インドシナニュース

カンボジア:GMACトレーニングセンター所長、生産性について語る(後)

(前編より)

KT:この業界は何十年にもわたり国内で営業し続けてきましたが、なぜ今、GMACは生産性に問題意識を持っているのですか?

Tey氏:現在業界が直面している課題は、以前と比べて倍増しています。少し前にも最低賃金が上がりましたが、賃金上昇に比例して生産性も上昇させる必要があるのです。

なぜ我々が生産性改善に取り組むのに時間がかかったのかについてですが、我々はこの業界のニーズをよく理解する必要があったためです。実際当センターは、GMACで最初のトレーニングセンターではありません。CGTIは国内におけるこの種のプロジェクトとしては2番目のものとなりますが、より多くの人々をトレーニングできる大きなスペースが必要だったため設立されました。

CGTIのようなセンターでは、カンボジア人が幅広いスキルを習得し、磨き上げるための多くの機会を提供しています。このことは、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ等の国々と競い合うこと、また業界全体の品質向上に役立つことになります。

我々はGMAC加盟メンバー以外の一般企業も利用可能ですが、GMACの会費を支払っていないため、コース料金は高くなります。

 

KT:中堅レベルの管理職に占める地元労働者を増やすために、CGTIに何ができるとお考えですか?

Tey氏:それは間違いなく非常に根気のいるプロセスとなりますが、我々の支援を受けて地元の人々がこのようなポジションを獲得するのに必要なスキルを身につけることによって、ますます多くの企業において、外国人を地元の人材に置き換えていくことになります。我々のセンターで受講することで、地元の人々は職務に必要な最高のスキルを獲得できます。我々のコースは、たとえ短くても非常に実務的です。

一方でトレーニングは長期投資であり、政治がどれくらい安定しているかにもよりますが、地元の労働者が外国人駐在員よりも高いレベルに到達するには、28年かかることもあります。

ですが、5年前と比べると、既に多くの企業で地元の管理職を求人していることをお伝えしておきます。我々は実績の豊富なNational Career Agencyと提携しています。彼らは我々に才能豊かな卒業生を送り込み、我々はそうした人材をトレーニングして工場に入社させています。

 

KT:政府統計によると、アパレル業界の輸出はあまり好調ではありません。この原因についてどのようにお考えですか?

Tey氏:この状況はカンボジアだけではなく、世界中が同様です。 米国、ヨーロッパ、その他多くの国々において景気後退期に入ろうとしており、人々が物を買おうとしません。そのことはもちろん、カンボジアだけでなく他の国々にも影響を与えています。

米国の一般特恵関税制度(GSP)の適用拡大のおかげで、米国に対する旅行用品輸出が免税となっており、その分野での輸出は依然として拡大が続いています。このおかげで旅行用品業界は今後も成長が続くと思われますが、一方でアパレル・履物産業は世界経済の低迷によって現在の水準維持が精一杯でしょう。



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最終更新:2017年11月11日12:05

カンボジア:GMACトレーニングセンター所長、生産性について語る(前)

最低賃金が再び上昇するという局面においては、アパレル・履物産業は生産性を高めることにでしか、一連の課題を解決できない状況に陥りつつある。

来年1月に施行されるこの産業の新しい最低賃金は、月額153米ドルから170米ドルにも引き上げられる予定である。

カンボジアアパレル研究所(CGTI)は、カンボジア縫製業協会(GMAC)が指揮を取り、業界の生産性問題に取り組むために今年8月に設立された。

クメールタイムズでは、このトレーニングセンターでディレクターを務めるAndrew Tey氏に、CGTIの役割と業界が直面している喫緊の課題にどのように取り組もうとしているかについて話を聞いた。

 

KT8月の設立以降、トレーニングセンターではどのような活動を行ってきましたか?

Tey氏:我々は7月中旬にトレーニングを開始しました。 現時点では2つのコースを用意しており、これらはマネージャーや監督者のためのコースです。 工場現場労働者だけでなく、マネージャーや監督者は工場にとって最も重要な要素ですが、監督者と労働者の間には常にコミュニケーション問題が発生しています。そのためこのコースでは、この問題に取り組もうとしているのです。

現時点において、ほとんどのマネージャーや監督者らは教育水準が低く、高いスキルも持っていません。 彼らのほとんどが高等教育機関で教育を受けた経験がないのです。そのためこれらのコースではクメール語通訳者を使いながら、外国人専門家が彼らのスキルや生産性を向上させる支援を行います。工場の生産性を向上させるには、こうした問題においてマネージャーの協力を取り付けることが不可欠なのです。

 

KT:近い将来、トレーニングセンターはどのようになっているでしょうか?

Tey氏:GMACの加盟企業からは、若手・中堅マネージャー向けにさらに多くのコースを開発してほしいとの要望が多く寄せられています。この地域では地元の人材が不足しており、現在多くの管理職ポストが外国人に占められています。こうしたコースを開発していけばやがて、我々の機関は東南アジアでも最大のトレーニングセンターになると考えられます。

我々は、シンガポールにあるTextile and Fashion Industry Training CenterTaF.tcとして知られている)をパートナーとして選び、トレーニングコースの開発やCGTIの運営を支援してもらっています。我々のビジョンは、カンボジアのアパレル業界全体を発展させることです。我々は既にマーチャンダイジング、品質保証、製品開発の3つの主要分野において、地元の人材を育成するためのコースを提供しています。またデザイナー向けに、デザインの手法とそれらをいかに売り込むかについても教える予定としています。

そのために我々は、業界におけるあらゆるスキルを開発することを目指すという包括的なアプローチを採用しています。我々はこの業界を発展させ、衣料品や履物の産業についての人々の考え方を変えていきたいのです。

 

(後編につづく)



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最終更新:2017年11月11日06:03

ベトナム:2017年繊維・アパレル輸出は300億米ドルを超える可能性

ベトナム繊維協会(VITAS)は、2017年繊維・アパレル輸出は目標額の300億米ドルを超える可能性があると述べた。同協会によると、繊維・アパレル産業では今年、現在まで20億米ドルを超える投資が行われているという。1月から7月までの輸出額は170億米ドルであった。しかし、新たな問題も浮上している。

ベトナムの繊維・アパレル産業では今年は大規模な海外直接投資案件は少なく、3年前とは大きく状況が異なる。しかし、海外投資案件では事業拡張が目立つとベトナム国内の英語オンライン新聞は報じている。

商工省は海外市場でのベトナム製品に対する関税が高まりつつあると注意を促している。 例えばインドではエラストマーフィラメント糸の関税が35−45%に達する。

韓国資本のLong Thai Yu Yarnは5000万米ドルを投じてドンナイ省Long Khanh工業団地の工場を拡張する予定である。ブルネイ資本のTrillions Enterpriseはロンアン省のTan Duc工業団地の染色・織物工場を拡張すべく、5ヘクタールの追加を申請している。

台湾のFar Easternは4億8580万米ドルの資本追加を行い、操業開始から2年でBau Bang工業団地への総投資額は7億6000万米ドルとなった。

ベトナム企業も投資を拡大させつつあり、Bao Minh Textileはナムディン省の縫製工場の建設に7500万米ドルを投資した。2018年3月の操業開始を予定している。

現在、企業は関税の完全撤廃を期待してはいないが、ベトナムが世界的規模の縫製輸出国であることに変わりはないとベトナム繊維協会のVu Duc Giang会長は話す。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加え、ベトナムの繊維・アパレル産業はEU、韓国や日本との自由貿易協定の恩恵も享受することができると繊維協会は指摘する。現在、EUでのベトナム繊維・縫製製品の市場シェアは3%にとどまる。

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最終更新:2017年11月10日12:01

タイ:ミャンマーからの移民労働者が結束

国境の町Mae Sodにいる難民は、悪徳な雇用主やタイ当局による強制送還に対し、権利を守るために民族間で結束。

 

Moe Swe氏は1988年にミャンマーのヤンゴン通りで、30年にもおよぶ軍事政権を終わらせることを訴えた数十万人の学生の中の一人であった。しかし軍は武力によって対抗し、活動はすぐに鎮圧されて多くが殺害された。また、生き残った者も逃亡を余儀なくされた。

多くの難民同様Moe Swe氏はタイに渡り、工場や建設現場で不法移民労働者として働き始めた。労働条件は劣悪で、彼はしばしば無賃金で働かされた。きちんとした住居もなかったため、彼は移民局と軍に目を付けられていた避難所に住んでいた。逮捕や国外退去を免れるため、彼はしばしば役人らに賄賂を支払わなければならなかった。

10年も経つと、彼は疲れ果ててしまった。そして1999年に、Moe Swe氏は彼自身のような移住労働者の権利活動のために、Yaung Chi Oo労働組合を設立した。「我々は、雇用主と従業員の間に紛争が起きた際、労働者に対して交渉における助言を与え、仲裁を行っています。」と彼は説明した。「彼らが望むような合意を得られない場合は、我々はプロの法律事務所に支援を求めています。」

タイにいる約300万人の移民労働者のうち、おおよそ3分の2が不法移民である。大多数はミャンマー出身で、少数民族グループと軍との間の長期にわたる紛争によって、こうした難民が際限なく生み出されている。

国境にあるMae Sodの町には、ミャンマー出身の移民労働者が約10万人いるが、彼らは何百もの工場にて、アパレル製造のような労働集約型産業で働いている。

タイの最低賃金は1日15米ドルであるが、ここでの労働者はそれよりはるかに低い給料しか受け取っていないという。正規労働者は1日5米ドルの収入を得ているが、不法移民労働者にはその半分の1日約2.5米ドルしか支払われない。

Moe Swe氏はこの労働組合について、当初誰も真剣に受け止めていなかったと述べた。「地方労働保護福祉局は我々のことをトラブルメーカーと考えていましたが、雇用主と従業員の間の仲介に尽力し続けた結果、今では理解を示すようになりました。」と彼は説明した。

この組織では、労働者のための安全な住居、子供のためのデイケアセンター、および移動診療所などを設立した。また彼らは、雇用主らに対して何件かの提訴を行い、約200人の未払就労者に対する賃金支払いを獲得した。現在では、タイの移民労働者の中で最も尊敬されている団体の1つとなっている。

しかし彼らが直面する課題もまた、より困難なものになってきている。タイのPrayuth首相は、不法移民労働者を強制送還するという決意を示した。 6月に施行された新たな罰則では、雇用主に最高2万5千米ドルの罰金と、労働者には最高5年間の懲役刑が科される可能性がある。

Mae Sodと別に、私は支援団体Arakan Labour CampのリーダーであるAung Aung氏と会った。 Aung Aung氏は、新たな罰則が不法移民労働者に適用されたことで、彼らの状況はこれまで以上に危うくなっていると指摘した。しかし彼は、民族問題がミャンマーを何十年も分断させている一方で、ここの労働者は民族間で団結し、共に権利のために戦っていると誇らしげに私に伝えた。

「私は決して、誰かを犠牲にするようなことを考えたことはありません。」と彼は言った。「ビルマ人だろうと少数民族だろうと、私は人々を助けたいと思います。彼らは我々の助けを信じてやって来ます。もし我々が助けることができない場合でも、他の組織の助けを求めます。」

Aung Aung氏は、2008年にミャンマー西部のラカイン州で起きた戦闘によって脱出した。タイでは縫製工場で6ヶ月間働いたが、助けを得る前は無給であったという。彼の故郷は軍隊に何度も襲われ、紛争地帯となってしまったことに怒りを覚え、彼は長い間、ミャンマーのイスラム教少数民族ロヒンギャを憎んできた。

しかしタイで移民労働者として生活し、労働者の権利を求めて戦う中で、彼の考えは変わってきたという。ようやく辿り着いたこの場所から再び逃げなければならないかもしれない、という新しい危機を前にしては、怒りや憎しみの余地はないとAung Aung氏は言った。

彼はロヒンギャについて、「私は当時、発生した事件について本当に怒りを感じており、彼らを本当に憎んでいました。」と述べた。「しかし怒りは問題を解決するものではないということが分かり、 自分がどう感じたかに囚われるのではなく、身近な問題に集中すべきだと自身に言い聞かせています。」

 

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最終更新:2017年11月10日06:09

ベトナム:AlibabaとTencentがベトナムの電子決済部門に着目(後)

(前編より)



買収に向けたTencentのハンティング

一方で、AlibabaのライバルであるTencentもかなり激しい動きを見せている。Tencentはその主力サービスであるWechat Payによって電子決済市場に参入するために、電子商取引プラットフォームを買収するという戦略を追求している。

Wechatは現在月間93800万人ものユーザーを抱えており、その決済プラットフォームはヨーロッパ、東南アジア、アフリカで運営されている。

ベトナムにおいてTencentの子会社であるGarenaは、現在ゲーム業界で大きなシェアを占めており、次に電子商取引に目を転じようとしている。最近では、Garena が社名変更したSeaが、Foody.vnの株式の82%を6400万米ドルで買収した。 SeaはまたShopeeAirPayの導入によって、電子商取引とオンライン決済サービスを拡充した。

現在Shopeeは毎月27003600万件の注文を受けているが、1日当たりにすると10万件に相当し、AlibabaLazada Vietnamに迫る勢いである。

多くの人々はTencentの決済申請について、電子商取引を通じてベトナムに浸透し、そこで確固たる地位を確立した後、金融部門に進出する目論見と見ている。特にWechat Payは、毎年何百万人もベトナムにやって来る中国人観光客を対象とする予定としている。

中国、ヨーロッパ、アセアン諸国、アフリカの実情を考慮すると、ベトナムに進出しようとしているこうした中国テクノロジー大手の戦略は、ベトナムの商業銀行を強く落胆させ、AlibabaTencentが今後のベトナム金融市場を掌握、操作するのではないかと恐れさせている。

WechatAlibaba、またはその両方がベトナムの金融市場に数千万米ドルもの資金を投入し、赤字覚悟で魅力的なプロモーションプログラムを立ち上げ、最初の23年間はサービス料さえ免除するようなことを想像してみて下さい。その際、ベトナムの決済部門の未来はどうなっているでしょうか? WechatAlibabaにとって、市場シェアを拡大するのに1000万米ドルや1億米ドルは大した問題ではないのです。」とVietinBankTran Cong Quynh Lan副頭取は述べた。



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最終更新:2017年11月09日12:00

ベトナム:AlibabaとTencentがベトナムの電子決済部門に着目(前)

テクノロジー大手AlibabaTencentがベトナムの電子決済市場進出を目論む。

 

Alibabaが「裏口」から参入

AlibabaグループのJack Ma CEOは、2017116日にハノイで開催されるベトナム電子決済フォーラム2017で、ベトナムにおける電子商取引とモバイル決済の開発報告会に出席し、その後ダナンで開催される2017APEC経済首脳会議に向かう予定としている。

ビジネス界によると、Jack Ma CEOは大きな可能性を秘めるベトナムのフィンテックと電子決済市場に参入する手段を模索しているようだ。

中国ではほとんどの人が日々の買い物をオンラインで済ますため、電子決済やオンライン決済が現金払いに完全に置き換わりつつある。

北京に本社を置くコンサルティング会社のAnalysis Internationalが、2017年第2四半期に発行したレポートによると、中国ではサードパーティによるモバイル決済取引の金額は346000万米ドルにも達したという。

特にAlibabaTencent2大企業は、中国のモバイル決済市場の92%を占めている。このうちAlibabaのモバイル決済サービスAlipayは市場の53.7%を、そしてTencent FinanceWechat Pay39.1%を占める。

Jack Ma CEOによって開発されたモバイルデポジットと投資のプラットフォームであるYuebaoは、総資本が1700億米ドルを超える世界最大の資金ファンドとなっており、それは、中国の伝統的銀行業にとって身近な脅威になっている。

YuebaoAlipayの口座から送金を受け付け、銀行の平均的な貸出金利よりも高い金利を支払うことによって、Alipay3億人以上のユーザーが持つ巨額の余裕資金を、いくらでも容易に送金したり引き出したりできるようにすることを可能とした。Yuebaoは、サービス開始後わずか6ヶ月で2900万人以上の顧客から1000億中国元を集めた。そしてその資金を元に、魅力的な変動金利によって企業と個人両方に融資を行っている。

先にAlibabaは、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムで現在運営を行っている大手オンラインショッピングチャネルのLazada10億米ドルで買収した。

そしてちょうど1年後の20144月に、HelloPayというLazadaのオンライン決済サービスが、Alibabaのオンラインモバイル決済プラットフォームであるAnt Financialと統合された。その後HelloPayは、Lazadaが運営している市場に応じてAlipayシンガポール、Alipayマレーシア、Alipayインドネシア、Alipayフィリピンなどにその名称を変更した。

別の動きとしてJack Ma CEOは現在、ベトナム市場を「かき回している」Grab15億米ドルを投資する計画を明らかにしている。20166月以降AlipayGrabと協力し、シンガポールとタイを訪れる中国人観光客がAlipay経由でGrabに支払うことを可能としてきた。Grabによると、これにより中国人は為替レートを心配する必要なく、中国元で自由に支払いができるようになったという。

Alipayは市場を席巻しており、東南アジア金融業界にとって真の脅威になりつつある。Alibabaのベトナム市場参入の野望もまた、非常に明確となっている。

Alibabaの子会社がベトナムにおける支払承認を申請したと言われているが、まだ認可されていない。ベトナムの法律において支払仲介業は、ベトナム国立銀行によって厳格な条件の下で審査され、認可される必要がある条件付き事業と規定されている。

世界貿易機関(WTO)に明示しているようにベトナムは、支払仲介業について外国人投資家に対する市場拡大や開放を認めていない。

条件付き事業に関して、電気通信部門では外国人投資家の比率が(ネットワークインフラの有無にかかわらず)4965%となっている。一方で銀行部門は慎重に扱うべき業界であるため、政府は銀行の外国人所有比率を30%までに制限している。

それでもAlipayは、裏口を通じてベトナムに進出しようとしているようである。今日までにAlibabaグループは、アセアン市場、中でも特にベトナム市場に進出するために、LazadaGrabを買収してきた。

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年11月09日06:04

カンボジア:賃金引き上げによって引き裂かれる繊維産業(後)

(前編より)

ここ数ヶ月の政府の対応は財政難が与党に影響を与えると考える企業や権利団体からの非難を受けており、こうした恐れを抱いているのはTavernier氏だけではない。

クリーン・クローズ・キャンペーン、労働者人権協会(WRC)、国際労働権利フォーラムは先月、共同グローバル声明を発表し、最近の政治的弾圧に対して断固たる姿勢をとるよう、カンボジアを調達先としている西洋のアパレル大手企業に対して呼びかけた。

声明では高まる政治の抑圧として3つの傾向を説明し、多国籍企業がカンボジアで抵抗するための根拠として挙げた。これには、9月におこなわれた反逆の疑いによる反対派のリーダーKem Sokha氏の不当な逮捕や、NGOの強制的な閉鎖、過熱化する選挙に先立った独立メディア支局の口封じなどが挙げられている。

WRCJessica Champagne現地業務・戦略副部長によると、同氏はすでに複数の企業に連絡を取っているが、カンボジアの全体的な政治の衰退に団結した態度をとることに同意した企業は一つもないという。

「カンボジアを調達先としている主要ブランド数社との協議は続けています。こうした企業が、人権や労働者の権利を全面的に尊重するようカンボジア政府に呼びかけることを祈っています。」

エシカル・トレーディング・イニシアチブ(ETI)や国際労働機関のベターファクトリーズ・カンボジア・プログラムなどを通じ、グローバル化したアパレル企業は繊維産業の人権水準を上げようとする動きを長年とっている。

しかしながら、こうした企業が産業分野以外で政治に関わることはないと思われている。

カンボジアに投資を行う上で政治の全体的な安定性は重要だが、ETIによって推し進められている目標はいずれも、WRCによって取り沙汰されている政治不信の高まりは直面していないとETIPeter McAllister事務局長は述べた。

NGOや労働組合、そしてその他の市民団体が自由かつ効率的に運営することを認め、こうした団体が幅広いビジネス環境に積極的に貢献できるようにする事が大切です。」

カンボジアでETIに所属している会員機関の内の個別企業は、政治情勢に対して警鐘を鳴らしている。

「カンボジアの現在の政治状況を深く懸念しています。」とGapを代表するLaura Wilkinson氏は述べた。

世界的なアパレル企業C&Aのコミュニケーション・スペシャリストであるKatrin Ehrenberg氏によると、政治情勢によっては調達先を変更せざるを得ないかもしれないという。

「現在の状況が改善しなければ、生産拠点をカンボジア国外に移すことはもちろん考えています。カンボジアでの運営を続けては行きたいですが、政府が取る行動に気が気でありません。」



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最終更新:2017年11月08日12:04

カンボジア:賃金引き上げによって引き裂かれる繊維産業(前)

繊維産業における最低賃金の引き上げや、カンボジアの将来が危ぶまれる近年の政治的混乱は、実入りのいいカンボジアの繊維部門で運営している各国の企業から様々な反応を受けている。賃金の引き上げに対しては、カンボジアで調達している最大手のアパレル企業各社からは広く賛同の声が上がっているものの、中小規模の企業からは採算性の低下が見込まれていることが嘆かれているほか、政治的な緊張状態が増すのではとすべての企業が懸念している。

先月、2018年には153米ドルから170米ドルに引き上げられる最低賃金の値上げ案が通過し、繊維労働者の最低賃金は対前年比11%増加することが決定した。しかしながら、アパレル企業大手のほとんどは賃金上昇に伴う間接費用損失の可能性に対しては問題に感じていないように思われる。

繊維労働者を支持するためにもH&Mは最低賃金の引き上げを支持しており、新しい法案を歓迎するとスウェーデン企業H&Mの広報担当であるUlrika Isaksson氏は述べた。

「当社は最低賃金の引き上げには前向きで、カンボジア繊維産業が定期的かつ透明な最低賃金制定の過程を設けることを歓迎します。」とeメール文中で回答している。

イギリス小売業大手Debenhamsの広報マネージャーであるRebecca Maund氏も同様の回答を寄せている。

Debenhamsはグローバルブランドや小売業者、労働組合と数多く協力し、カンボジアの労働者が生活賃金を達成するよう支援しています。」

このように、潤沢な資金を持つ巨大企業が前向きな反応を寄せている一方で、世界的な風当たりの少ない中小企業では今後の採算性に対する後ろ向きな反応が目立っている。

フランスに拠点を置く繊維企業We Group LtdCEOであるEric Taverniers氏は、最低賃金の引き上げによりカンボジア国内の運営を再考せざるを得なくなっていることを明かした。

カンボジアの施設と比較して中国にある同社の工場が3倍効率的であることや、ベトナムにある同社の工場がミスが少なく輸送・市場の柔軟性が高いことを説明し、新しい賃金法は、すでに競争の激しい産業においてカンボジアの競争力を弱めると同氏は述べた。

「競争が激しいため、店頭価格を引き上げることはできません。今や、カンボジアに工場を設置することは(近隣諸国に設置する場合と比較して)安いというわけではありません。ミャンマーやバングラデシュに行けばいいわけです。」

Taverniers氏はカンボジア国内にある工場を直ちに閉鎖することを計画しているわけではないが、国民選挙が近づくにつれ高まる政治的緊張がさらに高まれば、撤退もありうるという。

「街中での銃発や暴動など、次の6ヶ月間が心配です。カンボジア国内の政治ニュースを読んだ時最初はとても怖いと感じていたのですが、今やただ閉鎖しようと考えています。(工場が運営をやめてしまうのは)カンボジアにとっての罰則であり、まだ確定というわけではありませんが検討はしています。」

(後編につづく)



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最終更新:2017年11月08日06:04

ミャンマー:縫製産業は爆発的に成長

Shwepyithar工業団地のMyanmar SUMEC Win Win Garmentsの新工場で行われた開所式の席上、商業省のAung Htoo副大臣はヨーロッパ諸国やアジア諸国からの縫製受注は増加しつつあると述べた。

ミャンマー縫製産業の歴史は浅いものの、急速に勢いをもって成長しているとAung Htoo副大臣は述べた。

2010年の縫製輸出は33700万米ドル(4595億ミャンマー・チャット)であったが、2014年にはおよそ3倍の10億米ドルに届くまでに成長した。2015年の輸出額は146000万米ドル、ミャンマーの総輸出額の10%に到達するまでとなった。

2015年にはEU市場への縫製輸出額は80%増加している。

商業省はミャンマー縫製業協会と協力して10年計画を策定している。

近年、ミャンマー国内の縫製工場の数は増加し400箇所以上となっている。2016年には縫製産業で35万人が雇用されており、女性がそのおよそ9割を占めている。

ミャンマー縫製業協会は、裁断・縫製・梱包型(CMP)縫製業による今年の輸出額は10億米ドルに達すると見込んでいる。



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最終更新:2017年11月07日12:02

ベトナム:Amazon Web Serviceが事業展開へ

クラウドコンピューティングサービス分野におけるAlibaba社の事業展開に跡を習い、Amazon.comの子会社Amazon Web Services (AWS)がベトナムにおける事業計画の手続きを進行している。

ハノイで開かれた記者会見では、ベトナム市場向けに特別に作られたデジタル・ウェブサービスが紹介され、国内の消費客にアプローチするための戦略を同社の広報担当が説明した。

AWSソリューションアーキテクト部門のPaul Chen部長は、ベトナム国内に新事務所を設置することにより、プロジェクトの業績を加速化させ、カスタマーサービスに繋げることができると説明した。

Amazon.comは、オンライン購入を希望する誰しもが、様々な商品からブラウズできる場として、世界有数の顧客志向の企業を目指し、1995年に設立された。

Amazonは現CEOであるJeff Bezosによって立ち上げられたが、当初は書籍を販売するデジタルスペースとしての出発であった。

ニュースワイヤーForbesによると、Bezos氏は最近、世界一の大富豪となった。

創業当時から技術革新がAmazonの安定した業績アップを支えており、利便性の高い様々な配送方法を低コストで提供している。

また商品カテゴリーのポートフォリオを拡大したことにより、Amazonのターゲットとなる市場部門も広がっている。

AWSAmazonが提供するシステムを使用したプラットフォームからクラウドベースのインフラサービスを提供している。

アメリカやインド、中国などの主要市場に対しては効果的な投資を長年に渡って行って来たが、AWSは今後、ベトナムを含む東南アジアの新興国市場に狙いを定めているとBezos氏は述べた。

とりわけ通信やメディアの分野では、メディア企業や出版社がITにかかる経費を削減することができ、業績を向上させ、世界規模でコンテンツを出版することが可能な、制限がなく信頼性の高い、クラウドベースの安全なコンピューターサービスをAWSは提供している。

バーチャルクラウド上でコンテンツを転送、保存、出版することで、メディア企業はAWSITに費やす費用を削減し、コンテンツ作成やカスタマーサポートに人材を再配置することができる。

またAWSはストリーミングアプリケーションや、ストリーミングコンテンツの提供業者がオーディオや動画などのメディアサービスをユーザーに直接販売することができるオーバーザトップ (OTT)などのサービスを提供しており、ベトナムでも大きな可能性を秘めている。

ベトナム国内の大手企業であるMasanVietjet AirVTV Go、さらにはSamsungCoca ColaHTCVodafoneLG などの国際的な大手企業もAWSのサービスに加入している。

またベトナムテレビジョン(VTV)は、インターネット上で9チャンネルを放映するのにAWSのサービスを利用している。

アジア・太平洋地域では、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、香港、台湾、インド、オーストラリア、日本、韓国、中国などの地域にAmazonが事務所を20拠点以上設置しており、急増する顧客や提携企業のシステムを世界中で支えている。

Amazon Web ServicesAmazon.comの子会社で、個人や企業、政府向けにオンデマンドのクラウド・コンピューティング・プラットフォームを提供している。



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最終更新:2017年11月07日06:00

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