インドシナニュース

カンボジア:「フットワークの軽い」アパレル産業が成長持続を牽引(後)

(前編より)

 

Sanchez Martin氏は、こういった動きは既にいくつかの工場で起きており、そういった工場では単純なシャツ等の生産から、刺繍など付加価値の高い衣料品の生産への移管されてきている、と述べた。

「最終製品ではさらに付加価値を得ることできます。それが今後、いかにカンボジアが競争力を維持していくかの答えとなります。」と彼は述べた。

経済における広範なリスクの中には、外国投資循環の急降下を引き起こす可能性のある米国大統領選挙を取り巻く不確実性がある、と彼は続けた。

またカンボジア経済に潜在的に危機をもたらすものとして、12月に合意されたがまだ批准はなされていない欧州・ベトナム間自由貿易協定を挙げた。この協定により、欧州向け輸出におけるカンボジアの競争優位性のほとんどが失われるだろうとLy氏は述べた。

Ly氏はこのベトナムとの競争について、カンボジアがその特恵国待遇を失った後でもベトナムと対等に競い合い、米国市場におけるシェアを維持することができていた点について指摘した。

「何もベトナムと勝負する必要はありません。他の競争相手と競い勝てばよいのです。」と彼は述べた。 「我々はベトナムではなく、他の非効率的な生産者を打ち負かせばよいのです。」

以前公表されたレポートからの修正点として世界銀行は、その近隣諸国に対する影響リスクについては限定的としているものの、中国経済の緩やかな減退を予想しており、今年好調であったカンボジアの建設部門についても同様としている。

何人かの専門家は建設部門が急速に成長を遂げる中で、信用バブルが発生するリスクを警告してきたが、Sanchez Martin氏はこの業界はほぼ外国投資の元に成り立っており、クレジットバブルは重要な懸念点とならないだろうと述べた。

「万が一バブルが弾けても、カンボジアでは他国のような影響は受けないでしょう。投資は主として外国人投資家によるものですので、バブルの影響を受けるのは彼らということになります。」

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最終更新:2016年10月10日12:01

カンボジア:「フットワークの軽い」アパレル産業が成長持続を牽引(前)

米国大統領選挙の先行不透明、迫り来る欧州・ベトナム間自由貿易協定の発効や米ドル高などのリスクがあるにもかかわらず、当面のカンボジア経済の見通しは明るい、と世界銀行は10月5日発表のレポートにおいてこのような見解を示した。

しかしカンボジアが将来的に競争力を維持していくためには、現在直面している課題に対処する必要があると経済学者はこの報告書で指摘している。

世界銀行のSodeth Lyシニアエコノミストは、世界銀行が半年ごとに刊行する「東アジア・太平洋経済アップデート」リリースの場において「アパレル部門が経済成長の最も強い牽引役となっている。」と述べた。

「しかしアパレルは「フットワークの軽い」業界で、(その生産を)他国へ素早く移すことが可能です。」とLy氏は外資系メーカーについて述べた。

このレポートによると、アパレル産業に対する投資の90%以上を中国企業や台湾、香港、マカオなどのその関連会社が占めているという。それに対して国内からの投資は全体のわずか1.4%であった。

それにもかかわらず欧州向け輸出の増加に支えられ、カンボジアのアパレル部門は今年の国内総生産の伸びに2%も寄与し、7%という国の力強い成長率を下支えすると予想されている。

この7%という予測値は、6.9%の成長率を予測した4月のレポートからわずかに上方修正された。世界銀行では今後2年間についても6.9%の成長を予測する。

「カンボジア経済は順調で、マクロ経済の面からも非常に安定しています。」と世界銀行のMiguel Sanchez Martinシニア・カントリーエコノミストは述べた。「しかし同時に、改革を進めていく必要があります。」

農業部門は世界のコモディティ価格の低迷により不振で、GDPの成長率に一切の寄与をしておらず、また観光産業についても、タイなどの近隣諸国と比較して旅行者のリピート率の面で劣っているとこのレポートでは指摘している。

「カンボジアはアンコールワットだけでなく、エコツーリズムやその他多様化している訪問ニーズに対応することが求められています。」とSanchez Martin氏は述べた。

東南アジアは世界でも最も急速に成長している地域で、先進国経済が低迷している中で稀有な輝かしいスポットである、と世界銀行において東アジア・太平洋地域を管轄するSudhir Shettyチーフエコノミストは、ブリーフィングの場でワシントンからビデオを介して述べた。

「良いニュースとしては、ほとんどの国で先進国から良い条件の金融取引を受けられる環境が整っているということです。」とし、Shetty氏は多くの先進国から低金利で融資や投資を受けられるメリットについて言及した。

「一方で悪いニュースとしては、こうした環境がいつ失われるかもしれないということです。そのため今、アクションを取るべきなのです。」

Ly氏は、カンボジアのアパレル部門では60万人以上の労働者を雇用し、昨年約60億米ドルもの輸出売上高を上げており、このことはいくつかの不安要素がある中で、着実に競争力が向上していることを意味すると述べた。

「我々はカンボジアにおいて賃金が非常に速く増加し、ドルが上昇し続けたのを目の当たりにしてきました。」と彼は述べた。 「以前は米国が(衣料品の輸出先として)最大の市場であったため、その点問題となりませんでしたが、今では欧州に主要市場が移っており、為替レートが重要要素となっています。」

コストが上昇する際、衣料品・履物メーカーはより付加価値の高い製品の生産に移管したり、商品を多様化したりする必要がある、とLy氏は指摘した。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年10月10日06:03

カンボジア:縫製業界、最低賃金交渉第1日目は成果なし

9月14日にカンボジアの民間分野で最多の雇用者を擁する縫製業界の工場経営者側と労働組合側が新たな最低賃金について第1回目の交渉を行ったが、両者ともにそれぞれの提案を譲らずに終わった。

カンボジア縫製業協会(GMAC)は、業界の生存のためには最低賃金の引き下げすら考慮すべきであるとし、現行の月額最低賃金140米ドルから4.2米ドルの増額を提案した。労働組合は179.6米ドル前後で合意の上、賃金交渉に臨んでいる。

「提案額が低すぎたため、今朝の交渉では合意しませんでした」と労働者運動共同労働組合のPav Sina代表は話す。交渉では146.37米ドルが提示されたという。

「経営者側はインフレと生産性という二点を取り上げましたが、労働者の支出や、競合関係など交渉すべきポイントはさらに3つも4つもあります」とSina代表は話す。

Sina代表は、15日に開催されるフォローアップ会合の前に提案金額を引き下げることを組合間で合意したと明かしたが、具体的な金額には言及しなかった。

「179.60 米ドルという額は交渉の材料として提示しています。絶対的な金額ではありません。しかし、どんなにつつましい生活をしている労働者でも1か月に171米ドルは必要です」とSina代表は言う。

著名な政府系労働組合のリーダーであるSom Aun氏は、経営者側は柔軟だと楽観視していると話す。

「経営者側はまだ最終的案を出していないと思います。これから提案金額をさらに引き上げていくことを希望しています」

9月9日のある会合で、労働省は「経済的、社会的要素」を考慮し最低賃金148.19米ドルを提案した。14日に労働省のコメントを得ることはできなかった。

縫製業協会のKen Loo会長は、(「それが法律というものですから」)工場側はどのようなものであれ政府の決定に従うと話す。しかし、カンボジアで60万人以上を雇用し、昨年60億米ドルもの輸出を実現させた縫製産業はすでに苦境にあるとも述べた。

「縫製産業はどれだけ支払えるのかというと、実際のところ、140米ドルですら持続可能な金額ではありません。競争力という面から言えば、最低賃金は引き下げるべきなのです」

国際労働機関(ILO)によると、カンボジアの縫製業界では生産コストの上昇と外国バイヤーからの発注価格の低迷で労働者一人あたりの生産性は低下しつつある。

最低賃金は過去3年で倍以上になったが、労働組合側は20年近く低迷していた最低賃金はまだ生活費に追いついていないとしている。

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最終更新:2016年09月19日12:02

カンボジア:低価格はアパレル部門を窮地に追い込むとILOが警告

カンボジアのアパレル部門はなお拡大基調にあるものの、世界のブランドがメーカーに支払う報酬を大幅に引き上げるか生産性の劇的な改善がない限り、危うい立場となるだろう、と国際労働機関(ILO)は8月30日発表したレポートにおいて警告した。

短期的には報酬の引き上げも生産性の改善も見込めない状況下で、工場経営者は賃金の継続的な増加に苦慮するだろう、とILOは「カンボジアの衣料品・履物部門レポート」最新刊で指摘した。

「投資家は投下資本に対する確実なリターンを必要としており、もしそれが得られない場合はカンボジア衣料品部門に対する追加投資を見送る可能性がある。」とこのレポートは述べた。

「将来の賃金増加は労働生産性の増加、もしくは外部からの報酬、またはその両方により補われる必要がある。」

このILOによる警告は、労働組合と経営者が来年1月からカンボジア60万人以上の縫製労働者に対して適用する最低賃金に関する年次交渉ラウンドを準備する最中にもたらされた。

レポートは、現在140米ドルに設定されている月額最低賃金は、景気停滞の中においても近年急激に上昇し続けている一方で、主に米国や欧州のブランドなどの取引先から支払われる報酬は、競合するベトナムやバングラデシュなどの国からの供給が増加することにより伸び悩んでいるとした。

「衣料品の価格が据え置き、また時には低下していることのメリットは、ある程度消費者に還元されている。」が、米国と欧州の両方における衣料品の生産コストも、2006年から2015年の間にたったの5.4%しか増加していないと続けた。

「これは10年間にわたる増加率としては非常に小さな伸び率である。」とレポートは指摘し、グローバルブランドに報酬を上げることによって、縫製工場の財務負担を軽減するよう促した。

「生産性向上の余地はいくらか残されているが、生産性の伸びが短期的に劇的に加速するような見通しは立っていない。」とレポートは指摘する。

「従ってカンボジアのアパレル・履物部門の労働者が大幅な賃金上昇を期待するのであれば、販売価格の動向が非常に重要なものになるだろう。」としたが、米国や欧州の経済成長が停滞する中で当面の見通しは明るいものではない、と続けた。

カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、今唯一取りうる手段は生産性の向上に取り組むことであるが、それも険悪な労働関係によって阻害されてきたと主張した。

「(生産性向上に)大きな障害となっているのは違法なストライキであり、いくつかの労働組合が明らかに工場内の空気を支配しています。それは時に協力的であったり敵対的であったりしますが。こうした労働組合は労働者と経営陣の関係に、プラス、マイナスのいずれの影響も及ぼし得るのです。」と彼は述べた。

生産性を向上することができない工場はそのまま閉鎖されることになる、とLoo書記長は述べた。

「営業を継続できている工場は、生産性の向上を実現している工場であることは明らかです。一方で労働生産性を改善できなかった工場は、既に閉鎖されているか、今後閉鎖されることになります。」と続けた

GMACはその加盟企業の70社が今年閉鎖して35社が新規開業登録したが、閉鎖企業の方が多いこの状況は投資家が苦戦していることの証である、としている。

一方でILOレポートは、アパレル部門は今年も力強い成長を遂げており、第一四半期の売上高は14.5%となる約18億米ドルであったと報告した。

カンボジア最大の独立系労働組合のAth Thorn代表は、低い労働生産性は劣悪な労働条件が主な原因であり、生産性の改善はその対応への投資を増やすかどうかによると述べた。

「これは、労働者に低い労働生産性の原因を押し付ける企業によって引き起こされている問題なのです。彼らは低賃金で長時間労働を強制しており、そのため労働者は会社のために懸命に仕事をやる気になれないのです。」

Thorn代表は、近年ストライキの数が急激に低下しているとの労働省のレポートを挙げ、ストライキが生産性向上における主な障害であったとのLoo書記長の主張を否定した。

「経営者は責任から逃れるためにストライキに言及します。なぜいまだにそれを取り上げるのでしょうか?」

Thorn代表は、労働者に対するより良いトレーニングと処遇、労働法の厳密な適用、近代的な設備の導入、経験豊富な従業員に対する長期契約が生産性を高めることになる、と述べた。

「我々は企業に対してこれらの問題を何度も提起してきました。しかし経営者はただ利益を気にするだけで、こうした問題提起を歯牙にもかけないのです。」

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最終更新:2016年09月12日06:07

カンボジア:縫製工場閉鎖の真意が議論の的に(後)

(前編より)

 

GMACのLoo書記長は、今年の工場閉鎖の実績数について政府、労働組合や経営者の間で議論されているものの、閉鎖は財務的な操作によるものではなく、利益の減少がその原因である、と指摘した。

「労働組合や活動家と言われる人々は、会社が労働者への退職金の支払いを避けるために工場を閉鎖し、再オープンしていると主張していますが、GMAC加盟企業による統計が示しているような、2016年に70近くの工場が閉鎖する一方で、35社が新規オープンしているという数値とはつじつまがあいません。」と彼は述べた。

Loo書記長は、「調査していない」ため、指摘されているような事象が本当に発生していないかどうかを断言することはできないが、今年GMACに登録した工場のほとんどは、新規の投資家によって出資されているようだ、と述べた。

「私はもちろんすべてがそうだとは言っていません。一握りの企業では指摘されているようなことを行っているかもしれませんが、実態は分かりません。ですが私の知る限りでは、我々が今年登録を受けたメンバーのほとんどが新規の投資家であると見られます。」と彼は述べた。

「組合が主張しているようなことは、GMACの数字を鑑みるとあり得ません。それはせいぜい一握りの事象だろうと思います。」

最終的には政府が窮地に立たされている労働者がいないことを確認する責任を負う、とFree Trade UnionのMann Seng Hak副会長は述べた。

「それは政府の責任です。政府は投資を呼び込むものの、工場が閉鎖され、経営者が逃げ出したような場合、労働者に対する補償については一切考えていないためです。」とSeng Hak副会長は述べた。

工場経営者は閉鎖などの事態に備え、約100万米ドルの供託金を拠出することが求められているが、この資金は労働者らに対する未払賃金にほとんど利用されていない、とCentralのTola代表は述べた。

労働省のHeng Sour広報官は工場経営者に対する法的な規制の必要性は、会社の登記を監督する商業省管轄としてコメントを差し控えた。

商業省のSoeng Sophary広報官は、供託金の使用については何が起きているのか検知していないとし、財務省税務課管轄との認識を示した。財務省のMeas Soksesan広報官はSophary広報官のこの認識に対し、今度は外国投資を監督するカンボジア開発評議会の管轄との見解を示し、結局そこでは監督省庁を特定できなかった。

約3000米ドルの債権を会社に対し保有しているChung Fai工場の元従業員であるHalymasさんは、労働者らにとって唯一の債権回収の道は、工場敷地に残された資産を守ることである、と述べた。

「私たちは悪い人々が密かに持ち去らないよう、工場にあるミシンや製織機のようなすべての資産を守る必要があります。それらが失われるということは、私たちの債権が失われるということだからです。」

だが労働者らはあえて設備を持ち去るようなことはしない、と彼女は言った。

「もし私たちが設備を持ち去り、売却したりすれば、法律違反の罪に問われることになってしまうのです。」

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最終更新:2016年09月08日12:04

カンボジア:縫製工場閉鎖の真意が議論の的に(前)

Chung Faiニット工場の板で囲まれた玄関の外に立つ守衛をめがけ、十数人の女性がその日のために出かける準備をしていた。

プノンペンのMeanchey地区にある香港資本のセーターや靴下を生産するこの工場では6月に操業を停止し、200人以上の労働者が職を失った。期日になっても報酬が支払われる兆しがないため、Chung Fai工場の元労働者数人が、補償を受けるために残されたわずかな希望である内部の価値のある設備を守るために、工場の敷地にて夜を徹したキャンプを開始した。

「我々は、(労働)省か裁判所ができるだけ早くこの問題を解決してくれることを願っています。」と約15年間 Chung Fai工場で働いたMath Halymasさんは言った。

請願と抗議を2ヶ月間繰り返した後、現在女性らはフェンスで囲まれた敷地内から外の歩道へベースキャンプの位置を移し、毎日午前7時から午後5時まで監視を続けている。8月19日に敷地を検査するために、フン・セン首相に助けを求めるメッセージボードが置かれた工場ゲートが裁判所、警察や政府関係者によって封鎖されたため、彼女らは活動方針の変更を行った。

内部の資産を調査、リスト化した後、役人らは工場の倉庫を封鎖し、正門にプノンペン市裁判所から7月26日に出された差止命令のコピーを掲示した。この差止命令は、さらなる通知があるまで設備を動かしたり売却したりしないよう、会社に対して命ずるものである。

今年これまでに約70の縫製工場が閉鎖に追い込まれた、とカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は明らかにしており、その数は既に昨年に閉鎖となった35社の約2倍の数となっている。彼は毎年着実に上昇し続けている最低賃金により、投資家らの利益率は極端に悪化していると指摘した。

「賃金はローカルコストの65〜70%を占めています。原材料などのコストを無視した場合、賃金だけに着目すればそれがほぼ全てであり、この賃金の上昇が(工場閉鎖の)主な要因なのです。」と彼は述べた。「その他どんな要因を挙げることができるでしょうか?」

労働組合リーダーや労働活動家によると、工場経営者には工場を閉鎖したり夜逃げしたりする強い動機があるという。それは工場を長く稼動させればさせるほど重くなる金融負担から逃れることである。

「いくつかの工場では労働者に対する年功序列賃金を支払うのをストップするために工場閉鎖を行い、同じ場所で名前だけ新しくして再度稼動を開始しています。」と労働者行動組合共同体(CUMW)のPav Sina代表は述べた。

労働者の権利団体であるCentral のMoeun Tola代表は、企業はしばしば運営を切り替えることにより、効果的にスタッフの解雇費用を押さえ、より低賃金の労働者を新規で雇用してきたと述べた。

「長年にわたり営業を続けた場合、会社は法律により労働者を新システムのもとで再雇用することが義務付けられます。その新システムにおいては、無期限の雇用契約締結に加え、退職費用、より高額の給与、その他福利厚生費用を会社は支払う必要があるのです。」とTola代表は述べた。「そしてそのことこそが、会社を閉鎖し、再度開業、新規雇用をして、新しい従業員を求める理由なのです。会社は費用の負担責任を回避したり、削減したりしようとしているのです。」

「これはカンボジアの不当な法執行制度の問題でもあります。」とし、Tola代表は、当局がこのような法逃れの動きをほとんど調査したり、差し止めたりしてこなかったことを指摘した。「私は腐敗がその主な原因だと考えています。」

他の労働指導者や専門家、そしてGMAC同様、Sina代表、Tola代表とも、こうした工場経営者や投資家を追跡するための手段を持っていないと述べた。

企業が新しい法人格で稼動し直すような場合、それを追跡し、責任を追求することは事実上不可能である、と米国を拠点とするSolidarity CenterのWilliam Conklinカントリー・ディレクターは言う。

「経営者は実際のところ製造業者とでも呼ばれるべき存在で、彼らは土地を所有しておらず、土地を借りているだけです。彼らは資本投下後すぐの2〜3年以内に、初期投資を上回る利益を回収してしまいます。」と彼は指摘した

「それは悪循環とも言えるもので、彼らは4~5年で投資した分の利益を回収し、工場を閉鎖してしまいます。利益を獲得し、すぐに逃げるという流れです。」

また操業開始後最初の数年間について政府が提供する課税免除の制度が、投資家が定期的に会社を閉鎖し、再度新たに開業することへのインセンティブとなっている、とConklin氏は述べた。

「税制上の優遇措置は1年か2年受けられます。また経営者らは(一旦工場を閉鎖して)新規オープンすれば、再度その優遇を受けられるのです。」

再度開業しようとしているかにかかわらず、閉鎖された工場の多くでは適切な退職金を払っておらず、労働者らは裁判所に訴えるか、自分で対処しなければならないような事態となっている、とConklin氏は指摘した。

「200、500または1000人の労働者を抱えているような会社が突然閉じた場合、法的には会社は労働者に退職金を支払う義務がありますが、それが多額なものとなります。このことこそが経営者がこっそり夜逃げする理由なのです。」と彼は述べた

「時には経営者が資産を回収しようともしない場合もあり、その場合誰が残された資産を取得するのかについて争いが起きます。法的には労働者が優先権を持っています。そのことは法律により規定されているのです。」と続けた。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年09月08日06:02

カンボジア:縫製工場にて労働者らが、抗議のストライキ

8月24日、タケオ州の州庁舎外で1000名の縫製行員らがストライキを行い、スーパーバイザーの横暴について工場管理者らに抗議しているが、その争議に州知事が介入するよう要請している、と人権団体が伝えた。

同州Donkeo市Roka Krao町のGabo Tech縫製工場で労働者らが州知事に、労働者を蔑み、訳もなく20名を解雇した工場スーパーバイザーを解雇するように迫っている、と人権団体Adhocで女性問題を担当し、抗議を監視しているNut Chamroeun氏は述べた。

7月のストライキ後、労働者らは労働条件改善を求めて交渉してきたが、スーパーバイザーに対する不満は証拠不十分として却下されていた、と彼女は述べた。

「労働者精神クメール連合」代表のMom Somphors氏は、7月に州労働局に労働者の不満の陳情をサポートしたが、今回の争議も話し合いで解決するように諭していると言う。

Lay Vannakタケオ州知事とTit Sok副知事には連絡が取れなかった。Gabo Tech 工場長Eng Leangはコメントを避けた。

 

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最終更新:2016年08月29日12:01

インドネシア企業がカンボジア警察、軍の制服の納入契約

在カンボジアインドネシア大使館と地元紙の報道によると、インドネシア企業Sri Rejekiは、カンボジア警察及び軍の新しい制服の生産について、内務省と5000万ドルの契約を交わした。

インドネシア大使館のMeratiIrawati経済部長によると、Sritexとしても知られるSri Rejeki社の代表者は2月17日、プノンペンで内務省の調達・財政部長Mao Bunarin将軍と契約を交わした。

「契約はすでに成立しています。Sritexはカンボジア国内にSritex Cambodiaという新会社を設立し、その会社がSritex Indonesiaから制服を購入します。同時にSritex Cambodiaの新工場も建設される予定です」とIrawati経済部長は21日に語った。

Irawati経済部長によると、新工場は2016年末までにカンダル州に建設される予定で、竣工後には400人を雇用し、警察、軍隊に制服を納入するという。

20日にジャカルタグローブ紙が報じたところによると、契約額は5000万ドル程度である。

Sritexからコメントを得ることはできなかったものの、同社ウェブサイトに9月に掲示された情報によると、同社はカンボジア国軍のみで約10万着を納入する予定であるという。同社は30カ国以上の軍隊の制服を納入した実績があるという。

現在、カンボジア王立軍の制服、その他の装備の多くが中国からの寄付によるものである。中国政府は2011年に5万着、2014年に3万着の制服を寄贈している。

内務省のKhieuSopheak報道官は、Sritexとの契約について何も知らないと語った。Sopheak報道官は、現在警察は国内の製造業者から制服を調達しているが具体的な企業名は知らない、詳細はBunarin将軍に問い合わせるようにと語った。Bunarin将軍からのコメントを得ることはできなかった。

国内縫製企業の多くを代表するカンボジア縫製業協会も、この契約については何も聞いていないとしている。警察、軍の報道担当からはコメントを得ることはできなかった

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最終更新:2016年02月29日12:47

カンボジア:縫製工場でトイレの臭気を原因とする集団昏倒が発生

カンダル州の縫製工場にて2日間で30人以上の労働者が倒れる事態が発生した。労働者らは工場のトイレ近くに設置された換気扇により拡散された有毒ガスを吸引したとされる。

労働省の昏倒調査・防止委員会のPok Vanthat委員長によると、カンダルスタン郡のSunstone Garment Enterpriseの工場で2月8日に12人が倒れ、翌日9日にさらに19人が倒れたという。

Vanthat委員長は8日、「女性が一人、匂いで気分が悪くなり嘔吐したため、他の労働者が彼女を工場の外に運び出しました。すると、それを見た他の労働者も倒れはじめました」と語った。

翌日火曜日の午前中にも倒れる人々が続いた後、Vanthat委員長は労働省の調査チームが調査を行うことを発表し、工場の臨時閉鎖を命じた。工場の労働者430名のほとんどは11日木曜日には仕事に復帰できるだろう、しかし倒れた人の復帰は翌週月曜になるだろうとVanthat委員長は述べた。

倒れた労働者らはタクマオ市の病院に運ばれたが、4名以外は翌日には帰宅したという。

Vanthat委員長は今回の事態の原因として、工場の換気扇とエアコンがトイレ近くの空気を送りこんでいたことを指摘する。

「換気扇がトイレに近すぎるため、トイレの悪臭を吸い込んでしまうのです。それ以外に化学薬品などは何も関係ありませんが、トイレの臭気がひどくなりうることはお分かりいただけるでしょう」と彼は述べた。

しかし、州労働局のThun Neang局長は、労働者は工場の敷地内で布くずを焼却していた煙を吸った後に倒れたと話す。

「工場では布くずを焼却していました。工場の管理者は労働者らに呼吸を確保するためにマスクをするように言っていましたが、労働者はマスクをしていませんでした」と彼は話す。

Sunstone工場の管理者らからのコメントを得ることはできなかった。

Vanthat委員長によると、2015年には全国の32工場で1806人が倒れている。

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最終更新:2016年02月15日11:58

カンボジア:輸出金額は上がるが、アパレル製品輸出は減速

2015年のカンボジアからの輸出金額は17%近く増加し、80.3億米ドルに達したと商務省は発表した。

アパレル製品輸出は、全体として増加しつづけているが、7%増まで減速し、輸出総額の4分の3となった。履物とコメの輸出はそれぞれ22%と43%の増加だった。

輸出先では、昨年全体の40%を占めるEU向けがトップで、米国、カナダ、日本がこれに続く。米国向けの輸出は米の輸出が60%伸びたにもかかわらず、わずかに減少した。

経済学者Srey Chanthy氏は、米ドルが強いためにカンボジア製品には競争力が弱まったと言う。

「カンボジア経済が米ドルとリンクし、米ドルが強まれば、輸出に影響します。タイ・バーツが米ドルより安くなれば、1ドルで買えるタイの米の量は増えるからです」と彼は言う。

昨年カンボジアの輸出金額の70%近くをアパレル製品が占めているにもかかわらず、カンボジア縫製業者協会総書記Ken Loo氏は、この数年で初めて成長率が10%を割り込みましたと言う。

「違法な抗議や賃金の上昇による影響を受けたからです。違法な抗議はやめさせないといけませんし、最低賃金はできるだけ抑えるか、生産性と連動させるべきです」とLoo氏は述べる。

「組合法がうまく実施されればいいのでしょうが」と彼は付け加えた。

 

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最終更新:2016年02月10日14:00

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