インドシナニュース

カンボジア:バベット市の工場で多数の従業員が失神

スヴァイリエン州バベット市のYou Li International garment factoryで2月13日金曜の朝、60人以上の従業員が化学薬品臭と排水から発生したガスのため失神したと2月15日に労働組合リーダーが明らかにした。

労働者運動労働組合連合のPay Sina会長によると、日本向けの下着を製造している台湾資本の工場で、まず従業員1人が倒れ、その後61人が続けて倒れたという。

Sina会長によると、従業員らは工場内で布地保護のための化学薬品が散布されてすぐに倒れたという。

「二つの原因があります。まずは、環境的な問題、トイレの排水管からの匂いです。そして、二つ目は布地保護のための化学物質の匂いです。」とSina会長は言う。

倒れた従業員らは市の診療所に運ばれたという。

「主な症状はめまい、嘔吐と呼吸困難でしたが、診療所に運ばれたのちに回復しました」とSina会長は話す。

工場の代表者に取材を試みたが、コメントを得ることはできなかった。

労働組合の資料によると、2014年には1806人が倒れ、これはその前年の823人を上回っている。

 

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最終更新:2015年02月21日08:00

カンボジア:縫製労働者の労働デモ減少

最新の産業データによると、55億ドル規模のカンボジア縫製産業において、2013年に急増した労働デモの件数および労働損失日数は昨年、急激に減少した。

縫製産業はカンボジアにとって極めて重要な産業だが、同時に不安定な産業でもある。カンボジア縫製業協会(GMAC)は現在、約500の縫製工場の代表を務めているが、その会員らがまとめたデータによると、同産業は2013年、前例のない数の労働デモに見舞われたという。

だが最新データでは、2013~14年にかけて労働デモの件数は約25%減となり147件から108件まで減少した。労働損失日数も改善され、88万9000日から40%減の51万3000日となった。

同データには、2013年12月末から翌年1月あたまにかけて行われた15日間にわたる全国規模のストライキは含まれていない。だがこの期間中、ほとんどの縫製工場は業務を停止し稼働していなかった。

GMACのVan Sou Ieng会長は11日、同15日間をデータに含まなかった件について、このストライキを産業的というよりはむしろ政治的なものと捉えたためだと説明した。そして総選挙が行われた2013年に労働デモの発生率や労働損失日数が増加した背景には、カンボジア救国党(CNRP)による民衆の扇動があったとし、投票結果に対する縫製労働者の不満を煽り立てた結果だと非難した。同会長は「政情が不安定だったことと、CNRPが最低賃金の問題を利用して政治的支援を得ようとしたことが、労働デモ増加の原因です」と話した。

CNRPは、同年7月の総選挙に向けて縫製労働者の票を得ようと熱心な遊説を行い、政権与党となった暁には、公約として賃金の大幅引き上げを行うと伝えていた。その後、労働省が縫製産業の最低賃金を従来の月額80ドルから95ドルへ引き上げる旨を発表したが、この額に不満を持った労組らは12月、全国規模のストライキを開始した。

縫製産業に広がった動揺はおさまらないまま、翌年には、労組・工場・政府間で最低賃金の引き上げ交渉が改めて行われた。Sou Ieng会長は、この動きが緊張を和らげ、労働デモの減少につながったとみている。結果的に労働省は、労組がデモ活動を再開しようとは考えない額として、新賃金を128ドルに設定した。

同国最大の非政府系労組、カンボジア縫製労働者民主組合連盟(CCAWDU)の組合長Ath Thorn氏と、2013年12月の大規模ストライキのリーダーもまた、同年の労働デモの増加について、その年に行われた総選挙がその火付け役になったものと考えている。

だが2014年の減少については、当局によるデモやストライキの鎮静化だけでなく、賃金交渉を行ったことも少なからず関係しているのではないかと分析しており、Thorn氏は「政府は、抗議活動を禁止する代わりに、最低賃金を引き上げることにしたのです」と話した。

軍警察は2014年1月3日、首都プノンペンで、縫製工場の建物付近に増え続けるデモ隊を封じ込めようと武力行使に踏み切り、投石を行う暴徒に向けて発砲した。これにより数十人が負傷し、少なくとも5人が死亡した。翌4日には、治安部隊および武装警察が、棒や斧を持ってプノンペンの自由公園で野営を行うCNRPの支援団体に突入した。その後数カ月間、同公園ではいかなる抗議活動も禁じられたほか、プノンペンでも抗議活動が全面的に禁じられた。またThorn氏など数人の労組トップは暴動を扇動した罪で起訴され、今後、組合員に接近しないよう命じられた。

Thorn氏の話では、労働省が昨年11月、最低賃金を128ドルに設定すると発表したとき、労組らはしぶしぶではあるがそれを受け入れたという。

一方でThorn氏とSou Ieng会長はともに、デモ減少の理由が何であれ、減少に転じたことで、カンボジアが世界の企業から失った国際的な信頼を取り戻す機会になればと考えている。

 

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最終更新:2015年01月14日06:00

カンボジア:ILO、縫製産業賃上げでメーカーへ支援呼びかけ

カンボジアでは国際労働機関(ILO)が、大手ブランド企業に対して、賃上げ後の縫製工場の賃金の支払いを支援するよう呼びかけている。今月から発効の縫製労働者の新最低賃金では、1人当たり1カ月28ドル増となった。

労働省は昨年11月、最低賃金の改定について、従来の月額100ドルから128ドルへ引き上げる旨を発表した。同国の最低賃金額は2012年の時点で61ドルだったが、今回の大幅改定では、その2倍以上にまで引き上げられる形となった。

新賃金について、強硬派の労組らは要求していた額とはほど遠いとしているが、対する使用者側は、これによって今後、500件以上もの縫製工場が閉鎖を余儀なくされたり、大量失業を生み出したりする恐れがあるとの見解を示している。

一方で、カンボジアを生産拠点とするメーカーのなかには、こうした難局に対処しようと値上げに応じるところもある。だがなかには、大手ブランドであってもこれを受け入れない企業もあり、ILOは5日、すべてのメーカーに対して協力を仰ぐ文書を公開した。

文書では、賃上げに伴う縫製産業の平均月収について触れており、残業手当や各種ボーナスなどを含めると今後、183~217ドルにまで上がる可能性があるとしている。これにより工場側の支払額は約20%上昇するが、発注メーカーらが工場に対して支払う金額はそのままか、あるいは値下げされる場合もあることを指摘している。

地域賃金シニア・アドバイザーのMalte Luebker氏は、文中で「工場はこの3年間、コストの上昇と収益の減少という2つの要因の狭間で、利益率が大幅に悪化するのを目の当たりにしてきました」と述べている。同氏の見解では、生産の効率化を図れば工場は上昇した賃金の一部を賄えるとしているが、これが実現したとしてもごくわずかな利益にしかならないため、有効な打開策とは言えないという。

またILOカンボジア・ラオス・タイ地域統括部長のMaurizio Bussi氏も文書の中で、「縫製産業が経済的な発展を持続するには、関係各署が一丸となって取り組むことが大切です」とし、「大手アパレル企業にも、その一翼を担ってもらいたい」と述べた。

ILOの試算では、各工場が今年、生産性を4%上げると仮定して、さらに新賃金の上昇分を賄うには、各発注メーカーが工場への支払額を約3%引き上げる必要があるという。この計算によると、例えばこれまで80セントだったTシャツの製造原価は、2セント増の82セントになる。

ILOはこの試算について、「わずかな増加ではありますが、この増加が新たに1億6000万ドルの収益を生み出す可能性があり、また賃金改定の後押しにつながるのではないかと期待しています」とコメントした。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo会長は、輸出企業を代表して同文書に同意を示しているが、反面、例えばバングラデシュやベトナムといった競合国でも同様に値上げが行われなければ、発注メーカーらの態度は何も変わらないのではとの懸念も示している。

同氏は「良い傾向だとは思いますが、ILOはメーカーに対して何の権限も持っていないのが実情です」と話す。またこのままでいくと、工場によっては賃金が支払えず閉鎖を余儀なくされるだろうとし、「約1割の企業が倒産するでしょう」との見方を示している。さらに「われわれは、賃金水準を上げれば上げるほど、閉鎖に追い込まれる工場が増えると言い続けてきました。交渉の段階でも、110ドルまでしか支払えないと訴え続けてきたのです」と続けた。

交渉においては、工場側が賃金の上げ幅を110ドル以下に抑えるよう主張するなか、同氏は交渉の場から離れて、1番の競合国とも言えるベトナムがカンボジアと同じ水準で賃金を設定する前であれば、130ドルまで支払えると主張していた。

一方で労組は、工場に対して、「大量倒産の恐れがある」などと大げさだと非難するほか、「過去にも似たような警告があったが結局は何も起こらなかった」と厳しく指摘している。

 

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最終更新:2015年01月13日06:00

カンボジア:プノンペンの縫製労働者が韓国大使館で抗議活動

韓国資本の縫製工場の労働者約600人が経営側との労使問題への韓国政府の介入を求め、12月29日にプノンペンの韓国大使館前で抗議活動を行った。

抗議活動を行ったのはプノンペンのPur Senchey地区にあるCombo Kotop縫製工場の1200人の従業員の一部で、12月16日に解雇された5人の労働組合代表者の復職を求め同日からストライキを実施していた。

抗議活動の主体となっている労働者行動組合共同体(CUMW)によると、5人は総計2500人が働く工場でストライキを主導しようとしていたため解雇されたという。

12月23日には裁判所からストライキの禁止命令が出されたにもかかわらず、ストライキ参加者はまず12月29日の朝8時に労働省前に集結し、その後韓国大使館に移動した。大使館前に到着すると、数十名の警察官とDaun Penh地区の警備員により、大使館入り口に近づくことを阻止された。

大使館から抗議者らの請願を聞くための代表者が来なかったため、抗議者らは午前11時頃に国会に移動し、野党の国会議員Chan Cheng議員とChea Poch議員が抗議者らの代表者8名と面会した。

今回の抗議活動を主導した労働者行動組合共同体のChheng Chhorn書記長は、組合は代表者を解雇するとした工場側の決定を受け入れることは出来ないという。

「これまでの会合では、工場側は解雇された組合員らが会社に損失を与えているとして彼らの再雇用を拒否しています」とChheng書記長は言う。

労働省の労使問題局のVong Soyann副局長は、労働省は工場側に組合員を復職させるよう求めたが、工場側が拒否したと話す。

「本件では双方に非があります。工場側は労働省の許可を取らずに従業員を停職させ、労働者側も関係省庁に知らせることなくストライキを開始しています」とVong事務次長は話した。

工場側のPich Sokheng事務長からはコメントを得ることができなかった。

 

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最終更新:2015年01月05日14:00

カンボジア:SL縫製工場、従業員らと和解

SL縫製工場の工員と発砲する治安部隊との間で暴動が起き、1人が巻き添えとなって死亡した事件から1年が経過した。SL社の労使代表らはこのほど、合意書に署名しこの労働争議を終結させた。

代表らは17日、労働省でカンボジア縫製業民主労働組合連盟(CCAWDU)と会議を行い、その席で7つの条項から成る合意書に署名した。

同社株主であるMeas Sotha氏は、過去2年間にわたり工場でマネジャーを務めていたが、条項には、同氏がもはや日常業務には関与しないよう明記している。同時に会社側は、デモ活動を行っていた従業員に対して合計30万ドルの賠償金を支払うことに合意した。これらの従業員は昨年、数カ月にわたって工場ゲート前で抗議を続けていたが、賠償金の額は、このデモ活動の期間に従業員が得るはずだった賃金の半額に相当するという。

一方、CCAWDUは、工場で働く同連盟のメンバーを抑えこもうとしたとして、Sotha氏を非難していた。

SL工場は、香港出身の実業家Raymond Wong氏が所有しているものである。

賠償金の支払いについて、会社側は今後2週間の間に15万ドルを支払い、その後160日間にわたって残りの15万ドルを支払うことになっている。同時に、CCAWDUのトップや活動家、従業員に対して申し立てた不服をすべて取り下げることで一致した。

CCAWDUのAth Thorn会長は今年初めプノンペン地方裁判所前を訪れ、デモ中に起きた暴動の発端をめぐる主張に対して質問を行った。同会長は19日、Sotha氏について「同意書に従ってくれれば良いのですが」と述べ、「Sotha氏の過去の行動について触れるつもりはありません。彼は一連の労働争議にはもはや関与しないと約束してくれました。こうした問題が2度と起きないことを願うばかりです」と続けた。

SL工場で起きたデモは当時、縫製産業の労働争議で最も注目を集めるものだったが、その最前線に立っていたのがSotha氏だった。同氏は労組代表を務める19人の従業員を解雇したほか、軍警備隊を工場敷地内の警備に当たらせたとして非難の的となっていた。

CCAWDU率いるデモ活動が最も激しくなったのは、昨年11月のことだった。このとき労働者らはデモ行進をしながら、フン・セン首相のいる首都プノンペンに向かおうとしていた。デモ行進は阻止されたが、その後、治安部隊が民衆に向かって発砲する暴動へと発展し、現場近くに置かれた自分の屋台に立って食べ物を売っていたEng Sokhom(49)さんが死亡する事態となった。

今回の合意書は、昨年の暴動後SL工場の従業員が業務を再開してから約1年を経て交わされたもの。だがこうした合意書は以前にも交わされており、そこでもSotha氏がこの先工場の日常業務に関与しないことを明記していた。

入社5年目のVen Davin(23)さんは、同社が同意書に従う可能性はほとんどないと話す。そして 「この合意書で状況が改善されるとは思えません。と言うのも、これまで何度も同じような約束や書面が交わされてきましたが、会社が取り決めに従ったことは1度もないからです」と述べた。

また別の従業員、Khoun Phat(26)さんによれば、規定の支払いが全額なされない場合には、デモの再発も考えられるとしている。その後「しばらく様子をみるつもりですが、場合によっては抗議もやむを得ません。これまでも数え切れないほどの約束をしてきたのですから」と続けた。

 

 

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最終更新:2014年11月25日06:00

カンボジア:政府、縫製産業の最低賃金を128ドルに決定

カンボジア労働省は12日、縫製労働者の月額最低賃金を128ドルに設定すると発表した。昨年12月の賃金改定以降、縫製産業の足かせとなってきた大規模な労働デモが、これで沈静化に向かうことが期待されている。一方こうした状況下でもなお同産業は、55億ドルの売上高を誇り競争力を維持している。

新たな最低賃金は、政府、労組および工場使用者の3者交渉を受けて発表されたもの。同3者交渉は、現行の最低賃金100ドルからの上げ幅について3者すべてが異なった見解を示すなか、数カ月にわたって難航し続けた。

そして12日午後、Ith Sam Heng労働大臣が新たな賃金について発表。政府、使用者、労働者の代表28名から成る同省労働諮問委員会(LAC)が、新賃金を123ドルとする投票が行われたわずか数時間後のことだった。

労働大臣は署名済みの政府布告で、「2015年の縫製・製靴産業で働く労働者の月額最低賃金は128ドルに設定」と述べた。また同布告には「新賃金制度は、一部の労働者を除く全労働者に対して1月1日から施行されるものとする。謹慎期間にある労働者においては、その期間が終了するまで123ドルの賃金とする」と記載されている。

LACを構成する7つの労組のうち2つの非政府系労組は、近日中に組合員と会合を開き、今回の賃金案を受け入れるかどうかについて協議すると述べた。残りの5つの労組に関しては、政府と癒着があると広く考えられている。

同国最大の非政府系労組、カンボジア・アパレル労働者民主連盟(CCAWDU)のAth Thorn会長は、会合について「来週行う予定だ」と話した。

労働省は昨年、当時労組が要求していた160ドルという最低賃金案を拒絶し、代わりに95ドルに決定する旨を発表した。これを受けCCAWDUは、その後全国規模で広がった労働デモの開始を支援。昨年12月、縫製産業に一時的な停滞をもたらした。

同省はその後すぐに100ドルへの引き上げを行ったが、すでに広がったストライキやデモ活動を鎮めることはできなかった。そして1月3日、火炎瓶などで攻撃するデモ隊に治安部隊が発砲し「血の休戦」となった。これにより少なくとも5人の縫製労働者が死亡し、多数が負傷した。

Thorn会長は、こうしたデモ活動を繰り返すつもりはないが、大規模なデモが2度と起きないとも言いきれないとし、「決定に合意しない労働者がいる限り、抗議活動は続くだろう」と述べた。

もう一方の非政府系労組である、カンボジア全国独立繊維労働組合連盟(NIFTUC)のKen Chheng Lang副会長によれば、同組合でも来週会合を開き、新たな賃金額について話し合いを行うという。

CCAWDUとNIFTUCの両労組はこれまで、最低賃金を大幅に引き上げるよう要求してきた。ほとんどの縫製労働者にとって、残業手当や毎月の特別手当、食費や交通費などの特別手当を加えても、100ドルという賃金額では基本的な生活を送るのは難しい。

こうした状況に伴い、先の2つの労組を含む8つの労組が急先鋒に立ち、要求額の変更を繰り返していた。まず昨年12月、160ドルへの引き上げを要求し、その後すぐに177ドルへと変更した。それから150ドルへと徐々に引き下げられ、最後には140ドルとなった。12日の投票で140ドルに投票されたのは、わずか2票だったと伝えられている。

政府は最近の交渉で、最低賃金の額は首都プノンペンでの「貧困ライン」を上回る額でなければならないとし、それを月120ドルとした。

カンボジアの衣料製造工場および製靴工場のほとんどが所属している、カンボジア衣料製造協会(GMAC)は、最低賃金を110ドルに設定するよう強く要求し、110ドルを超えた場合、工場によっては閉鎖を迫られる可能性もあることを主張していた。

新賃金の発表後、GMACは労働省の決定について「非常に遺憾」と述べた。

新賃金では、特別手当やその他諸手当を加えると、同産業が支払う1人当たりの給与は月145ドルにまで上昇する。この額はベトナムの給与額とほぼ同等だが、労働者の生産性ではベトナムの方が格段に高い。

GMACは「給与の支払額が急激に上がれば、GMACに所属している工場はその多くが、深刻な生存の危機に立たされることになるだろう。特に経営面で問題を抱えている工場や受注量の少ない工場で、この傾向が強くなる可能性がある」と述べた。

LACに所属する工場代表のNang Sothy委員は、新賃金の導入によって、少なくとも30件の工場が閉鎖に追い込まれ、5万人の労働者が解雇される可能性があると指摘した。同産業で働く労働者の数は全体で約60万人とされており、その大部分が若い女性だ。

労働省広報担当官のHeng Suor氏の話では、使用者はこの決定に不満を感じているが、一方で労働者にとっては喜ばしい結果になったのではないかという。

Suor氏は「1ドルや2ドル、5ドルといったわずかな額の引き上げでさえ、労働者にとっては大きなもの」と述べ、「今回の引き上げによって、労働者の不満は緩和されるだろう。生活水準が上がり、生産性の向上にもつながるはず」と続けた。

だが米労働団体Solidarity Centerで地域部長を務めるDave Welsh氏は、新たな賃金額について、使用者と労働者の双方を失望させる可能性があるとし、今回の決定がどのような結果になるのかは「予測できない」とした。また「128ドルでは、誰の不満も解消されないだろう」と述べた。

Welsh氏は交渉の間、労組らと協力し、新たな取り決めが3方すべてにとって納得のいくものになるよう立ち回った。同氏の話では、カンボジアの非政府系労組らが今回の決定にどのような反応を示すのかは分からないが、彼らが望んでいた額をはるかに下回る額だったことは確かだという。そして「期待はずれの結果に、多くの人ががっかりするだろう」と述べた。

さらに賃金の取り決めを透明化するという約束を、政府と工場側が「破った」ことについて非難し、投票で結託していた可能性があることを指摘した。そして「公正な投票でないことはおおむね明らか」と付け加えた。

一方でWelsh氏は、12日の決定が労働省の最終決定ではないことに望みをかけている。同氏は「変更するだけの時間的余裕はまだある」とし、昨年12月に行われた「引き上げ案の変更」を引き合いに出しながら、「また同じように変更すれば良いだけだ」と述べた。

 

 

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最終更新:2014年11月17日06:00

カンボジア:裁判所命令にもかかわらずGrand Twinsのストライキが再開

プノンペンのGrand Twins International(GTI)縫製工場では約5000人の従業員が賃金と労働条件を巡ってストライキ中であったが、裁判所命令を受け10月30日に一時的に業務に復帰した。しかし、2つの労働組合の指導者らが会社側から金銭を受け取っていたとの噂が広まり、翌日には再び抗議活動を再開した。

Pur Senchey地区にあるこの台湾資本の工場は、カンボジア証券取引所に登録された2社のうちの1社である。10月30日に会社側が証券取引所に提出した報告書によると、地区裁判所からこれ以上ストライキを継続すると深刻な不正行為で有罪となる恐れがあるとの勧告を受け、従業員は同日、業務に復帰した。

「工場労働者、従業員は通常通りの業務を再開したことをお知らせする」と報告書には記載されている。

しかしその後、2つの労働組合の代表者が、抗議活動をしている従業員に分配し業務再開を画策しようとGTI社が提供した2万米ドルを盗んだとの噂が広まり、10月31日にはストライキの再開が決定された、とカンボジア労働者の声組合連合のKim Nahour会長は説明する。

Nahour氏によると、11月3日に行われた交渉の席上、経営側は金銭を支払った事実はないと噂を否定したという。

「工場代表者らは、労働組合側に金銭を渡しておらず、労働組合も金銭を受領していないことを明らかにしようと文書を作成しました。」とNahour氏は述べたが、結局のところ交渉は決裂したと付け加えた。

カンボジア労働者支援組合のNuon Ny会長は11月3日、会社側が瑣末な譲歩しか提示しなかったため、従業員はストライキを継続すると発表した。

「会社側は今後従業員に中国人幹部の衣類や毛布の洗濯をさせることを止め、中国人幹部は従業員に対して小さな間違いをしたくらいで指を指して罵るようなことはしない。」とNy氏は会社側の提案を説明した。

GTI社を代表するSrea Kimyou弁護士は、従業員が今後も裁判所命令を無視し続ける場合は法的手段を検討する、と11月3日に述べた。

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最終更新:2014年11月06日14:00

カンボジア:労働組合提示の最低賃金140米ドル案が頓挫する

縫製業界における賃金交渉のため、国内でもより過激な労働組合を招いて作業部会が結成されたが、10月30日、労働省は労働組合側の要求である最低賃金140米ドルの案は破棄し、政府側及び工場所有者側からの勧告を受けた、それより低い賃金案について検討することになると発表した。

労働組合の指導者、工場側代表者、政府関係者それぞれ9人の代表者からなる作業部会は、議論を重ねて来た縫製業界における新賃金制定のための合意点を探るために設置されたものであったが、10月30日に秘密投票を行い、工場側提示案の110米ドル、政府提示案の121米ドル、労働組合提示案の140米ドルの3通りの案から新しい最低賃金を選択することとなった。

110ドル案、121ドル案はそれぞれ9票を得た。140ドル案は、労働組合代表者が2名投票を棄権したため、7票にとどまった。労働省の報道官Heng Suor氏は、この投票結果を受けて、来月新賃金の勧告を行うこととなっている労働諮問委員会は、労働組合案を考慮しないと発表した。

「投票数の多かった2案について、労働諮問委員会に提出し、委員会がこれについてさらに検討し、議論を重ねることになります。つまり、110ドル案および121ドル案が議論の対象となります。」とSuor氏は述べた。

作業部会の過去の会合における政府側の主張は、120ドルという金額はほとんどの縫製工場が立地するプノンペンにおける貧困基準であり、工場従業員の給与はこれ以上を保証しなければならないというもの。一方で、工場側は110ドル案に固執した。

国立労働組合連合の会長であるFar Saly氏は、労働組合代表者のうち2名が政府側に加担して組合側の最低賃金140ドルの要求を頓挫させたことを非難した。

「カンボジア労働組合連盟の会長Sam Oun氏の代理Nuon Chantha氏、カンボジア組合連合の会長Chuon Mom Thol氏は我々の要求する140ドル案を拒否したのです。」とFar Saly氏は言う。

しかし、Oun氏、Mom Thol氏は賃金交渉において表向きは労働者の代表を務めているものの、両者ともに政府の役職にも就任している。

10月30日の投票の後、Mom Thol氏は投票を棄権したという説について、肯定も否定もしなかった。

「そんなこと、どうしてわかりますか。秘密投票とはそういうことです。」と彼は語った。

 

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最終更新:2014年11月03日10:45

建築基準法不備でカンボジア衣料産業に脅威

昨年5月、カンボジアのコンポンスプー州にあるWing Star Shoes社の工場で天井が崩落する事故が起き、従業員2名が死亡した。これを受け当時の社会問題相Ith Sam Heng氏は、現在稼働中の工場について各省庁は今後「すべての建物を検査する」と発表した。

だが同事故から1年5カ月が経った10月21日、タケオ省にある中国系企業Nishiku Enterprise社の工場で工場建物1階の床が崩落し、少なくとも8人の従業員が負傷した。

これによりカンボジアの衣料産業では、建築基準が適切に整備されていないことに対して、再び不安を抱くこととなった。

国際労働機関(ILO)「カンボジア工場改善プログラム」で最高技術顧問を務めるJill Tucker氏によれば、「衣料・履物産業における防火および建物の安全に関するリスク分析」と題する未公開のリポートでは、建築基準に従わずに建てられた工場建物で頻繁に起きている事故について取り上げられているという。

ILOと国際金融公社(IFO)がまとめた同リポートでは9件の工場を評価し、工場労働者を危険にさらす共通の原因を、「基礎スラブにおける鉄筋」が不十分だったためと説明した。Tucker氏は、Nishiku Enterprise社の崩落事故も同様の原因だったとし、「事故の原因はリポートに書いてある通り」と述べた。同社の事故では、50メートルにもおよぶ工場の床部分が約3メートル下へと落下し、建物下の水たまりへと落ちていた。

リポートでは政府による公的な条例や規制が存在していないことについても触れており、これを施工不備の主な原因とみている。

「カンボジア工場改善プログラム」は工場の労働環境改善に向けて取り組んでいるが、建物の建設については管理の対象とはなっていない。Nishiku Enterprise社は、建物は「手抜き」工事だったにもかかわらず、企業の透明性を測る指数においては、労働環境、給与、安全措置のすべてにおいて完璧なスコアを取得していた。

Tucker氏は、同プログラムが建物の建設について管理しないのは、国に建築基準法が存在していないためだとし、「われわれの活動は国の基準に基づいて行われるため、現時点での問題は、従うべき基準が存在していないこと」と述べた。

米国に本部を置くSolidarity Center(連帯センター)の地域代表Dave Welsh氏は、Nishiku Enterprise社の事故について、「政府当局者らは以前、建築基準法の強化を約束していたが、あれは口先だけだったようだ」と述べた。

また「Wing Star Shoes社の事故から約1年半、飛躍的な改善を期待していた人も多いはずだ。書類上では国土政策局もこの件の責任を負っているようだが、見たところ何一つ手を付けていない。同プログラムはその方針で建築管理は行わないが、だからと言って建物の安全基準を無視して良いというわけではない」と話した。

さらに「確かに、同プログラムの活動は工場を管理・監督することだが、本件で最も責任を負うべき機関はILOではない。一方ILOは、工場の物理的な保全状況を実質的に評価するなど、本件について非常に積極的な姿勢を見せている」とし、「政府がこの問題を放置し続ければ、労働者はますます危険にさらされることになるだろう」と続けた。

地域法律教育センター(CREC)で労働コンサルタントを務めるJoel Preston氏は、工場オーナーらや委託元である海外企業にも責任はあるが、最終的に責任を負うべきはやはり労働省だとの見解を示し、「衣料産業の労働安全規定について、最も責任を負うべきは政府であることを忘れてはいけない」と述べた。

労働省労働争議局のVong Sovan副局長は22日、Nishiku Enterprise社の事故を受け、週内にも現在稼働中の工場の立ち入り検査を行うものとし、「専門家で構成した委員会を派遣し検査を行う。Nishiku Enterprise社だけでなく、その他工場においても実施する予定」と発表した。

 

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最終更新:2014年11月01日06:00

カンボジア:縫製工場ビル崩壊、8名軽傷

カンボジア南部タケオ州の縫製工場で21日朝、床が崩落し、少なくとも8人の従業員が軽いけがを負った。これにより、衣料産業の建築基準法に対して、管理監督責任が改めて問われることとなった。

崩落事故が起きたのは、中国企業Nishiku Enterprise社の工場。労働基準監督官の話によると、同工場はスウェーデンの衣料大手H&Mの委託工場として衣料を生産していた。

ミシンや天井から落ちてきたがれきが、縦50メートル、横3メートルほどのスラブ上に広がっており、そのスラブは工場下の水たまりへと落下していた。

労働省保健局のPok Vantha副局長は同日午後、事故現場を訪問し、事故の原因を「基礎部分の強度が十分でなかったため」と述べた。同省は今後、事故原因の調査を行い、ビル建設に際して、同社が適切な設計プランに従っていたのか判断する。

工場経営者によれば、事故当時工場では、全従業員1650人のうち約800人が働いていたという。

タケオ州内国安全局のChhun Sareth局長もまた、今回の事故の原因は基礎の問題だとの報告を受けており、ビルが建てられている土地は、大量の雨が降ると浸水する可能性のある場所だったと説明した。その後「今朝、大量に雨が降ったことで、ビルが崩壊したものと考えられます。地盤がゆるんでいたのでしょう」と続けた。

事故で負傷したLong Chanrongさん(24)は、Bati地区郊外の病院に運び込まれ、ベッドに横たわって点滴を受けていた。Chanrongさんは「作業をしていると崩れるような音が聞こえ、下に落ちました」と言い、「2メートルくらい落ちて、そのまま気を失いました」と話した。

現在妊娠中のDon Pharyさん(24)は腹部の痛みを訴え、病院に運び込まれた。痛みの原因は、崩落後パニックになり、出口へと殺到した何百人もの従業員と衝突したためだった。

Pharyさんは「事故当時、私は崩壊の現場から離れた場所で仕事をしていました。でも妊娠しているので、逃げまどう人たちとぶつかったときに、お腹が痛くなってしまったのです」と話し、「われわれはかねてから、ビルの強度について、いつか事故が起きるのではないかと心配していました」と付け加えた。さらに「これまで、床が動いていることがたびたびあり、いつも不思議に思っていたんです」と続けた。

昨年5月にはコンポンスプー州のWing Star靴工場で崩落事故が発生し、2人が死亡、7人が重傷を負った。

Vantha副局長は、今回の事故、Wing Star靴工場の事故、そして昨年バングラデシュのサバールで起きた縫製工場ビルの崩壊事故など、死者合計1100名を超える同種の事故が、近年立て続けに起きていることに言及した。そして「Wing Star靴工場の事故原因も、今回の事故と似たようなものでした。建築規定に従わず、基礎の強度も不十分だったのです。バングラデシュで起きた事故も、同じような原因だったのでしょう」と述べた。

国際労働機関(ILO)は現在「カンボジア工場改善プログラム」を推進しており、カンボジアの衣料産業で働く労働者において、健康面と安全面の管理を行っている。同プログラムで技術顧問長を務めるJill Tucker氏は、今回の事故を「責任の連鎖」が欠如していたとし、「従業員を守るには、まず建物の建築規定に従う必要があります。次に、政府はこうした規定をしっかりと施行しなければなりません。そしてわれわれ労働環境の問題に携わる者はみな、建物の安全面について、これまで以上に管理していく必要があります」と述べた。

Nishiku Enterprise社人事部のChan Molika部長は、工場建物は築3年だったとし、「最近、安全点検が行われたのはいつだったのか」という質問に対しては、コメントを差し控えた。

Molika部長によれば、事故後、マネージャーはすぐに従業員の数を確かめ、行方不明者がいないことを確認したという。またけが人は出たが、いずれも軽傷であると強調した。その後、「全従業員約1600人のうち、事故当時、働いていたのは800人でした。重傷を負った者は1人もいません」と報告した。

 

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最終更新:2014年10月24日13:13

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