インドシナニュース

2018年06月 のニュース一覧

アディダス及びナイキ、W杯のウェアを製造するアジア人労働者への公平な賃金を保証すべき

今回のワールドカップのメインスポンサーを務める大手2社、アディダス及びナイキは、スポーツウェアの生産コストの比率を落としていく中で、アジアの製造工場で働く労働者らが正当な賃金を支払われることを保証しなければならないと市民団体は11日発表した。

アディダス及びナイキは中国からインドネシアのような人件費の安い国へ製造拠点を移しつつ、労働者らへの給与の元手となる一足の靴の生産コストは1990年初頭以降低下しているとClean Clothes CampaignCCC)は述べた。

「労働者の賃金に行きつくナイキとアディダスの靴の生産コストの比率は、1990年代初めと比べて、驚くなかれ30%も減少している(ナイキの場合、1995年に4%だったが、2017年は2.5%に減少)」とCCCは発表した。

「両ブランドは、シャツや靴の縫製労働者よりもサッカー選手にお金をかけるようになったようです」

さらにCCCは、今週始まるロシアのワールドカップに出場する32チームのうち、22チームのユニフォームを提供している2社の生産拠点が、賃金が低く、労働者の虐待が蔓延している、インドネシア、カンボジア、ベトナムへ移ったと述べた。

これら3か国では、繊維業労働者の平均給与が家庭の基本的なニーズをカバーするための賃金、いわゆる「最低限度の生活ができるだけの生活賃金」よりも4565%低いと、労働組合、労働者、人権団体の国際的な団体が指摘している。

米国ブランドのナイキは、会社は残業手当および法的に義務付けられた給付を含め、少なくともその地域の最低賃金、または一般的とされる賃金を労働者に支払わなければならないと述べた。

「私たちは、長期的かつ体系的な変化を支援するために、政府、製造業者、NGO、ブランド企業、労働組合、工場労働者との対話を重視しています」とナイキの広報担当者は述べる。

ドイツブランドのアディダスは、サプライチェーン全体で安全な労働条件と公正な賃金を維持し、少なくとも法律で定められている最低賃金を支払うように義務付けると述べた。

「インドネシアのアディダス工場で働く労働者の月平均賃金は、現在の最低賃金をはるかに上回っています」とアディダスの広報担当者は述べた。



「過度の搾取」

アディダス及びナイキのスポーツウェアの多くはインドネシア製である。

CCCのレポートによると、インドネシアでは、繊維部門の労働者の80%が女性で、月に102米ドルも稼ぐことができない人がいる一方、法的に定められた最低賃金さえ得られない人もいる。

エシカルトレーディングイニシアチブ(ETI)のMartin Buttl氏によると、「貧困のサイクルにはまっ」て抜け出せないことのないように、週給で基本的なニーズを満たし、臨時手当で生活改善できるだけの報酬を労働者らに与えるべきという。

「ナイキやアディダスのようなブランドは、その責任を真剣に受け止め、製造者に公正な金額を支払う必要があります」とButtle氏はロイター紙に語った。「そうしなければ、低賃金や労働条件の悪化が起こるのです」

2011年、インドネシアでの労働組合の権利に関する合意に調印したナイキ及びアディダスは、雇用保障と賃金に取り組む誓約を再度確認するべきだ、とCCCは述べた。

「これは貧困レベルの賃金に関する、長期にわたる問題です。ブランド企業は価格圧縮をしており、それが労働者に大きな影響を与えています」と繊維労働者グループのアジア最低賃金同盟(AFWA)のAnannya Bhattacharjee氏は語った。

「サッカーは感銘を与えるスポーツですが、みなさんが覚えておかなければならないことは、選手のユニフォームを作るためにその舞台裏で働く労働者が、過度の搾取と苦痛を受けているということです」と同氏は付け加えた。

「私たちはそれを止めなければなりません」



その他 ジャンル:
最終更新:2018年06月18日06:02

世界的大手アパレル向けの縫製工場で働く女性労働者への虐待が日常的との報道(後)

(前編より)



GapH&M両社も加盟しているEthical Trading InitiativeETI)のDebbie Coulter氏は、次のように述べた。「これらの申し立てについて深く関心を寄せています。性に基づく暴力はいかなる状況下においても許されることではなく、ブランド各社はサプライチェーンで働く女性が保護されるよう改善策に取り組む必要があります。」

「我々は、H&MGapがこうした申し立てを調査し、サプライヤー工場と協力して、被害を受けた女性らを迅速に救済することを期待しています。」

ETIは加盟企業と定期的に連携し、全労働者にとっての解決策を迅速に適用していくために必要な支援を行っていきます。」

H&Mは電子メールにて、Guardian紙に対して次のように回答した。「すべての虐待やハラスメントはH&Mグループの信念に反します。女性に対する暴力は最も広く行われている人権侵害の1つですが、性に基づく暴力は世界中の女性を日々苦しめ、健康、尊厳、身の安全を侵害しています。このため私たちは、ILO内で議論されている職場における性に基づく暴力に反対する国際条約など、職場における女性の人権を守るための取り組みを推進しています。」

「報告書にあるすべての指摘を調査し、各生産国のチームと共に工場別にフォローアップを進めて参ります。」

Gapは、この申し立てについて「深刻に受け止めて」おり、これらの問題を調査、解決するためのデュー・デリジェンスを実施しているとした。

「我々は、衣料品を生産する人々が健全な環境で働き、敬意をもって扱われることを徹底するよう全力を尽くします。我々の価値観と目標を共有できるビジネスパートナーを選別するためにサプライヤー基盤を強化し、我々が調達を行う工場については、ILOBetter Workプログラムに基づき監査する対象を増やして参ります。」

「我が社のベンダー行動規範は、環境および人権に関するポリシーと完全に合致したものであり、いかなる差別をも禁じています。我々は、コンプライアンスチェックのためにブランドのサプライヤー評価を定期的に実施し、サプライチェーンにおいて差別行為または報復行為などの事例を認知した場合、サプライヤーに対して速やかに状況を改善することを要求します。」

Gap社は、性に基づく職場の暴力は深刻な問題であり、ILO活動の重要なテーマであることに同意します。」



その他 ジャンル:
最終更新:2018年06月12日12:01

世界的大手アパレル向けの縫製工場で働く女性労働者への虐待が日常的との報道(前)

~アパレル企業各社はファストファッションの短納期がアジア工場におけるハラスメントと暴力の土壌を生むとの申し立てを調査

労働組合や権利グループによると、ファストファッションの納期に対する圧力が、GapH&Mに商品を供給するアジアの工場で働く女性たちに対する性的・肉体的な虐待につながっているという。

GapH&Mの衣料品サプライチェーンで発生している性に基づく暴力について、先週Global Labor Justiceが公表した2点の報告書によると、この2社に供給する工場で働く540人以上の労働者が脅しや虐待を受けたと報告した。

この報告書では、今年1月から5月にバングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、スリランカで記録されたこうした主張は、短納期と低コストに対するプレッシャーが直接の原因である、と主張している。

今回の報告書は、職場の嫌がらせに取り組むために国際労働機関(ILO)が今週行っている情報交換会の中で明らかになった。

この調査に協力したNGO 団体Central CambodiaTola Moeunディレクターは、H&MGapのサプライチェーンの中で非現実的な目標を達成するために働かされている女性縫製労働者にとって、虐待は日々の現実であると述べた。「職場から報復される恐れがあるため、こうした事案のほとんどが報告されません。」

GapHMの両社はGuardian紙に対し、これらの申し立てについて調査し、ILO条約を含め、暴力撲滅のための取り組みを受け入れると述べた。

Global Labour Justice の米国ディレクターであるJennifer Rosenbaum氏は、次のように述べた。「我々は性に基づく暴力が、グローバルサプライチェーン構造に起因していることを理解する必要があります。HMGapなどファストファッション向けのサプライチェーンモデルは、不合理な生産目標を安価な契約によって強いるため、女性たちは残業をしても無給で、過度なプレッシャーを受けながら急いで作業しなければなりません。」

「労働組合や多くの政府は、性に基づく暴力に関するILO条約が必要であることに同意していますが、一部の雇用者は依然として反対しています。」

H&Mはインドにある235の縫製工場をサプライヤーとして利用している、とこの報告書は明らかにした。先月バンガロールにある工場で賃金と労働条件に関する紛争が発生したが、女性のテーラーは調査官に対し、彼女は髪の毛をつかまれて殴られ、「お前は売春婦だ。お前のようなカーストは売春宿にでもいるべきだ。」と罵られたと話した。

また別のH&M向けサプライヤー工場で働く従業員は、生産目標を達成できなかったため、罰として殴られたと調査官に語った。

「私がミシンで作業していると私の班の上司が後ろに来て、「生産目標が達成できていない。」と叫び、私を椅子から床に引きずり落としました。そして彼は私の胸などを殴った後、私を引きずり上げては床に叩きつけるのを繰り返し、最後に私を蹴ったのです。」

スリランカにあるH&M向けサプライヤー工場で働くある女性は、次のような不満を漏らした。「女性が触れたり掴んだりされたことについてミシンの保全管理者に注意をすると、報復されてしまいます。時に彼らは、ミシンがきちんと動かないようにしてしまうのです。その後彼らは見て見ぬふりをして、長い間それを直そうとしません。そうすると監督者が、生産目標が達成できていないと私たちを叱責するのです。」

インドネシアでGap向けに商品を供給している工場で働くある女性は、毎日ばかと罵られ、作業が遅いと嘲られ、雇用契約を終了すると脅かされていると話した。

「彼らは材料を投げつけたり、私たちの椅子を蹴ったりします。彼らは直接私たちに触れず、警察に示されるような証拠を残さないのです。」と彼女は言った。



(後編につづく)



その他 ジャンル:
最終更新:2018年06月12日06:01

インドシナニュース

国別

キーワードから探す

このページのトップへ戻る