インドシナニュース

カンボジア:Levi’s社向けのアパレル生産工場で爆発事故発生、1名が死亡

米ブランドLevi’s社向けのジーンズを生産するプノンペンのアパレル生産工場で3月22日(水)、蒸気ボイラーが爆発し、昼食中のグループに機械が命中、女性1名が死亡、7名が負傷した。

ジーンズ生産の最終段階で使用される機械が原因となり、労働者Kul Samorn(45)が死亡したことで、センソク地区のプノンペントメイコミューンにある中国系のZhen Tai 繊維工場は警察の調べを受けている、と地区長のChhum Saray氏は発表した。

インタビューに応じた目撃者によると、午前11時40分頃爆発したボイラーは衝撃で空中に打ち上げられ、100メートルほど離れた工場の屋外カフェテリアの上部に落下したという。

「詳しくはまだわかりませんが、蒸気ボイラーの熱により高い圧力がかかったことが原因である可能性があります。」とSaray氏は語った。

工場労働者のSok Sonaは、昼食が終わり工場ドアに向かって歩き戻っている最中に「ボーン」という大きな音を聞いたという。

「蒸気ボイラーは地面を跳ね返り、労働者の頭部を直撃し、彼女は死亡しました。」負傷者の中には妊娠中の女性もおり、骨折した者や頭部にヒビが入った者もいるという。

セキュリティガードのYoeun Phanit氏は、ボイラーの担当者による不注意が今回の爆発を招いた可能性もあると述べ、内部の水を沸騰させ蒸気にするボイラー底の火が消されておらず、それが高熱を生み出した可能性があると説明した。

「担当者達はバルブを閉めた後、火を消すのを忘れていたのかもしれません。彼らが昼食に出かけている最中に機械内部の熱が上がり、爆発したのです。」

Phanit氏によると、機械の操作担当者は事故後に警察の調べを受けたという。

死亡したKul Samornの義理の姉であり同工場の労働者でもあるKul Sannyは、事故発生時には化粧室にいた。彼女が他の労働者から聞いた話によると、今回爆発したボイラーは以前にも一度爆発したことがあるという。

なお、彼女は工場側が家族に約1000米ドルの賠償金を支払うことを希望している。

When Tai繊維工場は、輸出工場における安全・公平な労働環境を目標とした国際労働機関のカンボジア工場改善プログラム(Better Factories Cambodia/BFC)に登録している。BFCのウェブサイトによると、同工場は2015年10月に監査を受けており、「労働者による自由な組合の結成・参加」「労働時間中の避難ドアの解錠」という2つの「重要な問題点」が発覚していた。

しかしながらBFCのプログラムディレクターEsther Germans氏によると、12月に実施された監査結果はまだウェブサイトに反映されておらず、最新の監査では同工場に問題点が見つかっていなかったという。

「通常、この種の機械は監査中に安全関連の文書も含めてチェックしています。」とGermans氏はメール文中で説明した。

Germans氏は本日工場を訪問予定で、またBFCによる今後の監査でも機械の安全性を最優先すると述べた。

「プログラムの工場との今後の働きでは、機械の安全性を含めた労働安全衛生(OSH)問題を優先するのは確かだと思います。」

Zhen Tai工場のほぼすべての労働者を代表する、政府系列の労働組合Khmer Union Federation of Workers Spiritは、工場側が事故の責任を取るべきだと述べた。

「今回の事故は工場の技術的ミスが原因であるため、工場側が賠償の責任を取るべきです。」と組合の人事部長Thong Soeun氏は述べた。「工場は医療・治療費、交通費、その他の福利を支払うべきです。」

Soeun氏によると、組合は今後の経過を密接に観察し、被害者にはサポートを行っていくという。

Levi Strauss & Co.社のスポークスマンは、「今回の事故にあった被害者やその家族の皆様にはお悔やみ申し上げます。爆発に関しては深く懸念しています。」と述べた。

「本日の事故に関しては我々も調査を開始しました。」とスポークスマンはメール文中で述べ、被害者やその家族にきちんと補償が行き渡るよう Levi’s社も工場と協力していくことを説明した。

なお、Zhen Tai工場の役員はインタビューに応じておらず、レポーターも工場敷地内に立ち入ることを禁じられている。

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最終更新:2017年03月27日10:44

カンボジア:繊維労働者の「国際婦人の日」のイベント開催の申請を却下

カンボジアのフン・セン首相は「国際婦人の日」に際して祝辞を述べる予定であるが、プノンペン市役所では、大半が女性である工場労働者達が申請した、ワットプノンでの国際女性デーの祝典開催の申請が却下されている。

政治的緊張が続く中政治集会はほぼ全体的に禁止されているが、カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長が火曜に表明したところによると、連合の提出した女性の日の一般イベントの申請も当局により却下されたという。

「当局と問題は起こしたくないので、祝典向けに場所を貸し出すことにしました。」と彼は述べた。

国際婦人の日はニューヨークの繊維労働者達のストラキを記念して1909年に「国際働く婦人の日」として始まったが、成長を続けるカンボジア経済の土台である繊維工場女性労働者達はこの日に内々のイベントを行うに留まり、公式の祝典はフン・セン首相の手に委ねられることとなった。

国際婦人の日の今年のテーマは「Be Bold For Change(大胆に改革しよう)」である。

火曜日、著名な土地権活動家達が市役所の禁止を無視して式典を早期に開始し、立ち退き問題の発生しているブオンコク地域近隣の公共地所で集会を行った。

朝に行われた式典には約80名が参加し、政府の土地利用や人権活動に焦点が当てられた。公共の場所での正式なイベント申請は却下されていたにもかかわらず、当局が関与することはなかった。

主要幹線道路から外れた静かな土地で火曜日に行われたこのイベントは、抗議活動によりいずれも逮捕歴のあるSong SreyleapとPov Sopheaをリーダーとするこのグループが通常開催するものとは異なり、ごく平和的に行われた。暴力的と悪名高いドーンペン地区の警備員たちはなりを潜め、支持者達はカンボジアで最も著名な土地権運動家であるTep Vannyが描かれた垂れ幕を背景とした舞台でスピーチを聞いたり合唱に参加したりした。

Vanny女史は、2013年に暴徒化した抗議運動への関わりにより、先月30ヶ月の懲役の判決を下されている。

Sophea女史(38)は、その大半が女性である、土地権運動家に対する暴力的な迫害や投獄を止めるべく、政府にメッセージを送りたいと語った。

運動家に対する暴力や逮捕が原因となり、18歳と21歳になる彼女の娘達は彼女の後を追うことをやめたという。

「私が投獄されていた時には娘達が反対運動を行ってくれましたが、今はもう怖いと言っています。彼女達はもう私の様になりたくないのです。」と彼女は述べた。

Sreyleap女史(31)によると、女性が関連勢力からサポートを受けることは殆どないという。

「女性省は何もしてくれません。」と彼女は述べた。

Sreyleap女史は、女性達に向かって強くある様訴えかけた。「女性の権利のための戦いは一朝一夕のものではありません。死ぬまで続くのです。」と彼女は述べた。

ブオンコク地域住民であるPhoung Sopheap女史(43)も反対運動による投獄経験があるが、女性の環境を改善する政府への現実的なアドバイスとして、女性の登用を訴えた。

「女性の声をもっと政府に反映させて欲しいです。」と彼女は述べ、それが質の高い教育を受ける機会の向上にも必須のものであると加えた。

地方自治体の代表Met Measpheakdey氏は、「特に何も起こらなかった」として、イベントを中断する必要性はなかったと述べた。

しかしながら、反抗的な態度を理由に女性達は罰せられるかもしれないとMeaspheakdey氏は言う。

「上層部の判断を待っています。」「上からの命令がもし下れば、措置をとります。」と彼は述べた。

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最終更新:2017年03月10日10:57

カンボジア:賃金未払いで閉鎖した工場はZaraなど有名ブランド向けの縫製工場

従業員に賃金や失職手当を払わずに5か月前に閉鎖した縫製工場は世界的なファッションブランドZaraに納品していたと労働者の権利擁護団体が2月13日に発表した。閉鎖された工場には賃金の支払いを求める元従業員らが集まっている。

プノンペン市Russei Keo区Tuol Sangke地区のCo-Seek Garmentでは、およそ60人の元従業員が集まる中、裁判所の職員らが補償のために売却できる機材やその他の放置された物品のリストを作成した。

元従業員を代表するHan Senghornさんは、中国資本のCo-SeekはZara、米国のEsprit、日本のEdwinなどのブランドのパンツを作っていたが、8月に高価な機材の搬出を始めたという。その時には工場は閉鎖しないと従業員には説明していたが、9月に突然工場は閉鎖され、経営者は従業員1人あたり160米ドルを支給したという。しかし、2012年から継続して勤務していた従業員もあり、彼らは本来800米ドル受け取る権利があるとSenghornさんは説明する。

400人の従業員のうち300人以上が160米ドルを受け取ったが、200米ドルを要求した残る98人は(本来、新入社員でもおよそ250米ドル受け取る権利がある)、何も受け取っていないとSenghornさんは述べた。「私たちはたった200米ドルを要求したに過ぎないのですが、会社は拒否しました」

元従業員らを弁護するHong Sambath弁護士は、裁判所が工場に残る機材をいつ売却するか、売却するかどうかは不明だと話す。

Zaraはスペインの多国籍衣料メーカーInditexの代表的ブランド。Inditexは世界でも最大規模のファッショングループで、同社ウェブサイトによると全世界に7000店舗以上を擁し、「ファッションへの責任ある情熱にインスパイアされている」という。

5月には、米国のビジネス雑誌ForbesがZaraブランドの資産価値を107億米ドルと試算している。

米国の労働者人権擁護団体「連帯センター」のWilliam Conklinカンボジア事務所代表は、Inditexは世界的な労働者擁護の合意に署名していることから、最近Inditex及びCo-Seekの他の主要取引先にコンタクトを試みたと言う。この合意書は世界的なブランドと世界的な労働組合組織の間で労働者擁護を目的として交わされる。

「取引先にも労働者に対する義務があるため、「連帯センター」は取引先にもこの件を持ち込む」とConklin代表は述べた。しかし、サプライチェーンをたどることが困難と判明すれば、世界的ブランドは関係のないことだと主張するだろうとも言う。

「時として物事はそう簡単には進みません。工場は下請けであった可能性もありますし、取引先は彼らと取引をしていないと主張することもありえます」

Inditexからはコメントを得ることができなかった。

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最終更新:2017年02月16日06:08

カンボジア:未払い賃金の支払いを求める再度の抗議活動が勃発

1月30日、およそ200人の縫製労働者が香港資本の工場の所有者に対し未払い賃金の支払いを求め2度目の抗議活動を行った。この抗議活動でプノンペンの国道1号が止められ、大規模な交通渋滞が発生した。

カンボジアアパレル労働者民主組合連合のSiang Yot法務担当によると、プノンペンのChbar Ampov地区の2工場の労働者らは午前8時頃に道路に集まり、Top World Garment、Kbal Koah Garmentの所有者らに未払いとなっている12月の賃金を支払うよう求めた。

この非公式の抗議活動は地元の役所と労働省の担当者が労働者代表との会合を設定したことで終わりを迎えた。1月10日以降、およそ600人の労働者らがストライキを行っている。

「労働者らは食費や家賃が払えないなど生活上の困難に直面しており、この賃金が本当に必要なのです。家賃を払えなければ部屋から追い出されてしまいます」とYotは話す。

労働省の紛争担当部のVong Sovann副部長は、過去のケースとは異なり、工場所有者は破産したわけでも逃げたわけでもないと話す。

「彼はそこにいますが、労働者に支払うことができないのです。工場側は賃金を支払う資金がないと言っているため、解決には時間が必要です。」

工場所有者側からのコメントを得ることはできなかった。

1月のはじめにもストライキを行った労働者らは我慢の限界に達しつつあるとYotは言う。

「もし問題が解決しないのであれば、今週、あるいは10日以内にまた道路を封鎖すると話しています」

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最終更新:2017年02月06日19:36

カンボジア:閉鎖工場の未払い賃金請求訴訟で労働者側が勝利

6か月以上前に突然操業停止した海外資本の縫製工場に対して、196人の縫製労働者が未払い賃金分の補償を求めた訴訟で、1月25日、裁判所は工場に支払いを命じる決定を下した。経営者が高飛びした工場での労働者の訴えが認められる珍しいケースとなった。
GHI Garments Cambodiaは凍結されていた資産を取り戻すため、今月初めに16万9067米ドルの保証金を納めた。資産は8月の法的拘束力を持たない調停委員会の決定後に押収されていた。カンダル州の裁判所は25日、同社の元従業員らに支払いを行うよう命じた。
労働者側のHeng Bon弁護士は25日、法廷の外で原告側は今後2週間以内に支払いを受け取ることができるだろうと述べた。
GHIの元従業員で従業員を代表するDy Na氏は、判決までに長期間かかったにせよ、この判決に満足していると述べた。
「判決を聞いて満足しています。ここまで非常に努力してきましたし、長いこと待ってきました。これ以上続いたら、難しかっただろうと思います」
彼女は14か月勤務し、211米ドル受け取る権利があると述べた。勤務期間が2年を超えた無期限契約の従業員は700米ドルまで受け取ることができる。
カンダル州裁判所のSo Sarin報道担当官は、労働者らがいくら受け取るのか、またいつ支払いを受けるのかはまだわからないと述べた。また、縫製労働者らが外資系企業を相手に訴えることができた例外的なケースだと述べた。
「こうした訴訟が持ち込まれることはほとんどありません。あと1件ありますが、それ以外は思いつきません」
米国を本拠とする労働者の権利擁護団体連帯センターのWilliam Conklinカンボジア事務所長は、本件の経過と結果は同様の状況にある他の事例とは大きく異なると話す。
「これは6-7か月で結論が出たことも含め、非常に稀な勝利だと言えます。ブランドが工場に働きかけ、協力し、工場の所有者も協力的でした。判決自体もそうです」とメールでの取材に対して答えた。
「理想的には、他の事例でも同様の結果が得られるべきでしょう。しかし、それぞれに異なる事情があり、工場所有者がすでにカンボジアを離れていたり(あるいはすでに差し押える資産もなかったり)、そうなると未払い賃金を得るのはかなり難しくなります」

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最終更新:2017年02月04日14:35

カンボジア:ILOがBrexitによる危険な兆候をアパレル部門に警告

カンボジアにおいて重要な地位を占めるアパレル輸出部門は、EUからの脱退を選択するという英国の驚くべき投票結果によって、短期・長期的に大きなリスクに直面する可能性があると国際労働機関(ILO)は警告した。

また、米国貿易において新たにいくつかの品目について免税特権が得られることでいくらかの希望がもたらされる一方で、カンボジアの国力が最近中低所得国に上がったことが、数年後にはビジネスの重石になる可能性があると指摘した。

カンボジアのアパレル産業に関する最新の報告書の中でILOは、昨年上半期の輸出額は前年比10.8%増となる35億米ドルと、力強い成長を続けているという前の報告書の見方を継続した。

しかし6月のEU加盟の是非を問う国民投票において“No”を突きつけたいわゆるBrexitによって、ポンド安やカンボジアに対する貿易優遇策がなくなるなど、深刻な逆風がもたらされる可能性が予見されている。

EUの「Everything But Arms」貿易スキーム(武器以外の全品目で数量制限なしに無関税輸入を認める制度)のおかげで、欧州は2014年以降カンボジアにとって最大のアパレル輸出先となっており、英国がそのトップであった。しかし2015年の第3四半期から昨年までに対米ドルでポンドが20%もマイナスとなり、カンボジアからの輸出品が割高となることで、注文が減少する可能性が生じている。

「英国はまだEUから脱退していないが、ポンド為替レートの下落は、カンボジアのアパレル・履物部門おける取引環境が既に厳しいものになっていることを意味する。」とこの報告書では指摘した。「このポンド下落が長期的なものになると、産業が持ちこたえることが困難になるだろう。」

カンボジアは、現在「Everything But Arms」ルールの下で享受している特恵待遇をBrexitによって失った場合、長期に亘って困難な状況に直面する可能性がある。ILOは、英国がカンボジアや他のいわゆる最貧国への優遇策を継続するのか、世界貿易機関(WTO)ルールに戻すのか不明であるとしたが、後者となった場合、カンボジアは政府が英国政府と新たな自由貿易協定を締結しない限り、免税特権を失うことになる。

またILOは、財布、ハンドバッグ、スーツケースといったアパレル製造のサブ部門として位置づけられる旅行用品の輸出について、米国がカンボジアに免税特権を付与したことがこの分野の成長を促すだろうとした。しかしその分野はまだ初期段階にあり、アパレル品の総輸出額のうち、わずか1.3%を占めるに過ぎない。

同時にカンボジアは昨年最貧国から中低所得国に格上げされたが、それにより3年間の猶予期間を経て、EU諸国に対する免税特権を含む最貧国待遇を失う可能性がある。

「カンボジアのアパレル・履物部門では、「Everything But Arms」ルールがなくなり、競争力が失われた状況に備えるのに必要な時間が幾ばくか残されている。」とILOは指摘した。「しかしこの現実に適合するには、かなりの時間を要するであろう。」

この件に関し、業界を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)からコメントを得ることはできなかった。

一方で、商務省のSoeng Sophary広報官はポンドの下落について楽観的な見通しを示した。

ポンド下落は英国市場におけるカンボジアの競合相手に対しても同様のインパクトをもたらすため、「そのことはカンボジアにあまりに影響しないでしょう。」と彼女は述べた。

そして実際にBrexitが実現した際には、カンボジアは英国市場への免税特権を失うが、彼女は二国間の貿易協定締結は「一つの選択肢だ」と述べた。

Sophary広報官によると、政府は長期的に経済の多様化を追求し、内需をより喚起させるために、新しい法律や規制の制定に取り組んでいると述べた。「そのためアパレル産業の重要性は相対的に下がり、輸出市場の動向に左右されることは少なくなっていくと考えます。」

アパレル産業は現在、カンボジアの総輸出額の約80%を占めており、過去数年間において最も大きな成長エンジンとして機能していたが、カンボジアではアパレル、観光、農業、建設を超えて、経済を多様化する試みに取り組んでいる。

 

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最終更新:2017年01月23日11:53

カンボジア:前途有望な学生が工場就労のために中国に売り渡される

一人のカンボジア人が、ファッション・デザインの奨学金を与えると約束したものの、その実は19人の学生を中国の縫製工場に売り渡し、休みなしに労働させた罪で逮捕された。

当初警察やこの事件を支援したNGOは、依然として何人かの学生が中国に留まっている、また彼らを海外に送り込んだ企業にはライセンスが与えられているなどと、錯綜した情報を出した。

Ipat Instituteのオーナーで経営者でもあるInn Simanann氏が、6月にカンボジアに帰国した8人の学生のうち7人から告訴され昨年末に逮捕された、と内務省の反人身売買部のSo Vandy副局長は述べた。彼はSimanann氏がプノンペン市裁判所によって反人身売買法の罪で起訴され、Prey Sar刑務所で裁判を待っていると明らかにした。

「学生たちは工場で働くことを強制され、Ipat InstituteのSimanann所長が当初約束していたようなファッション・デザインの勉強ができなかった、と主張しています。」と彼は述べた。「19人の学生全員がこの留学費用として、Inn Simanann氏に2500米ドルを支払っていました。」

Vandy副局長は、Simanann氏の会社はライセンスなしで営業していたが、既に閉鎖されたと述べた。彼は「このような事件は初めてのケースです。まだ中国に残る他の学生たちを救出するため、我々はこの事件をさらに調査しています。」と続けた。

彼の部署では中国に残る11人の学生を帰国させるために、外務省と協力していると述べた。この件に関し、外務省の広報官からはコメントを得られなかった。

この事件を支援した反人身売買に取り組むNGOのChab Daiは、19人の学生全員がカンボジアに戻ってきたことを日曜日に明らかにした。

「Chab Daiではこの19人の学生の事件について支援を行いました。このケースでは8人の学生がカンボジア領事館に助けを求めることで発覚し、領事館と学生が一緒に残りの学生を救出しました。そして今は、19人の学生全員がカンボジアに戻っています。」とChab DaiのアドバイザーであるNadia Jung氏は電子メールで明らかにした。

彼女は同時に、問題のIpat Instituteにはライセンスが与えられていたとした。

Jung氏は、こういった事案は珍しいという反人身売買警察の意見に同意した。

「通常人身売買の被害者は、脆弱で貧しく、無教養の人々とされています。ですがこのケースでは、教育を受けた学生のグループが狙われました。これは一般的なケースとかけ離れています。」と彼女は述べた。「願わくはこういった手法が広がらないといいのですが、予測は困難です。」

Chab Daiは、学生らがそれぞれいつカンボジアから出国し、また帰国したのかを明らかにしなかったが、学生の一人はこのNGOに対し、2015年12月に出国し、上海にあるカンボジア領事館に逃げた後、6月に帰国したと述べたという。

Simanann氏側の代理人とIpat instituteからコメントは出されなかった。

先週Chab Dai公表したこの事件に関する声明によると、学生らは中国のYantai Nanshan大学で4年間のプログラムを受ける予定であったが、到着後すぐに縫製工場で働かされ、1〜2時間の中国語の指導が施されただけであったという。

この大学は、生地と衣料品を生産する子会社を持つ中国のNanshanグループという大企業によって所有、運営されている。

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最終更新:2017年01月21日05:59

カンボジア:アパレル産業の恥部

「あれが『ネズミ捕りドア』工場です。」とある縫製労働者は私に言い、プノンペンの国道4号線沿いの窓のない壁に一つ、小さな青いドアのある建物を指差した。「あのドアはとても小さくて、出入りできるのはネズミくらいなもの、という意味です。」

カンボジアの首都プノンペンにある工場の縫製部門で働く女性らは、カンボジア縫製産業における総労働人口の約90%を占めている。

それは工場のようには見えなかった。登記されている大規模工場とは異なり、こうした工場には看板もない。そこで働く人々でさえ、その工場が実際どのような名称であるのか見当もついていないと彼は言った。また彼らは、その工場が労災や健康保険サービスを提供する国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているか、労働者らは実際に登録されているのかについて、何も知らなかった。

カンボジアには多くの無名の工場がある。『牛糞』工場では、牛が工場の出入り口で用を足すという。その他にも、『紙の花』工場、『マンゴの木』工場、工場オーナーやマネージャーのファーストネームで呼ばれるものさえある。カンボジアの縫製労働者はこうした謎につつまれた正体不明の工場について、ユーモアのセンスを持って接しているが、そこで働く人々は国の法律や国際的な規範に違反しているような不正な労働慣行に対してなす術がない。

これはカンボジア縫製産業の恥部であり、国際アパレル産業において最低レベルの労働環境に位置付けられる。多くの場合、小規模工場はより大規模な輸出向け工場の下請けとして稼動しているが、その調査やモニタリングの対象となることはほとんどない。労働者との間には多くの隠し事があり、その労働条件やビジネス慣行の大部分は明らかにされない。こうした小規模工場は、多くの監査対象となっている大規模工場のコスト削減の一助となっている。またカンボジアのアパレル部門において、最近増加を続ける月額153米ドルの最低賃金の法逃れとも大いに関係している。

今年の初めに我々は、プノンペンに近いカンダール州周辺に約50の小規模工場を見つけた。いくつかの工場はとても小さいものであったが、車で通り過ぎた際に、私は車窓から忙しく働く労働者や衣料品の山を識別できた。また多くの工場では広告を掲示していた。季節のアパレル注文に対応するため、こうした工場がどのくらい乱立しているのか推定することは不可能である。

多くの工場は換気扇がほとんどない巨大なブリキ小屋のようであり、また別の工場はまるで家のようであった。1~2つの工場にはかろうじて読める名称が表示されていたが、その他には何も示されていなかった。

カンボジアの労働者権利団体の助けで、私はこれらの工場のいくつかにおいて労働者と直接話すことができた。彼らは一様に自分が働く工場の名称を知らず、国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているかどうかについてなど、考えたこともないと言った。また労働者らは工場の身分証明証を持たず、たとえ持っていても単に所属する部門と自分の名前を走り書いたものであり、工場名の記載はなかった。彼らが働く工場では周辺の主に輸出向け製品を扱う大規模工場から「仕事」を受注しているが、労働者らは彼らの衣料品を購買元であるブランド名については知らなかった。彼らの生産工程ではラベルが一切付けられていないためである。

こうした工場では通常、4月から11月の間か「繁忙期」の間だけ、出来高制で労働者を雇用すると教えてくれた。一方で閑散期には工場は閉鎖される。

これらの工場には謎が多く、カンボジアの労働者の権利を損なっている恐れがある。そこで働く労働者らも、国家社会保障基金(NSSF)を含め、労働保護の恩恵を受けるべきである。今年の初めにファンド関係者や労働省は、国家社会保障基金(NSSF)のもとに労災をカバーしたヘルスケアを導入するという重要な一歩を踏み出した。だがこうした小規模工場で働く縫製労働者が病気やけがをし、保障を必要とする場合においても、工場が国家社会保障基金(NSSF)に登録していなければ彼らは放置されてしまう。

アパレル業界におけるいくつかの問題は解決するのが難しいが、この問題はそうではない。カンボジア政府はすべての工場に対して国家社会保障基金(NSSF)に加盟するよう通達し、従わない場合は罰則を加えるようにすべきである。さらに、国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているすべての工場の産業別リストを公開すべきである。

グローバルブランドは長期間、多くの下請工場について、それらの生産における役割を認めないまま、そこで働く労働者から恩恵を受けてきた。ほとんどのブランドでは小規模工場に対する不当なアウトソーシングを禁止する行動規範を規定していながら、実際の購買行動ではこうしたアウトソーシングを利用している。こうした工場での生産を認知していないため、ブランドにおけるサプライチェーンのモニタリング対象とならないのである。まれにこうした工場の利用を検出した場合、ブランドは自社のサプライチェーンにそれらを吸収する対応を行ってきた。

世界のアパレルブランドは、カンボジア政府や当局に対し、すべての工場や労働者が国家社会保障基金(NSSF)に加盟していることを確認し、登録工場リストを公表するよう求めるべきである。アパレルブランドは小規模な下請工場で働く労働者を保護するために多くを行うべきであり、カンボジア政府に対して対応を促すことは正しい方向への第一歩となる。

カンボジア政府と世界のアパレルブランドは、大規模、小規模問わず全ての工場で働く労働者について、国家社会保障基金(NSSF)のもとで法律に規定された彼らの完全な権利を守るという共通の目標を達成すべく協力していくチャンスである。

 

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最終更新:2016年11月05日06:04

カンボジア:政府はアパレル部門の過当な競争に懸念(後)

(前編より)

 

米国小売業Targetにおいて調達を担当するIvanka Mamicシニアディレクターは、彼らが将来に対して今よりも多くの「予測可能性と確実性」を求めていると述べた。工場環境の改善を目的とした別のプログラムであるBetter WorkのDan Reesディレクターは、カンボジアにアパレル部門のための「ロードマップ」を策定するよう求めた。

彼らは皆Better Factories Cambodiaプログラムについて、それらの取り組みの一つとして継続していくべきだと述べた。 ILOとカンボジア政府は10月18日に、差し当たり2019年までこのプログラムを継続させることに合意する覚書に調印した。

しかしこのセレモニーで欠いていたのは、大臣、工場経営者、ブランドの代表者、組合のリーダーなど、アパレル産業のキープレーヤーを一堂に会し、Better Factories Cambodiaが過去15年間に実現できなかった課題について協議するフォーラムであった。

実はこのプログラムには多くの中傷が寄せられている。Better Factories Cambodiaはわずか2年前に、労働基準を満たさない工場の名前を公表しないことにより、工場が悪事を続けることに加担していると非難されたが、この恥ずべき工場について操業を再開させることとした。

またこのプログラムでは自社業務を下請けに出している企業について十分な注意を払っておらず、ただ政府やブランドにおける労働者の危険な日々の通勤環境にのみ解決策を検討している、と批判されている。

米国ベースの労働者権利グループであるSolidarity CenterのWilliam Conklinカントリー・ディレクターは、このプログラムでは政府直営工場において点検業務を導入したものの、この国全体に根本的な変化をもたらすことには失敗したと述べた。

「このデータは、労働者の生活が過去十年ほどかけてどの程度改善しているのか、実態を示せていません。通勤の問題一つとっても明らかに少しも改善されていません。労働時間も良くなっているでしょうか?労働条件はどうでしょうか?まだ集団卒倒事故は起きているのです。」と彼はイベントの傍聴者に対して述べた。

ILOは全体として工場のスコアは改善しており、このプログラムが格付けを行うカテゴリにおいても改善がみられるとしている。しかしConklin氏は、格付けが正しく取得されていないと指摘した。

「彼らはある特定の部分のみを測定しており、その点においてのみ確かに良くなっています。たとえば非常に幼少の児童労働などについてです。しかし全体としては、業務やりくりのために労働者に残業を求めていないか?労働者は何らかのスキルを獲得できているか?年功に応じて賃金を上げてもらっているか?こうした点においては改善されていないのです。」と彼は述べた。

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最終更新:2016年10月24日12:02

カンボジア:政府はアパレル部門の過当な競争に懸念(前)

カンボジアの海外取引先は国のアパレル部門が競合相手の増大に直面しているという脅威について注意喚起し、カンボジア政府に対して経済の屋台骨であるアパレル産業が繁栄を続け、衰退することのないよう明確で具体的なアクションプランを策定するよう求めた。

1999年に締結されたカンボジアの米国向け衣料品輸出に関する貿易協定に伴い、労働環境を改善するために導入された国際労働機関(ILO)による監視プログラムであるBetter Factories Cambodiaの15周年のセレモニーの場でこうした警告とアドバイスが送られた。

米国大使のWilliam Heidt氏は、彼が大使館の経済分析官であり、カンボジアが約120のアパレル工場でその輸出が10億米ドルにも満たなかった1999年以降、アパレル部門の成長に大きく寄与したこのプログラムを支援してきた。カンボジアでは現在600以上の輸出向け縫製工場があり、約70万人の若い女性らを雇用し、2015年の輸出売上高は60億米ドルを超えている。アパレル部門はカンボジアのGDPの約3分の1を占める。

カンボジアの工場が自社製品をどのように生産するのかについて、国際ブランドに安心感を与えたとして、「もしこのBetter Factoriesプログラムがなければ、私はカンボジアがとてもこのような成功を収められたとは思いません。」とHeidt大使は述べた。

一方でHeidt大使は、こうした国際ブランドのバイヤーはカンボジアの国際競争への対応能力について神経を尖らせていると警告した。

「一旦立ち止まって広く競争環境を俯瞰した上で国際ブランドのバイヤーと話をしてみれば、カンボジアの縫製産業の未来に対する不安要素が見え隠れします。」と彼は述べた。

「現在多くの新規サプライヤーが出現しています。その中にはカンボジアよりも大きく、非常に強力な競争相手となり得るところがあります。また一方で能力がはるかに劣っているが故に、国際的に多くの支援を受けているところもあります。それらすべてが世界のアパレル貿易の一翼を担いたがっているのです。」

カンボジアの経済評論家を最も心配させているのは現在懸案となっている米国と(カンボジアにとって主要な競争相手国である)ベトナムを含むいくつかのアセアン諸国間の環太平洋パートナーシップ自由貿易協定であるが、カンボジアはこの協定に参加しない。ベトナムはまたEUとの間にも自由貿易協定を締結しようとしており、カンボジアの主要な輸出先市場であるEUとの間に現在締結されている協定がもたらす利益を減少させる恐れがある。

対カンボジアのEU大使であるGeorge Edgar氏は、他国で締結予定の貿易協定は、「結果的に、市場アクセスの面でカンボジアの競争優位を脅かすものになるだろう。」とした。

Better Factories CambodiaプログラムのマネージャーであるEsther Germans氏は、最新の調査によると、国内の工場マネージャーやその国際バイヤーも同様の懸念を示しているようだ、と述べた。

「彼らは確かに、近隣諸国による貿易協定の締結がカンボジアにとって脅威になる可能性があることを認めています。」と述べ、さらに拡大するライバルのリストにアフリカ諸国も加わることになるだろうとした。

経営者やバイヤーらはまた、カンボジアの工場が直面するものとして、高額なエネルギー価格や労働者のスキル不足を含む緒課題を挙げた。しかし結局のところ、「彼らは今カンボジアが直面する最大のリスクは結局何の手も打っていないことだ、と指摘しています。」とGermans氏は述べた。

Ith Sam Heng労働大臣とPan Sorasak商工大臣は、電力供給能力の増強、工場検査体制の強化、労働者トレーニング、道路や港の整備改善、法適用の一貫性や平等性の確保など、政府では多くの取り組みを実施してきたとの見解を示した。

しかしバイヤーらはさらに多くの施策を求めているようである。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年10月24日06:02

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