インドシナニュース

カンボジア:H&M発注縫製工場で多数が倒れる、問題は見つからず

国連機関からも高い評価を受けるプノンペンのH&Mの縫製工場で8月30日、労働者多数が倒れた。査察が行われたものの、問題は見つかっていない。

Pur Senchey地区Choam Chao区のSao Sarith副区長は、Berry Apparel (Cambodia)工場で30日午前8時半頃に倒れた73人の労働者は、低血糖であったと述べた。

「低血糖でふらついており、他の労働者が倒れるのを見て自分も倒れてしまったようだ」と彼は述べた。

一方労働組合の代表は、睡眠不足と栄養不足を原因と見ている。

カンボジア自由労働者組合でこの工場を代表するChhun Sokhyは、「労働者の一人がふらつきを感じたため、病院に搬送された。これを見た他の労働者も怖くなり、次々と倒れたようだ」と述べた。

倒れた労働者は近くの診療所に運ばれた。そのうち64名の女性は午後4時の段階でもまだ治療を受けているとSokhy氏は述べた。

カンボジアは70万人以上の縫製労働者を擁する。労働者の集団昏倒はカンボジアでは珍しくないが、栄養不足、貧血、ショック、心霊、その他など原因とされるものは様々である。

Berry工場ではおよそ2750名が勤務しており、H&Mをはじめとする世界的ブランドに納品している。国連と世界銀行が創設した工場査察機関であるBetter Factories Cambodiaは昨年2月にこの工場の査察を行っており、問題なしとしている。

Sarith氏、Sokhy氏によると、30日に工場を査察した労働省及び市の担当者も問題なしと判断したという。

スウェーデンを本拠とし、世界に4500店舗を擁する衣料品チェーンであるH&Mは30日の事態を認め、カンボジア国内のチームが事態を確認し、原因究明を行っているとの文書を発表した。

「この事態を非常に深刻に受け止めている。縫製工場労働者の健康と安全は当然のことながら弊社の優先事項である」と同社は発表している。

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最終更新:2017年09月06日14:38

カンボジア:Hun Sen首相、労働者の年金増額をアピール

来年の国政選挙を前に大勢の有権者らを引きつけるためにHun Sen首相は、縫製労働者に対する月額最低賃金を現在の153米ドルから「最低」168米ドルへ増額することを含めた、大幅な待遇改善策を8月20日に発表した。

2013年の国民議会選挙の前後、野党カンボジア救国党(CNRP)の党集会では賃金増を求める縫製労働者が大勢を占めた。2014年1月にはプノンペンにある工場外での抗議活動が暴動に転じ、少なくとも5人の労働者が治安部隊によって射殺された。

それ以降、アパレル部門の最低賃金は毎年着実に上昇し続けており、現在も来年の最低賃金を設定するための政府、経営者、組合の交渉が進行中である。

しかしHun Sen首相は、20日にプノンペンで開催された4000人規模の縫製労働者を前に演説し、この交渉の結論を先取りで明らかにした。メディアは会場であるKoh Pichのコンベンションホールに立ち入ることは許されなかったものの、直後にHun Sen首相はFacebookに投稿し、新しい最低賃金は、約70万人が働くアパレル産業において縫製労働者が現在稼ぐ金額より約10%多い168米ドルを下回ることはないだろうと発表した。

首相はまた、現在約50%のカバー率でしかない国家社会保障基金への加入について、1月付けで経営者に100%カバーさせる計画を発表し、さらに縫製労働者にはプノンペンの公共バスを今後2年間無料で利用させることを明らかにした。またHun Sen首相は、縫製労働者の年金制度について、労働省の計画していた年よりも1年遅い2019年に開始させると述べた。また保健省に対し、工場近接地域に病院を建設するように指示したという。

イベントを過度に政治的なものにしたとの批判に対しHun Sen首相は、今回の大衆主義的政策は縫製労働者の賃上げ問題を2013年のキャンペーン活動の柱の一つとし、長らく一党独裁であったカンボジア人民党(CPP)を追い込んだCNRPに対する対抗措置ではないと主張した。

「この賃上げは野党の要求によるものではなく、王政による多大な努力の賜物です。」と彼は投稿文にて述べた。「カンボジアをより良くするために変革をもたらすのは、CPPだけであることは間違いありません。」

Hun Sen首相はまた、地元を離れて工場の近くに住む縫製労働者に対し、7月には地元に戻るのではなく、勤務する場所近くで票を投じるよう求めた。多くの工場がCNRPの優勢な都市部に集中しているが、最近の選挙法の改正により国民は地元を離れて投票することが認められるようになっており、CNRPが既に強い基盤を築いている場所に対抗票を集めることで、CPPを有利にしようとしていると一部の政治記者は指摘した。

このイベントから帰宅する労働者らは、公約された賃上げと新しい保障に歓迎の意を示した。

政府はこの日のイベントを皮切りに、Hun Sen首相が全国の縫製労働者らと直接会い、彼らの問題をヒアリングする一連の会合を開始した。しかし出席者によると、(対話ではなく)首相の話がすべてであったと明らかにした。

「会議では何の意見も表明できず、ただ聞いているだけでした。」とプノンペンの工場で品質管理責任者を務めるMeng Kimhuot氏は言った。

また、参加者らが新しい社会保障の話によってCPPへの投票を心に決めたとは言いがたいようである。「私はその件について、今意見を述べようとは思いません。」とKimhuot氏は言った。

この国最大の独立系労働組合のカンボジアアパレル労働者民主組合連合のAth Thorn会長は、縫製労働者が年金を支給され、国家社会保障基金への拠出が免除されるこの計画は労働者にとって大いに助けになるだろうと述べた。

しかし首相が発表した新しい最低賃金については依然として低すぎるため、交渉にもっと注力すべきであると述べた。彼や他の労働組合の指導者らは、ほとんどの縫製労働者にとって1ヵ月の生活に必要な200米ドルにまで最低賃金を近づけたいと考えている。Hun Sen首相による政策宣言は法律上の執行力を伴う傾向があるが、Thorn会長は新しい賃金がもはや規定の結論であることについては否定した。

彼は今回の賃上げや新たな保障制度の背後に政治があることについては疑いようもないが、それがどれほど有効に働くかは分からないと述べた。

「今回首相が労働者側の支援という役割を果そうとしているのは、逆に労働者からの支援が必要だからに他なりません。」と彼は述べた。「もし提示された条件が十分と感じれば、労働者らは支援に回るでしょう。一方で十分ではないと感じた場合、彼らはサポートしません。」

多くの工場を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、新しい最低賃金の水準は近年の傾向に沿ったものだと述べた。

「それはまったく想定外の水準というわけではありません。過去3年間を見ても約10%の伸びでしたので、特別なものではないです。」

しかしGMACは、過去3年間の賃上げはアパレル業界の成長に劇的な変化をもたらし、GMACに加盟する工場では労働生産性の補完的な改善がないままに、競争力を維持するのに四苦八苦していると指摘した。衣料品輸出は前年比で増加し続けているものの、その成長スピードは減速している。世界銀行やその他機関では、少なくとも一要素としてその賃金上昇が原因で、カンボジアにおけるアパレル産業の景気減速や、以前より緩やかな成長見通しを予想している。

Loo書記長は、首相は新しい最低賃金の設定に対して経済的根拠を示さねばならないと述べた。彼はこのペースでの賃上げを続けることはできないため、政府が経営者への経済的打撃を和らげるために、何か別の政策を発表することを期待していると述べた。例えば工場では、2008年以降凍結されている1%の事業所得税の免税期間が延長されることを期待しているという。

今回の賃上げについて、「今回のような高額の賃上げは最後となって欲しい。」と彼は言った。

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最終更新:2017年08月25日18:41

カンボジア:出稼ぎ労働者には高い賃金が一番の魅力(後)

(前編より)

 

2年前に韓国に移住した28歳のカンボジア人建設労働者であるKoeun Anさんは、低学歴で、職業訓練も受けていないにも関わらず、アパート建設工事で月に2000米ドルを稼ぐと言った。

カンボジアでは、彼は農業や整備士の仕事しか見つけることができず、月給は月に50米ドル程度であったという。

「私たちは村にいる間農業に従事していましたが、ほとんど稼ぐことができませんでした。でも私たちの収入源は農業だけだったのです。」と彼は言った。「いったいどのようにしてお金を稼ぐことができるというのでしょう。私には非常に限られた知識しかなかったので、良い仕事を探すのは非常に難しいものでした。」

またAnさんは、包括的で強力な影響力を持つ労働組合の存在によって、韓国人上司のふるまいはけん制されていると言った。カンボジアでは、労働者のほんの一部しか組合に加入しておらず、今のところ組合は雇用主にほとんど影響を及ぼしていない。

「プノンペンに戻って自動車修理工場で働いても、そんな少ない収入でどうやって生きていけるのか想像もできません。」と彼は言った。

先週発表された政府の統計によると、カンボジアで急成長を遂げている建設業界では、今年上半期に49億米ドルの新規プロジェクトが承認されたという。アパレル部門では、毎年50億米ドル以上の輸出を達成しており、この国における年間7%ものGDP成長率を政府関係者は誇りに思っている。

それでもカンボジア経済は、出稼ぎ労働者が向かう豊かな近隣諸国よりもはるかに小さく、一人当たりでは貧しい水準に留まっている。

労働権グループCentralでエグゼクティブ・ディレクターを務めるMoeun Tola氏は、カンボジアの最低賃金に関する議論は、単純に賃金率を見ていくだけでなく、この国で働くことをより魅力的にするために、労働者の保護や利益を考慮していく必要があると述べた。

カンボジアの最低賃金は近隣のタイ、ベトナム、マレーシアのように、地域の生活費水準を反映したものにすべきであると彼は言った。

地域によってはベトナムのアパレル業界の最低賃金は、108~157米ドルといったカンボジアの最低賃金よりも低い水準であるかもしれないが、労働者らはきちんと保護されている、とTola氏は続けた。

「ベトナムは地域別に異なる最低賃金が設定されていますが、給与は1年に13カ月分支給されます。」と彼はボーナスについて言及した。「労働者らはまた、無料のヘルシーなランチとソーシャルネット、社会保障制度によって守られています。」

「カンボジアの(アパレル産業の)最低賃金は153米ドルですが、労働者には何も残りません。」

「2014年に政府は、カンボジアの最低生活費は月額208米ドルと算出しましたが、最低賃金はわずか153米ドルなのです。」と続けた。

 

一方でカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、カンボジア人が国内でまともな生活を送ることができるのであれば、なぜ海外の工場で働くのかと疑問に感じていると言った。

「私にはその理由かわかりません。」と彼は言った。「アパレル部門は成長を続けています。実際海外で就労するよりも、我々の産業で働く方が良いと思われます。」

Loo書記長は、数年前は労働者がタイで働けばより多くの収入を得られた可能性があるが、今日の為替レートではタイの米ドル換算での賃金は下がっていると言った。

「彼らが出稼ぎに出る際、300タイバーツという最低賃金に惹かれるのでしょうが、(米ドル換算で見ると)以前は10米ドルだったのが、今では8米ドル程度となっているのです。」と彼は言った。

オンラインで公表されている為替レート表によると、300タイバーツは約9米ドルに相当し、タイで働く労働者は週に6日勤務すると月額約216米ドルを稼ぐことができる。Loo書記長は、この金額は「カンボジアで週7日働かずとも簡単に得られます。」と述べた。

「労働者はカンボジアの縫製工場で働くほうがずっと良いのです。」と続けた。

マレーシアに移住した36歳の縫製労働者のKhim Sophanyさんは、その意見に異議を唱える。

Sophanyさんは国内でウェイトレスとして生活するのが苦しくなり、2010年にプノンペンからマレーシアへ移住したと言った。

マレーシアでは月額最低250米ドル、もし毎日2時間の時間外労働をすれば月額360米ドルを稼ぐことができると言った。彼女は週に最大6日間勤務しているが、雇用者は食事も提供してくれ、こんな状況では国に帰ることはまずあり得ない、と言った。

「私はプノンペンの縫製工場で働きたくありませんでした。給与は満足に得られず、日々残業し、食べるものさえ満足に得られないと聞いたからです。」と彼女は言った。

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最終更新:2017年08月07日11:54

カンボジア:出稼ぎ労働者には高い賃金が一番の魅力(前)

タイ南東部チャンタブリー県にある店で、23歳のカンボジア人労働者のChheng Chhor Laihiengさんは母国から離れて働くには十分な訳があると言った。

最低限の教育しか受けておらず何の技術も持っていないにもかかわらず、Laihiengさんはケーキ販売で1日12米ドルを稼ぐことができ、彼の故郷のトボンクムン州で農業を営んだ場合の1日4米ドルの収入と比較して大きな違いがあるという。

「故郷で縫製労働者や建設労働者としての仕事を見つけることもできたでしょうが、ここチャンタブリー県で得られる収入と比較すると、稼げるお金はほんのわずかです。」と彼は言った。

Yan Muonさん(30歳)は3年前にカンボジアを離れたが、それまでの仕事であるフルーツ売りや建設労働者では月々の請求書を支払うことができなかったと言った。現在彼はマレーシアの電子部品製造工場で働き、毎月400米ドルを稼いでいる。

Muonさんは、国を離れることによってより良い労働条件を得ることができたという。

「それは1日8時間労働、無料の寮や食料を買う余裕などです。」と言った。

タイとマレーシアで何十万人もの不法移住労働者に対して行われた最近の取り締まりや、カンボジア人が突然、パスポートを取得するために大挙して帰国したという事象は、カンボジア人労働者にとって近隣労働市場がいかに魅力的であるのか、そしてこうした労働条件の格差がいかにトラブルを招くのかを示している。

約2百万人おり、その多くは未熟練労働者であるカンボジア人が、建設現場や製造業を中心に東南アジア諸国で働いていると推定される。

カンボジア政府はその経済成長と改革を誇っているものの、労働者や労働権活動家らは、同国では経済発展を遂げている中で、未だブルーカラーの労働者に対する労働権は満足に与えられていないと指摘する。

労働者の大量流出の一方で、カンボジアにおいても大きな労働需要があると、国際建設林業労働組合連盟(BWI)のプロジェクト・コーディネーターを務めるKhun Tharo氏は述べた。

カンボジア国内は低賃金で、トレーニングの機会が不足しているため、労働者をつなぎとめておくことができないのだと彼は言った。

「ここには多くの仕事があります。産業には労働力が不足しているのです。」と彼は言い、建設業界を例に挙げた。

BWIの最近の調査によって収集されたデータによると、カンボジアでは一般に建設労働者は1日当たり約7米ドルの収入を得ている一方で、タイでは、1日当たり約10米ドルの収入が期待できるという。

さらに悪いことにカンボジアの賃金水準にはばらつきがあり、小規模な下請業者では1日あたり4~5米ドル程度しか支払われないこと多くある、とTharo氏は言った。

カンボジア建設業者協会の代表を務めるOum Tivorn氏は、業界には多くの求人があり、熟練工であれば1日12~15米ドルの収入が得られるのだが、残念ながらほとんどの労働者には技術がないと指摘した。企業では代わりに、技術を要する仕事については熟練した外国人労働者に頼っている。

またアパレル産業においても安定した労働需要があるが、労働者を引き付けるには賃金を引き上げることが求められている、とアジア開発銀行の主任エコノミストであるJayant Menon氏は述べた。

「製造業の雇用が完全雇用に近づくにつれ、プノンペンにおいて郊外からの労働者を雇用するには、賃金と福利厚生の条件を引き上げる必要が出てきました。」と彼はメールにてコメントを出した。

また、「ですが、賃金の引き上げは段階的に進められるべきで、可能な限り生産性の改善にリンクされるべきです。」と続けた。

現在約70万人の労働者を雇用しているアパレル産業は、最低賃金を規定する唯一の産業部門である。警察がデモ隊に発砲し、5人の労働者を殺害するという致命的な武力鎮圧事件が発生した後、何年もの停滞期を経て政府は2014年以降最低賃金を設定、増額し続けてきた。

以降最低賃金の金額はほぼ倍増し、現在では月額153米ドルに設定されている。 今月にまた賃金交渉が再開され、来年1月には新しい最低賃金が改定される予定となっている。

今年2月、政府はすべての産業における最低賃金を設定する法案を起草すると発表したが、その際公約された公開討議の開催日程はまだ確定していない。これまでこの法案の進捗状況について繰り返し問い合わせがなされたものの、労働省のHeng Sour広報担当者は回答を提示していない。

(英国Economist誌の調査部門である)Economist Intelligence Unitで地域分析チーフアナリストを務めるMiguel Chanco氏は、国の統一最低賃金制度はカンボジアの産業間におけるバランスをとるのに役立つと述べた。

「現在のシステムは他の産業で働く労働者を引き抜いて、賃金がより高く安定的なアパレル産業で働くよう多くの人を誘導しており、理想的とはいえません。」

「国の最低賃金制度は、透明性が確保される場合(例えば賃上げ決定プロセスの透明性が確保されているような場合)、または州別に柔軟性を持たせるような場合にのみうまく機能するでしょう。」と彼は続けた。

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最終更新:2017年08月07日05:53

カンボジア:初の縫製訓練所がオープン

アパレルデザイン、開発、経営、商品化計画、そして生産管理工学を目的とした、カンボジアで初の縫製訓練所が7月11日、授業を開始した。

国内14工場の160名以上の労働者が、カンボジア縫製製造産業協会によって編成されたプノンペン特別経済ゾーン内部に設置されているカンボジア衣料訓練所でコースを開始する。

当訓練所はカンボジアの最も主要な産業に存在する「技能の不足」に対する解決策の一環とされており、労働者の訓練と中間管理欠員の補填補助を目指している。

「こうしたコースは産業内で最も欠けている仕事をベースとしています。」訓練所所長のAndrew Tey氏は述べた。

同訓練所では3つの異なる学位プログラムを提供しており、期間は全て約3ヶ月間で、各3〜5日間に渡る27のショートコースの選択肢から構成されている。

Tey氏によると、ショートコースだけの利用が最も多くの関心を呼んでいるという。

「工場には従業員を長期間派遣する余裕がないため、学位コースを授与するために従業員を派遣している工場は今の所ありません。」最初のコースに参加しているほとんどの人たちの学費が、工場によって支払われているとTey氏は説明した。

生産技術に関するコースに加えて、同訓練所では、高校や大学の生徒、及び管理職研修生としての工場の職業実習を含む現衣料労働者向けに「訓練と仕事」プログラムも提供している。

同訓練所によると、プログラムには800米ドルの頭金が必要だが、学生は訓練生としての仕事中に250米ドルの最低給与を受給し、約1年後に卒業したのちには似たような勤口で月間最大450米ドルを稼ぐことを望むことができるという。

3月に発行されたアジア財団の報告書によると、縫製産業は現在、70万人以上の労働者を抱えるカンボジアで最大の正式民間セクターの雇用口である。国際労働機関によると、同セクターはカンボジアの合計輸出額のおよそ80%を占めているという。

しかしながら、適切なスキルを持った労働者を見つけることはまだまだ難しいとアジア財団の報告書は述べている。

地域企業Emerging Markets Consultingのシニア・コンサルタントであるChou Ngeth氏によると、生産ラインの労働者たちの生産性が懸念であり、同産業でより付加価値の高い製品を生産し競争力を保つためには、こうした労働者たちのスキルを向上させ、最新機械を使用しなければならないという。

賃金の上昇とミャンマーやベトナムなどの近隣諸国との激化する競争が、同セクターに対する投資家たちの誘引力を脅かしている。

衣料産業における経営機会が、雇用口を見つけるのに苦労している大学卒業生にとって魅力的な選択肢になりうるだろうとNgeth氏は加えた。

「彼らにとって、これがまず初めに専門的な仕事を行うチャンスなのです。」そして長期的には管理者レベルで働くことになると彼は述べた。

同訓練所によると、センターはフランス開発局(AFD)から出資されており、シンガポールに拠点を持つファッション協会TaF.tcインターナショナルが技術的な援助を行なっている。

GMACが訓練所に資金を提供するためのAFDのローンの使い方は、繊維労働者の生産能力を拡大するための試みというよりは「収益事業」のように見えるとカンボジア労働総連合のAth Thorn代表は疑問を投げかけた。

「労働者たちがこうしたスキルを学ぶためには、訓練所は良いアイディアだと思います。しかしながら、雇用者たちには元々労働者たちを訓練する責任があり、訓練所にはありません。この訓練所は、私たちが思っていたよりもずっとビジネス的なアイディアのようです。」と同氏は述べた。

「彼らは訓練を受けたい労働者たちを受け入れるべきだし、料金も引き下げるべきです。」と同氏は述べ、プロジェクトはAFDの資金がどのように割り当てられているかを監視する委員会を海外に設置すべきだと加えた。

「もし工場が訓練を受けるために管理職員だけを送り込めば、仕事を得るために訓練を受けたい人たちは何もできません。」

訓練所所長のTey氏によると、提供されている全てのコースはTaF.tcから直接来たものであり、最初の年は国際的なトレーナーによって教えられる予定だという。2年目までには少なくとも50%のコースでカンボジア人のトレーナーが指導し、3年目には100%にしたいという。

訓練所には教室が8つあり、一度に200名の学生に対応できるという。

 

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最終更新:2017年07月18日15:35

カンボジア:縫製業で下請け問題に直面とILOが警鐘

5月29日に発表された報告書によると、カンボジアの繊維工場では下請けの利用が増加しているが、取り締まりの対象になりにくく、乱用の恐れがあると労働権利団体が警鐘を鳴らしていると言う。

労働者数と登録輸出工場数が減少しているにもかかわらず、カンボジア繊維業界の輸出は昨年も前年比7.2%増と強い成長を見せ、73億米ドルに到達している。国際労働機関(ILO)が発表した最新の報告書では、この要因に関して調査している。

繊維労働者は数年間一定の成長を見せていたが、昨年は3%近く減少し60万5000人となった。工場数も2015年の699から626に減少している。

改善しつつはあるがいまだ不完全な部分が残る商務省の統計と、生産性の向上がこうしたトレンドの理由となるとILOは説明しているが、ILOは同時に、輸出工場が下請への依存を高めており、今後問題に発展する可能性もあると警告している。

「労働法や最低賃金など、もし規制を回避する手段として下請けが利用されているのであれば、下請け工場の雇用数と生産数の増加は懸念材料となります。」とILOの地域主任のMaurizio Bussi氏は声明の中で述べた。

「関係者やカンボジアの関連政府機関は状況を注意深く観察する必要があります。」

国連の専門機関であるILOは、商務省所有の登録輸出工場数と、労働者数8名以上の全繊維工場を輸出の有無に関わらず記録している全国社会保障基金を比較して推定下請け企業数を算出した。基金に登録されている工場のいくつかは現地市場向けのみに生産している可能性もあるが、全体数の中では「ごく少数」と考えられるとILOは注記している。

個別の数値を比較すると、基金に登録された工場数は商工省の数字よりも2014年には82、2015年には106、昨年には244多くなっている。

下請け企業は公正に操業している場合もあるが、政府の規制の対象となりにくいことから法の網を逃れるために利用されている可能性もあるとILOは説明している。ILOのBetter Factories Cambodiaプログラムでさえも下請け企業を完全に見逃していることが報告書では非難されている。

「下請け工場は一般住宅や倉庫、工業建築物で運営されている。施設には事業名が表示されておらず、場所も転々としている。時にはそれが労働者に対する責任を免れるために行われる場合もある。」と報告書には記されている。

繊維工場を監督している労働省はインタビューには応じなかった。

しかしながら、カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、ILOの数値解釈に大いに疑問を感じていると言う。

基金の数字は繊維工場のみを厳格に表していると報告書には説明があるが、そのほかの事業も多く含まれているはずだとLoo氏は考えている。

基金の数字は前年の医療保険導入数を表しているものであり、そこから確認できる前年比増加は実際には新工場数を表したものではないかと同氏はいう。

「これはすべての工場にあてはまるものであり、実際より多くの工場が数字に出てくるはずです。」と同氏は述べた。

すでにフル稼働に達している工場では突如大口の注文を受けた場合に外部委託するところもあるが、まだ余裕がある場合には「自工場の労働者に残業代を支払う方が下請けに出すより経済的に理にかなっています。単にビジネスの常識です。」

Loo氏は結論を出す前に基金の数字を今一度詳しく見る予定であるという。

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最終更新:2017年05月31日09:30

カンボジア:経済地位格上げや競争が繊維産業のリスクに

5月25日の企業代表者による説明によると、「低所得国」から「低中所得国」への格上げや、EU・ベトナム自由貿易協定に伴い迫り来る競争が、カンボジアの繊維・履物輸出産業に大きなリスクをもたらしているという。

現在、カンボジアは後発開発途上国という立場から、EU市場に関税ゼロで参入することができ、武器以外の全品目を輸入課税や輸入割当なしでEUに輸出可能であると織物貿易見本市を主催するフランスのMesse Frankfurt社のMichael Scherpe社長は述べた。

「カンボジアはGDPの増加により、世界銀行が行なっている所得別国別分類の2016年版で、後発開発途上国の位置付けから脱却しています。」カンボジアの「低所得国」から「低中所得国」への格上げは、国連でもすぐに採用され公開される見込みであるとScherpe氏は述べた。

今年末に発効予定のベトナム・EU間の新しい自由貿易協定に伴い、ベトナムの12%の輸入税が排除され、ベトナムの競争力はさらに弱まる見込みであるという。

カンボジア企業がヨーロッパの繊維・衣料市場における可能性を探ることを目的として5月25日に開催された、カンボジア縫製業協会(GMAC)との了解覚書調印セレモニーにてScherpe氏は語った。

2年間プログラムでは、最大45万米ドルの助成金がドイツ政府とMesse Frankfurt France社からそれぞれ半分ずつ支給され、カンボジア企業のヨーロッパの生産開発水準への準拠を補助する。

カンボジアの経済地位格上げを国連が近々批准することはなく、今後カンボジアは、ベトナムと同様の相互貿易協定の交渉をEUとできるはずだとGMACのVan Sou Ieng会長は述べた。

「ヨーロッパ製品を買う余裕が出る8年から10年間後くらいまでは、我々の製品を無関税でヨーロッパに送るという交渉をヨーロッパと行えるはずです。」

カンボジア繊維産業の喫緊の課題としては、高い生産コストや労働者の賃金、原材料の輸入依存(高い電気料金により現在長の国内生産が実現不可能であるため)をより懸念しているとSou Ieng氏は言う。

「生地生産のための原材料製造にはたくさんの電気を使用します。現在、繊維工場は生産コストの1〜2%をほどを電気代に当てていますが、原材料生産のために機械を使えば約30%コストが上昇することになります。」と同氏は述べた。

Emerging Market Consulting社のシニア・コンサルタントであるChou Ngeth氏によると、カンボジアの経済状況は依然として比較的不安定であるため、国連がカンボジアの経済地位の格上げにゴーサインを出す可能性は低いと言う。

「成長の原動力である農業の経済問題には依然として懸念があり、(生産量は)低いままで、主に繊維輸出に依存している我々の経済は安定していません。」と同氏は述べた。

Economist Intelligence Unitの地域主席アナリストであるMiguel Chanco氏もまた、カンボジアの経済地位格上げが近い段階で影響することはないと言う見解に同意している。同氏はEU・ベトナム貿易協定をより懸念しているが、カンボジアに対する影響力が実感できるまでには数年間かかるだろうと述べた。

「政府にとって重要なのは、国の生産分野の多様化に焦点を当てることです。こうした分野に投資を呼び込むイニシアチブをより多く取ることが、カンボジアの長期的な経済的安定にとっては必要不可欠なのです。」

 

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最終更新:2017年05月29日07:57

カンボジア:未払い賃金の支払いを求める縫製労働者が道路を封鎖

カンダル州Takhmao市で5月17日、縫製労働者1000人以上が未払い賃金の支払いを求めて道路を封鎖した。労働組合によると従業員らは食費や家賃も払えないと窮状を訴えている。

カンボジアアパレル労働者民主組合のRan Bora代表は、Gawon Apparel Factoryの従業員らは通常の給与支給日である5月10日に給与を受け取ることができなかったため、Takhmao地区の21号線に集まったと説明している。

小規模金融機関からのローンの返済ができないと訴える従業員もいる。こうしたローンは高金利と遅延損害金の高さで知られている。日用品が買えない、家賃が払えないといった問題を抱える人もいるとBoraは話す。

「家賃を払い、食料品を買う金が必要だ。工場経営者に支払いを求めるために道路を閉鎖している」

Boraによると、従業員らは午前7時30分頃から道路を封鎖した。行政が彼らの訴えを知れば、賃金を支払うよう工場経営者に圧力をかけることができると期待したという。工場経営者は韓国人のCha Kyeong-Hee氏である。

抗議活動は午後2時30分頃に終わった。経営者が出てきて労働者側との交渉に応じ、まず全員に50ドル払い、残る賃金は20日の晩までに払うと約束し、労働者らはそれを受け入れた。

Kris Chan Tha工場長は、Kyeong-heeは12日にすでに全員に20ドルの支払いを申し出ていたが従業員は拒否し、その夜に小規模な抗議活動が起こっていたと説明する。この抗議活動は夜には解散した。

「会社は4月の給与を払えなかったため、12日にも道路を短時間封鎖した」と彼は話す。

工場の事務長May Nimith氏は17日、支払いが遅れているのは資金難と受注減のためだと話した。

「最近受注した新たなバイヤーに対してまだ商品を発送していない。だから支払いを受けることができていない」とMinith氏は説明する。

カンボジア縫製業協会によると、Gawonは2005年に事業登録をしており、Takhmaoに1400人の従業員を擁する。

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最終更新:2017年05月24日12:13

カンボジア:機動隊・警備員がメーデーの行進を阻止

プノンペン中央部で1日、2000人規模の労働者達によるメーデーの集会があり、賃金の引き上げや組合つぶしの阻止などを含む要求一覧を持って国会を行進しようとしたが、バリケードや機動隊によって阻止された。

集会を計画した組合は当初、交通渋滞を理由に行進を中止する様勧告していた市役所を無視し、遠く離れたワットプノン近くから行進を始める計画を立てていた。朝には、行進の阻止を見込んで多数の警察や区域警備員がワットプノンやカンボジア開発評議会事務所近辺の川沿いに集合した。

しかしながら昨年と同様、組合はメンバーや支持者達をロシア大使館周辺に内密に集め、国会により近い場所に配備した。ところがさらに多くの機動隊や警備員もそこに集まり、新ルートをブロックし解散するよう命令を出した。

朝8時から2時間の行き詰まりの後、適正賃金から妊婦支援まで、あらゆる労働者権利の垂れ幕を振りかざした群衆に押し寄せるように、機動隊が速やかにフォーメーションを組んだ。しかしながら、両サイドで幾分か交渉を行った後に警察は後退し、国会の視界内であるオーストラリア大使館まで数百メートルの行進を許し、そこを最後に更新は強制終了させられた。

「当局と衝突したくはありませんが、(行進は)私たちの権利です。」と組合長のAth Thorn氏は平トラックの荷台から群集に向けて語りかけた。「自由や、適切な最低賃金、より良い職場環境を達成するために、我々が抱える問題や政府の間違った考えに関するメッセージを送りたいのです。」

繊維労働者の月間最低賃金153米ドルを207米ドルへ引き上げ;公務員の月間最低賃金を一律250米ドルに;2014年1月に開かれ、暴力化した繊維労働者の抗議運動に対してThorn氏を含む複数の労働組合リーダーに対し課せられた罰金の撤回;政略的と広く見られる贈賄事件で、1年前に逮捕された現・前人権運動家の釈放などが彼らの19の嘆願書に含まれている。

また労働組合法が制定されてから一年が経つが、抗議がしにくいよう編成されていると物議を醸す者もおり、地方支部や労働者代表からは改正の要求も出ている。複数法案に関して政府の相談を受けた国際労働機関によると、労働組合法には、カンボジアが署名した国際条約に示された義務に達しない部分があるという。

組合側の数多くある不満の一つが、労働争議において、組合員ではない労働者を代表する事を阻止する新ルールである。

今や組合は、「もしその工場が組合の管轄内でなければ労働者を代表することができません。」とカンボジアで最大規模の単独組合である カンボジア・アパレル労働者民主組合連合の会長Thorn氏は述べた。「我々は組合であるにもかかわらず、労働者を代表する権利を持っていません。どうやって労働者は希望を抱けるのでしょうか?」

また法律ではどの企業でも単純過半数の賛成を必要とするなど、労働者がストライキしにくくなっている。

カンダル州の繊維労働者Kim Oan氏は、工場が地元の組合リーダーを解雇しようとしたことに対し、同僚と共にストライキをしようとしたところ、解雇すると経営側に脅されたという。

「私たちはここに我々の権利を主張しにきましたが、彼らが私たちをどのように扱うか見ましたか?彼らは私たちに圧力をかけるのです。彼らは我々の権利に反しているにもかかわらず、私たちがそれに反対すれば契約を終了すると脅すのです。組合法が承認されて以降、我々の権利は縮小するばかりです。」と彼女は述べた。

他の繊維労働者Sok Soporn氏は、メーデーに対する政府の対応自体が労働者の権利に対する敬意の欠如を示していると語った。

法律では、当局が公共イベントの計画を却下した場合には代替案を協議すべく組織と会合を開くよう定めている。行進の禁止に対し、市役所は計画を事務所内にとどめるよう組合に告げただけであった。

労働者達は国会の正門前に到達することができなかったが、人権保護と苦情受付担当の議会委員会メンバーであるCPP議員のLork Kheng氏が表に出、嘆願書を受け取った。Kheng氏は嘆願書をHun Sen首相に手渡すか検討すると述べた。

「私たちには意見を表明する日が1日しかないのに、彼らはそれを阻止したのです。」とSoporn氏は述べた。

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最終更新:2017年05月04日05:49

カンボジア:労働団体が最低賃金法案は「大きな脅威」と警告

カンボジアの新たな最低賃金法の下では、最低賃金に関するいかなる抗議活動、支援活動や反論、さらには労働組合、NGO、ジャーナリストや学者による独立調査も、違法とされる可能性があると法務アナリストは述べる。

カンボジア人権センター、米国の人権団体連帯センター、国際労働組合連盟は3月22日、新たな最低賃金法の分析結果を発表した。カンボジア人権センターのChak Sopheap会長は、基本的人権に「現行法案は直接的で大きな脅威をもたらす」と警告している。

新たな最低賃金法は縫製産業以外でも全国で最低賃金を定める初の法律で、毎年行われる改訂のルールや構成を正式に定めている。昨年末の法案発表以来、基本的には歓迎されているものの、最低賃金に対する反論や独立調査に対する罰則の条項を巡り批判も受けている。

Ith Sam Heng労働大臣は先月、そうした状況にもかかわらず、一般からの意見を集める公開フォーラムを経て今年中に法案が通過すると予測していると述べた。

「この法律は毎年の最低賃金改訂のメカニズムを定めており労働者のためになる」と労働大臣は述べた。

しかし、今回3団体が行った分析では、現行の法案は「受け入れがたい、人権保護の観点から、多くの重要な変更が必要である」と結論づけている。

分析では、法案に含まれる条項は「ジャーナリスト、学者や市民が最低賃金に対する意見の表明を封じ、違法化する可能性がある。さらに、労働者や労働組合は平和的な抗議活動を組織することすら禁じられる可能性があり、独立した労働組合の活動を実質的に不可能にしている」としている。

批判を集めている条項としては「労働大臣の認証を受けなければ、全国最低賃金委員会以外のいかなる者も最低賃金に関する調査を行うことはできない」とする16条などがある。28条は、違反に対する書面での警告、続いて「1000万カンボジア・リエル(およそ2500米ドル)を上限とする」罰金を定めている。

分析では、この罰金は最低賃金で働くほとんどの労働者にとって支払える金額ではなく(現行の縫製労働者の最低賃金は月額米153ドル)、刑事訴追を招きかねないとしている。

労働省のHeng Sour報道担当官からのコメントを得ることはできなかった。

 

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最終更新:2017年04月03日12:01

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