと述べた。約160社の工場では受注が平均40%減少し、26%は受注不足が原因で生産ラインの閉鎖や部分的な操業停止を余儀なくされていると述べた。

「私たちは絶えず続くストライキの脅威にさらされているので、バイヤーはここの安定性や工場の供給能力に自信を持てません。実際の供給能力はあるのに、労働組合がストライキを起こすぞと脅迫するからです。」と、GMAC会長Ken Loo氏は月曜日に語った。

受注を減らした主なバイヤーは、多数の小規模バイヤーに加えて、ウォルマート、H&M、リーバイ•ストラウス、アディダスの名を工場側は挙げた。

昨日連絡を取ると、ウォルマートもH&Mもリーバイ•ストラウスも誰もカンボジアでの注文の状況について直接コメントしようとはしなかったが、全社いずれも繊維産業の安定性を求め、労働者の権利を尊重するとした。

「供給できるか、逆に、生産崩壊するかの予測は、リーバイ•ストラウスだけでなくカンボジアから商品調達しているブランド皆にとっての関心事です。リーバイ•ストラウスにとっては、カンボジアでの労働者弾圧や人権抑圧も非常に深刻な問題です。」とリーバイ•ストラウスの広報担当者は電子メールで述べた。

GMACの調査は激化している繊維産業の最低賃金をめぐる議論となっている。

月曜日8人の組合指導者は、要求が真剣に検討されていないことを確信して、最低賃金の議論が昨年と同じように受け入れられないなら、全国ストライキをすると記者会見を開いた。

昨年12月25日から10日間にかけて行われた最低賃金に対するストライキでは、1月3日治安部隊が実弾を発砲し、少なくとも5人のデモ参加者が死亡した。

労働組合は月曜日の会見で、現在月100ドルの最低賃金を177ドルに上昇することを要求した。

Loo氏は、GMACのデータの時期は月曜日の労働組合の発表とは一切関わりがないと否定した。彼は繊維産業の混乱に対するバイヤーの反応を実証するため、また110ドルの賃上げは繊維部門で払える最大値であるというメンバー各社の見解を支持するため、労働組合、政府、労働諮問委員会とこの情報を共有したと述べた。

「これ以上引き上げるとなると、工場にはそれだけの賃金を払う余裕がなく工場を閉鎖しなければならないことになります。最低賃金の引き上げはカンボジアでの工場稼働継続をさらに困難にします。」とLoo氏は言った。

労働人権団体連帯センターのカンボジア所長Dave Welsh氏は昨日、GMACのデータは確認できなかったが、1月のストライキがあってから今年下半期受注が減少したことに疑いはないと述べた。

「減少はしていますが、私たちの主張はその受注の減少が最低賃金の議論に関連しているというのではなく、1月の事件以後、非常に多くの問題が未解決のままになっていることに対するバイヤーの不満の高まりに関連しているということです。」未調査のままのストライキで起きたデモ隊の死や進行中の組合指導者に対する告訴について言及しながら彼は言った。

「繊維産業において昨年の規模で労働不安がまた起これば本当に衝撃が大きいですが、それは賃金需要の経済問題とは何の関係もありません。」と彼は言い足した。

 

 

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最終更新:2014年09月23日11:45

投資環境についてジェトロ・カンボジア所長にインタビュー(後)

(前編より)

 

Chan氏:日本企業が今後、投機対象とする産業は何か?

道法氏:輸出面で言えば、アパレル、靴・履物、電力など労働集約型の産業が非常に魅力的です。と言うのも、中国やタイなど他の国々では、労働コストが急激に上昇しているからです。シンガポールとマレーシアがアジアの生産拠点になってから既に30~40年が経ちますが、現在これらの国の労働コストはカンボジアやラオス、ミャンマーと比較すると極めて高くなっています。

カンボジアへの投資を検討している企業は、現地の賃金額やその他諸経費についても情報を求めています。例えばカンボジアでは電力不足で停電が頻繁に起こる割には、他の国と比較して電気料金が高い。こうした理由で投資をあきらめる企業もいますし、労働コストの低さと電力にかかるコストとのバランスを考えて投資を決める企業もいます。政府が業務用電力の料金を引き下げ、かつ電力の供給量を上げるよう対策を打つことができれば、さらに多くのメーカーや加工会社がカンボジアへの進出を図るのではないでしょうか。すなわちカンボジアの電力問題が、せっかくの投資機会を逃してしまっているのです。

農産業もまた、投機対象の一つです。しかしこの分野でもカンボジアは今後、「投資を呼ぶための投資」をする必要があります。政府はまず農産加工場に設備投資を行うべきでしょう。

弊所では農産業への投資を支援する情報を提供してきましたが、ある時大きな問題が浮上しました。土地の購入ができるのはカンボジア国籍の企業だけで、外国人や外国籍の企業には購入できないということです。こうした理由から現在、日本企業による農産業への投資は少々困難な状況になっています。それでもなお一部の企業は、カンボジアでのプランテーションや農産品の加工に興味を示しています。

 

Chan氏:投資機会を増やすためにカンボジアがやるべきことは?

道法氏:カンボジア政府は、他国と比較して外国企業への規制が緩く制約もほとんど設けないなど、既に魅力的な投資環境を提供しています。外国企業にとって投資に踏み切りやすい国と言えるでしょう。

問題を挙げるとすれば、外国籍では土地を100%所有することができないという、土地所有権の問題です。その他、電力の問題、高い技術力を持つ労働者が少ないこと、識字率の低さなどが課題として挙げられます。特に識字率については、ベトナムやラオス、ミャンマーと比較すると顕著に差があるようです。

日本企業で働く者にとって基礎教育はほぼ絶対条件と言えます。それは他の企業でも同じでしょう。日系工場で働く場合、工場は工員にクメール語の読み書きを学ばせます。と言うのも、工場内での重要な指示はすべてクメール語で書かれているからです。実際のところ指示を読むことのできない工員もいますので、工場側は教育支援を続けなければなりません。政府が基礎教育を徹底させることができれば、日本企業がこうした支援を行う必要もなくなるというわけです。

 

道法氏によれば、在カンボジア日本大使館とカンボジア日本人商工会は年2回、「Public and Private Sector Meeting(民間部門と公的機関の会議)」と称する会議を開くという。同会議は既に10回目を迎えているが、議題は毎回同じで、電力コストの問題、貿易関連手続きの問題、労働者のデモ活動、その他労働問題などである。こうした問題はその後、カンボジア政府に提起される。道法氏は「政府は問題を十分把握している。だが対応するにも国家の予算に限りがあるのだろう」と話す。実際、インフラの構築や基礎教育の徹底など、すべての課題に一斉に取り組むのはほぼ不可能だ。政府は優先順位を決めて対応する必要があるが、その選択もまた容易ではない。

 

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最終更新:2014年09月06日14:00

投資環境についてジェトロ・カンボジア所長にインタビュー(前)

日本貿易振興機構(ジェトロ)は日本政府と連携して、海外諸国と日本の相互貿易および投資の促進を目指している。

 

ジェトロは1958年、日本の貿易振興を促進するために設立。その後運営の中核を日本からの海外直接投資にシフトし、以降、国際貿易の支援とグローバル・パートナーシップの構築に努めている。

 

さらに2010年には、カンボジアの首都プノンペンにも事務所を開設。今回プノンペンポスト・ビジネス担当記者のChan Muyhong氏が、同所所長の道法清隆氏に、カンボジアの投資環境についてインタビューした。

 

Chan氏:カンボジアに事務所を開設した理由は?

道法氏:ご存じのように2010年以前、カンボジアに投資する日本企業はごくわずかでした。日本企業にとっては、中国、タイ、ベトナムなどの方が投資先として魅力的だったのです。2010年ごろまでは、数多くの日本のメーカーがタイと中国を生産拠点にしていました。しかしその後労働コストが急激に上昇し、人材不足の問題も深刻になりました。こうした理由から、日本企業、特に製造業は、新たな投資先を探さなければならなくなったのです。候補に挙がった国はカンボジアやラオス、ミャンマー、バングラデシュなど。2008年~09年ごろ、カンボジアの投資環境について調査を行う企業が数社いたのを覚えています。ジェトロにも問い合わせがありました。このような経緯で2010年、ジェトロはカンボジアに事務所を開設しようと決めたわけです。

 

開設にあたりジェトロはフンセン首相と会談。また同首相は日本の首相とも会談し、カンボジアへの投資を促す目的で事務所の開設に同意したという。

 

Chan氏:カンボジアでジェトロが果たすべき役割は?

道法氏:現地の情報を収集し、カンボジアへの投資を検討している日本企業に提供することです。弊所が作成する資料は、カンボジアの経済見通し、投資環境の評価、経済特別区(SEZ)の調査、労働供給量に関する調査など。またホームページも立ち上げ、カンボジアでの投資機会について最新の情報を掲載しています。

 

道法氏によれば、日本企業は、投資先国を決定する際の判断材料となる情報を必要としているという。そうした情報には例えば、労働賃金額、労働供給量、インフラ事情、電力、水道、政情、外国企業に対する税制上の優遇措置などが挙げられる。企業はこうした情報を基に各国を比較する。進出を決めた企業にはミネベアや住友、味の素などがいる。

 

Chan氏:日本企業による現在の投資状況は?

道法氏:カンボジアで企業登録をしている日本企業は、2010年の時点でわずか19社でした。それが2011年には86社にまで増え、2012年には179社、そして2013年には195社にまで増加しています。これらの企業は、個人事業主、有限会社、支社や支店、あるいは駐在員事務所として登記しています。日本の投資率は急激な上昇を見せていると言えるでしょう。

 

Chan氏:ジェトロ事務所の開設以降、日本企業による投資状況に変化は?

道法氏:カンボジアの主要産業には、アパレル産業と靴・履物産業が挙げられます。一方日本のメーカーは、カンボジアにはなかった新しい産業をこの国で展開しています。例えば小型モーターの製造、段ボール箱の製造、配線器具の製造、自動車部品の製造などです。SEZには日本企業もいて、例えばプノンペンSEZではミネベア、スミ(カンボジア)、味の素が生産活動を行っています。一方シアヌークビル港SEZには王子製紙、コッコンSEZには自動車部品メーカーの矢崎化工がいます。

 

道法氏によれば、日本企業は、これまでカンボジアに存在しなかった新たな事業をこの国で展開しているという。またこれらの産業は、カンボジアの主要産業であるアパレル産業や靴・履物産業と比較して付加価値が高い。こうした理由からも、カンボジアは日本企業にとって魅力ある投資先と言えるのだろう。

 

(後編につづく)

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最終更新:2014年09月06日12:09

タイのGSP失効でカンボジアの輸出戦略に期待

タイが2014年末をもって、欧州連合(EU)による特恵関税制度の適用対象国から除外される一方、カンボジアでは製造業への投資に期待が寄せられている。

世界銀行基準で、直近3年間において上位中所得国に分類されたことから、タイでは2015年1月1日より、一般特恵関税制度(GSP)が失効する。GSPはEU加盟国向けの特定の産品に対して関税を軽減または免除する制度である。

所得水準が高くなり、貿易特恵を失う国が現れる中、例えばカンボジアなどのように引き続き関税の減免を受ける国は、魅力的な投資先としてより一層の期待が寄せられている。

駐カンボジアEU代表団公使のAlain Vandersmissen氏は5日、自身のEメールで「GSPの受益国を減らしたことで、EU市場における後発開発途上国(LDC)の競争力はこれまで以上に高まった。同時にLDCが、既存の製品だけでなく、豊富な種類の新製品を生み出し、輸出するきっかけにもなった」と述べた。同氏はまた、カンボジアのアパレル・履物産業を例に挙げ、貿易特恵の恩恵により、2013年のEU向け輸出額が、前年比30%増の24億ユーロ(約32億米ドル)に達したことについても触れた。

カンボジア総合研究所CEOでチーフ・エコノミストの鈴木博氏は、タイが上位中所得国に位置付けられたことで、既に進行している海外生産移転の傾向は、今後ますます本格化するものと予測している。同氏は「近年、多くの企業が、次の有力な投資対象先を探している。特に、人件費など製造コストの高騰に悩む中国やタイ、ベトナムの企業にその傾向が見られ、生産拠点をシフトしようと、カンボジアのような新興国に関心を示している」と話す。

アナリストらは、タイが衣料品や自動車部品などの輸出分野で貿易特恵を失うことにより、カンボジアの経済は今後、かなりの利益を得る可能性があるものと見ている。

タイ衣料品製造者協会(TGMA)会長のChartchai Singhadeja氏がプノンペン・ポスト紙に伝えたところによると、GSPの適用対象外となることによって、タイのアパレル・メーカーは、EUによる税制の優遇措置が引き続き適用される国や地域へ、局地的に市場を拡大していく見通しだという。同氏は「われわれは既にその方向で動き出しており、今後ますます本格化するだろう」と話す。さらに、近年、少なくとも22社のアパレル工場が製造拠点をタイから別の場所へ移したと話し、労働力の不足や、複数の国で生産の多様化を図ろうとするバイヤーの存在もまた、こうした製造拠点のシフトにつながっているのだと続けた。

TGMAはEUに対して、アパレル関連分野におけるGSP適用期間の延長を求めたが、EU側はこれを拒否。申し出の受け入れには、タイ政府が民主的に選出され、設置されることが必要だと要求した。

カンボジア縫製製造産業協会(GMAC)会長のKen Loo氏の話では、タイのGSPが失効することで、カンボジアでは、例えば自動車部品のような付加価値の高い輸出品目に影響がもたらされる可能性が高いという。同氏によれば、実際のところ、EU向けの輸出において、タイのアパレル・メーカーはそれほど大きな利益は得ていないという。と言うのも、カンボジアはEBA協定(武器以外のすべての産品に対して関税を全面撤廃する措置)の適用対象国となっており、タイのGSP適用当初から、タイよりも有利な立場にあったためである。こうした理由から、「GSPの失効によって、アパレル産業にそれほど大きな影響はないだろうが、その他の産業に対しては、何らかの影響があるものと思われる」としている。

一方、日本の製造業者らが、自動車部品など高付加価値製品の分野を先導しているプノンペン経済特別区では、タイがGSPの受益国ではなくなったことについて、特別な期待は抱いていないようだ。

同特別区でCEOを務める上松裕士氏の話では、タイを拠点とする日本の自動車部品メーカーのほとんどが製品をアジア全土に輸出していることから、タイがGSPの適用対象外になっても、結局はEU向けの輸出に影響を及ぼすだけで、アジア向けの輸出においては急激に何かが変化するわけではないとしている。同氏は「自動車部品業界の関係者で、この件について話をする者は、これまでのところ1人もいない」と言う。

経済学者のSrey Chanty氏もまた、こうした一連の動きが、高付加価値製品の製造分野に対して投資の加速化を引き起こす原因にはならないものと予測している。同時に政府においても、投資環境の変化に素早く対応するだけの準備が整っていないことについて述べた。

さらに「カンボジアはまず、各メリットを活かすために、効果的で実行可能な産業戦略を立てるべき。現在のところ、何の戦略も立てられていないのが現状」と話している。

 

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最終更新:2014年08月11日06:00

カンボジア:ストライキが、米ターゲットの後退に拍車をかける

アメリカの大手小売チェーン・ターゲットも、繊維産業の混乱を受けてカンボジアからの調達を縮小しつつあると、商業大臣Sun Chanthol氏は米国への貿易使節団中に明らかにした。

月曜日、ワシントンD.C.にある戦略国際問題研究センターで行われたカンボジア経済に関する多岐にわたる演説で商業大臣は、ターゲットは1月上旬に死亡事故のあった縫製労働者のストライキ後受注が減り、衣料品ブランドのリーバイ・ストラウスと手を組んだと述べた。

「リーバイ・ストラウスはカンボジアからの受注を減らしました。ターゲットも労働争議などを恐れているのでカンボジアからの受注を減らしました。」とChanthol氏は産業界の関心事に対応するための主要ブランドとの政府会議に出席して述べた。

繊維産業の最低賃金を160ドルに上げることを求め1月2~3日に行われた全国ストライキで、治安部隊がデモ隊に実弾を発砲し、5人が死亡した。

「5人の労働者がデモ中に亡くなったのは残念ですが、これまでのところ1月の事件以来、実際には平穏で安全で問題ありません。」Chanthol氏は言い足した。

「双方とも暴力は求めていないのです。」

政府は繊維部門の適切な最低賃金を算出し、業界の混乱を鎮める助けをするために、国際労働機関(ILO)や世界銀行と協力しているとChantho氏は言った。

リーバイスもターゲットも出版時点ではコメントの要請に答えなかった。

5月26日、政府関係者とプーマ、H&M、Gap、リーバイスなどのブランドとの会談の後に、IndustriALL Global UnionのJyrki Raina書記長は、国の主要ブランドの一つはすでにカンボジアの工場からの受注を50%削減していると述べた。

月曜日のChanthol氏のコメントは、その会社がリーバイスであると示唆している以前のマスコミの報道を裏付けている。

カンボジア衣料品製造協会(GMAC)議長Ken Loo氏によると、1月のストライキ以来、バイヤーがカンボジアでの受注を減らしたため、残業は業界全体で減っている。

「この後退はまだ問題ではないと感じています。バイヤーらに安定性を提供できれば、彼らはカンボジアから調達し続けることを望むと、私は思いますし、私たちもそれを目指しています。」Loo氏は言った。

Loo氏によると、ターゲットはカンボジアでの大口バイヤーではなかったが、それでも業界に多大な貢献をしていた。

労働者への公平な待遇を求めるバイヤーの要請に対する政府の反応の欠如こそが、事業の損失をもたらしている、とカンボジア縫製工民主組合同盟委員長Ath Thorn氏は述べた。

「拘束された23人のデモ参加者が釈放されたにもかかわらず、問題は解決されていません。繊維産業においての他の残りの問題が解決されていないので、工場は生産を減らし始めました。」Thorn氏は言った。

「現在バイヤーらは、政府に対して期限を今から10月までと設定しています。残された問題が解決しないと、彼らはここでの生産を停止します。」

 

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最終更新:2014年07月03日12:26

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