インドシナニュース

フィリピン:縫製製品輸出が10億ドルに達する見込み

フィリピン海外バイヤー協会(FoBAP)は縫製、軽工業セクター成長への阻害要因撤廃のための政府の支援を求めた。

FoBAPのRobert Young会長は、協会加盟社による縫製製品の輸出額は2016年に10億米ドルに達する見込みであるが、軽工業製品については2億米ドルの見込みであると話す。

軽工業製品には家具、手工芸品、インテリア製品、装飾用品が含まれる。

「フィリピン縫製分野の製品は中級から高級衣料品市場向けのものです。縫製、家具や軽工業分野では、さまざまな阻害要因や障壁のために、バイヤーにとって低価格製品はすでに魅力的ではないのです」とYoung会長は話す。

FoBAPは縫製産業や軽工業の成長への主な阻害要因として高い電力コスト、人件費と資金調達を挙げた。

ミャンマー、カンボジアやベトナムでは、主力輸出産業に対し、電力、賃金、資金調達コストを政府が部分的に支援しているという。

Young会長はまた、フィリピンでのインフラ開発への多額の投資の必要性も強調した。

「インターネットの接続速度もアセアン諸国中最低です。新政権が何らかの対策を取ることを期待しています。港湾施設も改修改善が必要です。港湾の混雑が輸出障壁となっています」

FoBAPは、海外からの発注に対応すべく、さらに多くの工場の設立を呼びかけた。FoBAPは2017年上半期には縫製製品輸出は20%増加すると予測している。

「縫製分野の売上げ上昇は、バイヤーが他のアセアン諸国に政治的、社会的観点から何らかのリスク要因を感じていることによります。バイヤーはすべての卵を一つのバスケットに入れることはしませんから、フィリピンにも発注が来るようになったということです」とYoung会長は説明する。

Young会長は、近隣のアセアン諸国ではすでに現代的な生産設備が導入されていることから、フィリピンの企業、産業は労働者のスキルを向上していく必要があると話す。

「私たちは輸出産業の黄金時代を取り戻したいのです。これら問題が解決すれば、この目的にさらに近づけることになります」と彼は話す。

 

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最終更新:2016年06月24日12:02

アセアン地域共通の最低賃金は本当に導入されるのか

カンボジア縫製分野の関係者は最低賃金見直し交渉に向けた準備を進めているが、アセアン地域共通の最低賃金の制定に興味を示す政府関係者もいる。

アセアンに加盟する数か国が、ベトナムのような低コスト生産国、さらには膨大な労働力を擁する中国等との賃金格差についての懸念を表明している。

最近マレーシアのクアラルンプールで開催された世界経済フォーラムの場で、インドネシアのJusef Kalla副大統領が東南アジア地域共通の標準最低賃金という概念を紹介し、さらにはベトナムとカンボジアも関心を示していると述べたと、ジャカルタポスト紙は報道している。

「競争は良いことです。それに今までのところアセアンは低賃金で負けてはいません。原材料についても、工場についても同じことです」とKella副大統領は述べたとポスト紙は報道している。しかし、副大統領は多くの世界的衣料・製靴企業がインドネシア、ベトナムやカンボジアに低賃金を求めて工場を移転させてきたことも指摘した。「こうした企業は靴や衣類を15ドルで製造し、100ドルで販売しています。このような方法で使われるのは止めましょう。域内の労働者を搾取させてはなりません」

アセアン地域の賃金にはミャンマーの日給たった2.74ドルからフィリピンの日給10.11ドルまで大きな幅がある。インドネシア提案の詳細は次回の大臣会合で説明される予定であるが、域内の他の加盟国がまだ支援を表明していないことに加え、アセアンがここまで大規模な地域基準を遂行できるかという実施能力面での問題についても疑問は残る。

 

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最終更新:2016年06月16日12:02

大手ブランド縫製労働者の生活環境を明かすドキュメンタリー公開

欧米の人々はアジアの工場で縫製労働者が置かれている状況についての話を聞くことはあるとしても、その実態を目にすることはほとんどない。労働組合や労働者の権利擁護団体が構成するアジア最低賃金同盟(AFWA)が作成した短編ドキュメンタリーでは、インド、カンボジア、インドネシアの縫製工場で働く人々の生活の一端を紹介している。

このドキュメンタリーには工場の映像も含まれる。工場は必ずしも狭く、閉所恐怖症を引き起こすような、汚い壁で光も入らない部屋というわけではない。最も衝撃的なのは労働者の住環境である。トイレも水道もない、何もない一部屋を自宅として住んでいる労働者もいる。

「世界の市場に向けた高いレベルのファッション製品を作り出す労働者が、ネズミのような生活をすべきとお考えですか」とAFWAの国際コーディネーターAnannya Bhattacharjee氏は話す。

このドキュメンタリーで扱われる工場が納品するブランドは名指しされていないが、その後、H&MやGap、Walmartの下請工場での労働者の虐待についてのレポートが続く。

ドキュメンタリーでは建物の崩壊により1134人が犠牲となったRana Plazaの工場のように安全でない労働環境や、性的嫌がらせやストライキで殴られることもある労働者の待遇の悪さなどが取り上げられている。また、焦点が当てられているのは、極端な低賃金である。

月給160米ドルで働く二児の母の既婚女性は、カメラにこう話す。「当たり前の支出をカバーすることもできません」こうした主張はこのドキュメンタリーで繰り返し取り上げられる。

AFWAは食費、住居費、衣類や交通費、子供の教育、健康管理、そして少々の娯楽費と貯金を含む、購買力分析に基づく生活に十分な賃金の採用を主張している。この金額はしばしば当該国の最低賃金を少々上回るものとなるが、AFWAはすべての労働者が人間らしい生活を営むために必要な金額であるとする。

アジアの縫製製品生産国の賃金をAFWAが推奨するレベルに引き上げるための消費者側の負担は大きなものではない。労働者の権利擁護団体Clean Clothes CampaignのコーディネーターであるChrista Luginbuhl氏はこのドキュメンタリーで、賃金を引き上げた場合の小売価格の変化についての同団体による試算を紹介している。Tシャツ1枚の場合、小売価格の上昇幅は0.10米ドルにすぎない。

 

<短編ドキュメンタリー>

Living Wage Now! presented by Asia Floor Wage (Full length)

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最終更新:2016年06月15日12:04

インドネシアがアセアン域内労働者の共通最低賃金を提案

インドネシアは次回のアセアン労働相会合で、加盟国の労働者保護のため最低賃金の制定を提案することを予定している。

アセアン加盟国の国民の保護に不備があるとの懸念の中、Jusef Kalla副大統領はこの共通最低賃金の概念を提案した。

Antara News Agencyの報道によると、「アセアン諸国は国民を搾取から保護する必要があるとの私の意見に対し、ベトナムは強く賛同してくれました」とKalla副大統領は6月2日に述べたという。

他のアセアン加盟国も地域内の労働者に最低賃金を導入することに関心を示しているという。

Kalla副大統領は、加盟国の労働大臣が近日中に会談し、この問題について協議すると発表した。

「全員が賛同しつつあります。カンボジアも賛成しています」と副大統領は言う。

Kalla副大統領は、インドネシア政府は大規模多国籍企業がアセアン域内でより低賃金を求めて争うような事態を望んでいないと付け加えた。

「競争は良いことです。それに今までのところアセアンは低賃金で負けてはいません。原材料についても、工場についても同じことです」とKella副大統領は言う。

インドネシア政府はアセアンの事務局長を招聘し、この問題についてベトナム、カンボジアを交えて協議する意向であるという。

「インドネシア、ベトナムとカンボジアは多数の労働者を擁しています。バングラデシュ、マレーシア、シンガポールの協力も仰ぐかもしれません。タイですらすでに人件費は高くなっています」

最近マレーシアで開催された世界経済フォーラムの場において、副大統領はアセアン地域全体に及ぶ標準最低賃金の制定を提案している。

副大統領によると、多くの多国籍製靴・縫製企業が低賃金を理由にインドネシア、ベトナム、カンボジアに工場を移転しつつある。

「こうした企業は靴や衣類を15ドルで製造し、100ドルで販売しています。このような方法で使われるのは止めましょう。域内の労働者を搾取させてはなりません」とKella副大統領は語る。

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最終更新:2016年06月10日06:01

シンガポール:iFashionが73万ドルの資金を調達 

シンガポールに拠点を置くベンチャープラットフォーム企業iFashion Groupは、初期調達に加えRimu Groupによるスタートアップ支援により73万ドルを調達した。

報道によると、ベンチャー支援企業Fatfish Internet Groupの支援を受け、iFashionは東南アジアのファッション系スタートアップ企業を対象に、挑戦的な買収戦略でベンチャープラットフォームとなろうとしている。

同社の発表によると、アジア諸国でオンライン販売の利用者が増加する中、iFashion Groupはオンラインファッション・ライフスタイル企業との協力、共生と相乗的なリソース共有を行うことで急速な成長を達成しようとしている。

「ファッション・ライフスタイル産業は高度に細分化されており、多くのブランドが限られたリソースの小規模なチームにより運営されています。iFashion Groupは成長著しいアジア地域のファッション拠点となり、ロジスティック、倉庫保管、生産、金融サービスやセールス、フルフィルメントに至るまで多様なB2B及び助言サービスの提供を目指しています」と発表は続く。

iFashionのベンチャープラットフォームを利用するスタートアップ企業は、事業の成長のために相乗的なリソース共有や、マーケティングのノウハウを活用することができる。

デジタルメディアネットワークのYello Mobileの挑戦的な買収戦略をモデルに、iFashionは創業3-5年で、市場牽引力があり、拡大を目指す企業と協力したいとしている。iFashion

はオンライン起業家に助言、マーケティング、ロジスティック、倉庫保管、セールス、フルフィルメント、金融サービス等の多様なサービスを提供できるとしている。

「電子取引の件数や物量の増加に伴い、顧客企業はiFashionが提供する様々なビジネスサービスと市場知識を活かし、効率的に事業の拡大を目指すことができるようになります」とiFashion GroupのJeneen Goh社長は話す。

iFashion Groupはオンラインファッション産業向けのB2Bベンチャープラットフォームを創設するシンガポール初の企業となる。

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最終更新:2016年04月16日08:58

EUでカンボジア繊維製品の市場占有率がベトナム製品を上回る

2015年にベトナムはEUへのアパレル製品輸出首位10カ国のひとつとなったものの、隣国がベトナム以上の成績を上げていたことが判明した。

ベトナム繊維アパレル協会(VITAS)が2月23日に発表した統計によると、ベトナムはEUのアパレル市場シェアにおいて第6位、カンボジアより下位であることが判明し、関係者を驚かせている。

統計によると、EU地域では中国が首位で36.9%を占め、その後にバングラデシュ16.89%、トルコ11.62%、インド6.33%、カンボジア3.64%、ベトナム3.45%となっている。

2014 年と比較してベトナムの繊維製品輸出額は5.01%の増加、物品輸出全体で3.21%の増加であったが、統計によるとベトナムからの輸出額はEUの繊維製品市場の3.45%を占めるに過ぎない。

カンボジアからの衣類・繊維製品の平均単価は2014年より下がっているものの、カンボジア製品のEUでの市場シェアは3.64%で、ベトナムより0.19%高い。

2015年、EUは31億1000万米ドル相当のアパレル製品をベトナムから輸入している。カンボジアからのアパレル製品輸入額は32億7000万米ドルであった。

2016年の1月から2月にかけて、ベトナムのアパレル・繊維製品総輸出額は36億米ドル、前年同時期と比較して12.4%増加している。

それにもかかわらず、ベトナムの輸出業者の多くは、製品単価は横ばいか、または0.5%から1%の値下げを余儀なくされたと証言している。

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最終更新:2016年03月07日06:01

ベトナム:アメリカへのショートパンツの輸出、微増

統計データによれば、2015年のベトナムのショートパンツの輸出は2億280万点、7億8390万米ドルに達し、対2014年同期比で数量が16%増、金額が1.1%増となった。

2015年11か月間には、アメリカ、韓国市場へのベトナムのショートパンツの輸出が対前年同期比でわずかに増加したが、一方でEUや日本市場への輸出は減少した。具体的には次の通りである。

アメリカ市場へのショートパンツの輸出は、11か月間の同製品の総輸出額の64.1%を占めて最大で、1億3320万点、4億2880万米ドルに達し、輸出価格の減少により、対前年同期比で数量が10.6%増、金額が2.0%増となった。アメリカ経済は多くの積極的な兆しを見せている。例えば消費者信用は活気を見せ、国民の収入は8か月連続で上昇しており、これらは消費者支出を促進し、同国の経済を向上させている。最新の報告によれば、消費者信用指数は12月において92.6(ポイント)増加しており、7月に次ぐ最も高い数値である。インフレは低く、その象徴として、各ショッピングセンターにおける割引キャンペーンの促進は、消費者の楽観的な心理を刺激した。2016年という新たな年の消費の展望は、11月においてアメリカ国民の収入が0.3%上昇し、給与額は0.5%増加したという商業省のデータに劣らず楽観的である。経済の良好な兆し、また消費需要の増加により、今後の同市場への縫製製品の輸出は有利になると見込まれる。

韓国へのショートパンツの輸出は、対2014年同期比で数量が1.0%減となったが、金額は1.3%増となり、431万点、2970万米ドルに達した。

EU市場へのショートパンツの輸出は、2014年11か月間と比べて数量が18.3%減、金額が9.6%減となり、1440万点、8140万米ドルだった。このうち、いくつかの国への輸出が対前年同期比で減少しており、ベルギー25.6%増、スペイン42%減、ドイツ4.6%減、デンマーク14.6%減、ポーランド43.1%減、等であった。

日本へのショートパンツの輸出は対2014年11か月比で数量が9.3%減、金額が23.4%減であり、417万米ドル、2430米ドルであった。

主力市場への輸出の増加が遅かったため、各企業はその他の市場へのショートパンツの輸出を急激に増加させたが、その金額は低かった。対前年同期比でコロンビア76.4%増、パキスタン593.7%増、トルコ158.8%増、等となった。

 

2015年のショートパンツの輸出価格は、対前年比で5.2%下降し、FOB単価は3.86米ドルだった。

2015年11か月のアメリカ市場へのショートパンツの輸出価格は、対前年同期比で7.8%下降し、FOB価格は3.22米ドルだった。2015年11月の同市場への輸出価格は、対前月比で15.4%上昇、対前年同期比で4.4%下降し、FOB単価は3.34米ドルだった。

2015年11か月の日本へのショートパンツの輸出価格は、対前年同期比で15.5%下降し、FOB単価は5.83米ドルだった。2015年11月の同市場への輸出価格は対前月比で39.3%上昇するも、対前年同期比では19.5%下降し、FOB単価は5.40米ドルだった。

2015年11か月のEU市場へのショートパンツの輸出価格は、対前年同期比で10.7 %上昇し、FOB単価は5.63米ドルだった。こうした成長率を得ることができたのは、いくつかの国への輸出価格が対前年同期比で上昇したためであり、スペイン40.1%増、オランダ16.3%増、スウェーデン34%増、イタリア43.7%増、ポーランド108.7%増、等だった。

2015年11か月の韓国市場へのショートパンツの輸出価格は、対前年同期比で2.4%とわずかに上昇し、FOB価格は6.9米ドルだった。

 

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最終更新:2016年01月14日11:59

マレーシア:TPPの恩恵で繊維産業中心に2000億米ドル近い経済的利益

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を通し、マレーシアは2027年までに最大2000億米ドルの経済的利益を得ることができるかもしれない。この中でも繊維産業と衣料品部門は最大の恩恵を受ける可能性が高い。

金融サービスを提供するプライスウォーターハウスクーパース(PwC)による試算は貿易協定により一層速い投資の伸びとより多くの市場へのアクセスが可能となる結果の表れだ。2018年から2027年にかけて国内総生産(GDP)は1070億米ドルから2110億米ドル増加し、結果GDPの成長率は0.6-1.15%上昇すると予測されている。

同じ期間内に投資は1360億米ドル-2390億米ドル増加する可能性がある。これは主に繊維産業、建設業、販売業に対する投資が高まることによるものだ。一方輸出の成長は輸入の伸びを上回り、貿易黒字は2027年にGDPの4.3%-5.2%に縮小すると見込まれている。

同国の繊維製品部門がTPPから最も大きな生産量の伸びを記録し、業界は2027年までに3.14-3.78%成長すると見込まれている。

マレーシアは貿易協定に参加する12カ国のうちの1カ国で、他にはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムおよび日本が参加している。2014年の数値では12カ国を合わせると世界経済の40%を占め、累積のGDPは30兆米ドル、人口はあわせて8億人以上である。

特にマレーシアにとってはTPPを通してカナダ、メキシコ、ペルーと米国の新たに4カ国と自由貿易を行うことができるようになる。4カ国を合わせてTPPの経済連合の74%近くを占め、2014年のGDPは約21兆米ドルにのぼった。

「関税非課税とするためにTPP加盟国にTPPが原産国の糸を使用することを要件とする原糸(yarn forward)原則はマレーシアの繊維産業の輸出競争力を高めると期待されます」と報告書は述べた。

「TPPに参加する国々で生産された糸に対する需要が高まることで、繊維企業に対しマレーシアにおける上流工程の製糸業務の拡張を促すと期待されています。上流工程は下流工程の衣料品の生産よりも付加価値が高いのです」

原糸原則が履行されると、米国に対して関税を10%引き下げることで業界は年間1億9千万マレーシア・リンギット(4440万米ドル)のコストを削減することができる。一方1企業当たりの投資額は10億マレーシア・リンギットから15億マレーシア・リンギットに上る可能性がある。

報告によれば特にメキシコとペルーにおける非関税障壁の撤廃はマレーシアの繊維製品の輸出を増加させ、中南米諸国との貿易を促進すると期待されている。マレーシアは2014年にメキシコとペルーに対して8300マレーシア・リンギット相当の繊維製品を輸出している。TPP加盟国で生産された糸に対する要求がたかまることでより高付加価値の上流工程への投資を促進させることができると報告書は示唆している。ある主要な繊維の統合会社は上流工程にさらに10億マレーシア・リンギット以上投資し、糸の仕入れを自社で行うことで糸と繊維の両方の輸出を行うことができるようにすると述べている。

主にTPP加盟国から仕入れを行っている非TPP加盟国の主要な繊維生産業者らも、報告書によればベトナムと比較してより発展したインフラをもつことからyarn forward原則の恩恵をうけるべくマレーシアへの投資へ移行する可能性がある。

一方、非TPP加盟国からの仕入れに大きく依存している下流工程の企業にとっては、調達先がすでに拠点を持っていればマレーシアからベトナム、もしくはヨルダンやハイチのように米国に対して原産国の規定が無くすでに関税ゼロの恩恵を受けている非TPP加盟国へ移転することになるかもしれない。

 

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最終更新:2015年12月18日06:00

マレーシア:TPPの影響により繊維産業の輸出拡大

昨年の全輸出のわずか1.4%を占めるにすぎない繊維産業は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発足後の10年間で輸出における最大の利益を上げることが費用対効果分析により明らかになった。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によれば、自動車、電気・電子、石油、化学、ゴムやプラスチックおよび木製品も市場へのアクセスが高まることから恩恵を受けるという。

つい先日米国で合意に至ったTPPは2018年中頃から施行される予定だ。

パーム油などの植物油脂、石油やガスの輸出成長はTPPへの参加後若干減速すると見られる。

TPPはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの12か国で構成される。

「石油やガス、建設、小売関連ではより厳しい競争にさらされる企業もありますが、ほとんどの業種形態はTPPの合意に基づくセーフガードにほぼ保護されています」

PwCによれば、TPPの”yarn forward”原則によりマレーシアの繊維産業の輸出競争力が高まることが期待されている。

”yarn forward”原則はTPP加盟国を原産とする繊維製品に限って適用される。

「TPP加盟国で生産される糸の需要が高まることから、繊維関連企業が川下の衣料品の生産よりも付加価値の高い、マレーシアにおける川上の生産拡大に拍車をかけると期待されている。」と同社は語った。

昨年マレーシアの衣料品輸出の全体の59%がTPP加盟国に対するものであったため、繊維製品の関税率が引き下げられることで、マレーシアの川下の衣料品生産業者にも恩恵がもたらされると期待されている。

「2014年における既製品服の販売の34%が米国に対するものであったことからも、米国に対する輸出で最も恩恵を受けることができると期待されています」

”yarn forward ”原則が実行されれば、米国に対して輸出されるすべての繊維製品に対して一律10%関税が引き下げられ、毎年1億9000万マレーシア・リンギット節減できることになる。

特にメキシコとペルーにおける非関税障壁の撤廃が実現されれば、マレーシアの繊維製品の輸出が拡大するだろう、とPwCは述べた。

現在これらの国においては繊維製品の輸入にあたって特別分野登録要件を課しており、これが要因となり通関にかかるコストが増大している。

「TPPのもとこれらの輸入要件が撤廃されればマレーシアと中南米のTPP加盟国との間の輸入がより促進されるでしょう」

マレーシアは昨年メキシコとペルーに対して8300万マレーシア・リンギット相当の繊維製品の輸出を行っている。

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最終更新:2015年12月09日06:04

カンボジア:イオンのテナント、高級店から中流店舗へ転換進む(前)

カンボジアの中流階級は増えつつあるものの、同国の消費者の裾野はまだ高級な小売店舗を支えるまでには成長していない。

水祭りの祝日期間中イオンモールには多数のカンボジア家族連れでにぎわった。これによりプノンペンで最もおしゃれな同モールが単なる買い物のために訪れる場所ではなく、訪問する目的地としての位置づけに成功したことが明らかとなった。モールの通路や映画館、フードコートには客の買い物袋があふれたが、客の出足はモール内の最大の小売店舗からは遠のいていた。

イオンモールは中流階級をひきつける場所となったが、同じ高級ブランドを購入しに週末にバンコク、香港、シンガポールなどへ買い物ツアーに出かける上流階級の心をつかむことには苦心してきた。フードコートの売上高とは対照的にPedro、Mango、Axaraなどの高級ファッションの小売店舗は静まり返っている。

国際的な不動産会社であるKnight Frankの調査によれば、少なくとも12の小売店舗がイオンモールの2014年6月のオープン以来撤退している。これはモールの高い賃料を販売量の少なさが支えきれなかった結果といえる。

しかし2億米ドル規模の日本企業が展開する小売の複合施設が失敗していると見るのは間違いだ。経営サイドからすると、モールはテナントをつなぎとめることに成功しており、国内の他の施設と比較して賃料が最も高いにもかかわらず、稼動率は90%を上回っている。

これは、何軒はすでに破綻寸前である首都の他の二番手のモールと比較してはるかに高い数値だ。

さらに正確にいえば、現在イオンモールは自然な転換プロセスの途中にあり、モールやテナントらはカンボジア市場の現実と照らし合わせて正しい方向性に合わせようとしているといえる。

「モールを撤退したほとんどのテナントは高級な小売店舗で、その場所は現在中産階級の世帯をターゲットとしたより手ごろな価格のブランドにおきかえられてきています。つまり市場はまだ高級なブランドに対応しきれていないということを暗に示しているのです」と2015第一四半期Cambodia Real Estate Highlightsの報告書の中でKnight Frankは述べている。

今月空いたモールのスペースには新しいテナントも開店した。国際的なレストランチェーンであるDomino’s、Master Suki、Mee Pokらがモール内に店舗を開店し、数日のうちに日本の焼き肉レストランとデザートのチェーンであるIlao Ilaoも開店の予定だ。また近々小売店のMoやスペインのファッションブランドElisa Cortesもオープンすべく準備を整えている。

店舗の新規参入は転換プロセスの一部とみられ、消費者とモール内の190店舗の正しいバランスを常に見出そうとしているものだ。

オープン当初からモール内に店舗を持つ小売店らは、当初イオンモールは消費者のターゲットを多少背伸びして見積もっていたものの、収益の増加や消費者性向の変化によりカンボジアの中産階級に軌道を交差させたという。

さらにモールへの客足の多さ(報告によれば初年度来店者数は1500万人)は、店舗がこの市場へアクセスできる興味深い特徴の一つでもある。

 

(後編へ続く)

 

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最終更新:2015年12月02日06:08

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