インドシナニュース

アジア新興国における最低賃金の現状

東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国が成長を続けている。なかでも成長の軸となる主要5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールおよびタイ)はASEAN 5と呼ばれ、これまで外国直接投資(FDI)を呼び込むけん引役となってきた。だが残りの5カ国もまた、加盟国内での互いの格差を縮め始めている。

ASEAN 5を除く5カ国が掲げる主な利点の1つに、他の国よりも最低賃金が低いことが挙げられる。つまりこれらの国を生産拠点とした場合、企業は生産コストを抑えられるというわけだ。各国政府はこれを強みとしてしばしばアピールしてきたが、過去に発展してきた国々を見てみると、この5カ国の賃金もいずれ引き上げられるものと考えられる。事実、賃金上昇を求める労働争議は日常的になっており、なかには賃上げを発表した国もある。

2014年時点における、これら5カ国の最低賃金は以下のとおりである。

 

カンボジア

カンボジアの最低賃金は現在、1カ月約96米ドルだが、その賃金額がここ数カ月、大きな注目を集めている。なかでも縫製労働者が賃上げを要求しており、中立労組らも140ドルへ値上げするよう求めている。この問題は欧米諸国とも関係がある。と言うのも、ナイキやギャップ、Zaraなど多くの有名企業がカンボジアを生産拠点としているからだ。

カンボジア政府は今月、アパレル産業の要求を受け入れ最低賃金の引き上げを発表したが、その額は労組らの要求を下回るものだった。これにより同産業の最低賃金は28%上昇し、約123ドルになる。労働者らがこの額に納得するかどうかは不明だが、カンボジア経済が海外企業の投資に大きく依存している以上、納得することが期待されている。

 

ラオス

ラオスの最低賃金は1991年以来5度改正されており、現在の賃金は2011年に施行されたもの。ラオスの国有メディアによると、多くの主要産業において、その代表者らは今夏、政府と会談し、改めて最低賃金の改正を行うよう話し合いを行ったという。だがこれまでのところ、この件に関する公式発表は行われていない。

 

ミャンマー

ミャンマーの最低賃金法は昨年3月に制定されたばかりだが、同国労働省は依然として、正式な賃金額を公表していない。だが実際には、産業によって最低賃金の水準は存在しており、例えば公務員の最低賃金は1カ月5万チャット(約50米ドル)と定められている。

ミャンマー政府は、その他の産業においても昨年末までに制定すると公言していたが、今のところまだ発表されていない。

包括的な最低賃金制度がなかなか施行されないことで、ここ数カ月、多くの産業から強い反発が出ている。つい先週も、ヤンゴンの木材加工工場が、労働権の改善を求めてストライキを起こした。ミャンマー政府による最低賃金の発表は、今後数週間のうちに行われる見通しである。

 

ベトナム

ベトナム政府は今月、最低賃金を15%引き上げると発表した。ベトナムではわずか5年の間に、4度の賃上げを行っている。2010年、最低賃金は地域別で平均9.9%引き上げられ、12年には30.1%、13年には15.2%の上昇となった。

ベトナム政府にとって、過去5年間にわたるこうした「挑戦」は、国民の所得の均等と、国が海外投資の魅力的な投資先になることとの、バランスを取るためのものだった。賃上げを行わなければ、国内の所得格差はますます広がり、社会的な格差が過去最高のレベルにまで拡大する恐れがある。だが言い方を変えれば、賃金の引き上げによって、海外企業がベトナムから撤退するリスクもあるわけだ。

来年施行される賃上げによって、ベトナムはASEAN 5を除く5カ国のなかで、最低賃金が最も高い国となる。だがそれほど心配する必要はないようだ。と言うのもベトナムの製造業は、ASEANのなかでも特に技術が高く、最低賃金を引き上げてもなお、ASEAN 5に負けないだけの競争力があると考えられているからだ。急速な経済成長を背景に、近年では海外企業もベトナムに殺到している。結果的に今回の賃上げは想定内であり、今後の経済成長にも否定的な影響は及ぼさないだろう。

 

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最終更新:2014年12月02日06:00

独自のグローバル戦略で、生き残りを狙う海外アパレル・メーカー

カンボジアではこのほど、繊維、衣料品および靴・履物の各産業で働く労働者に対して、

月額の賃金を28%引き上げる決定をした。来年初頭より、賃金額は現行の月100ドルから128ドルに引き上げられる。だが新賃金について、労働組合は期待していた額を大幅に下回るものだと主張し、海外のアパレル・メーカーらは上げ幅が大きく支払いは困難だとしている。同時にこうした状況下、メーカーらはカンボジアで生産を続けるよう求められている。

今年9月、米国への衣料品輸出は急増した。米西海岸の主要港で港湾労働者の労働争議が続いていたことから、ホリデーシーズンに向けた貨物の輸送停滞を懸念した小売業者が、大量発注を続けためだ。これにより貿易相手国上位10カ国のうち4カ国(中国、ベトナム、インドネシア、インド)では輸出量が2桁増加と力強い伸びを示したが、反面バングラデシュでは7カ月連続の減少となった。

一方ミャンマーでは、米国、日本およびデンマークが協力して、ミャンマーが生産拠点や投資先としてより魅力的な国になるよう、労働者の権利と労働条件を改善しようとしている。

昨年、欧州連合(EU)の支援で始まったミャンマーのあるプロジェクトでは、縫製産業の技術・能力の向上を目指しており、つい先日も地元企業らが生産性の拡大について指導を受けていた。

衣料品小売のへネス・アンド・マウリッツ(H&M)社は、委託先工場に対して、エチオピアのオモ渓谷一帯で栽培された綿を使用しないよう指示している。この地域は、土地収用の恐れがあるためだ。だが現状では、その指示を聞き入れても、その綿を使用しないという絶対的な保証はない。

またC&A Foundationは「公正で持続的な縫製産業の発展を目指す、さらなる協力体制」を呼びかけている。C&A Foundationとは世界的なファッション・ブランド「C&A」が運営する民間組織で、環境に優しいコットンや労働環境の改善に焦点を当てた、全く新しい世界戦略に着手している。

一方、英小売大手のマークス&スペンサーが目指しているのは、小売メーカーとして世界で最も持続的な発展を遂げることであり、目標達成のために、同社の環境・倫理プログラム「プランA」を進めている。「プランA」実施部門のトップで、同プランを世界的に推進するAdam Elman氏は、計画が目指しているものや、産業連携のさらなる必要性などについて語った。

Clothesource Limited社のマイク・フラナガンCEOは、過去6年間で、アパレル業界のバイヤーは環境汚染に対する責任を認識するようになったと話す。こうした状況が続けば、2020年までには、有毒な成分を使用している製品はほとんどなくなるかもしれない。一方、中国は有害化学物質の規制に関する法律を遵守し、法的強制力のあるプログラムなどを導入することで、有害化学物質の廃絶を目指している。

新たな調査結果によれば、環境に配慮したLED照明もまた、縫製産業での生産性の向上や利益の拡大に役立っているという。LED照明は従来の照明よりも発熱量が少なく、工場の床が熱を持つこともないため、労働者の生産性を高めるほか、欠勤者の減少にもつながっている。

大手ジーンズ・メーカーのリーバイ・ストラウス社は今後、従業員500名の人員削減を行い、1億4300万ドル規模の取引の一環として、IT、金融、人材管理、カスタマー・サービス、広報など、グローバル・ビジネスにおけるサービスの一部を委託する。こうした体制の変更は、同社がグローバルな生産を進めるうえで、新たな局面を迎えたことを示している。

 

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最終更新:2014年11月27日14:00

中国に続く生産国は?(後)

(前編より)

 

テキサス工科大学Free Market InstituteのBenjamin Powell所長は、仕事を探している者が自ら工場での低賃金労働を選ぶようなことがあれば、それはひどい選択肢のなかでもまだましなものを選んだに過ぎないのだと言う。「こうした国々に対して法律を課し、賃金の引き上げや労働条件の改善を義務付けることができたとしても、動機を持ってやって来た企業らはいずれ撤退するだろう。であれば、貧困のまま放置しておいた方が良いのでは」との見解を示した。

輸出の8~9割をアパレル製品が占めるハイチでは、労働基準に進歩の兆しがみえている。

「Better Work(衣料産業の発展を目指す国際労働機関(ILO)の提携プログラム)」で調査方針責任者を務めるArianna Rossi氏によれば、ハイチの労働条件はこれまでにも大幅に改善されてきたという。最低賃金は今年5月、1日あたり5ドルへと引き上げられた。Better Workの最新レポートでは、工場らはこの引き上げ令に対してほぼ全面的に従い、約37%の工場が少なくとも6.75ドルの日給を支払っていると伝えられた。

世間では衣料品の製造が雇用を生み出すとされているが、実際のところ、それを証明したものはこれまでのところ存在していない。稼働から2年が経ったハイチ北部の工業団地Caracolでは、米政府が1億2400万ドルという多額の出資をしたにも関わらず、当初計画されていた6万の雇用を大幅に下回る、わずか3000の雇用しか創出できなかった。さらに同工業団地の開発には米国務省、ヒラリー・クリントン前国務長官およびビル・クリントン元大統領による熱心な推進活動があったほか、ハイチから米国への輸入には、HOPE IIの貿易協定による無税特別措置または特恵関税も適用されていた。

Rossi氏は、Better Workによる研究プロジェクトを概念実証として引用し、企業らは今なお「労働者を優遇すればビジネスも成功する」ということに気付いている段階なのだと説明した。

だがNova氏のような専門家は、そう簡単には納得しない。一例として挙げれば、衣料産業に従事することで貧困から脱出できるのであれば、過去10年にわたり世界中で賃金が減少するようなことはなかったはずだとし、衣料産業の賃金は平均して「生活賃金」の約3分の1だと述べた。

衣料産業への従事が国家や個人の経済発展にとって有益であろうとなかろうと、ハイチやミャンマー、エチオピアといった国々はこの先、数々のブランド企業を盛大に受け入れることだろう。だがこれらブランド企業が今後、良心の呵責を感じるかどうかはまだ分からない。

 

 

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最終更新:2014年11月07日14:00

中国に続く生産国は?(前)

中国にとって衣料品製造はもはや「過去のもの」らしい。

「世界の工場」と呼ばれる中国では労働コストが高騰し続け、そのためこれまで中国を生産拠点としてきた有名ブランド企業らは、別の委託先国を探し始めた。既に生産拠点としてその地位を確立したバングラデシュやベトナムに加え、アパレル産業の国際競争には、新たなライバルが出現している。なかでもミャンマー、ハイチ、エチオピアなどは、貿易で繁栄したかつての状態を取り戻そうとしたり、さらに言えば完全にゼロの状態から何かを立ち上げようとしたりしている。

開発専門家らは、中国の製造業が今後数年の間に約8500万もの雇用を喪失するとみており、途上国が、かつての韓国のように急速な経済発展を遂げるには、またとないチャンスになるだろうと考えている。

一般的な発展の流れは次の通りだ。まず特別な技術を必要としない基本レベルの衣料品製造(Tシャツなど)から始め、徐々にレベルを上げる。その後より高い技術を要する製品(スーツなど)を手がけ、最終的には高度な技術が求められる電化製品などを製造するようになる。産業が成長すれば生活の質も必然的に向上し、消費者階級にも変化がもたらされる。その結果、自然で持続的な成長が促されるのである。

そして現在の中国のように、衣料品の縫製を「教養のいらない作業」とみなすようになる。社会政策の研究を行う「アメリカン・エンタープライズ研究所」研究員のDerek Scissors博士は、こうした発展の流れを「繊維でタンクを作る者はいない(国の発展には順序がある)」と表現した。

だが中国の後を追う国々が、実際にこの「繊維からタンクへ」のモデルに倣えるかどうかは重大な論点である。今後生産拠点となる国が生き残る唯一の方法は、低コストを全面に押し出すことだと主張する者もいる。だがそこには、生活もままならないほどの低賃金や、ないも同然のわずかな権利といった労働問題が付随する。労働コストが安価ならどこへでも流れていく気ままなブランド企業らが、衣料産業に対して、高度な技術を持つ労働者を供給し、インフラを整備し、かつ効力のある法律を教示するなどとうていあり得ない話だろう。

間違った慣習ほど受け継がれやすい。そう考えると、持続的な産業という点で最も可能性のある国は、労働上の悪習が基本的に存在しないエチオピアなのかもしれない。エチオピアは、インフラ整備の遅れという欠点はあるが、現在急成長を遂げている10種類の産業のうち6種類の産業で大陸市場への進出を図っており、これに世界最大とも言える畜産部門(レザー)を合わせると、「30年前の中国」とも言える状態を魅力的な長期投資の対象に作り変える可能性がある。少なくとも中国とトルコはそう考えているようだ。

一方、世界の2大アパレル・メーカー、Huajian Shoes社およびAkya Teksti社では、50の企業が入居し6万人の労働者が働く、数十億ドル規模の「アパレル都市」の開発を計画している。

スウェーデン衣料小売り大手のH&Mもまたエチオピアの将来性に賭け、昨年生産拠点の一部を同国に移転した。また政府系投資ファンドのSwedfundと提携し、持続的成長を目指す3件の新工場を「責任」を持って管理・運営している。

このように新たに経済発展を遂げる国のために倫理的な基盤を作ろうとする動きは、今年6月ミャンマーでのGapの動きにもみられた。残虐な軍事政権のためにかつて「独裁国家」と呼ばれたミャンマーでは2011年、大規模な民主改革が実施された。その1年後、欧米諸国による経済制裁が一部解除された。ミャンマーの衣料産業は今や好調で、2012年に9億ドルだった輸出高が今年は17億ドルにまで達している。

こうした企業らの行動は誠実なものと考えられている。Gapは、米国国際開発庁(USAID)やミャンマーのNGO団体と連携し、衣料産業に対する「略奪と解放」といった概念を払拭しようと努力している。これについて同社政府広報課のDebbie Mesloh課長は「国の重要な時期に力を貸したい」のだと説明し、労働者の立場に立った労働条件の設定を優先事項とするほか、政府との連携で最良の労働慣行が取られるよう監督機関を設置すると述べた。

だがこれを「馬鹿げた行動」と呼ぶ者もいる。労働者権利コンソーシアム(WRC)のScott Nova事務局長もその1人だ。Nova氏は「世界にはまだまだ、企業の社会的責任としてやるべきことがたくさんある」と述べ、「1ブランド企業が1国の問題に介入し、世界をより良いものにしようなどという考えはおこがましい。彼らの行動の裏には、やはり『労働コストの低さを利用したい』という思いがあるはずだ」と持論を展開した。

だが実際のところ、ミャンマーの製造者協会によれば、労働者の月給はわずか30ドルほどで、世界銀行が貧困の指標とする日給1.25ドルをさらに下回る額となっている。

先ごろ公表されたいくつかの報告書では、エチオピアの縫製労働者の月給は37~53ドルと伝えられており、世界で最も賃金の低い国2カ国のうちの1カ国として数えられていた(バングラデシュでは月給約68ドル)。

こうしたデータを重要視する者はほとんどいない。だが、中には低賃金について議論する専門家も存在する。すでに経済発展を遂げている国においてかつての特徴として挙げられるのは、投資家を呼び込むには、初期の段階で犠牲を払わなければならないということだ。近年では台湾、韓国、香港などがこれに相当する。

 

(後編に続く)

 

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最終更新:2014年11月07日06:00

ベトナムから米国へのジャケットの輸出、順調な伸び

統計データによると、2014年年初8ヶ月間におけるジャケットの輸出数量は約1億7170万点で、輸出金額は29億3000万USDに達し、対2013年同期比で、輸出数量は23.2%増、輸出金額は31%増となった。2014年年初から今までの繊維製品の輸出は非常に活況で、大きく成長している。現在、多くの企業は第3四半期末と2014年末まで注文を安定的に持っている。予測では2014年第4四半期ジャケットの輸出は、金額が21億5000万USDに達し、対2013年同期比で、31%増となると見られている。

2014年年初7ヶ月間における主な市場へのこの製品の輸出額は対2013年同期比でかなり成長している。具体的には、2014年年初7ヶ月間における米国へのジャケット輸出は、輸出数量が5270万点で、輸出金額は7億2330万USDに達し、対2013年同期比では、輸出数量は22.9%増、輸出金額は28%増となり、ジャケットの総輸出金額の32.3%を占めた。2014年下半期における米国の経済は消費者信用と安定な注文数量が増えているので、着実に伸びている。米国では2014年7月における消費者信用はこの7年間で最高レベルまで上昇した。米国では消費者支出が経済活動の70%に影響するので、消費者が消費に前向きということは2014年下半期における経済成長を支える要素となる。それに、2014年7月における、この国の各企業から製品製造の注文数は23%増で、1992年にデータが公表されて以降で、最大となった。この発注の増加で企業は生産数を上げたことも、2014年下半期における経済成長を支える要素である。7月における米国の工業数量は6ヶ月連続で1%増となった。米国経済の回復を示す他の兆候は不動産市場で、住宅価格が下がりつづけているので、住宅を購入したい人に対する価格圧力も下がっている。こうした積極的な兆しを受け、今後、米国へのこの製品の輸出はさらに成長とすると見られている。

2014年年初7ヶ月間におけるベトナムからEU市場へのジャケット輸出は順調で、輸出数量は3420万点、輸出金額は6億 2450万USDで、対2013年同期比で、輸出数量は23%増、輸出金額は31.7%増となった。そのうち、EU加盟国の中で一部の国への輸出は、ドイツ23.7%増、スペイン35.5%増、オランダ84.1%増、イタリア17.6%増、イタリア65.6%増などと大きく増加している。

特に、韓国などの潜在市場へのジャケット輸出額は大幅に増加し、輸出数量1740万点で、輸出金額は3億8920万USDに達し、対2013年同期比で、輸出数量は45.4%増、輸出金額は51.9%増となった。

さらに、各企業は日本、ブラジル、カナダ、チリ、オーストラリア、アラブ首長国連邦など、他の市場へのこの製品の輸出を強化している。

 

2014年年初8ヶ月間におけるベトナムからのジャケットの輸出価格は、対2013年同期比で6.4%上昇し、FOB単価は17.1USDだった。

2014年年初7ヶ月間におけるベトナムから米国へのジャケットの輸出価格は、対2013年同期比で4.2%上昇し、FOB単価は13.71USD だった。2014年7月単月では、輸出価格は対先月比で7.8%下降したが、対2013年同期比で6.5%上昇し、FOB単価は13.81 USDだった。

2014年年初7ヶ月間におけるベトナムからEUへのジャケットの輸出価格は、対2013年同期比で7.1%上昇し、FOB単価は18.25 USDだった。そのうち、ドイツ7.1%増、スペイン5.3%増、イギリス7.0%増、オランダ8.8%増となった。

2014年年初7ヶ月間における日本へのジャケットの輸出価格は、対2013年同期比で23%上昇し、FOB単価は15.93USDだった。 2014年7月単月のジャケットの輸出価格は、対先月比で15.4%上昇し、対2013年同期比で7.4%上昇し、FOB単価は16.81USDだった。

2014年年初7ヶ月間におけるベトナムから韓国へのジャケットの輸出価格は、対2013年同期比で4.5%上昇し、FOB単価は22.35USDだった。そのうち、2014年7月における、韓国向けのジャケットの輸出価格は、対前月比で32.3%上昇し、対2013年同期比で24.9%下降し、FOB単価は33.26 USDだった。

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最終更新:2014年09月12日11:47

<分析>TPP締結で中国製アパレル市場縮小か(後)

(前編より)

 

生産拠点としての強み

アメリカ地域には今なお「消費者に近い」という利点や、安価で高品質な米国産原綿を手に入れることができるという強みがある。この消費者に近いという利点は、特に「Zara」や「H&M」「Forever 21」といったファストファッション・ブランドにとってますます重要性が高まっている。こうした好条件は、米国綿産業に投資を続けるだけの十分な利点と言えるだろう。

カナダのGildan Activewear社は、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国で米原糸を基に綿製品を製造しているが、米国で紡績にかかるコストは3億4000万ドルだという。一方中国の繊維メーカーKeer Groupでは、サウスカロライナ州に2億1800万ドル規模の紡績工場を建設する計画を立てている。「労働コスト以外の製造原価に関しては、中国よりも米国の方が安い」とKeer America社のWally Wang副社長は話す。

米国政府は11月までに大筋合意に達することを望んでいるが、産業関係者や産業専門家の多くは、TPPが世界の繊維・アパレル貿易に今後変化をもたらす可能性があるのか疑問を投げかけている。

米国アパレル市場における中国のシェアについては、2010年には39%超だったものが2014年半ばには37%以下にまで減少。一方ベトナムは10%超にまで成長した。

米国ファッション産業協会会長のジュリア・ヒューズ氏は「ベトナムのアパレル製品は既に中国よりも安価だが、これに12~32%の非関税措置が適用されればその差はさらに大きくなる」と話す。

一連の流れについて、中国商務部は質問の回答を行わず、一方中国商工会議所・繊維アパレル輸出入局はコメントを差し控えた。

ベトナムに繊維・アパレル工場を建設予定の、ニット衣料メーカーShenzhou International Groupでは、主要輸入国に対する不利な貿易政策や製造コストの高騰は市場シェアの獲得に悪影響を及ぼすとの見方を示している。繊維メーカーのTexhong Textile GroupやPacific Textiles Holdings社など、ベトナムを生産拠点に考える中国企業は他にもいる。

原産地規則が適用されれば、ベトナムは必然的に主要な海外拠点として中国に取って代わることになる。それとは別にベトナムは自国産業の発展にも努めており、将来的にはマレーシアや米国などに可能性を見いだすかもしれない。

専門家の多くは依然として、TPPの締結後、米州市場のシェアは縮小する可能性があると指摘する。ノースカロライナ大学チャペルヒル校経済学部部長Patrick Conway氏は、「TPPが影響を及ぼす可能性は否めない。そしてその影響は多大なものになる可能性がある」と述べた。

 

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最終更新:2014年09月10日14:00

<分析>TPP締結で中国製アパレル市場縮小か(前)

現在12カ国で交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)だが、同協定に米国の戦略が反映されれば、米国の衣料品店で「メイド・イン・チャイナ(中国製)」を目にする機会は減ることになるだろう。

TPPで米国政府が目指すものは、ベトナムが加盟国のなかで最も恩恵を受ける国の1つになり、メキシコや中米ではなく、中国やその他非加盟国からアパレル市場シェアを獲得することだ。

自由貿易協定の下、米国産原糸および繊維輸出の約半数は今日、中米向けとなっている。これらの国では労働力が安価なため、輸出後はこうした労働力を利用して衣料品を製造し、その後製品の大半は非課税で米国に逆輸入される。

570億ドル規模の米原糸・繊維産業ではその多くが、世界最大の貿易協定と言われるTPPの締結に懸念を示している。と言うのも、TPPの締結により、同市場のビジネス・モデルが崩壊する可能性があるからだ。このビジネス・モデルを採用したことで同産業では10年にわたる産業不振を脱却することができ、かつ150万以上もの地域労働需要を維持することができたのだ。

米国当局者の1人は匿名を条件に、特恵関税の適用に必要な原産地規則や、関税率の引き下げ期間に時間差を設けることなどについて話し、これらの実施が中米諸国の地域益の保護につながるとの見解を示した。同時にベトナムの特権享受にもつながるとしている。また交渉に携わる米国当局者らは、ベトナムが、中国やその他非加盟国からかなりの市場シェアを奪うものとみている。

米国の合成繊維メーカーUnifi社最高経営責任者Bill Jasper氏は、「TPPの締結で中米諸国が打撃を受ければ、われわれの業界にも壊滅的な影響が及ぶだろう」と話す。また「適切な枠組みを設け賢明な交渉が行われれば、最も影響を受けるのは中米諸国ではなく中国になるだろう」と続けた。

今週TPP交渉官会合の開催地となったベトナムにとって、衣料分野は最優先課題だ。だがその他の国にとっては、数ある課題の1つでしかない。ベトナムが同分野で米国政府の主張を受け入れるのであれば、他の分野ではその他交渉参加国(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール)から妥協を求められる可能性がある。

米国政府では、米国経済への影響度に応じて、分野ごとに異なる待遇を設ける方針としている。例えば肌着や紳士もののニットシャツなど、中米諸国が大きなシェアを持つ綿製品に対しては関税率の引き下げ期間を長期化させ、一方ダウン・ジャケットや合成繊維衣料など中国製が主流の製品については引き下げ期間を短くする。この結果ベトナムに有利な条件が与えられることになる。

非加盟国産の原糸で作られた衣料品はすべて原産地規則を適用されるが、米国当局者によれば、TPP加盟国で作られた大量生産の布地ではなく絹や綾織りのツイードに関しては、同規則の適用対象外にすることができるという。だがベトナムや米国の小売業者の多くは、さらに多くの適用除外品目を望んでいる。

ベトナムでは、製品に対して約30%の関税が付加されるにもかかわらず、2010年以降、対米輸出を38%増にまで成長させた。米ピーターソン国際経済研究所のモデル予測によれば、ベトナムでは2025年までに輸出全体の伸び率を46%にまで上昇させるものとみている。一方メキシコ、中国、インドの輸出は低下すると予測している。

米国や中米諸国の繊維産業は、労働コスト面だけを見ればベトナムの安価な労働力にかなわないが、ベトナムがTPPで求められる厳しい労働基準や環境基準を順守することになれば、こうした労働コストも必然的に上昇するものと思われる。

米国の大手紡績会社Parkdale Mills 社のDan Nation社長は、アメリカではベトナムと異なり、生活賃金や各種手当、環境面への配慮が企業のコスト構造にすでに組み込まれていると言う。また「ベトナムでは不要とみなされる作業でもこの国では必要な作業。かつわれわれは時給72セントという低賃金をはるかに上回る給与を支給している」と続けた。さらに米国労働省は、ベトナムには児童就労と強制労働の問題があると公表した。

 

(後編につづく)

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最終更新:2014年09月10日06:00

投資環境についてジェトロ・カンボジア所長にインタビュー(前)

日本貿易振興機構(ジェトロ)は日本政府と連携して、海外諸国と日本の相互貿易および投資の促進を目指している。

 

ジェトロは1958年、日本の貿易振興を促進するために設立。その後運営の中核を日本からの海外直接投資にシフトし、以降、国際貿易の支援とグローバル・パートナーシップの構築に努めている。

 

さらに2010年には、カンボジアの首都プノンペンにも事務所を開設。今回プノンペンポスト・ビジネス担当記者のChan Muyhong氏が、同所所長の道法清隆氏に、カンボジアの投資環境についてインタビューした。

 

Chan氏:カンボジアに事務所を開設した理由は?

道法氏:ご存じのように2010年以前、カンボジアに投資する日本企業はごくわずかでした。日本企業にとっては、中国、タイ、ベトナムなどの方が投資先として魅力的だったのです。2010年ごろまでは、数多くの日本のメーカーがタイと中国を生産拠点にしていました。しかしその後労働コストが急激に上昇し、人材不足の問題も深刻になりました。こうした理由から、日本企業、特に製造業は、新たな投資先を探さなければならなくなったのです。候補に挙がった国はカンボジアやラオス、ミャンマー、バングラデシュなど。2008年~09年ごろ、カンボジアの投資環境について調査を行う企業が数社いたのを覚えています。ジェトロにも問い合わせがありました。このような経緯で2010年、ジェトロはカンボジアに事務所を開設しようと決めたわけです。

 

開設にあたりジェトロはフンセン首相と会談。また同首相は日本の首相とも会談し、カンボジアへの投資を促す目的で事務所の開設に同意したという。

 

Chan氏:カンボジアでジェトロが果たすべき役割は?

道法氏:現地の情報を収集し、カンボジアへの投資を検討している日本企業に提供することです。弊所が作成する資料は、カンボジアの経済見通し、投資環境の評価、経済特別区(SEZ)の調査、労働供給量に関する調査など。またホームページも立ち上げ、カンボジアでの投資機会について最新の情報を掲載しています。

 

道法氏によれば、日本企業は、投資先国を決定する際の判断材料となる情報を必要としているという。そうした情報には例えば、労働賃金額、労働供給量、インフラ事情、電力、水道、政情、外国企業に対する税制上の優遇措置などが挙げられる。企業はこうした情報を基に各国を比較する。進出を決めた企業にはミネベアや住友、味の素などがいる。

 

Chan氏:日本企業による現在の投資状況は?

道法氏:カンボジアで企業登録をしている日本企業は、2010年の時点でわずか19社でした。それが2011年には86社にまで増え、2012年には179社、そして2013年には195社にまで増加しています。これらの企業は、個人事業主、有限会社、支社や支店、あるいは駐在員事務所として登記しています。日本の投資率は急激な上昇を見せていると言えるでしょう。

 

Chan氏:ジェトロ事務所の開設以降、日本企業による投資状況に変化は?

道法氏:カンボジアの主要産業には、アパレル産業と靴・履物産業が挙げられます。一方日本のメーカーは、カンボジアにはなかった新しい産業をこの国で展開しています。例えば小型モーターの製造、段ボール箱の製造、配線器具の製造、自動車部品の製造などです。SEZには日本企業もいて、例えばプノンペンSEZではミネベア、スミ(カンボジア)、味の素が生産活動を行っています。一方シアヌークビル港SEZには王子製紙、コッコンSEZには自動車部品メーカーの矢崎化工がいます。

 

道法氏によれば、日本企業は、これまでカンボジアに存在しなかった新たな事業をこの国で展開しているという。またこれらの産業は、カンボジアの主要産業であるアパレル産業や靴・履物産業と比較して付加価値が高い。こうした理由からも、カンボジアは日本企業にとって魅力ある投資先と言えるのだろう。

 

(後編につづく)

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最終更新:2014年09月06日12:09

2014年、中国離れ加速で最も恩恵を受ける国は…

ベトナムは今後数年間で、欧米市場への繊維衣料品の最も急成長する供給国の一つになると期待されている。

中国でのコスト上昇により、ますます多くの欧米アパレルブランドや小売業者が中国での調達を削減しており、欧米向けの衣類の生産はますます他国へとシフトしている。世界的なビジネス情報会社Textiles Intelligenceの新しい報告書―『世界の繊維アパレル貿易と生産の傾向:東南アジア(2014年6月)』による。

しかし、代替生産拠点を探している中で欧米のバイヤーらは、中国の繊維衣料産業が有している能力、品質、技術、多様性を提供することができ、サプライチェーンを完成させられる国が一つもないため、選択肢が限られていることに気付いた。また、魅力的に映る代替拠点にも、多くの場合、様々な欠点がある。

工場の安全性に対する懸念およびこの懸念から端を発した悪評は、世界で最も低コストの繊維衣料生産国の一つであるバングラデシュでの調達をバイヤーらに思いとどまらせているのは広く知られている。

カンボジアは低コストで、バングラデシュや中国に代わる可能性があるとされているが、最近の労働不安と信頼性の問題から、多くのバイヤーは同国からの調達に慎重だ。

ベトナムの繊維サプライチェーンは発達しており、バングラデシュやカンボジアの産業を悩ませてきた悪評もないので、同国のほうが欧米のバイヤーにとっては見通しが立てやすいように思われる。

実際ベトナムは今後数年間で、欧米市場への繊維衣料品の供給に関しては最も急成長する国の一つになると期待されている。

2013年ベトナムから米国への繊維衣料品輸入は14.6%増加し、これは米国の10大供給国の輸入成長率の中で最も急速な伸びを見せている。輸入は前年同期に比べ15.5%増加し、2014年の年初4ヶ月でも大きく成長し続けている。

さらに、ベトナムの輸出業者らは環太平洋経済連携協定(TPP)の成立を目的とした交渉も順調でこの協定により恩恵を得るとされている。ベトナム製品が米国市場に輸入される際、かなりの関税特典と柔軟な原産地規則が適応されるようになるだろう。

2013年バングラデシュは、米国にとってベトナムの次に急成長している供給国となり、同国から米国への輸入は10.5%増加した。しかし、2013年の納品分でバングラデシュのサプライヤーへ発注された注文の多くは、Rana Plaza倒壊以前に交渉されたものである。Rana Plazaはバングラデシュの首都ダッカ近くのSavarにあった8階建ての商業ビルで、ショッピングモールだけでなく5つの縫製工場を収容していたが、倒壊後は世界中からの批判を浴び続けている。

実際最近のデータは、バングラデシュ離れの現象がかなり進行している可能性があることを示している。2014年第1四半期、バングラデシュから米国への衣料品輸入は0.2%減少した。

一方、2013年カンボジアから米国への輸入はわずか0.7%の増加であり、2014年1月〜4月の期間もかなり控えめで2.1%の増加に留まっている。結果として、カンボジアは市場シェアを失った。

確かにカンボジアやバングラデシュは、EUの輸入市場でずっとうまくやっていた。2013年カンボジアからEUへの輸入は37.3%急上昇し、バングラデシュからの輸入は15.0%上昇した。これによってカンボジアとバングラデシュはEUへの繊維衣料品10大供給国の中で、最も急成長している二大供給国となった。

他方では、2013年のベトナムからの輸入はわずか3.2%しか増加しなかった。しかし2014年1月〜3月の間に成長率は14.5%まで回復した。これはバイヤーらが、バングラデシュ、カンボジア、中国以外に調達拠点を移したためだ。

ベトナムは、中国の代替調達拠点として堅実な将来を約束されているようである。

しかしベトナムからEUや米国への輸入は、どんなにがんばったところで、中国からの輸入とは比較にならない。供給基地の大きさ、幅広い技術、品質レベル、製品の多様性、サプライチェーンの完全性の面で、中国に匹敵する国はないという事実に変わりはない。

 

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最終更新:2014年08月08日12:34

中国・山東岱銀集団、マレーシアに紡績工場建設

山東岱銀集団(D&Y Group)はマレー半島ジョホール州Kulaijaya地区Sedenak工業団地

に現地法人D&Y Textile (Malaysia) Sdn Bhdを通して、紡績工場を建設する。

岱銀集団は新工場の建設に6億4000万RMを投じる。同工場は同社のアセアン域内での初の工場となると同集団董事長赵焕臣氏は、United Overseas Bank (Malaysia) Bhd (UOB)と金融サービスに関する契約に調印した後に述べた。

新工場の生産能力は20万錘で、最新の織物技術をマレーシアに持ちこむ。マレーシア工場で生産された商品は全て海外市場に輸出され、3億5000万米ドル相当の売り上げが見込まれている。

岱銀集団は中国の20大紡織企業のうちの一つで、従業員数は約1万人以上、年間生産量は糸8万トン、デニム生地2000万メートル、毛糸500万メートル、アパレル製品500万点などとなっている。

2013年の会社の売上は30億元、利益は2億6000万元で、輸出入は2億米ドルを記録している。

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最終更新:2014年07月28日14:00

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