インドシナニュース

ベトナム:Auchan 以降の小売市場成長に期待(後)

(前編より)

 

コンビニエンスストアの長期的な経営

24時間営業のコンビニチェーン、Shop&Go10年以上の開発期間を経てベトナム市場から撤退したという事実は、この市場セグメントは現在苦境に陥っていると考えるかもしれない。

しかし、業界の専門家や市場の研究者は、コンビニエンスストアのモデルは依然として健全に成長しており、その成長余地は大きいと主張する。

Businesskoreaによると、韓国のコンビニエンスストアチェーンGS25のオーナーであるGS Retailは、ベトナムを選んだ理由として、その経済力と人口の57%を占める35歳以下の消費者を挙げている。GS25が参入する以前、サークルKB's mart、ファミリーマート、ミニストップなど多くのコンビニチェーンがベトナムに進出していた。現在では、それぞれが何百もの店舗を展開している。セブンイレブンは、2017年にホーチミン市で創業して以来、現在まで拡大を続けている。

では、ビジネスチェーンをある程度発展させることができた初期参入のShop&Goがどうして撤退しなければならなかったのだろうか。

このビジネスモデルの先駆者であるShop&Goが、その優位性を発揮させ消費者の変化に適応していれば、彼らは成功していただろう、とアナリストは考えている。Shop&Goが行ったのは、後から参入してきた企業を助けることだけだった。この5年間、コンビニエンスストアモデルが多くの消費者に受け入れられて以来、多くの新しいチェーンが市場に参入し、迅速に店舗の拡大戦略を実行してきた。この動きはすぐにShop&Goに大きな圧力をかけた。

この新たなコンビニチェーンはまた、無料のWi-Fiとイートインスペースを提供し、昼食と夕食の両方を販売し、食べ物や飲み物の差別化を図ることによって、消費者のニーズに応えることができた。専門家によると、損益分岐点に達し利益を上げるためには、特にコンビニエンスストア経営においては十分な店舗数、少なくとも200以上の店舗数を確保しなければならない。

例えば、ミニストップは安定した利益率を確保するためには少なくとも300店舗を確保する必要があると公表している。回収期間は少なくとも5年から6年を要する。一方、Shop&Goの店舗はいずれも小規模であり、オンサイトサービスを提供するためのスペースの拡大が困難であった。撤退が発表された際、Shop&Goのネットワークには87店舗しか含まれていなかった。

コンビニに関して言えば、店舗数が増えれば増えるほど損失も大きくなる、とホーチミン市のある小売業マネージャーは言う。それでも、この市場セグメントが発展し、徐々に従来の食料品店に取って代わると考えられているため、良い立地を何とかして確保し、ネットワークを拡大しようとする企業を思いとどまらせることはない。生き残れた企業は大きな利益が得られるだろう。さもなくば、優れた競合企業に道を譲らなければならないだろう。

 

Eコマース:資本集約型の競争

現在、国内の小売売上高に占めるEコマース取引の割合はわずか3%で、中国(20%以上)やインドネシア(56%)など、アジア地域の他国と比べると比較的低い。このことは、インターネットユーザーの数が増加し、消費者のEコマース取引に対する意識が高まっていることから、ベトナムにおけるEコマース取引の可能性は依然として大きいことを示唆している。

しかし、Eコマース企業のネットワークの拡大、商品の多様化、顧客へのプロモーションや値引き・サポートの拡大などの努力により、この市場セグメントは投資家が事業拡大に資金を注ぎ込む場所に変わりつつあるとアナリストは指摘する。

2017年の時点で、Tiki2820億ベトナムドン、Shopee6000億ベトナムドン、Lazada1兆ベトナムドン以上損失したと報告している。いずれもベトナムのEコマース業界の最大手だ。これが、Vuivui.comFood Pandabeyeu.comlamdieu.com、そしてForeva.comなどに次いで、セントラル・グループのRobins.vnEコマースサイトを閉鎖した理由である。

しかし、年間成長率は25%であり、収益が2020年までに100億米ドルに達すると予測されていることを考えれば、投資家がなぜベトナムのEコマース市場に飛び込み続けているのか理解するのは難しくない。2018年以降、Alibabaはさらに20億米ドルをLazadaに注ぎ込み、総投資額は40億米ドルとなった。一方、TikiJDから5000万米ドルを受け取り、今後の資金調達ラウンドでも投資が続けられる計画だ。同様に、Shopeeは親会社であるシンガポールのSEAグループから、昨年半ばにチャーター資本を増強するために約5000万米ドルを獲得した。一方、日本のSBIホールディングスや他のいくつかの企業は、5100万米ドルをSendoに投資し、現地市場での長期的な戦いに備えている。

Eコマースの戦いはまだ終わっておらず、資本注入と大幅な値引きを特徴とする継続的な競争により、近い将来に消費者の利益をもたらすだろう。



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最終更新:2019年06月18日12:01

ベトナム:Auchan 以降の小売市場成長に期待(前)

24時間営業のコンビニエンスストア・チェーンShop&GoEコマースサイトRobins.vn、そして今回のスーパーマーケット・チェーンAuchanの撤退は、ベトナムの小売市場における激しい競争を反映している。経済的に弱い、あるいは急速に変化する消費者の購買習慣に対応できないプレイヤーは、遅かれ早かれ撤退するだろう。

イオン、セントラルグループ、イーマートなどの小売企業や、ミニストップ、ファミリーマート、セブンイレブン、GS25などのコンビニチェーンがネットワークを広げている。

2016年のベトナムの小売売上高は、前年比10.2%増の約1180億米ドルであった。2017年には、前年比10.9%増となる1300億米ドルの大台に達した。2018年には、小売市場の総売上高は2017年から12.4%増加し約1500億米ドルに達し、本年の第一四半期においては、ベトナムの小売売上高は2018年の同時期に比べ13.2%増加し1200兆ベトナムドンを超えると推定されており、総統計局によると、これは記録的な高成長率である。

小売市場は未だ大きな可能性を秘めていると考えられている。このため、一部の外資系小売業者の国内市場からの閉店や撤退は、競争が激化する中、ビジネスモデルが不適切であったり、資金力が限られていたり、投資拡大が消極的であったりすることが原因とされている。

 

スーパーマーケット・モデルの苦戦

従来型のスーパーマーケット、つまり独立型スーパーマーケットは、大都市や一部の省で非常によく成長している。

それにもかかわらずこの3年間で、このモデルは不適切であることが証明された。例えば、タイのTCCグループは、Co.opmartAuchanのようなスーパーマーケット・モデルを導入することなくベトナム市場に参入しており、その代わりにMetro Cash & Carry(現在のMM Mega Market)のような卸売事業の開発に集中している。MM Mega Marketベトナムのとある幹部は、小売市場における競争が激しさを増し、消費者の習慣が絶えず変化している今、ベトナムでは、何年も前のタイのような「独立型スーパーマーケット・モデル」では成長の余地がないと説明する。

専門家によると、消費者は「ワンストップショッピング」モデル(単一の店舗で提供される様々なサービス)に惹かれてショッピングセンターに赴く。このモデルは、ショッピング、食事、エンターテインメント、映画鑑賞、フィットネス、学習など、あらゆるニーズに対応し、購買力の向上と顧客の拡大に貢献する。同時に、購買意欲を高めることと顧客層を広げることにも繋がる。

実際、Auchanのビジネスモデルに類似したビジネスモデルを持つ小売業者は皆、独立型のモデルではなく、ショッピングモールにおいて「ワンストップショッピング」モデルの一部になることを選んだ。

この傾向を察知したセントラル・グループ(タイ)は、2016年にスーパーマーケット・チェーンのBig Cを「取得」した半年後、直ちにBig Cの数店舗を現代的で様々なサービスを提供できるショッピング・センターにアップグレードする計画を発表した。同様に、スーパーマーケットチェーンCo.opmartのオーナーであるSaigon Co.opは、いくつかのCo.opmartスーパーマーケットをこのモデルに適応させながら、Sense Cityショッピングモールを徐々に開発している。



(後編に続く)



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最終更新:2019年06月18日08:12

ベトナム:アパレル・履物業界、FTAにより明るい見通し

繊維・アパレル、履物業界では前向きな市場動向が見られ、20181月〜10月の間の輸出収入の増加が明らかになったと「労働者(Nguoi Lao Dong)」紙が報じた。

商工省の統計によれば、ベトナムは2018年の最初の10カ月間でアパレル輸出の売上高が250億米ドルに達し、前年比17.1%増となった。一方、履物製品の輸出は10ヶ月間で9.7%増の129億米ドルとなった。

繊維、衣料品、靴の受注は主に、米国、欧州、韓国、中国およびその他の包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(TPPTPP11CPTPP)の加盟国を含むベトナムとの二国間および多国間自由貿易協定(FTA)に署名した主要市場からのものである。

今年、繊維・アパレル製品の輸出が初期目標を10億米ドル上回る350億米ドルの収益を生み出すと予想されている。欧州連合-ベトナム自由貿易協定とCPTPPによって開放された市場への誓約は、2018年から2222年の衣料品輸出の盛り上がりをもたらす上、輸出業者は免税となる。

同省によると、FTAとベトナムの製造能力の恩恵を受け、繊維製品および履物業界への資本流入が堅調に推移するという。 また、米国と中国間の貿易摩擦により、中国からベトナムへの受注の移転につながる可能性もある。

商工省のアジアーアフリカ市場部門代表のNguyen Phuc Nam氏は、アセアン-オーストラリア-ニュージーランド間の自由貿易協定および今後のCPTPPは、2019年から2021年の間、ベトナムの輸出者に輸出税を5%引き下げ、期間中は免税となる、と発表した。その結果、ベトナムのアパレル業界がこの機会を最大限に活用することとなった。

また、オーストラリア企業はベトナムからのアパレル輸入を強化する傾向がある。

最近のベトナムにおける展示会での主要アパレルブランドと履物ブランドの出現は、両業界における強い魅力を呈している。

しかし、自由貿易協定はまた、製造元のトレーサビリティ義務を含むベトナムのビジネス界における複数の課題を提示している。

ベトナム繊維・アパレル協会のTruong Van Cam事務局長は、免税の恩恵を享受する以前に、アパレル製品原料の80%は輸入に由来しており、アパレル製品輸出業者は原産地の厳しい要件を満たさなければならない、と加えた 。

オーストラリアのThe Woolmarkの専門家は、アパレル生産者は化学処理されていない繊維や衣料品を生産し、製品の品質を改善することに重点を置くようになれば、ベトナムは確かに選択的市場に入る資格があると指摘した。

バクニン省に本拠地を置くYen Duong社取締役のThai Binh Duong氏は、アパレル分野の材料は高品質の繊維を供給できるオーストラリアなどの新しい市場から輸入する必要があると述べた。

オーストラリアからの繊維輸入を促進することで、同業界の原料源を多様化し、製品の品質を確保する事が出来る、とDuong氏は加えた。

商工省によると、米国は製品トレーサビリティ検査の実施が可能であるので、中国から輸入された材料で作られたベトナムの繊維およびや衣料品に追徴を課すことができるため、アパレル業界や履物業界はリスクに直面している。

そのため、同省は衣料品や履物の製造の際には、中国以外の国の素材や生地を使用するよう企業に要請した。





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最終更新:2018年12月19日13:54

ベトナム:Amazon、eコマース販売者をサポートするウェブサイトを開設

ホーチミン市で927日に開催されたイベントの参加者によると、米国に拠点を置く多国籍eコマースプラットフォームを運営するAmazonがベトナムでショッピングサイトを開設し、地元の店主はこのプラットフォームを利用することでオンラインビジネスをより簡単に運営できる。

Amazonで世界に販売する」と名打たれたイベントは、ベトナム電子商取協とAmazon Global Sellingが共同で開催し、1000人のeコマース運営者と販売者が参加した。両主催者は、amazon.comで機能するeコマースソリューションを販売者に助言するため、初めて提携したと伝えられた。

このイベントで、Amazonは、Amazon Global Sellingであるservices.amazon.vnのウェブサイトと、Facebookの公式ファンページをベトナム語で紹介した。この2つのサイトは、言葉の壁を取り除き、Amazonプラットフォームに参加する現地の個人や小規模企業を支援することが期待されている。

韓国と東南アジアのAmazon Global SellingのトップであるPark Joonmo氏は、個人、小規模・大規模企業のいずれであろうと、Amazonのすべての販売者は、このプラットフォームがかかえる3億人の顧客にアプローチする機会があると語った。

Park Joonmo氏は、Amazonが、メーカー、ブランドオーナー、小売業者を含むAmazon Global Sellingのウェブサイトで取引しているベトナムのオンライン販売者の数が急速に増加したと付け加えた。

新しいソリューションにより、より多くのベトナムの販売者が、世界中のより多くの顧客にアクセスできるプラットフォームで、興味深い地元で製造された製品の販売をPark Joonmo氏は奨励するとの期待を表明した。

このイベントに際して、商工省、EcomVietNguyen Ky Minh局長は、販売者は、デリバリーサービスや決済手段の手配など、オンラインビジネスを世界規模で運営するため注意深く準備をしなければならないと述べ、さらに、顧客の要求に応えるため、最新のトレンド情報を収集し更新する必要があると付け加えた。

Minh氏は外国市場調査会社のデータを引用し、東南アジアのeコマース部門は2015年以降55億米ドルの収益を上げており、2025年には推定880億米ドルに達すると予測されており、オンライン旅行代理店やライドシェアサービスをしのぐことが予想されると述べた。



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最終更新:2018年10月03日12:01

ベトナム:最低賃金引き上げ問題、論争終結せず

国家賃金評議会のTong Thi Minh氏によると、来年に向けて提案された地域ベースの最低賃金引き上げは、依然として雇用者と従業員が合意していないため、議論の対象となっている。

726日、ハノイで執り行われた国家賃金評議会開催の2019年度最低賃金に関する第2回会合で、労働傷病兵社会省の労働・給与局長であるMinh氏は、従業員を代表して運営されているベトナム労働総連盟(VGCL)は、経済発展のために、来年の地域ベースの最低賃金を8%まで引き上げる提案をしっかりと掲げていると述べた。

企業は最低賃金の引き上げに同意したが、詳細な引き上げ率に関しては言及していない。

ベトナム労働総連盟(VGCL労働関係部責任者Ngo Duy Hieu氏は、両陣営は最低賃金引き上げ計算の基礎となる労働者の最低限の生活ニーズを決定する方法に焦点を当てていると述べた。

労働者一人あたりの必需品の最低支出額は、前回の724万ベトナムドンと比較して月額600万ベトナムドンで計算されているが、ほとんどの物価は上昇している。

国家賃金評議会によれば、労働者は給与の48%を食料に費やしているが、理想的な比率は45%であるという。

718日の別の会合で、ベトナム繊維協会(VITAS)のTruong Van Cam事務総長は、前年の引き上げ率と比べても最低賃金は長期間にわたってずっと高いレベルだと述べた。

さらに、年間最低賃金引き上げは、特に従業員の社会保険料や労働組合活動に対する支出の急激な増加という点で、企業に重い負担をかけるとCam氏は付け加えた。

したがって、ベトナム繊維協会(VITASは、企業が競争力を向上させるためにも、来年も従来通りの最低賃金を維持するよう提案している。同協会は、最低賃金を給与計算の最低賃金水準を定義する基準として使用しないことも提案している。

ベトナム日本商工会議所(JCCI)の伊東浩治会頭は、ベトナム労働傷病兵社会省に、同国のアパレル・繊維、履物、工業製造業者が苦しんでいると主張している。ほとんどの場合、最低賃金引き上げによるものである。

伊東氏は、回答者の4分の3以上が賃金引き上げは経済成長に悪影響を与えると信じていると指摘したベトナムでの日本企業を対象とした調査結果に言及した。ベトナムの高い最低賃金は、将来的には日本企業に労働力の小型化を強いるかもしれない、と彼は付け加えた。

ベトナム日本商工会議所(JCCIは、裾野産業の発展を支援し、製造業を促進するために、来年の最低賃金の引き上げを最低限に留めるよう提案している。

毎年の最低賃金の引き上げは、国内経済および世界経済の実態およびその他の関連要因に基づくべきだ、と述べた。



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最終更新:2018年08月01日06:05

ベトナム:賃金引き上げの交渉が難航

雇用者側が次年度の最低賃金上昇率を5%以下に抑えたいと望む一方、労働者側は8-10%の賃金引き上げを要求している。両者間には大きな相違があり、8月7日に予定されている再交渉の場が必要とされている。

7月28日に開催された国家賃金評議会の会合で、ベトナム商工会議所(VCCI)のHoang Quang Phong副会長が発言したところによると、現在の給与レベルは労働者が生活に最低限必要とする水準の90%程度を満たしているという。

 

賃金上昇が競争の妨げに

一方雇用者側を代表するVCCIのPhong氏は、最低賃金の高騰は地元企業の生産体制の再編を余儀なくさせ、職員の解雇やその他の社会問題を生み出すため、賃金の引き上げは耐えうる範囲にとどめたいと 述べた。

Phong氏によると、地元企業の業績は少しずつ伸びているという。

しかしながら、織物・衣料品、革製品・履物、シーフード、エレクトロニクス部門の業績が伸びている企業も、最低賃金の急激な引き上げにより困難に直面する見込みである。

報告書によると、ベトナムには全国約5440万の労働者がいるが、企業や組合と労働協約を結んでいるのはわずか17%に過ぎない。

かくして、もし最低賃金が高値で固定されれば、その他の社会的要因もそれにならうこととなり、調整の対象となる非正式分野で働く労働者たちに影響が出る。

ベトナム皮革履物鞄協会のNguyen Duc Thuan会長は、企業は常に従業員を成長の要としていると述べた。

しかしながら、もし企業側が従業員の生産性を向上させ、科学・技術の進歩を生産体制に組み入れる方法を見つけることができなければ、他の近隣諸国と比較して賃金の上昇がベトナムにおける労働コストを高いものとしてしまい、競争力が低下してしまうという。

委託料の低い他の国に加工契約が流れてしまう可能性もあると同氏は述べた。

結果として製品の注文数の減少に繋がり、従業員は職を失うことになるかもしれないという。

VCCIによると、革製品・履物及び繊維企業の輸出製品の依託費用のうち、給与基金の占める割合は70-78%である。

最低賃金の毎年の引き上げと下落する委託料により、企業側の利益は減少している。

そのため、企業の多くは職員の給与を頻繁には引き上げまいとし、場合によっては上昇する生産コストを相殺するためにボーナスをカットする場合もある。

また最低賃金が高くなるにつれ、労働者の社会保険や組合費用、残業代も上昇している。

 

労働組合との意見の相違

一方ベトナム労働総連合によると、社会経済的な情勢は改善しており、消費者物価指数は4-5%の高値を維持しているため、翌年の最低賃金の大幅な引き上げはインフレーションを相殺することになるという。

連合が行なった調査では、全国17の省や都市の労働者の51%が生活のために残業しており、うち54%が現在の最低賃金レベルではやりくりすることができないと回答しているという。

そのため連合は8%もしくは10%の最低賃金引き上げを要求している。

労働傷病兵社会省の副相であり国家賃金評議会の長であるDoan Mau Diep氏は、両者間は歩み寄りを見せているものの、依然として意見には大きな差があると述べた。

現行の規定によると、50%以上が投票する案に両者が合意すれば、評議会の最終決定となる。

さもなければ両案は投票により決議されることとなり、獲得票数がより多い案が最終的な最低賃金引き上げ案として首相に提出されることとなる。

国家賃金評議会の次回交渉は8月7日に予定されている。

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最終更新:2017年08月08日05:53

ベトナム:第4次産業革命が労働問題を誘発(後)

(前編より)

 

調整の必要性

Navigos Search社のNguyen Phuong Mai専務は、雇用主は常に求職者の英語力を最重要視していると述べた。

情報技術(IT)を例にとると、ITエンジニアの雇用需要は膨大にあるが、供給面はというと量と質の両面で満たされていないという。ITの労働市場では常に労働力が不足しているが、特に外国語に堪能なスキルの高い人材においてはその傾向が顕著である。

「ITエンジニアが外国語に堪能であることは非常に重要な要件であるため、多くの外国企業では専門知識よりも英語の熟練度を優先させるよう採用要件を変更しました。」とMai氏は述べた。

またベトナムがアセアン経済共同体(AEC)に正式に加盟したことにより、特に中・高レベルの人材において「頭脳の流出」が加速することになることが想定される。ITや会計、監査のような分野に長けたスキルの高い人材が、ベトナム外の地域にある企業から良い条件の仕事を受けるようになっている。

一方でManpowerGroup Vietnam社の人事マネージャーであるKim Le氏は楽観的な見通しを示しており、「我々は雇用の未来について、必ずしも人と機械のトレードオフではないと信じています。デジタル時代の進展は、政府がより多くの雇用を創出するチャンスでもあるのです。」と述べた。

ManpowerGroup社によると、産業技術は労働市場における現在の課題を解決に導く新しいビジネスモデルの出現を容易にし、例えばUber、Lyft、AirbnbやGrabなどの技術ベンチャー企業の創設によって何千もの短期雇用が創出されるなど、非正規雇用経済(gig economy)を生み出している。

「良い面を挙げるとすると、人間の知性が新技術の急速な発展と相まって、我々の世界をより豊かなものしてくれるということでしょう。」とLe氏は述べた。

こうしたビジネスチャンスをものにした上でデジタル時代の悪影響を軽減するには、労働者の能力を適切に向上させていくことが不可欠である、とManpowerGroup社は指摘した。これには新規のトレーニングだけでなく、スキルや知識の追加やアップデートのための再トレーニングなど、継続的な努力や十分な投資、人材育成戦略が必要である。

Navigos Search社は、企業の従業員に対するトレーニングポリシーの立案を促進するための法制や、AECにおける労働力移動の促進に関する指針を整備すべきであると提言した。

ILOのHuynh氏は、マクロの視点からAPECメンバーが共同研究を行い、知識を共有し、雇用市場の指標を監視していくべきだした。同時に、政策決定者、企業、教育機関間の緊密な協調が必要であると指摘した。

 

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最終更新:2017年05月19日12:16

ベトナム:第4次産業革命が労働問題を誘発(前)

第4次産業革命(4IR)は経済効率性、労働生産性の向上、製品の改良、競争力の強化をもたらした一方で、ベトナムを含む多くの国で何百万人もの労働者に影響を及ぼす大きな労働問題を引き起こした。

この問題について、5月11日にハノイで開催されたデジタル時代の人材育成をテーマとした2017 年APECハイレベル政策対話の場で詳しく議論された。

 

女性と非熟練労働者に最も大きな影響

4IRはAPEC加盟国において例外なく、労働市場に深刻な影響を与えていると国際労働機関(ILO)の労働問題専門家であるPhu Huynh氏は述べた。ロボットオートメーション、人工知能、インターネット、3Dプリンティング技術などの技術は徐々に生産プロセスに浸透し、労働市場の構造の変化をもたらしている。

事実、インターネットを利用している人口の割合は過去15年間で急速に増加している。 ILOのデータによると、2000年にインターネットにアクセスするベトナム人の割合はわずかであったが、2015年には55%以上にまで急増した。

日本、韓国、カナダなど先進国における利用率は95%にも達している。さらに、生産プロセスにおける自動化の流れが急速に高まっている。

ベトナムは中国に次いで自動化による影響を強く受ける国の一つであり、それは雇用の約70%にも及ぶだろうとILOは指摘した。

ベトナムの繊維・アパレル・履物産業に従事する労働者の86%、エレクトロニクス産業に従事する労働者の75%が自動化の脅威に直面することが推定される、とILOが最近発表した報告書で述べている。こうした産業は、今日のベトナムにおける最も労働集約的な部門となっている。

他の近隣諸国と同様、ベトナムではまだその職場において技術革新の影響をそれほど受けていない。これは価格競争力のある廉価な労働コストのおかげで、技術革新に対する投資コストの方が比較的高くなるためである。

しかしロボットによる自動化などの技術革新は、繊維・アパレル、履物、電気・電子製品など、さまざまな産業に浸透しつつある。

女性と非熟練労働者がその脅威に最も晒されることになるだろう、とPhu Huynh氏は述べた。

 

(後編へつづく)

 

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最終更新:2017年05月19日11:16

ベトナム:外資系小売業者にとってコンビニエンスストア事業が魅力的なビジネスに成長

外資系小売業者の投資意欲は当面衰えを知らず、ベトナムのコンビニエンスストア事業参入にも触手を伸ばそうとしている。

Seven System Vietnam JSC社はセブンイレブンのフランチャイズ加盟業者であるが、自社ウェブサイトに採用情報の掲載を開始し、このコンビニエンスストア・チェーン大手が間もなくベトナムで最初となる店舗を立ち上げようとしていることが明示された。

ベトナム市場に早期に参入した企業はまだ利益をあげていない中で、このセブンイレブンの参入が競争をさらに激化させることになるだろう、と市場関係者は確信している。

3〜4年前は、ベトナムの大半の消費者が雑貨を買いに行くのに長距離をバイクに乗って行くという長年の習慣を変えないだろうとし、この国でのコンビニエンスストア事業の成功に多くの疑念が示されていた。さらに、昔ながらの小規模な家族経営の食料雑貨品店も広く親しまれている。

しかしホーチミン市やハノイでは近年、ファミリーマート、ミニストップ、B's Mart、Circle K、Shop&Goなどの大手外資系ブランドの人気が高まり、コンビニエンスストア事業は堅調に成長を遂げてきた。

ある業界関係者は、ベトナムの市場規模はまだ小さいものの、各社ではベトナムの2大都市であるホーチミン市とハノイにおいて自社の存在感とブランド認知度を高めるために、投資を増やすことを計画しているとした。

例えば日本資本のコンビニチェーンであるファミリーマートとミニストップは、ベトナムに200店舗以上を開業し、チェーン拡大を進めている。ミニストップはベトナムに800店舗を展開する見通しとしており、一方のファミリーマートは2020年までに800〜1,000店舗開店の目標を示している。

セブンイレブンはまだ市場に参入していないものの、3年以内に100店舗の開店を目標としており、さらに今後10年間で1,000店舗にまで増加させるという。

実際のところコンビニエンスストアのビジネスモデルは、ある特定グループの人々の手軽な買物需要を満たしている。一方でコンビニエンスストアは、スーパーマーケットや昔ながらの小売店より価格が高いため、その競争力は劣っている。

専門家によると、コンビニエンスストア・チェーンが収益性を確保するには店舗数の拡大が必要であり、各社では最低150〜200店舗が必要とされる。ミニストップベトナムの前田昭彦社長は、コンビニエンスストアの初期投資を回収するには通常5〜6年かかるとし、安定的に利益を確保するには各チェーン少なくとも300店舗が必要となる、と算定した。

「今年度末までにミニストップの店舗数は160店舗に達すると見込んでいます。我々は投資を継続し、フランチャイズのコスト削減に取り組み、店舗カバー率の最適化を検討していきます。」と前田社長は述べた。現在のところ、中心エリアの高額な賃料が大きな課題として認識されている。

投資、管理、運用コストの要件に見合う用地を探すためには、財務的な強みと優れた管理スキルが必要とされる。この点が現在のところ、ベトナム現地企業にとって2つの大きな弱点となっている。

外資系小売業者は他の市場での経験により、ベトナムにおいてもコンビニエンスストア事業が成長を遂げ、徐々に昔ながらの地元食料品店に取って代わるものと考えている。

TCCグループ傘下のMM Mega Market VietnamのPhidsanu Pongwatana CEOは、スーパーマーケット事業は国民の消費習慣の変化により、過去ほど成長していかないだろうと述べた。彼はベトナムの消費者が利便性を望むほど、コンビニエンスストア事業が優位に立つだろうと予測した。

ホーチミン市労働組合連合会のPham Ngoc Hung副会長は、コンビニエンスストア市場は急速に成長しているものの、豊富な資金と豊かな経験を持つ外資系企業だけがこの市場に参入する余裕がある、と述べた。

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最終更新:2017年02月28日11:51

ベトナム:タイのセントラル・グループがBig C Vietnamを落札

タイのセントラル・グループとそのベトナム国内パートナーが、有力な国内外のライバルを退けベトナムのBig Cを落札した。

セントラル・グループは4月29日、同社とベトナム国内でのパートナーであるNguyen Kim Trading Companyが共同でBig C Vietnamを9億2000万ユーロ(10億5000万ドル)でフランスのカジノ・グループから買収したことを発表した。2社の負担金分担の詳細は発表されていない。セントラル・グループはNguyen Kimの株式の49%を保有している。

「究極的には、ベトナムの繁栄に貢献し、人々の生活の質を向上させたいという決意と取り組みが今回の成功に繋がりました。Big Cはベトナム国民の生活を向上し、豊かなものとしたいという決意とビジョンを共有できるパートナーであると考えています」とNguyen Kim Trading CompanyのNguyen Van Kim会長はセントラル・グループから発表された文書で表明した。

Big C Vietnamの取得とともに、セントラル・グループは地元産品の提供を続けること、Big Cの消費者、従業員、地元当局との強力なつながりを保つこと、Big C店舗で国内産品の取り扱いを続けることを決定していると同グループは発表している。

カジノ・グループはアジア及びラテンアメリカでの資産売却により債務削減を図っており、ベトナムでの資産売却で負債総額は42億ユーロとなる見込みである。

Big C Vietnamはスーパーマーケット33店舗、コンビニエンスストア10店舗とオンライン店舗Cdiscount.vnを擁する。カジノ・グループはベトナム事業の売却額は8億ドルに上ると予測していた。

Big C Vietnamの入札には日本のイオングループ、韓国のロッテ、タイのBJC、ベトナムのSaigon Co,opとMasan、そしてセントラル・グループをはじめとする約20社が参加した。

ベトナムで大規模なCo.opmartスーパーマーケットチェーンを所有するSaigon Co.opが有力な競合相手であったが、広範にわたる外国投資についての規制により、Big C Vietnamを落札することはできなかった。Big C Vietnamの落札には決済を海外で行う必要があったにもかかわらず、Saigon Co.opは現在海外投資を行う認可を得ていない。

Big C Vietnamの2015年の収益は5億8600万ユーロであった。Big C Vietnamは店舗数でCo.opmartチェーンに次ぐ第2位の規模であり、Big C Vietnamの取得でセントラル・グループは国内小売市場開発計画を少なくとも7年分前倒ししたこととなる。

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最終更新:2016年05月07日07:27

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