インドシナニュース

カンボジア:アメリカのGSP制度見直しは順調に行われる見通し

発展途上国が一般特恵関税制度(GSP)の受給要件に従って無税のアクセスを行う事を確実にするためにアメリカで最近新しいイニシアチブが立ち上げられたことを受け、1116日、カンボジアにおける労働環境の改善を厳重な調査対象とすると同国繊維部門の企業団体代表者は表明した。

これは、トランプ政権がアジアの対象国において、児童労働の撲滅、国際的に認められている労働者の権利の遵守、知的財産の十分かつ効果的な保護、アメリカに対する公平かつ妥当な市場アクセスの提供など、15の認定基準が遵守されているかをを精査すると米国通商代表部のRobert Lighthizer氏が発表した事を受けている。

もしカンボジアが認定基準を満たしていなければ、アメリカが全面的な見直しに踏み切り、GSPの受給資格を剥奪し、結果として世界最大の消費市場に対する無税アクセスの権利がなくなるという可能性もある。

これに対しカンボジア縫製業協会(GMAC)のKaing Monika副会長は、アメリカの全面見直しを恐れる必要はないと発言している。

「これまでカンボジアは常にGSPの基準を満たし、労働環境を改善する事で受給資格を獲得してきました。特に、繊維部門では賃金の引き上げも行なっています。」

「受給基準は確実にクリアすると思います。」

アメリカ大使館が16日に投稿したFacebookの記事によると、カンボジアは1997年以降GSPの恩恵を受けており、その総額は過去二十年間で17900万米ドルに達しているという。

昨年7月、アメリカはカンボジアに対するGSPの枠を拡大し、カンボジア製の旅行用品が無税でアメリカ市場に参入できる様になった。

一方で、1976年にGSPの制度が制定されて以降履物製品は決して対象とならなかった事を考慮すると望みは薄いものの、GMACは履物製品の輸出もGSP制度で認められる様希望する申し立てを行っている。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのアセアンアナリストリーダー、Miguel Chanco氏によると、最大野党が16日に解散するなど、カンボジアの政治状況が悪化していることは、GSP制度の精査の結果には無関係であるという。

「アジア各国がGSPの受給要件を満たしているかの調査に対するアメリカの決議は、貿易に対するトランプ政権の保護貿易論的傾向からくるものであり、現在の貿易の枠組みをアメリカに有利な様に再編したいというトランプ氏の野心とも一致しています。」と同氏はeメールの文章にて説明した。

カンボジアに対する施策のロール・バックという不測の事態が起こったとしても、カンボジアの主力輸出品である繊維製品はGSPに含まれていないため、経済に対する脅威はほとんどないと言っても良いと同氏は述べた。

しかしながらカンボジアでは中国に対する経済的・政治的・軍事的傾倒が高まっていることから、もしフンセン首相がトランプ政権やワシントンの怒りを買う様なことがあれば、カンボジアのGSP受給の資格は見直しを受ける可能性もあると、タイのナレスアン大学の教職につくPaul Chambers氏は述べた。

「リビアやベトナムなど、テロリズムの支援を行なっている国や共産主義国、知的財産権の侵害を助長している国などは、過去にGSPの適用対象から除外されています。」

「カンボジアの場合、フンセン首相が中国との連携を強めていることや、主要輸出相手国としてカンボジアがアメリカに依然として依存していることなどが、カンボジアのGSP貿易資格をアメリカが再考する要素となっています。」と同氏は述べた。



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最終更新:2017年11月21日12:01

カンボジア:新たな縫製工場計画が認可される

1114日の発表によると、カンボジア開発協議会(CDC)はFushun Cambo Fashion Co. Ltdが縫製工場を設立するための245万米ドル規模の投資プロジェクトを認可した。

開発協議会がフェイスブックで発表したところによると、同社はタケオ州南西部のBati地区に新工場の設立を計画している。この工場で1069人の新規雇用の創出が見込まれている。

大規模投資プロジェクトの許認可を行う政府機関であるカンボジア開発評議会は先月から公式にフェイスブックで発表を行うようになった。これにより投資家にも一般の人々にもカンボジアの経済開発の過程への透明性が高まると政府関係者は話す。

開発評議会は10月だけで4事業を認可している。全て縫製・製靴分野の事業で、投資額は総額1000万米ドル近くに達する。



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最終更新:2017年11月20日08:41

カンボジア:賃金引き上げによって引き裂かれる繊維産業(後)

(前編より)

ここ数ヶ月の政府の対応は財政難が与党に影響を与えると考える企業や権利団体からの非難を受けており、こうした恐れを抱いているのはTavernier氏だけではない。

クリーン・クローズ・キャンペーン、労働者人権協会(WRC)、国際労働権利フォーラムは先月、共同グローバル声明を発表し、最近の政治的弾圧に対して断固たる姿勢をとるよう、カンボジアを調達先としている西洋のアパレル大手企業に対して呼びかけた。

声明では高まる政治の抑圧として3つの傾向を説明し、多国籍企業がカンボジアで抵抗するための根拠として挙げた。これには、9月におこなわれた反逆の疑いによる反対派のリーダーKem Sokha氏の不当な逮捕や、NGOの強制的な閉鎖、過熱化する選挙に先立った独立メディア支局の口封じなどが挙げられている。

WRCJessica Champagne現地業務・戦略副部長によると、同氏はすでに複数の企業に連絡を取っているが、カンボジアの全体的な政治の衰退に団結した態度をとることに同意した企業は一つもないという。

「カンボジアを調達先としている主要ブランド数社との協議は続けています。こうした企業が、人権や労働者の権利を全面的に尊重するようカンボジア政府に呼びかけることを祈っています。」

エシカル・トレーディング・イニシアチブ(ETI)や国際労働機関のベターファクトリーズ・カンボジア・プログラムなどを通じ、グローバル化したアパレル企業は繊維産業の人権水準を上げようとする動きを長年とっている。

しかしながら、こうした企業が産業分野以外で政治に関わることはないと思われている。

カンボジアに投資を行う上で政治の全体的な安定性は重要だが、ETIによって推し進められている目標はいずれも、WRCによって取り沙汰されている政治不信の高まりは直面していないとETIPeter McAllister事務局長は述べた。

NGOや労働組合、そしてその他の市民団体が自由かつ効率的に運営することを認め、こうした団体が幅広いビジネス環境に積極的に貢献できるようにする事が大切です。」

カンボジアでETIに所属している会員機関の内の個別企業は、政治情勢に対して警鐘を鳴らしている。

「カンボジアの現在の政治状況を深く懸念しています。」とGapを代表するLaura Wilkinson氏は述べた。

世界的なアパレル企業C&Aのコミュニケーション・スペシャリストであるKatrin Ehrenberg氏によると、政治情勢によっては調達先を変更せざるを得ないかもしれないという。

「現在の状況が改善しなければ、生産拠点をカンボジア国外に移すことはもちろん考えています。カンボジアでの運営を続けては行きたいですが、政府が取る行動に気が気でありません。」



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最終更新:2017年11月08日12:04

カンボジア:賃金引き上げによって引き裂かれる繊維産業(前)

繊維産業における最低賃金の引き上げや、カンボジアの将来が危ぶまれる近年の政治的混乱は、実入りのいいカンボジアの繊維部門で運営している各国の企業から様々な反応を受けている。賃金の引き上げに対しては、カンボジアで調達している最大手のアパレル企業各社からは広く賛同の声が上がっているものの、中小規模の企業からは採算性の低下が見込まれていることが嘆かれているほか、政治的な緊張状態が増すのではとすべての企業が懸念している。

先月、2018年には153米ドルから170米ドルに引き上げられる最低賃金の値上げ案が通過し、繊維労働者の最低賃金は対前年比11%増加することが決定した。しかしながら、アパレル企業大手のほとんどは賃金上昇に伴う間接費用損失の可能性に対しては問題に感じていないように思われる。

繊維労働者を支持するためにもH&Mは最低賃金の引き上げを支持しており、新しい法案を歓迎するとスウェーデン企業H&Mの広報担当であるUlrika Isaksson氏は述べた。

「当社は最低賃金の引き上げには前向きで、カンボジア繊維産業が定期的かつ透明な最低賃金制定の過程を設けることを歓迎します。」とeメール文中で回答している。

イギリス小売業大手Debenhamsの広報マネージャーであるRebecca Maund氏も同様の回答を寄せている。

Debenhamsはグローバルブランドや小売業者、労働組合と数多く協力し、カンボジアの労働者が生活賃金を達成するよう支援しています。」

このように、潤沢な資金を持つ巨大企業が前向きな反応を寄せている一方で、世界的な風当たりの少ない中小企業では今後の採算性に対する後ろ向きな反応が目立っている。

フランスに拠点を置く繊維企業We Group LtdCEOであるEric Taverniers氏は、最低賃金の引き上げによりカンボジア国内の運営を再考せざるを得なくなっていることを明かした。

カンボジアの施設と比較して中国にある同社の工場が3倍効率的であることや、ベトナムにある同社の工場がミスが少なく輸送・市場の柔軟性が高いことを説明し、新しい賃金法は、すでに競争の激しい産業においてカンボジアの競争力を弱めると同氏は述べた。

「競争が激しいため、店頭価格を引き上げることはできません。今や、カンボジアに工場を設置することは(近隣諸国に設置する場合と比較して)安いというわけではありません。ミャンマーやバングラデシュに行けばいいわけです。」

Taverniers氏はカンボジア国内にある工場を直ちに閉鎖することを計画しているわけではないが、国民選挙が近づくにつれ高まる政治的緊張がさらに高まれば、撤退もありうるという。

「街中での銃発や暴動など、次の6ヶ月間が心配です。カンボジア国内の政治ニュースを読んだ時最初はとても怖いと感じていたのですが、今やただ閉鎖しようと考えています。(工場が運営をやめてしまうのは)カンボジアにとっての罰則であり、まだ確定というわけではありませんが検討はしています。」

(後編につづく)



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最終更新:2017年11月08日06:04

カンボジア:アパレル洗い加工場のボイラー爆発で19名が負傷

プノンペンのアパレル洗い加工場で発生した蒸気ボイラーの爆発事故により、当該の工場及び近隣の2工場が全壊し、労働者4名が重傷を負った他、15名が軽傷を負ったと当局が発表した。

無傷で事故を切り抜けた工場労働者のSam Chanlyさんによると、Por Sen Chey地域のChoam Chao町にあるKorng Sun工場では1030915分頃に衣料品の洗い加工が行われていたが、蒸気ボイラーが突然爆発し、瓦礫が飛び散ったという。

「煉瓦や亜鉛、石の破片があちらこちらに飛び散りました。それにより多くの従業員が負傷しました。」

町の副警察庁であるYorn Sothun氏によると、被害を受けた労働者は3工場に及んだという。

「(Korng Sun工場では)労働者が2名負傷し、(近隣の)Fung Sin工場とTang Pheng Por社の建物が爆発に伴う熱の影響を受け、近隣2箇所では17名の労働者が負傷しました。」と同氏は述べた。

Sothun氏によるとボイラー爆発の原因は不明で、専門家が調査する予定であるという。

近隣2企業の4名が重傷を負っており、負傷者6名がプノンペンのクメール・ソビエト友好病院に運送されたと同氏は述べた。

Korng Sunで働くChan Veasnaさん(21)とSiet Namさん(40)は頭部の負傷と肋骨の骨折で入院したという。

同日夜にメール・ソビエト友好病院のNgy Meng院長に確認したところ、入院患者6名の健康状態は不明で、他の病院職員に連絡を取ることはできなかった。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のプレスリリースによると、Korng Sun工場は登録を受けていなかったという。そのため負傷者は国家社会保険基金(NSSF)の保証対象外となるとの声明が発表されている。

労働者権利団体CentralMoeun Tola氏は、NSSFの資格有無に関わらず負傷者は企業による賠償を受けるべきだと述べた。

未登録の工場でボイラー爆発が発生し、2名が死亡、4名が負傷した事故を受け、連帯センターのWilliam Conklin氏が4月にプノンペンポスト紙に語ったところによると、GMACに登録されていない工場は規制のゆるい産業部門である、下請け業社である可能性が高いという。

「(政府)、ブランド、GMAC工場などの主要関係者はこうした工場を規制・監視し、少なくとも法を遵守しているかを確認する責任を持っています。」と当時同氏は語っていた。

工業手工芸省のSoeun Sotha報道官によると、ボイラー検査を担当する政府機関であるはずの同省にKorng Sun工場が登録されていたか否かは不明であるという。その他の担当者に話を聞くことはできなかった。

本件に関わらず、今年少なくとも4件発生しているボイラー爆発に歯止めをかけるためには、検査訓練の改善と取締りの強化が必要であるとTola氏は述べた。

「蒸気ボイラーの品質を大幅に改善することが差し迫って重要となっています。さらに、蒸気ボイラーを含む定期的な(工場)監査も強化しなければなりません。現在カンボジアの蒸気ボイラーを取り巻く状況は芳しくありません。」

Korng Sunの代表は名前を明かすことや事件についてコメントすることを拒否し、Tang Pheng Por及びFung Sinの担当者には話を聞くことができなかった。

 



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最終更新:2017年11月02日06:03

カンボジア:繊維製品の輸出は減速の見通し

2016年には7%であったカンボジアの繊維・履物製品の輸出成長率は、今年は5%ほどに減速する可能性が高い。全体的な落ち込みの暗示や現在の政治情勢への関連は見られないとして、業界関係者はこのトレンドを否定している。

生産拠点が相対的に増加しているため、繊維・履物産業の成長率の低下は市場として当然の出来事だとカンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、年次のカンボジア繊維サミットにて説明した。

「拠点数が増加しているため、成長率という点では今までと同じわけにはいきません。今の所、繊維産業の売上はまだ現在の状況の影響は受けていません。」と同氏は述べた。

Loo氏は今年1-9月期の輸出高について数字を示すことができなかったが、カンボジアでは今年53の工場が閉鎖した一方で、25の工場が新設されたことを説明した。

産業の状況については概して肯定的ではあるものの、最低賃金の引き上げ(11日より月額153米ドルから170米ドルに変更)がローコストの受託先というカンボジアの強みに少しずつマイナスの影響を与えていくだろうと同氏は警告している。立地条件に制約されない産業の中で、競争力を維持するためには生産性を高める必要がすぐに出てくるとし、事業展開にかかる費用削減の支援を行うよう同氏は政府に訴えかけた。

「今後最低賃金が170米ドルになり、もしその他に何の変更もなければ、さらに多くの工場が困難に直面するでしょう。生産性に関する改革や事業にかかる費用の削減、そして上昇する労働コストを相殺し工場が操業を続けることができるような新しい政策がおこなわれることを願っています。」

税関局が発表したデータによると、カンボジアの2015年の衣料品・履物製品の輸出が68億米ドル相当であった一方、2016年の輸出は73億米ドル相当であった。本産業はカンボジアの総輸出高の70%以上を占めており、製品の大半はEU、アメリカ、カナダ向けである。

シアヌークビルに繊維工場を持つフランス系企業We Group LtdCEOEric Tavernier氏によると、シアヌークビル周辺では生産性が最大の関心ごとであるため、最低賃金の引き上げによる値段の違いは象徴的なものに過ぎないと説明した。

「理論上、カンボジアの月間給与は中国より60%低いことになっています。しかしながら、中国の生産速度が75%である一方、カンボジアの生産速度は35%しかなく、能率を考慮に入れるとカンボジアは30%しか安くないということになります。」

一方、国際通貨基金が先週発表した最新の経済見通しでは、近隣諸国との競争の激化からカンボジアの繊維産業の成長速度は低下するであろうと予測されている。ただし、アメリカによる特定の旅行用品輸出に対する免税特恵の付与が今後短期間に同産業を支えるだろうともIMFは述べている。

在カンボジア中国商工会議所のEnjoy Ho所長は、繊維部門に投資を呼び込むカンボジアの強みは依然として、豊富かつ安価な労働力と、EUの武器以外のすべて(EBA)制度及びアメリカの旅行用品に対する免税アクセスによる特恵貿易協定であると述べた。

もし労働者の生産性が高まらなければ、最低賃金の上昇により産業は必ず危機に陥るだろうという。

「最低賃金の引き上げにより、昨年同等の注文価格を維持することに苦戦しています。生き残れる可能性はごくわずかなのです。」

電気料金の削減や輸入・輸出手数料の引下げなど、工場オーナーの負担を軽減する施策を政府が迅速に打たなければ「工場は必ず閉鎖します」と同氏は述べた。



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最終更新:2017年10月30日06:01

カンボジア:繊維労働者の投票獲得に向け、首相が短期契約を標的に

10月4日、繊維労働者の投票獲得を目的とした一連のキャンペーンの一環として、フンセン首相は、物議を醸しつつも日常的に行われており、繊維業界の雇用を不安定で搾取的なものとしている短期契約について狙いを定めた。

首相の座に着いて31年目、次の10年間もその座を保持したいと考えるフンセン首相であるが、繊維労働者を対象に行われ、問題となっている3ヶ月間契約について知らされたのはつい最近のことであるという。

「3ヶ月間の試用期間後は長期間の契約を締結しなければなりません。試用期間後の契約期間も変わらないというのは正しいことではありません。」プノンペンのPor Sen Chey地区にある工場で、1万名の繊維労働者を前に首相は語った。

工場側が人材の適性を確かめることは必要なことではあるが、短期契約は「正しい解決策を見つけなければならない問題である」と首相は述べた。

「仕事を継続できるかわからない状況となる3ヶ月間契約は、労働者にとって不安と負担が大きなものです。雇用者、カンボジア縫製業協会(GMAC)、労働省がこの問題に取り組み、労働者の雇用の安定を図るよう呼びかけます。」

プノンペン郊外のTien Sung工場で働く繊維労働者のKhann Ath(27)さんは、3ヶ月契約で働くことで、残業や組合加入、不合理な生産割り当てに対し嫌とはいえない状況となっていると語った。

「仕事の負担は相当高いものになっていますが、契約の更新のためにそれを受け入れなければなりません。」

カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長によると、産休手当の支払いを避けるために契約が更新されないことがしばしあるなど、この契約形態が妊婦にとっても不利なものになっているという。

カンボジア繊維業界の労働力のおよそ80%が2、3、6ヶ月間の契約であると推測されている。

GMACのKen Loo書記長によると、「短期契約」についての法的な定義はなく、有期契約や無期限契約についてはあるが、いずれも賛否両論があるという。

「労働者は、契約のタイプについては十分に認識しています。彼らが全面的に同意する義務は全くありません。カンボジアには強制労働というものはないのです。」とLoo氏は述べた。

使用されている契約の種類は工場のニーズによって異なり、こうしたニーズが労働者の権利を凌ぐことはなく、「労働者のニーズが工場のニーズに勝る」こともないとLoo氏は述べた。

過去二ヶ月間で首相は労働者に対し、保険医療の無償化、2年間の公共バスの無料アクセス、新生児に対する100米ドルのボーナスを公約した。

労働者権利グループCentralのMoeun Tola会長はフンセン首相のコメントを歓迎し、動機は政治的なものであるにせよ、繊維労働者のために目に見える結果を得ることができると述べた。

「どの政党でも起こりうることであり、選挙に近づいているからだということは誰もが理解していますが、首相のコメントが法の執行力を再活性化させることだけを願っています。」もし労働法が正しく適用されれば、2年後には短期契約が無期限契約に自動的に切り替わると同氏は述べた。

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最終更新:2017年10月10日06:01

カンボジア:縫製労働者の住居確保に行き詰まり(後)

(前編より)

 

しっかりとした造りの清潔な部屋を借りる資金を持っている縫製労働者はほとんどいない。工場によっては宿泊施設を提供しているところもあるが、多くは部屋を見つけて自身でその家賃を支払う必要がある。彼らは最も安く借りられる場所を利用し、故郷への送金をできるだけ多くしようとする。

CheaSokLeangさん(42歳)は、Chakangre Leu地区の別の工場で働く縫製労働者で、同じくプレイベン州出身である。彼はPost Property紙に対して次のように述べた。「バスルームと十分なスペースのある賃貸住宅で快適に生活したいとは思いますが、我々のような低所得者にとってそれは不可能です。」

Kien Svay地区の家主であるSieng Nyさんは、近隣の縫製労働者向けに月額40米ドルで20部屋を賃貸していると言った。「労働者らにとって衛生面と安全性の確保が重要であるため、私はバスルームを完備した、大きな居間のある住居を建設しようとしています。」と彼女は続けた。

彼女は、自身の現在所有する賃貸住宅は建築基準を満たしていないものの、他の賃貸物件よりはましだと言った。「私は建築基準を知っており、労働者にまっとうな居住空間を提供したいと考えています。ですが彼らには良質な部屋を借りる余裕など一切ないのです。」と彼女は続けた。

カンボジア労働組合連盟(CATU)のYang Sophorn会長は、縫製労働者は依然として、良質な住宅、衛生的な食事、家族のための恵まれた条件など確保するのに苦労している状況だと述べた。「一部の工場では縫製労働者向けに宿泊施設を提供していますが、大規模工場でさえも多くはこうした施設がなく、労働者が残業や安全に帰宅することが難しい状況となっています。またほとんどの労働者はバスルームが共同の場所に住んでおり、衛生面に問題があります。」

Sophorn会長は、労働者に適切な宿泊施設を提供するために、政府や家主が清潔なバスルームを備えた大型住宅の建設を検討すべきだと訴えた。彼女は、工場が提供する住宅でさえ、労働者はその家賃負担に耐えられないことがあると言った。

「労働者の生活条件にはまだまだ問題があります。経営者らが住居を建設したとしても、労働者らは生活費に加えて家賃を支払う余裕などないのですから。労働者の給与は増加したものの、物価の上昇によって購買力は低下しています。労働組合はより良い労働条件と生活水準の確保に貢献してきました。ですが、政府の定める住宅基準法がより強固に適用される必要があります。住宅基準に関する賃貸契約法が定められているものの、実際にはうまく適用されていません。人々は労働省が施行したこの法律の文言をよく理解していないようです。」と彼女は言った。

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最終更新:2017年10月07日12:01

カンボジア:縫製労働者の住居確保に行き詰まり(前)

カンボジアの縫製労働者は地方にいる家族を養うために奮闘する一方で、自身が住む宿泊施設を確保するのに非常に苦労している。

カンボジアにある一部の工場では労働者に宿泊施設を提供しているが、その他の工場では地元の賃貸市場において労働者自身が確保する必要がある。国の最低月額賃金が153米ドルに設定されているものの、労働者の多くが得られる収入は非常に少ないため、彼らは住宅費を削ってやっと最低限の生活を送ることができる。

カンボジアの製造部門は多くが首都かその近隣に位置しており、1990年代半ば以降数十万人の雇用を創出してきた。縫製工場には新規労働者が安定して流入しており、その多くは他州出身の女性である。

35歳のYem Chhailimさんは、ベトナム国境付近にあるプレイベン州出身である。彼女はChakangre Leu地区にある、腐臭漂うごみの山に囲まれた小さな掘っ立て小屋に住むのに月30米ドル支払っている。そこは彼女が働いている工場から国道1号線で約1キロの場所にある。

Chhailimさんは20年間縫製工場で働いてきた。「私は約20年間工場労働者として働き、生活してきましたが、安い部屋に住み、暮らしは良くありません。」と彼女は自身の日常生活について語った。

Chhailimさんは月額153米ドルの最低賃金を稼ぎ、故郷の家族に100米ドルを送金している。70米ドルは彼女の5歳の娘と6歳の息子に、30米ドルは子供らの面倒を見る母親のためである。月30米ドルの家賃の家に住むという彼女の決定は、こうした状況にあるための苦肉の策であった。彼女は残業していくらかの残業代を得るが、月の給与が200米ドルを超えることはめったにない。

彼女の家路は、腐ったごみとよどんだ水溜りの上に建てられた険しい足場で終わる。それでも夫であるVinh Sienghoutさん(36歳)と共に住むこの家は、彼女が以前住んでいた月5米ドルの家賃で、他の労働者でいっぱいの蚊帳のような「賃貸」寮よりはるかにましである。

Chhailimさんはトタン屋根の傾いた部屋で食事の準備をしながら、Post Property紙に次のように話した。「私たちは雨風も十分に防げないこの小さな家に約30米ドルも支払っています。家の下の方からはゴミの悪臭も漂ってきます。」

だが彼女は元いた蚊帳のような寮から出ることができ、ホッとしたという。「当時私は雨が降ると、家が水浸しになるのではないかと心配していました。何人かの労働者は私よりさらにひどい家に住んでいました。」

「私はいつも、大きな木造の家で故郷の家族と一緒に暮らすことを望んでいますが、それはまだ実現できていません。」と彼女は続けた 「ここでの暮らしは厳しいですが、人々はフレンドリーで、まるで第二の故郷のように感じています。」

「私はいつも工場が快適な住居を提供してくれないかと望んでいますが、勤務開始以来約20年間、そのような場所が提供されることはありませんでした。」

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年10月07日06:04

カンボジア:最低賃金法交渉、労働組合、企業側共にわずかに歩み寄り

9月29日に開催された労働諮問委員会の第2回目の会合では、企業側代表は最低賃金161ドルの提案にわずかに0.5米ドル上乗せし、労働組合側は提案額から1.25米ドル減額した。

先週から政府、企業代表、労働組合代表の3者による来年の最低賃金についての交渉が行われている。政府は161.67米ドル、企業側は161米ドル、労働組合側は176.25米ドルをそれぞれ提案した。

企業側は0.5米ドルの上乗せを提案する一方、労働組合は176.25米ドルから175米ドルへと減額した。しかし、独立系の労働組合は、この減額は政府系の労働組合の意見に過ぎないと話す。

「独立系労働組合は175米ドルへの減額について、政府系組合とは完全に同じ意見ではない。企業側は0.5米ドル上乗せしたに過ぎない」とカンボジア労働組合連合のYang Sophorn会長は話す。

Sophorn会長は、彼らの行なった調査ではすべて、来年の縫製・製靴セクターの最低賃金は176米ドルでなければならないと示していると主張し、労働組合側がこれ以上の減額を提示しないよう希望するとしている。

カンボジア縫製業協会の代表者らからコメントを得ることはできなかった。労働省のHeng Sour報道官からもコメントを得ることは出来なかったが、同報道官はフェイスブックで委員会について「両者ともデータの解釈を続け、最低賃金を決定する上での7つの基準の変更に倫理的で成熟した、理解ある態度で臨んだ」と称賛した。

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最終更新:2017年10月04日13:22

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