インドシナニュース

カンボジア:縫製労働者の権利保護に新たな糸口を(後)

(前編より)

 

透明化を図ることが、労働環境を改善し、労働上の違反行為をなくすカギとなる。昨年、労働省の担当職員に会ったとき、「常に劣悪な労働条件下で、工場はなぜ操業できているのか。またなぜそれが発覚しないのか」と尋ねた。職員らは困惑の表情を浮かべ、最終的には、縫製工場のリストには国内のすべての工場が記載されているわけではない可能性があることを認めた。

労働省の話では、約1087件の縫製工場が登録されているという。だが昨年、工業・手工業省に登録されていた縫製企業は約1200社だった。つまり、少なくとも100件の工場が、政府による労働法の監査から逃れているということである。カンボジアの権利擁護団体および労働組合は、未登録の工場や監査を受けていない工場の件数は相当な数に上るとみている。

カンボジアの労働監査は拡大されるべきだが、改善すべき点もある。同監査制度は長年、放置されており、また不正行為疑惑にも悩まされてきた。担当職員らは監査に充てる資金がないと話す。つまり監査を行うには、旅費や食費などの資金を自己負担でまかなわなければならないということだ。

実際のところ、監査員の費用は、工場からの賄賂によってまかなわれていることが多いようだ。2人の元監査員の話によると、工場経営者らは封筒に入れた金を監査員に手渡してくるのだという。またある複数の工場の労働者たちは、別の汚職についても話してくれた。彼らは、経営者らがいかにして地元警察とのつながりを利用し、問題を提起する労働者たちを黙らせているかについて説明した。中には工場にやって来た警官が、賄賂を受け取っているところを目撃した者もいた。

しかし悪いことばかりではない。労働省は現在、改善すべき多くの課題があることに気付いており、改革に着手し始めている。だが政府が、工場やその下請け工場の過酷な労働条件を本気で改善しようとしているのであれば、まずは透明性を高めることの必要性について検討すべきである。商工省、労働省および工業・手工業省は、現在手元にあるすべての縫製工場とその所在地、各認可の内容が記載されたリストを公開し、適宜更新する必要がある。

フン・セン首相は、労働省に対して監査の拡大を指示するとともに、監査制度を整備して工場による登録を促すべきである。また省庁間の調整を改善する取り組みについても管理すべきだ。さらに労働監査の改革も必要である。担当職員らはロードマップを作成し、同制度の透明性を高め、かつ説明責任を果たせるものにしなければならない。

重要なのは、信頼のある政府であること、縫製産業の評判を保つこと、そして何よりも労働条件を改善することである。透明化を図り説明責任を果たすことによって、縫製産業は今後も、カンボジアの多くの女性にとって重要な雇用の創出源であり続けるとともに、公正で安全な産業として生き残ることができるだろう。

 

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最終更新:2015年05月04日14:02

カンボジア:縫製労働者の権利保護に新たな糸口を(前)

メーデーの1日は、カンボジア政府が、縫製産業の労働権について新たな「章」を開始する最高のタイミングといえるだろう。政府は、透明化を図り説明責任を果たすという公約に偽りはなく、今後も実行に向けて取り組んでいくということを世界に向けて具体的に示すことができるはずだ。

透明化を高めようとする動きはすでに始まっている。今年3月、労働・職業訓練省はここ数年間で初めて、年次報告書を公表した。そこには昨年、同省が監査を行った工場の件数、および同省が科した罰金の件数などが書かれている。情報公開そのものは完璧とはいえないが、滑り出しとしては好調だ。さらに労働権の侵害が見受けられたことや、罰金が実際に徴収されたのかどうかなどについての記載もあり、これによって国民は今後も同省の活動を知ることができるだろう。

カンボジアの縫製労働者は、世界のトップブランドの衣料品を生産している。だがそのほとんどが、過酷な労働条件や差別的な労働慣行に耐えている。1枚の衣料品において、生産から販売までのルートをたどるのは難しい。例えば、カンボジアの小さな下請け工場から大きな輸出向け工場に引き渡され、その後世界の各店で販売されるといった具合だ。こうしたサプライチェーンには闇の部分があり、透明性もほとんどない。

2013年末、カンダル州や首都プノンペン周辺を車で走っているときのことだ。労働運動家たちは私に、何件もの小さな縫製工場を指さした。それらの工場はまるで、巨大な駐車場かあるいは粗末な家屋のように見えた。実際、これらの建物には何一つ表示がなかった。縫製工場と確認できたのは、従業員向けのビラがドアに貼られていたプノンペンの工場1件だけだった。

労働者たちの中には、自分たちが作っている衣料品について、多くのことを知っている者もいればそうでない者もいる。カンダル州の奥深くに隠された、道路沿いの小さな掘っ立て小屋に腰かけて、私は、ある小さな縫製工場で働く数人の女性たちに取材を行った。彼女たちには社員証のようなものはなかった。代わりに、各自に割り当てられた番号を走り書きした紙切れを受け取るのだという。彼女たちは、自分たちの働いている工場の名前を知らない。だが中国系の名前だと思うと話した。われわれが車で通り過ぎたとき、その工場には何の表示も見当たらなかった。

小さな下請け工場で働くある労働者たちによると、完成した製品は大きな工場へ送られるのだという。またどのブランドの製品を生産しているのかについても教えてくれた。さらに別の話では、労働者たちは、働いている場所の名前さえ口にしてはいけないのだという。これには答えに窮した。工場について話すときには、別の名前を使って呼ぶのだ。

カンボジアの縫製産業には数多くの問題があり、そのため労働権が順守されているのかどうかについて監督するのが難しくなっている。こうした問題には例えば、工場の件数や各工場の名称が不明であることなどが挙げられる。工場の名称が分からなければ、その工場が登録されているのかどうかを確認することはほぼできず、政府の担当職員が監査を実施する可能性もほとんどない。

ほとんどの工場の女性労働者たちが、強制的な時間外労働があり、また妊娠していることが目視で判明したときには解雇されると打ち明けた。例えばある下請け工場では、大量注文を受けると日曜出勤を余儀なくされるほか、平日は夜9時まで働き、時には徹夜のうえ朝6時まで働かなければならないこともあると話した。だがこうした時間外労働に残業手当は支給されず、従わなければ解雇の恐れもあるという。

 

(後編につづく)

 

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最終更新:2015年05月04日06:01

カンボジア:労働大臣、1000社以上に膨れ上がった縫製分野の重要性を語る

労働省のIth Sam Heng大臣は4月19日、カンボジアの縫製分野は経済成長の鍵となる分野であり、現在1087の縫製及び製靴工場で年間10億米ドルものの賃金が発生していると語った。

「加えて、縫製及び製靴産業は住宅賃貸、食品販売や輸送等で、間接的におよそ200万もの雇用を創出しています。」と大臣は語ったと新華社は報じている。

プノンペンで開催された会議でのSam Heng大臣の談話は、カンボジア経済における縫製分野の重要性を再確認するものであった。縫製分野は昨年57億米ドルを輸出している。製靴業はさらに3384万ドルを輸出しており、縫製・製靴業でカンボジアの総輸出額のおよそ8割を占めた。

カンボジア縫製業協会のKen Loo会長は、縫製分野での工場の創業・廃業の多さから、工場の総数を推計するのは容易ではないという。

廃業の際に縫製業協会に連絡がない場合もあり、また廃業理由についても明らかにしないことがあるという。

「同様に、廃業の際に労働省にも連絡しないこともあるわけです」と会長は話す。

カンボジア縫製業協会には現在565の縫製工場と38の製靴工場が加盟しており、そのすべてが輸出企業であるとLoo会長は話す。労働省が発表した数字がこれより多いのは、非輸出企業も含めているためという。

縫製業には明らかな低迷のきざしが見えているとLoo会長は言う。2014年の第1四半期に輸出を開始した工場は40あったのに対し、2015年同時期には13工場に止まった。

「昨年と比較すると、新規に開業する工場数も少なくなっています。明らかに、新たな最低賃金もその理由のひとつでしょう」とLoo会長は話す。

カンボジア総合研究所のエコノミストである鈴木博氏は、カンボジアの縫製産業はまだ米国及び日本の需要増加に期待できるが、将来に問題も抱えているという。

「問題はEUの低迷と、ユーロ及び円に対するドル高の進行です。カンボジアは産業の多様化と、輸出品目及び輸出先市場の多様化のために、投資環境を改善して海外直接投資を誘致する必要があります」と鈴木氏は話す。

労働省のHeng Sour報道官からはコメントを得ることができなかった。

 

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最終更新:2015年04月28日08:23

カンボジア:アパレル輸出主導で、金融危機以降も順調に経済成長

新たに公表されたレポートによると、カンボジアは2008年の世界金融危機以降、大メコン圏で唯一加速的に輸出成長を遂げた国だという。理由として同国の輸出のほとんどが、製造業の輸出の大半を占める衣料品であることが挙げられている。

メコン5カ国(カンボジア・ラオス・ベトナム・ミャンマー・タイ)はいずれも過去2年間にわたって輸出を増加させており、総輸出額は3830億米ドルにまで達している。しかしANZロイヤル銀行の「大メコン圏における四半期の展望」によると、金融危機以降の5年間、カンボジアを除くメコン5カ国では輸出成長率が鈍化しているという。

ANZロイヤル銀行頭取Grant Knuckey氏は、同レポートにはカンボジアについて2つの重要なポイントがあるとし「1つ目に、カンボジアはメコン5カ国で唯一、金融危機が起きる前よりも速いスピードで輸出成長を遂げた経済圏だということが挙げられます。2つ目は、貿易産業の多角化を図り繊維・縫製分野から脱却し始めていることです」と述べた。

レポートによると、2007年から2008年以前のカンボジアの輸出成長率は15.5%だったが、金融危機以降の5年間では16.2%にまで上昇した。

一方メコン5カ国では、成長率は減速傾向だが、依然としてタイや後に続くベトナムによって輸出が促進されている。メコン5カ国の輸出全体でタイが占める割合は2003年の76%から2013年には60%にまで急落した。ベトナムでは同期間に飛躍的な伸びをみせ、19%から34%にまでその割合を増やした。だがこうした増減にもかかわらず、その相対的な順位は変わっていない。

カンボジアの輸出はこれまで衣料品やアパレル製品に強く依存してきたが、結果的にはこれが功を奏したと考えられている。というのも、これらは通常「自由に使える金銭(可処分所得)」で購入されるものであり、かつ金融危機以降も輸入先国からの需要が下がらなかったためだ。従って例えば電化製品のように大幅な輸出減に見舞われることもなかった。

国家最高経済評議会のシニア・アドバイザーMey Kalyan氏は、カンボジアは輸出で「高級」品を扱わず衣料品に集中することで、景気低迷にもかかわらず引き続き海外からの需要があったという分析結果は正しいとしている。

Kalyan氏は「衣料品は高価なものではないため、今後も引き続き需要はあるでしょう。この状態が最良の状態だとは言いませんが」と述べた。

Kalyan氏はまた、縫製産業のような労働集約型で原材料にコストのかかる産業からカンボジアが今後多角化を図る上で、鞄・皮革製品、自動車部品など付加価値製品を生み出す製造業がその助けになるだろうとし、政府はこのほど「産業育成の指針2015-25年」を公表し、その中でカンボジアの輸出をこれまで以上に多様化させていく方針であることを明らかにしたと述べた。「言わば車の運転のようなものです。運転中、人は速度に合わせてギアを1速から2速、2速から3速へと切り替えるでしょう。カンボジアも今、ギアを切り替えるときなのです」と続けた。

カンボジアでは2004年、衣料品および繊維製品の輸出が国の輸出の約94%を占めた。だが2014年には、74億米ドルという国の総輸出額のうち、衣料品以外の高付加価値製品の占める割合が2004年の1%から19.5%にまで上昇し、一方で衣料品およびアパレル製品は約75%にまで減少した。カンボジアは特にコメ、履物類、竹、水産品などの輸出が盛んだが、レポートではこの「衣料品以外の高付加価値製品」の詳細には触れていない。

Kalyan氏の見解では「つまり輸出に求められる製品は、従来の低付加価値消費財からゆっくりと変わりつつあるということです。カンボジアが、近年の堅調な輸出傾向を今後も引き続き持続するには、こうした動向に従う必要があるでしょう」としている。

独立エコノミストのSrey Chanthy氏によると、カンボジアで輸出拡大に時間がかかっているのは、原因として労働集約型の産業に依存していることが挙げられるという。同氏は「カンボジアの輸出拡大は、短期的には無理ですが、中期的には可能だと思われます。しかし政府による資源の投下が必要です。特に人的資源の開発や、若者や若い労働者への人材育成が不可欠でしょう」と述べた。

 

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最終更新:2015年03月20日05:29

カンボジア:「夜逃げ」した縫製工場の売却を従業員が要求

2月27日に経営者が突然失踪したことを受け、プノンペン市Dangkor地区のDF Fashion Apparel (Cambodia)社の400人以上の縫製労働者が3月4日に工場で集会を行い、未払給与の支払いを求めた。

従業員らがMr. Merと呼んでいたDF Fashion社の所有者であるイスラエル人の失踪により、約540人が失業した。従業員らは政府に対し、工場を売却し1人あたり500-600米ドルを支払うことを要求している。

「工場内の備品を売却し、その金額を従業員らへの給与支払いに充てるため、労働省が特命委員会を設置することを求めています。法廷に持ち込まずに従業員に未払い分を支払い、解決することを希望しています」と労働組合連合(NTUC)のFa Saly議長は話す。

DF Fashion社のOn Samol総務部長に3月4日取材を試みたが、コメントを得ることはできなかった。

Saly議長が労働省に対し早急な介入を求める書簡を送ったところ、同省職員がすでに抗議活動中の従業員らを確認に訪れたという。

このような工場放棄は、特にカンボジアの縫製産業において、過去数年にわたって問題となってきた。Saly議長は、外国人経営者に責任を問えないカンボジアの法制度がこのような問題を招いていると話す。

一方で、労働省のストライキ・デモ解決委員会のVong Soyann副局長は3月4日、労働省職員が問題解決のため工場経営者の所在確認をしていると語った。経営者の所在が確認できない場合、同委員会が工場及び備品を売却し、売却代金を従業員の未払分賃金の支払いに充当するという。

「従業員代表者や労働組合と話し合ったところ、彼らが私たちに求めているのは未払いの賃金や給付金の支払いを可能にすることであり、経営者を告発することは望んでいません。とにかく賃金です。彼らは新しい仕事を見つけたいと考えており、問題を早急に解決するために力を尽くします」

従業員のKhiev Chakrya氏(27)は、報復的行為として工場の売却を求めているのではなく、必要からのことだと話す。

「お金がないから、工場と設備を売却する必要があるだけです」と彼は言う。

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最終更新:2015年03月10日06:00

カンボジア:昨年の対米輸出は2.5%の微増

米国統計局が公表した統計によると、2014年のカンボジアからの米国向け輸出総額は28億4000万米ドルで、2013年の27億7000万米ドルからわずかに2.5%上回る結果となった。

カンボジア商工会議所のNguon Meng Tech会長は、米国向け輸出の伸び率は過去数年ほぼ同程度で安定しており、低調な伸びは特に驚くべきことではないと話す。しかし、昨年の業界内の混乱が原因であるとTech会長が指摘する縫製製品の輸出の落ち込みは懸念材料であるという。

「少なくとも、米をはじめとする他の輸出製品のおかげで輸出額は伸びていることを幸運と考えるべきでしょう」とTech会長は話す。

カンボジア縫製業協会(GMAC)が公表した別の統計によると、カンボジアの対米主要輸出品である縫製製品の輸出は2014年1月からの11ヶ月間で15億9000万米ドルとなり、2013年の同時期の18億5000万米ドルから13%減少している。

昨日縫製業協会にコメントを求めたものの、回答を得ることはできなかった。

一方、米国との結びつきをさらに強化すべく、2月12日にSun Chanthol商業省大臣が米国国務省経済商務官Kurt Tong氏と会談し、カンボジアと米国の間での二国間投資協定(BIT)交渉の進捗について協議した。

「米国へ輸出したいだけではなく、私たちは米国からカンボジアへの大型投資を期待しています。投資協定はカンボジアに米国の投資家を引きつけることになるでしょう。そうすれば、カンボジアでのよりよい雇用機会の創出につながります。」と商業省報道官のKen Ratha氏は話す。

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最終更新:2015年02月25日06:01

カンボジア:縫製工場管理職、新賃金の見直し求める

カンボジア首都プノンペンの工場で19日、数千人におよぶ縫製労働者らがデモを起こした。また別の工場でも約100人の従業員がデモ行進を行った。どちらも昨年末決定した縫製労働者の新最低賃金に関するもので、当時すでに最低賃金額以上の収入を得ていた者たちの給与に関して改めて見直しを行うべきと主張した。

数カ月にわたる労働組合および工場使用者との交渉の結果、労働省は昨年11月、縫製労働者の1カ月の最低賃金額を100ドルから128ドルに引き上げると決定した。新制度の発効は今年1月からで、これまで低い賃金で働いてきた縫製労働者らはこの月、発効以来初となる大幅アップの給与を手にした。

Quantum Clothing社で働く約3000人の従業員は19日、工場が建ち並ぶVeng Sreng通りでデモ活動を行い、賃上げ以前すでに最低賃金額以上の月給を得ていた者に対しては、新賃金においても別途28ドルを追加賃金として支払うべきだと要求した。

デモ活動に参加したSok Sreymomさんは、工場幹部らへの言葉として「追加賃金として別途28ドルを支払ってもらいたい」と話した。また「もっと仕事量を増やして欲しいと思っています。そうすれば今以上に稼ぐことができるわけですから」と続けた。

受注の減少に伴い、多くの工場はここ数カ月、時間外労働を減らしてきた。

だが自由貿易組合の地域代表Chan Rath Keopisey氏によると、同社は今後時間外労働を増やすことに同意し、かつ病気休暇を有給で取得させるなど、他にもいくつか労働者の要求を受け入れたという。しかし従業員は依然として、デモ活動の続行を検討中だという。

本件についてQuantum Clothing社はコメントを差し控えた。

一方Smart Shirts社でもこの日、約100人の従業員がStung Meanchey区の工場から国会議事堂までデモ行進を行い、一時、労働省に立ち寄るなどしながら、管理職の給与を現行の最低賃金からさらに28ドル引き上げるよう請願書を提出した。

カンボジア労働者の声組合連合のKhuen Namhor代表は「新制度の導入で給与は100ドル以上にはなりましたが、工場では約300人の従業員がさらに28ドル上乗せするよう求めています」と述べ、「というのも、従業員すべての給与が同一というのはおかしいからです」と補足した。

従業員らはまた同社幹部に対して、仲裁評議会の命令に従い、最近解雇した4人の元従業員を再雇用するよう要求している。

同社総務部のIn Dara部長は、管理職の賃上げについて、同社では要求に従うつもりはないが、1カ月3~5ドルの追加賃金であれば検討の余地はあると語った。ただしデモ活動を中止し今後懸命に働くことを条件として提示した。一方で4人の元従業員については再雇用の予定はないとした。

Dara部長はこの件について「当該の4人は雇用期間中、社員としての役割を果たしていませんでした。にもかかわらず、労組の組合員であることから、工場に対して抗議行動を起こすよう従業員をけしかけていたのです」と説明している。

労働省労働争議局のVong Sovann副局長は、今回、短時間ではあるがデモ参加者と面談したと話し、同社幹部らと労組に対して、24日に両者で話し合うよう予定を組んでもらいたいと述べた。

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最終更新:2015年02月24日14:17

カンボジア:2014年衣料品輸出、わずか4%増と伸び悩み

昨年、減速をみせたカンボジア縫製産業だが、この減速によって、将来性へのさまざまな見解が述べられている。同産業はこれまで長い間、同国の輸出産業を支え、国の成長の原動力となってきた。

2月第2週前半に公表された商業省の統計によると、昨年、同産業の輸出は伸び悩み、わずか4%増に留まった。衣料品の総輸出額は昨年、前年比2億米ドル増の57億米ドルだった。

統計から分かるのは、年間成長率が著しく低下したことだ。2009~11年の間、衣料品輸出は毎年25~35%の増加率を示していた。また2011~13年における同産業の年間成長率は約10%だった。

独立経済アナリストのSrey Chanthy氏は、「この4~6年という期間が同産業にとっての変遷期だと考えられます」という。同氏はまた「昨年の収益は振るいませんでしたが、縫製産業への新規投資はこの先6年は続くものとみられています。一方で、新たな事業によって産業の効率化を図らなければなりません。その後、同産業への投資は安定するかまたは減少するでしょう。当然ながら政府はいつまでも同産業に依存し、持続可能な方法で経済を拡大させられるわけではありません。そうするには産業の革新が必要です。」

Chanthy氏によれば、カンボジアの縫製産業には「長期的な見通し」が欠けているのだという。このままでは、安価な労働力に頼る同産業の衰退は避けられず、また衰退後は、より高度な技術を持った製造業がこれに取って代わるだろうと話す。

英調査会社のMaplecroft社は、最新の「労働コストインデックス2015」で、ミャンマー、バングラデシュと並び労働力の安価なカンボジアは、労働コストの低さにおいて172カ国中ほぼ最下位だったと述べている。

また同インデックスは、労働コストの低さからカンボジア市場に参入しようとしている企業に対して、数多くの警告を発している。例えば企業が注意すべきこととして、労働デモや政情不安、労働者の健康状態が良くないこと、ブランドイメージの低下といった間接的な損害、投資家との問題、訴訟の可能性などを挙げている。

昨年1月以降、カンボジアの最低賃金は2度引き上げられてきた。これらの賃上げは、昨年1月に起きた縫製労働者による全国規模の労働デモを受けてのもの。このデモでは治安部隊がデモ隊に向けて発砲し、銃弾を受けた労働者5人が亡くなった。同年2月、最低賃金は1カ月80米ドルから100米ドルに上がり、また今年1月には128米ドルまで引き上げられた。

カンボジア縫製業者協会(GMAC)のKaing Monika副会長は、最低賃金の賃金交渉が今年6月、再び開催されるとし、賃上げが行われれば縫製産業の将来的な成長や安定性は確実ではなくなるだろうと述べた。その後「最も大切なのは、現在そして未来における委託元企業からの信頼です。つまりカンボジアの工場が、製品を確実に引き渡せるかどうかということ。信頼がなくなれば、受注量も減少するでしょう」と続けた。

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最終更新:2015年02月20日16:55

カンボジア:GMAC「受注減少は賃金上昇の影響」

カンボジア縫製産業の2014年末にかけての受注減少の報道を受けて、縫製業界関係者からは様々な声が上がっている。

ブルームバーグの2月2日の報道によると、2014年の1月から11月まで、カンボジアの縫製及び履物産業での受注高の伸びは前年比1%増に過ぎなかったという。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo会長はブルームバーグ社に対し、成長率の低迷は急激な賃金上昇と頻繁なストライキ、政治的な不安定性、そしてメディアによる「カンボジアの工場全体の競争力を削ぐような」ネガティブな報道に起因するものであると語った。

Loo会長は2014年11ヶ月間の受注高の伸びが1%であったことを認めたが、ポスト紙の取材に対してコメントをすることはなかった。

縫製業協会のKaing Monika副会長は「過去18ヶ月に起こったことを考慮すれば、これは誰にとっても驚くべき結果ではない」と話す。「縫製産業は確実に低迷に向かっています。

2014年の米国向け輸出がひどく落ち込んだことを考えると、ブルームバーグ社の報道はおおむね正しいと思われます」

縫製業協会のデータによると、2009年から2013年末までにカンボジアからのアパレル輸出は2倍となった。その間の平均年間成長率は20.5%に達していた。

カンボジアの最低賃金は2014年1月の全国的な縫製労働者のストライキにより、2回引き上げされている。このストライキにおいては、抗議活動を行う人々に保安部隊が実弾を発砲し、5人が死亡する事態となった。2014年2月には、月額最低賃金が80米ドルから100米ドルに、そして2015年1月1日にはさらに月額128米ドルへと上昇した。

2014年第三四半期末には縫製業界全体の受注減少の兆しが浮上し、2014年第三四半期の輸出額は2013年同時期の輸出額16億8000万米ドルから4%ダウンとなる16億1000万米ドルへと減少した。

労働者の権利保護団体であるSolidarity CentreのDave Welsh会長は、縫製業界の低迷は賃金上昇と2014年初頭のストライキが原因とするカンボジア縫製業協会の言い分に異論を唱える。

「現在の低迷の大きな原因は、悪質な報道と2014年初頭のストライキ後の政府の対応にあります」とWelsh会長は言う。

「それに加えて、現在の輸出実績は最低賃金引き上げ発表以前の受注分によるものです。最低賃金の上昇と現在の輸出低迷を結びつけるのは非合理的です」

カンボジア政府の対応と2014年1月のストライキへの総括の不足、労働組合に関する法律の問題が解決されていないことが受注に影響を与える重要な課題に含まれているとWelsh会長は話す。

 

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最終更新:2015年02月17日14:19

カンボジア:TYファッション社が第三の上場企業に

プノンペン証券(PPS)の報道発表によると、台湾資本のアパレル製造企業TY Fashion (Cambodia) Plc はプノンペン証券を主幹事として2015年半ばの株式上場を目指しており、1月16日にカンボジア証券取引所の上場審査を通過したという。

TYファッション社は発足間もないカンボジア証券取引所において第3の上場企業となり、台湾資本のアパレル企業としては2013年6月のGrand Twins International社の上場に引き続き2番目の上場企業となる。

カンボジア証券取引所のLamun Soleil市場運用副部長は「プノンペン証券が販売担当、主幹事引受会社となっているため、この新規株式公開は成功するでしょう」と話す。

Soleil副部長は、アパレル産業が好調に成長しているため、縫製企業の株式は投資家のさらなる期待を集めるであろうと予測した。

「ほとんどの労働組合が新しい賃金基準を受け入れ、政府は縫製労働者の電気代の低減策を取り、縫製産業は現在さらに安定しているように見受けられます」とSoleil副部長は話す。

TYファッション社の社員は上場予定を認め、同社が証券取引委員会にすでに目論見書を提出したことを明かした。

「当社の業績は非常に順調に推移しているので、上場予定に関しては何の心配もありません」と匿名希望のこの社員は語った。

証券取引委員会のSou Socheat会長からコメントを得ることはできなかった。

TYファッション社は2008年7月1日にカンボジアで創業し、H&Mなどの世界的ブランドの衣類を生産している。

競合関係にあるアパレル製造企業Grand Twins International社は1株あたり6600リエル(1.62米ドル)で1月20日の取引を終えている。

シアヌークヴィル自治港は、数年の準備期間を終えて2015年半ばの上場を予定していると最近プノンペンポスト紙に語ったが、まだカンボジア証券取引所の上場審査を通過していない。

 

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最終更新:2015年01月26日12:34

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