インドシナニュース

マレーシア:模倣品に立ち向かうイスラム・ファッション・ブランド(後)

(前編より)

 

決して終わらない課題

Sahar氏は、模倣品を購入することを避けるために、購入前に顧客、特に初回購入者がSiti Khadijahの公式マーケティングルートを確認することを推奨している。ウェブサイトに記載されているように、これらのテレコンは、30店舗のSiti Khadijahおよび認可された小売業者、ならびに確立されたオンラインショップで販売されている。

「もし顧客が個人の再販業者からSiti Khadijahのテレコンを購入した場合、そのような流通ルートを承認したことがないため、海賊版を購入した可能性が高いです」と同氏は付け加えた。 「海賊行為は新しい問題ではありません。 全体像を見ない人や、生産プロセスの背後にある努力を感謝しない人たちがいる限り、この問題は横行し続けるでしょう。」

同社は、各設計が従業員の努力の結果であることを強調している。 模倣品を購入すると、地方のファッションや小売業、さらにはその国の経済に悪影響を与える可能性がある。

「私たちはテレコンの開発に費やされた仕事を大切にしています」とMohammad Munzir氏は述べている。「このような状況なので、私たちのブランドとデザインはMyIPOの商標であり特許を取得しています。我々はSKベトナムの事例により、ベトナムで知的財産保護を申請しました。」

「偽物を買うのは間違っています。顧客が全体像を見て責任を持って購入する時が来ました。本物のデザインについていえばマレーシアだけの問題ではないのです。」

Vivy氏は模倣品の道徳的側面、特にツドンを身につけてから祈ることはイスラムの習慣であることに思いを巡らせているが、一部のイスラム教徒は不正を軽くみているようだ。

「私はこれについて専門家ではありませんが、イスラム教が人々の苦労を払拭するのか疑問に思います」と彼女は言う。

「売り手として、真面目に働いて暮らすには他にもたくさんの方法があります。 人は偽物を売りながら、依然として人々の尊敬や永続的な遺産を得ることはできません。」

「私たちはみな見栄えがいいものが欲しいですが、現状を知る必要があります。自分が欲しいものを買う余裕がないなら、私はそれを買いません。しかし、それは私が欲しいものを手に入れるために働くように自分自身を動機付けしないわけではありません。偽物を身につけて他の人を欺くことはできます。しかし、本人は真実を知っているので、本当に自分を誇りに思うことはありません。そして、最も重要なことに、神もそれを知っています。」

 

輸入ブランドも被害

模倣品の問題は、地元のブランドだけでなく、Bokittaなどの輸入品にも影響を及ぼしている。

Bokittaは2009年にレバノンで設立され、ピンを必要としないラップスタイルのヒジャブを1年後にリリースした。このデザインは144カ国の世界知的所有権機関によって特許保護されている。

マレーシア人の間でこのコレクションは、簡易性、すぐ着用できるという機能性、さわり心地のいい布地、美しいデザインのために人気がある。しかし、それはまた、地元の売春斡旋業者の売り手によって定期的に模倣され、その熱烈なファンに付け込もうとしている。

Bokittaのtudungの価格は119リンギットから139リンギットの間だが、BokittaファンのFarah Merican Isahak氏によると、中古商品はデザインによって、特にヴィンテージまたはクラシックと見なされる以前のリリースでは1000リンギットから2000リンギットで取引される。

Farah氏は2015年以来のファンであり、Bokittaの顧客とコレクターによって設定されたFacebookページを通じて、ベトナムからの偽のBokittaのツドンについて知った。

「通常、偽物はソーシャルメディア上の個人や再販業者によって販売されています。デザインの他に、梱包とラベルのタグも偽造されています。状況を悪くさせる原因として、価格が本物と同じであるということです。」と、ケダ州スンガイ・プタニの講師は言う。

「ファンは、本物の製品を購入することが重要です。彼らはデザインに精通しており、本物と偽物の違いを知ることができます。たとえば、本物のデザインには固有の名前とシリアル番号が付いていて、ラベルの書体タグにはシルバースレッドが縫い付けられていますが、偽物は白です。」

このラベルは、模倣品の問題について顧客に警告する際に有効であり、認可された店やディーラーから購入するよう促す。デザイン内のBokittaの書体を統一するなどして、模倣品を防止するための改善も行われた。

 

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最終更新:2018年07月12日12:07

マレーシア:模倣品に立ち向かうイスラム・ファッション・ブランド(前)

Bandar Sunway の近くにある連邦高速道路には、ある母親の無言の切なる思いを訴える看板がある。「Nak… mak teringin nak pakai telekung Siti Khadijah.」(「わが子よ、私はSiti Khadijahのテレコンをかぶりたい。」)

これは最近になって見られるようになった光景であり、イスラム教礼拝着テレコンのための積極的なマーケティングである。東南アジアのイスラム教徒の女性が祈るために着用するツーピースの服は、ブランドだとか宣伝広告だとかとはこれまでまったく無縁だった。しかし、ムスリムのファッション業界が成長するにつれて、いたるところで商業目的の礼拝服を見ることが増えてきた。

ツドンやヒジャブとて同様の状況である。以前からも女性はスカーフの生地やスタイルついては個別の好みがあったが、ツドンをブランド名と結びつけるようになったのは近年になってからだ。

宗教上慣行に関連する商品の商業化に不満の声もあるが、有名ブランドを持つことにはある種の利点があろう。だが、それに適切な値札が付いていないとすれば、それでも適切な商品だと言えるだろうか?

製品の価格はちょっと高めであるというのは落とし穴である。そうすることで消費者はその商品が欲しくなるわけで、教科書通りのマーケティングである。だが、そうなってくるとブランドとその消費者との感情的な繋がりを利用して模造品が市場に参入しはじめる。

 

無知は言い訳にならない

 

テレコンの製造小売業者Siti Khadijahは、同社の製品が偽造品の餌食となるのを目のあたりにした。Signature PremiumとThe Prayer Outfitの2つのブランドの類似品は、ベトナムの製造業者によってコピーされたことが判明したのだ。

Siti Khadijah HoldingのSahar Sahadグループ最高経営責任者(CEO)は、偽の製品は、元のバージョンに似たパッケージングで「SK(Siti Khadijah)Vietnam」として販売されていると言う。偽物は本物と同じくらいの原価がかかるが、通常はSiti Khadijahの最低価格150リンギットよりも安く売られている。SKベトナムの売り手はFacebookとInstagramに大胆にも広告を出している。

「私たちは、2年前に顧客からの問合せと品質不良に関する苦情を受けて、SKベトナムという会社を見つけ出しました」とSahar氏は言う。「我々はベトナムに工場を持たず、製品を輸入しているわけでもありません。当社のすべての製品は、SelangorのBangi工場で製造されています」

dUCkの創設者であるVivy Yusof氏も、そのスカーフが臆面もなくコピーされているのを見た。 「この1年間、ベトナムでは偽のdUCksを作るための準備が急速に進んでいます。これはビジネス上の現実です。先に進むための唯一の道は刷新することであり、法的手段で偽造者を止めることです」

同社はこの目的のために弁護士を雇う。法的措置には、具体的な詳細が必要となるため、時間と労力がかかる。しかし、偽造は明らかに違法であるため、結局、dUCkは常に勝ち、偽のdUCksの企業や売り手は負ける。

「私には、個人的に非常に多くの「申し訳ありません」という、彼らがなぜこのようなことをしているのかということを伝えるためのメールが来ます」とVivy氏は述べる。「気持ちはわかりますが、規則は規則です。彼らが謝罪するのは、捕まったからなのです」

「通常処罰は罰金になります。違法ビジネスに関わる前に、よく考えてください。多くの学生が我々の弁護士に罰金の額を減らしてくれと懇願しました。でも法律は無知を言い訳に許してくれません」

 

騙された顧客

Siti Khadijahの代表Mohammad Munzir Aminuddin氏は、ブランドが懸念するのは、偽物を作りはしなくても、そうした海賊行為を支持する顧客だと語っている。

「私たちのテレコンは、顔の周りの特別で柔軟なデザイン機能で知られています。それは特別なゴムバンドを使用し、特許取得済みです。使って破れたお客様には、当社のブティックにて、このゴムバンドを取り替えて差し上げています」

「しかし、偽造品修理のため来られた顧客もいました。彼女らは、自分たちが模造品を購入したこと、または贈り物として偽物を与えられたことを知りませんでした。私たちは顧客との長期的な関係を望んでいますが、このような不正行為や粗悪品などの問題に直面した場合、顧客は恥じてブランドから去っていきます」

Vivy氏は、インスタグラムでdUCkスカーフを着用していると言う人の写真にたくさんタグ付けされたが、明らかに偽物を身に着けている人も数えきれないほど多い。彼女は時にそれが偽物であると指摘すると、偽造品を着用している人は驚いて色を失う。

「彼女らのほとんどは、知らずに、騙されたと言っています。彼女らの多くは、知り合いやお気に入りのサイトから購入したもので、それはdUCkだと思いこんでいて、騙されたと言います。しかし、偽造品を身に着けていると知っている人もいます。私はそれについて何もすることはできませんが、いつか彼らが本物を買ってくれたらと思っています」

品質面では、偽のdUCkスカーフは本物とは比べ物にならないくらい劣っている。一部は粗悪な生地を使用して生産され、時にはプリントが鮮明ではない。一部の偽造品は、スカーフを本物と同じく箱に入れて包装しているが、細部がまったくちがっている。

「最も苦いのは、全く目にしたこともない、かつ醜悪なデザインに我々のロゴを印刷されているのを見せられることです。ボーダーの周りに繰り返された口紅のコンピュータクリップアートが印刷されたスカーフに巨大なdUCkのロゴが貼られていました。それがdUCk製品だと思う人がいることが信じられませんでした」

 

(後編につづく)

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最終更新:2018年07月12日06:05

マレーシア:TPPの影響により繊維産業の輸出拡大

昨年の全輸出のわずか1.4%を占めるにすぎない繊維産業は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発足後の10年間で輸出における最大の利益を上げることが費用対効果分析により明らかになった。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によれば、自動車、電気・電子、石油、化学、ゴムやプラスチックおよび木製品も市場へのアクセスが高まることから恩恵を受けるという。

つい先日米国で合意に至ったTPPは2018年中頃から施行される予定だ。

パーム油などの植物油脂、石油やガスの輸出成長はTPPへの参加後若干減速すると見られる。

TPPはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの12か国で構成される。

「石油やガス、建設、小売関連ではより厳しい競争にさらされる企業もありますが、ほとんどの業種形態はTPPの合意に基づくセーフガードにほぼ保護されています」

PwCによれば、TPPの”yarn forward”原則によりマレーシアの繊維産業の輸出競争力が高まることが期待されている。

”yarn forward”原則はTPP加盟国を原産とする繊維製品に限って適用される。

「TPP加盟国で生産される糸の需要が高まることから、繊維関連企業が川下の衣料品の生産よりも付加価値の高い、マレーシアにおける川上の生産拡大に拍車をかけると期待されている。」と同社は語った。

昨年マレーシアの衣料品輸出の全体の59%がTPP加盟国に対するものであったため、繊維製品の関税率が引き下げられることで、マレーシアの川下の衣料品生産業者にも恩恵がもたらされると期待されている。

「2014年における既製品服の販売の34%が米国に対するものであったことからも、米国に対する輸出で最も恩恵を受けることができると期待されています」

”yarn forward ”原則が実行されれば、米国に対して輸出されるすべての繊維製品に対して一律10%関税が引き下げられ、毎年1億9000万マレーシア・リンギット節減できることになる。

特にメキシコとペルーにおける非関税障壁の撤廃が実現されれば、マレーシアの繊維製品の輸出が拡大するだろう、とPwCは述べた。

現在これらの国においては繊維製品の輸入にあたって特別分野登録要件を課しており、これが要因となり通関にかかるコストが増大している。

「TPPのもとこれらの輸入要件が撤廃されればマレーシアと中南米のTPP加盟国との間の輸入がより促進されるでしょう」

マレーシアは昨年メキシコとペルーに対して8300万マレーシア・リンギット相当の繊維製品の輸出を行っている。

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最終更新:2015年12月09日06:04

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