インドシナニュース

カンボジア:独立系労働組合が最低賃金の要求を引き上げ

独立系労働組合のグループは、来週に開始する政府、工場、組合の三者協議において、縫製労働者の新たな月額最低賃金として207米ドルを要求すると述べた。

その金額の根拠は、現状128米ドルとなっている最低賃金の賃上げ要求の意味づけをするために、労働者権利団体が先月、国の70万人の縫製労働者がいくら消費しているか認識するための独自の委託調査を行った結果に依る。9月11日金曜日、DC Research社は予備調査の中央値を報告したところによると、調査対象となった745人の縫製労働者の中央値は207.5米ドルであった。

この調査を支援した米国にあるSolidarity Center のWilliam Conklinカントリー・ディレクターは、政府と協調している組合もいくつかあり、必ずしもすべての労働組合が今後の交渉で、最終的に207.5米ドルという数字を主張することに同意する必要はない、とした。協議は来週の月曜日に開始される。

「207米ドルという数字は、労働者が1ヶ月に使うと述べた金額の中央値を根拠としており」、この金額には自身の生活費と家族を支援するための仕送りの金額を含んでいる、とConklin氏は述べた。

「彼らは労働者がどのように賃金を支出したいと考えているのか、把握するつもりです。」と、彼は組合について付け加えた。

DC Research社はその金額について肯定も否定もせずに、今週最終的な調査結果を公表する予定としている。この調査には縫製労働者がどのように稼いでいるのか、例えば残業やボーナスと比較して、どの程度基本給から得ているのか、その内訳を含むことが期待されている。

「全体像はまだ明らかになっていません。」とConklin氏は述べた。少なくとも、いくつかの労働組合では、昨年掲げた177米ドルの最低賃金要求を支持するのに、この結果を利用できる、と彼は付け加えた。

国内最大の独立系労働組合をリードするAth Thorn氏は、彼と志を同じくする労働組合のリーダーの一部は、交渉の開始水準を207.5米ドルとすることを既に決定した、と述べた。

「我々はこの金額を工場との交渉に利用します。なぜなら我々は、根拠のないいかなる金額も利用することはできないためです。この金額は、基本的な生活維持費です。もし我々が、労働者が尊厳をもって生活できるようになることを望む場合、要求値はこの金額よりさらに高くなるでしょう。」

労働組合のリーダーのYang Sophorn氏もまたこの金額を支持しており、これまでその他7つの組合が、207.5米ドルを主張することで合意した、と述べた。

いつもははるかに低い賃金を志向する政府系組合を含む、多くの労働組合のグループでは、すべての組合が合意できる金額水準を見出すため、会合を持つ予定としている。

Thorn氏は、全組合が合意に達することに対し懐疑的であるが、もし失敗しても、独立系組合は207.5米ドルの要求のため、ストライキを実施するかもしれない、と述べた。しかし彼は同時に、工場との交渉を前進させるため、要求を緩和する可能性についても認めた。

「この金額は交渉のためのもので、最終値ではありません。」と彼は言った。「交渉の行方は現実に依ります。」

交渉を仲介する労働省は、10月に新しい最低賃金水準を決定する予定としている。

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最終更新:2015年09月22日05:56

カンボジア:低い生産性が賃上げの障害、アパレル縫製工場が主張

カンボジア衣料製造組合(GMAC)は、カンボジアの労働者の他国と比較しての生産性の低さと有給休暇取得の多さを考慮し、労働組合に対して現在の交渉中の来年の衣料品業界の最低賃金に関する要求を抑えるよう求めた。

GMACは相対的な生産性に関するデータは秘密の情報筋から得たものとしながら、有給休暇に関するデータの一部についてはウィキペディアを参考にしたと述べた。

国際労働機関(ILO)は先月独自のデータを発表し、業界が良い業績を上げており、月額の最低賃金が28%引き上げられ128米ドルになったにも関わらず、投資家を引き付け続けていることを示した。

しかしGMACは、ILOは「賢く」データを選択して発表したと述べ、労働者の生産性を含む他の事実は無視されたと訴えた。

「カンボジアの衣料品業界は生産性の低さ、労働争議、成長を妨げる賃金の上昇に対する圧力の中で、ベトナムやインドネシアといった隣国に対して競争力を保とうと奮闘している。」とGMACは発表の中で述べた。

GMACは労働組合に対し、業界が生産性を高め、より価値の高い仕事を創造できるよう「より考慮を重ねた姿勢」を取るよう要請した。労働組合のいくつかは最低賃金177米ドルを求めることで合意している。

中国を基準として、GMACはインドネシアやベトナムの労働者は中国の労働者と比較して80%の生産性を上げているのに対し、カンボジアはちょうど60%であると述べた。他に名前のあがった国は50%のバングラデッシュのみであったが、同国はカンボジアの最低賃金と比較してはるかに安い。

GMACの事務局長であるKen Loo氏は、生産性に関する比較データは同組合が他国から派遣された代表団との会話のなかで出てきたものだとした。

情報の正確性について問われるとLoo氏は「情報が確実だということを立証する手段を我々は持たない。我々の情報なのだ。国民がGMACを信用するかが重要だ。」

Loo氏は、他の三か国(インドネシア、ベトナム、バングラデッシュ)の電気料金に関するGMACのデータも、カンボジアのそれよりもはるかに低いとし、同様のことが言えるとした。

GMACのデータによれば、カンボジアの労働者は他の三カ国よりもよりはるかに多くの有給休暇を取得しているという。カンボジアの労働者は有給休暇と有給の公休日を45日取得しているのに対し、インドネシアは28日、ベトナムは26日、バングラデッシュは21日だという。

有給休暇に関するいくつかのデータはILOから引用されているものの、GMACはウィキペディアも情報源であることを明らかにした。ウィキペディアはユーザにより情報が作成され、しばしばその情報には誤りがある。つまりは釈明の余地を残しているのだ。たとえばILOのバングラデッシュに関する情報によれば、十代の労働者や同国の「輸出加工区」外で働く者には21日以上の支払い義務が発生する。

「ウィキペディアの情報はほぼすべて正確だ」とLoo氏は語る。「ILOの情報のみに頼るなんてことはしない、それはまともじゃない。」

地域法制教育センターにおいて労働関連のプログラムの長を務めるMoeun Tola氏は、カンボジアの衣料品関連の労働者のほとんどが法律により認められている18日の有給休暇のほとんどをとることはなく、公休日にも残業をするよう圧力をかけられていることが多いと語る。

「実際に労働者がすべての有給休暇をとることはない。」と氏は述べる。

米国の人権団体である連帯センターの国の代表であるWilliam Conklin氏によれば、労働者は週6日働いているため、18日の有給休暇を与えられるべきだと述べる。

氏はGMACの生産性に関する主張は信じるのに勇気が必要だと主張する。

「データは自分の議論の論拠を正当化するために、いかようにも利用することができる。」と氏は言う。「情報源を明らかにしない限りすべてはかなり主観的なもので、GMACを信じたいかどうかによるのだ。」

 

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最終更新:2015年08月13日06:02

カンボジア:プーマ社サプライヤーの従業員が法廷の周りに集結

スポーツウェア大手プーマ社のサプライヤーであるAkeentex衣料品工場の従業員約200人が、労働組合の代表率いる11日間のストライキの末、仕事に復帰するよう求めた裁判所の差し止め命令に対抗するため、7月20日(月)の朝にプノンペン地方裁判所の周りに集結した。

Meanchey地区では17日(金)、マレーシア資本及びシンガポール資本の工場との契約が終了するのに抗議して、プーマ社ロゴのついた横断幕を燃やしたのに続き、20日(月)、プーマ社による仲裁と法廷の差し止め命令の取消しを求めて、午前10時ごろ裁判所の外に従業員が集結した。

Akeentex社従業員は20日(月)、プノンペン地方裁判所の外で、抗議の意味を込めて「プーマ社は、問題を解決しなければならない」とのプラカードを掲げた。(Siv Channa/The Cambodia Daily誌)

「我々はPech Maren裁判官に差し止め命令を停止させることを求めるため、プノンペン地方裁判所にやって来た。」と労働者行動組合共同体(CUMW)のPreap Munysovann 氏は述べた。

Munysovann 氏はまた、労働者行動組合共同体(CUMW)が従業員に、ストライキ、道路封鎖や騒音を立てるよう扇動しており、仕事に戻りたい従業員を脅している、と裁判所の差し止め命令には記されているが、そのどれも真実ではないとした。 Munysovann 氏は、従業員自身が7月9日(木)にストライキを開始し、1日経った後で、労働者行動組合共同体(CUMW)へ支援を求めた、と述べた。

Akeentex社従業員代表のPang Khunthy氏は、48時間以内に仕事に復帰しない従業員は解雇される、とした差し止め命令の内容を告げに、当局が16日(木)に工場にやって来たことを明らかにした。「裁判所は間違っている。これは正規の手続きに沿っていない。」とPang Khunthy代表は述べた。

Pang Khunthy代表はまた、この紛争において裁判所は従業員側の聴取をしておらず、差し止め命令が下された際にも従業員は知らされていなかった、とした。

Maren裁判官とは20日(月)接触することができず、工場関係者もコメントを差し控えた。プーマ社広報担当者は過去、解決策が見出されることを期待し、仲裁裁判所に上告することになるだろう、と述べていた。

「プーマ社は、我々が工場へ圧力をかけるのを支援すべきである。もしプーマ社が救済しないのであれば、我々は、シンガポール大使館に請願書を提出する。」と、従業員代表の一人のSoun Sotheary氏は述べた。

カンボジアの縫製工場を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)は20日(月)声明を発表し、従業員の5年間の無制限契約を1年間の限定契約に置き換えることを求めた従業員の要求をサポートしたとして、労働者行動組合共同体(CUMW)を非難した。

「カンボジア縫製業協会(GMAC)は、CUMWのリーダー達が法的手続きを無視し、無制限契約の代わりに、制限契約を要求するストライキをリードしたことを非難する。」と声明は述べている。

 

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最終更新:2015年07月29日05:58

カンボジア:新作映画の中であらわになったアパレル産業の実態

人々や環境に対する、安価な衣類が招いている計り知れない影響を暴いた新しいドキュメンタリー映画によってカンボシアのアパレル産業の厳しい現実があらわになった。

映画「The True Cost」はカンボジア、バングラデシュやハイチを含む複数の国で2年以上かけて撮影された。この映画はファストファッションが世界的な衣料品チェーンの頂点の座になるまでをたどっている。またこれに関わっている地球上の人口の6分の1の人間も映している。

映画にはプノンペンで起きた2014年1月の大規模デモの映像がある。当時何万もの人がストライキを起こし最低賃金160米ドルを要求した。

日が経つにつれ警察と抗議者達の乱闘が増え、治安部隊による暴力を行使する取締りが行われた。銃声が鳴り響き、悲鳴があがる。血まみれの男性が抗議者の男性達に運び出される様子が見られる。

「私たちはただ、尊厳のあるまともな生活をするために妥当な給料が欲しいだけです。」と映画でインタビューに答える従業員は言う。

「しかし政府はどれだけ私たちが貧しく、直面している困難がどれ程のものかなど気にしていません。労働者のことなど全く関係ないのです。」

Andrew Morgan監督はプノンペンでのスタッフの時間は「とりわけ感動的」だったと言う。

「最も印象に残ったことは人々の魂です。労働者の中で人権への意識が高まり、そのことがデモへと繋がりました」とEメールで語る。

1年以上経ち、縫製労働者は2013年12月のストライキ前の最低月給80米ドルから128米ドルを勝ち取った。

しかしながら、繊維業界では高収入であることは好条件につながっていない。ちょうど今月、縫製工らをスヴァイリエン州にある工場まで運んでいた超満員のバンにバスが衝突し19人亡くなった。

「今の、この危機的な状況を思うと、悲痛な思いと厳粛な思いが交錯します。」とMorgan監督は死亡事故について述べ、「人間の命はおそらく最も尊いもので、途切れることない消費の名のもとにそれを不注意にやり過ごしてしまうことには吐き気すら覚えます。」と付け加えた。

「The True Cost」は、労働問題を扱った海外の数多の作品や書籍のうちの最新作で、労働者が安価な衣料品ために現実の犠牲を払っている姿を見せることで消費者の心を動かそうと試みている。

カンボジア通商連合(CATU)代表Yang Sophorn氏はそのような外部からの関与は喜んで受け入れると述べた。

「労働者にとって利益になるでしょう。なぜなら労働者は生活し苦しみ、雇用主に不当に利用されている現実の状況を消費国は知ることになるからです。」と述べた。

「消費国が現状を知れば圧力がかかり、それによって工場に圧力がかかることで労働者は暮らしを改善することができるでしょう。」

Morgan監督に映画を通して達成したかったことは何かと問うと、この映画がファッションの買物習慣について「家庭での会話」のきっかけになり、その結果、縫製労働者の状況が改善してくれればと答えた。

「私たちは彼らの側に立って、この戦いを支援し、(カンボジアの)人々の魂がバングラデシュのような他国へ波及してくれることを願っています。」と彼は述べた。

 

 

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最終更新:2015年06月03日05:54

カンボジア:ストライキ中の縫製労働者に職場復帰命令

プノンペン地方裁判所の資料によると、同裁判所は賃上げと労働環境の改善を求めて1週間以上ストライキを行っている数千人の縫製労働者に職場復帰を命じた。

世界的なファッション販売企業であるH&Mの納入業者であるM&V International Manufacturing社の従業員らは、月額交通費の10ドルから15ドルへの増額と毎日1ドルの昼食代の支給を含む17項目の要求事項を経営者に提示し、5月19日に職場を放棄した。

この件は先ごろすでに調停委員会にかけられており、調停員はストライキ中の労働者(職員、労働組合員によると総従業員3000人のうち約2000人)に5月23日に職場復帰するよう命じていた。

従業員側はこの強制力のない決定を無視したため、この件は地方裁判所に持ち込まれることとなった。5月26日発行、27日入手の裁判所の文書によると、Heng Kesarou判事は従業員に対し「文書受領後48時間以内に職務に復帰すること」を命じ、裁定は追ってなされるとしている。

「48時間以内に正当な理由なく職務に復帰しない従業員は、深刻な違反行為を働いているとみなされる」とKesarou判事は記している。

カンボジア労働組合連盟を含む8つの労働組合は、「従業員らを扇動するような全ての行為を停止する」よう警告を受けた。

「5月19日のストライキとその後に続いた組合主導の数々のストライキは、労働法とその定める手続きに則った行為ではない」とKesarou判事は続けている。

32歳の従業員Hem Sreyneangは、裁判所命令に従うが、要求が受け入れられない場合はまたストライキを始めるつもりだと話した。

「私たちは7日間の猶予を与えてからストライキを開始したので、このストライキは合法です」と彼女は主張する。

労働省の労使問題委員会のPrak Chanthoeun委員長は、労働組合に対して協議開催を通知したが、同時に事態を複雑化させないよう警告したと話す。

 

 

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最終更新:2015年06月02日06:02

カンボジア:縫製産業、大規模な交通事故で通勤手当の問題が浮き彫りに

カンボジア縫製産業で19日、交通事故が発生し史上最大ともいえる犠牲者を出した。これを受け、同産業の主要経営者団体の代表はこのほど、事故は給与を通勤費用に充てずに危険な乗り方でトラックに乗っていた労働者らの責任だとした。

Svay Rieng州で19日、定員オーバーのトラックがツアーバスと衝突し、労働者18人と運転手1人の命を奪った。この事故を受けて、カンボジア縫製製造業者協会(GMAC)のKen Loo会長は21日、工場主に責任はないとの発表を行った。

Loo会長は「労働者にはすでに通勤手当を支給しています。それを使わないのであれば、われわれにはどうしようもありません。今回の問題は通勤手当の引き上げの問題ではありません。労働者が通勤手当を使うかどうかという問題です。実際には使われていないのですから」と言った。

一方で同州の縫製労働者、Chan Sarun(34)さんは22日、自身の通勤状況について、毎朝50人の労働者とともにトラックに乗り込むのだと話した。というのも、13米ドルという通勤手当ではこの通勤手段しかないからだ。Sarunさんは「工場は通勤手当を引き上げるべきです。こうしたトラックでの通勤は安全とは言えませんから。通勤手当の額が上がれば、安全なトラックを利用します。でも今は十分なお金がなく、食費が必要です」と話した。

Kompong Speu州の縫製労働者、Nan Sothea(27)さんは、1カ月11米ドルの通勤手当のうち10米ドルを通勤費用に充てているのだという。もし工場が通勤手当を引き上げるのであれば、通勤費用を差し引いた残りの金額は貯金したいと考えている。Sotheaさんは「従業員の安全のためにも、工場には通勤手当を増やしてもらいたいと思っています。余ったお金はわずかですが貯金に回すことができます」と話した。

Svay Rieng州付近の労働者を輸送する、トラック運転手のNai Dara(30)さんは、運賃について、1人当たり1カ月11~12米ドルを徴収していると話した。そして「私のトラックには通常、約40人の労働者が立って乗っています。しかしときには大勢が皆、急いで帰宅しなければならないこともあり、そのような場合には100人以上もの労働者が1台のトラックに乗り合わせます」と説明した。

GMACのLoo会長は22日、通勤手当が多いほど労働者の安全は保証されるという考えを却下した。同会長は「全く受け入れられない考え方です。今回の問題は、収入が少ないから危険な通勤手段しか取れないということではなく、通勤手当をどう使うかという『選択』の問題です。労働者たちは支給された通勤手当を別のことに使っています」といい、「彼らのほとんどがスマートフォンを持っています。そう考えると、通勤手当が何に使われているのかも納得がいきます。要は、彼らは7米ドル、10米ドル、12米ドルといった通勤手当を支給されているにもかかわらず、全額を通勤費用に充てているわけではないということです」と説明した。

地域法務教育センターで労働プログラムを指導するMoeun Tola氏もまた、「労働者の多くが通勤手当を節約している」というLoo会長の意見に同意した。だが一方で、賃金が低過ぎることがその原因だと指摘している。カンボジア縫製産業の1カ月の最低賃金は128米ドルだ。

Tola氏は「Loo会長の意見は正しいかもしれません。というのも、基本給としての最低賃金は依然として低く、人々はできる限り節約しようとしているからです」と述べた。にもかかわらず、金銭的に可能であれば、労働者らは安全な通勤手段へと切り替えるべきだとも主張している。Tola氏は「現行の最低賃金で労働者自身とその扶養家族を養えるようになれば、労働者たちも安全な通勤手段を選ぶようになるでしょう」と話した。

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最終更新:2015年05月27日06:01

カンボジア:東南アジアが次の「世界の工場」へ

ANZ銀行が4月24日に発表した報告書によると、カンボジアの「安く、若い労働力」は今後10年間で東南アジアが中国を抜いて世界最大の生産基地となることを後押しするであろうという。

「アセアン:新たな展望」と題された報告書では、東南アジアは地理的な利点と他のアジア諸国に比較すると安価な労働力により、製造業者を惹きつけることになるという。

「安価で豊富な労働力を求める企業がメコン河流域地域等に移転するにつれ、東南アジアは中国の『世界の工場』の地位を今後10-15年のうちに奪うことになるだろう」と報告書は論じている。また、2030年までに、東南アジア地域の6億5000万人強の人口のうちおよそ半数が30歳以下となるとも述べている。

ラオス、ビルマ同様、カンボジアは「安く、若い労働力」をタイやベトナムの製造業集積地域での新たな生産拠点に投入することとなると報告書は述べる。その一方で、マレーシア、シンガポールが地域の金融、技術の中心地となる。

加えて、同報告書は2020年までにアセアンは世界で5番目の規模をもつ経済となるであろうと予測している。今年末に控えるアセアン経済共同体(AEC)での地域経済統合が大きな役割を果たすと見られている。

真の「国境なき経済共同体は少なくともあと15年は実現しないであろう」と認めつつも、報告書ではアセアン加盟国の大きな経済的成長を可能にするための方策はすでに取られつつあるとしている。

「貿易統合や関税削減等、いくつかの分野においてはすでにかなりの進捗が見られ、最終的にはアセアン経済共同体は地域内での相乗効果を創出し、さらなる経済成長の時代の先駆けとなるであろう」

カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、この報告書は東南アジア地域で急増する人口を反映したものだと話す。

「単に人口のみを考えても、東南アジアが製造業の中心地となるという予測は驚くべきことではありません。」とLoo書記長は話す。また、カンボジア人労働者の他国への移動は必ずしも国内における製造業の発展を阻害するものではないとも付け加えた。

「カンボジア人は今までと変わらず、タイ、ベトナムやマレーシアでも働くことになるでしょう。しかし、人の流れは双方向のものになります」とLoo書記長は言う。

「カンボジアは国内人口が非常に若く、また、毎年20万人から30万人規模の人口が新規に労働市場に参入するわけですから、国内製造業も成長できます」

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最終更新:2015年05月11日14:01

カンボジア:縫製業協会会長が再選、多選制限の導入も決定

カンボジア縫製業協会(GMAC)は4月25日の年次総会でVan Sou Ieng氏を会長に再選した。Ieng氏はすでに20年以上会長を務めている。総会では同時に、任期2年間の会長職の再選は2度までに限るという新しいルールも承認した。

縫製業協会のKen Loo書記長によると、年次総会では定員25名の評議会も選出され、協会会員であるヨーロッパ諸国の企業も代表されるよう考慮した結果、新たな評議会メンバーも選出されたという。6 人が新規に選出され、残る19人はすでに評議会のメンバーであった。

「評議会は企業における取締役会のようなものです。縫製業協会の運営事項について決定するすべての権限を持っています」とKen Loo書記長は話した。

カンボジアの縫製製品輸出額は60億米ドルにも達し、同国の国内総生産(GDP)のおよそ3分の1を占めているが、このところカンボジアの縫製産業にとっては波乱の2年間であった。

特に2013年末には、賃金の引き上げを求める縫製労働者らのストライキと抗議活動が拡大し、暴力的なものとなったため、数日にわたって産業全体が事実上の麻痺状態に陥った。2014年1月3日に軍警察が介入し、抗議者らに発砲したことで事態は沈静化したが、結果、少なくとも5人の犠牲者を出した。

暴力と操業停止の結果、外国ブランドの中には他国により多く発注することを決定した企業も出た。2014年には、カンボジアの縫製製品輸出の成長率は前年のおよそ2分の1となった。しかし世界銀行は、これは他国の台頭による競争環境の激化と、政府が通貨リエルを固定している米ドルの高騰も要因であるとしている。

2015年1月に縫製労働者の最低賃金が28%上昇したことも縫製業界への負担を重くしている。また、政府が2015年中の成立を望んでいる労働組合法を巡って、縫製産業といくつかの労働組合との関係が悪化している。

労働組合法、そして現在法案作成中のNGOや各種協会を規制する法律の双方に、指導者の多選制限の条項が含まれると予想されることも、縫製業協会が今回会長の多選制限を決定した理由の一つであるとLoo書記長は話す。

「縫製業協会がどちらの法律に当てはまるにせよ、今後成立するだろう2件の法案を意識した決定です」とLoo書記長は言う。

任期を2期までに制限することで縫製業協会に国際的な慣行を取り入れることともなるとLoo会長は付け加えた。

しかし、2期の任期満了後に別の立候補者がいない場合は、この多選制限の原則は適用されないという。

 

 

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最終更新:2015年05月02日06:01

カンボジア:プノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)開催される(後)

(前編より)

 

過去数年間で、プノンペンの240通りや市内の別のエリアには、ファッション店が建ち並ぶようになった。デザイナーらの話によると、こうした傾向は、一つには、国内の中産階級が増えたことが理由として挙げられるが、旅行者やカンボジア国内に居住する外国人の需要も依然として残っている。

だが今後どのような展開になっていくのかは不明だ。

A.N.D.のFlux氏は、個人の見解として、現代のファッションが今後どのようにして、シルクやコットンの織物技術など、伝統的な職人技を取り入れて発展していくのか不安に感じていると述べた。同氏は「5年後や10年後、どのような状況になっているのかは分かりません」とし、特に、大量生産を行う国内の衣料品工場がもたらす影響について語った。衣料品工場は、伝統工芸において若者の職人離れを引き起こす産業の一つである。

カンボジアの工業・手工芸省には、約1200社の衣料品メーカーが登録されている。同省によれば、2013年の国内の縫製労働者の数は約67万人だったが、14年の7月には約73万人にまで増加したという。

Flux氏は「村の伝統工芸や伝統的な技術に携わる可能性のあった多くの若者が今や、巨大な縫製工場で働いているのです。この変化は大きいですね」と述べた。

一方でデザイナー自身もまた、将来の見通しについて考える必要がある。ファッション業界とは世界中どこに行っても熾烈な業界だが、特にカンボジアでは新人デザイナーが多く、皆が足固めに必死になっているため、生き残れるかどうかの危険性が高い。

FashionLab誌の編集長で、PPDWのプログラム・ディレクターでもあるKe Sophea氏は、「デザイナーの数は多いですが、業界自体がとても小さいので、実力を発揮する場がほとんどないのが現状です」とし、よって「デザイナーが、自身のコレクションに多額のお金をつぎ込むのには危険が伴います」と続けた。

カンボジアでは国産品を好む富裕層もいるが、世界的なブランドもまた非常に人気がある。Flux氏は「富裕層はきっと、世界的なブランドを好んで購入することでしょう」と言い、「海外ブランド製品の購入は楽しいですし、魅力的なことですから」と話した。

同時に、国内での競争もまた急速に高まっている。Thavy氏に最近の最大のライバルを訊ねると、「240通りです」と回答した。Thavy氏は、自身のショップがオープンして間もない頃のことを「ほぼ閉店のような状態でした」と表現し、「どうしたら店を有名にできるのか分かりませんでした」と語った。

今回、PPDWに初めて参加したNatacha Van(24)氏も、今後、若いデザイナーにとっては、つらい試練が待ち受けている可能性があることに同意している。

英ロンドン出身で、この1年間カンボジアで生活しているVan氏は、「私にとってこれからのファッションとは、自分自身を理解し、情熱を持って想像を続けることです」という。また「やや過激なアイデアのドレスを作りたくなることもあります。こうしたアイデアを人に理解してもらうのは難しいですが、それでも人は時に新しいものを受け入れなければなりませんし、既成概念に捉われずに物事を考えることも大切です」と語った。

業界関係者らは、特に、近年、大学などに設置されたファッション・コースを卒業した新世代のデザイナーらに刺激を受けているという。こうしたファッション・コースは、例えばプノンペンのRaffles International CollegeやLimkokwing University of Creative Technologyなどに設置されている。

Sophea氏は「若い、新世代のデザイナーたちは、まだ学校を卒業したばかり。今は、自分のやりたいようにやっているときでしょう。1~2年後にはきっと、彼らが生み出したさまざまコレクションを目にすることができるはずです」といい、将来、ランウェイへと上り詰めてほしいと語った。そして、「ステージに上がれば、人に評価されるようになります。批判されることもあれば、好きだと言ってもらえることもあるでしょう。嫌いだと言われることもあります」とし、「でも思い切ってやらなければ、何も学べませんし、成長することもできません」と続けた。

 

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最終更新:2015年04月11日13:51

カンボジア:プノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)開催される(前)

4度目の開催となるプノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)では、「Now is the Future(未来は今の積み重ね)」をテーマに、観客の反応を見るためのアバンギャルドなファッションや、国内外の8つのブランドによるオーソドックスなレディーメードのファッションなどを披露した。

同ショーはFashionLab Magazine社の主催によるもので、開催期間は先月26日から28日夜まで開かれた。

だが同ショーの開催により、ある疑問が投げかけられている。それはまだ「ひよっこ」のカンボジアのファッション産業にとって「今後の課題は何なのか」ということである。

ショー全体を通じて、デザイナーらは同ショーのテーマをさまざまなアイデアで表現した。

Phka Kn’jayのオーナーでデザイナー、Pich Thavy(35)氏は28日夜、レトロなファッションをモダンに仕立てたリネンのドレスやシャツ、パンツなど、新作を披露した。

Thavy氏は「1970年代のスタイルを今風にするのが私のデザインです」と説明する。同氏は約1年半前、プノンペンの242通りに自身のショップをオープンした。

大学で英文学を専攻した同氏は5年前、収入の足しにとプノンペンの仕立屋で働き始めた。そして自身の店を開くまで、そこでクメール調のイブニングドレスをデザインしていた。

同ショーに参加したことで、同氏は今後、自身の成長を望むとともに、特徴あるデザインを展開していきたいとしている。そして「何か特別なデザインや、恐らく他のデザイナーとは異なるデザイン、つまり私自身のスタイルを求められるようになったのは、これが初めてです」とし、「嬉しくもあり、興奮もしますけれど、不安にもなります。すべての感情が一気にやって来た感じです」と語った。

一方でプノンペンの240通りにあるファッション店A.N.D.は、織物とその技術を使って、ショーのテーマに取り組んだ。

A.N.D.は27日、メンズのイブニングウェアとして、ローマ神話に敬意を表したコレクション「Pantheon: Home of the Gods(パンテオン・神々の家)」を披露した。

ユニセックスの同コレクションでは、A.N.D.を象徴する手織りのイカット(絣)に焦点を当てている。だがこのイカットにはPVC(ポリ塩化ビニル)が施されており、これによりどの服もアップサイクル(付加価値の高いものに作り替える)されたものになっている。

A.N.D.のデザイナー、Alan James Flux氏は「われわれが使用したのは伝統技術のイカットです。とは言えもちろん、われわれは現代の市場にいるわけですから、少々これに手を加える必要があります」と説明した。

ほかにも、例えばフィリピン出身のデザイナー、Don Protasio氏は、より概念的なアプローチを取った。同氏は27日夜、自身のコレクション「Decay(滅亡)」を発表し、生地を幾重にも重ねた単色使いのファッションで終末論的な未来を表現した。

同氏は、自身の「破壊的なデザイン」について「注意を促すつもりで作った作品です。特にファッション産業においてなのですが、環境維持について真剣に考えなければ、このデザインのような未来が訪れるでしょう。それこそまさに『滅亡』です」と説明した。

だがファッションショーとは別に、カンボジアのファッション産業には将来を取り巻く不安がある。

 

(後編につづく)

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最終更新:2015年04月11日06:04

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