インドシナニュース

2018年05月 のニュース一覧

中国のかつて繁栄を極めた繊維・アパレル産業が苦難の時期に直面

中国南部の繊維フェアでは、盛況の中、2代目の繊維製造者Pan Jing が大幅な値下げを行っていた。

「在庫大幅値下げ、工場売却中在庫クリアランス」という看板がPan Jing のブースには掲げられていた。

世界の繊維・アパレル製品の生産拠点として中国が台頭していた1986年に父親が始めた、創業32年の紡績工場を売却するというのは、Pan一家にとっては決して容易な決断ではなかった。

鍋つかみやオーブンミット、ふきんやタオルなど、同工場では長年にわたって家庭用綿製品を生産し、アメリカやヨーロッパに輸出していた。

最近では、広西壮族自治区南部にある4万平方メートル規模の工場の生産ラインを拡大し、顧客を惹きつけるために絵文字の形をしたリサイクルコットンのショッピングバッグや枕などの生産も行っていた。しかしながら、人件費の上昇や海外需要の鈍化などに伴い、Panは破綻を免れるため、国内商品に焦点を当てた大規模繊維メーカーに事業を売却せざるを得ない状況となった。

「付加価値の低い製品を売り続けることに将来をみいだすことができません。」広州フェアに参加し続けて10年以上になるPanは語った。55日まで開催されているこの展示会は、中国で最も歴史がある最大の輸出向けイベントである。

中国の繊維・アパレル製造業者は、厳しい産業構造改革を生き抜かなければならない。大規模な生産量を誇る中国は、依然として世界最大の衣料品輸出国ではあるが、国内の供給過多、人件費の上昇、貿易保護主義の世界的な高まりなどが中国の競争力を弱めている。

過去数年の展示会でのPanの企業カタログは、産業の変化を反映している。6年前のキャッチコピーは「自信をもって中国製」であったが、昨年のものは「ロー・カーボンで環境にやさしい循環型製品」であった。今年は在庫クリアランスのフライヤーのみであった。

2015年には38.6%であった世界の繊維・衣料品産業における中国の市場シェアは、アメリカ、ヨーロッパ連合、日本などの主要アパレル輸入地域における下降傾向に伴い、2016年には35.8%に落ち込んだ。

世界貿易機関によると、2014年以降、中国の繊維・アパレル製品の輸出は2014年の2360億米ドルから2016年の2060億米ドルに急激に落ち込んだという。

中国税関局の数字では、2016年から昨年にかけて衣料品・アクセサリーの輸出は4.5%下降したが、繊維輸出は昨年4.5%増加した。

一方、中国では人件費が着実に上昇している。深圳市の南部新興都市における最低賃金は今や、東南アジア諸国の水準の2倍以上となる336米ドルである。

大手衣料品ブランドのいくつかは産業構造改革の影響を受け、利益の創出や資金の確保に苦戦している。福建省にある香港資本のメンズウェア・シューズメーカーのFuguiniao では、2015年以降売上が落ち込んでいる。昨年前半の同社の純損失は1000万元(157万米ドル)で、社債不履行で、少なくとも30億元の負債を抱えている。

他産業と比較して繊維・アパレル製品のアメリカに対する輸出量は低いため、迫りつつある中国・アメリカ間の貿易戦争による中国の繊維・アパレル製造業者に対するリスクは低いとアナリストは言うが、アメリカブランドは供給源を分散しつつある。

昨年行われた、アメリカファッション企業の役員34名に対する調査によると、中国は依然として世界トップの繊維生産国であるにもかかわらず、製品の生産拠点として中国を検討している企業が初めて減少した。

「アメリカファッション企業は一国にすべてを投ずることはありませんし、調達モデルは『中国プラス多数』から『中国プラスベトナムプラス多数』に移行しつつあります。」と調査を行ったアメリカファッション産業協会はいう。

アメリカブランドの多くが、製品の3分の1を中国、3分の1をベトナム、3分の1をそのほか諸国から調達していることが調査結果により判明している。

デラウェア大学のファッション・アパレル研究の助教Sheng Lu氏によると、「中国製」製品が価格競争力を失っているのは全体的なサプライチェーンの効率のせいではないという。

「アジアのアパレル製品輸出国に対する資材サプライヤーとしての中国の役割がますます高まっていることも考慮に入れなくてはなりません。」

Shengの調査によると、バングラデシュが中国から輸入する繊維製品は金額ベースで、2005年には39%2015年には47%増加している。また、カンボジア、ベトナム、マレーシア、及びアジアのそのほかの発展国において同様の傾向がみられる。

「将来的に注目すべき指標は、アジア諸国から世界に輸出される衣料品における『中国製』資材の取引金額になるでしょう。」とLu氏は述べた。



その他 ジャンル:
最終更新:2018年05月08日12:03

ミャンマー、ラオス、カンボジアで労働者が賃金引き上げと福利を要請

51日、ミャンマーでは数百人に及ぶ労働者が生活賃金を求めて街頭に集結した。またラオスでは、海外で働く出稼ぎ労働者の福祉給付や保護の改善を求める行進が行われた。

一方、カンボジアでも労働者が集合したが、行進を行うことは禁止されていたと報道が伝えている。

ミャンマー中央のマンダレーでは、賃金の引き上げと労働者の権利を求めて約700人の労働者が行進を行った。3月に提案され、国会によって承認された、1日当たり4800ミャンマーチャット(3.6米ドル)の新最低賃金を正式に発表することが求められている。

また、労働者の搾取や権利侵害を行う事業主に対する罰則の強化も求められた。

ミャンマー大統領のWin Myint 氏はメーデーの演説で、労働者代表、労働者、雇用者によって構成された労働省の全国委員会が希望する新賃金は、数日以内に承認される予定だと説明した。

これに反し、直ちに行動を起こすよう、労働者の代表たちはRFAのミャンマーサービスに対し語った。

「大統領の演説によれば、政府職員の給料はすでに引き上げられており、物価も上昇しています。」と中央労働組合のMin Thet Htway氏は語った。

「労働者は飢餓や負債といった問題に巻き込まれるでしょう。そのため、最低賃金率を定めるよう何度も求めているのです。」



それでも十分ではない

No. 1繊維工場の労働者代表を務めるZarchi Win氏によると、提案されている賃金ですら生活には十分ではないという。

「労働者側が希望する最低賃金は1日当たり5600ミャンマーチャット(4.2米ドル)でしたが、最低賃金委員会が決定した額は4800ミャンマーチャットでした。」

「委員会の発表後、工場オーナーは技術力の高い労働者に対する特別手当の支払いをやめてしまいました。すなわち、すべての労働者に対して同じ額で支払うようになるということです。これに対して、物価は日に日に上昇しています。」とWin氏は述べた。

「今の政府は民主政ですが、労働者にとっては何も変わっていないばかりか、いくつかの権利を失いつつもあります。」とシーフード工場で働く労働者Ma Hla Hla さんは語った。「家賃は上がっていますし、両親の面倒を見ることはこれ以上できません。」

雇用者による権利侵害から労働者を保護する法律を強化しなくてはならないと、88 Generation Open Society Groupの活動家Tharr Gyi氏は述べた。

現在施行されている保護法はとても弱く、「事業者たちが有罪と判明した場合でも彼らを投獄する条項が何も設けられていません。」しかも、罰金も子供の小遣い程度の額で法を破ることに対する恐怖が何もないのです。」



福祉手当を受け取るものはわずか

またラオスでは51日、国の支配下にあるラオス労働組合連盟が計画した集会にて、最低賃金を月額110万キップ(120米ドル)に引き上げるという当日の政府発表に感謝して労働者が行進を行った。

一方で首都ヴィエンチャンでは、最低賃金の引き上げは「よいことではあるが、十分ではない」と工場労働者がRFAに対して語った。

「食料品だけでなく、水や電気、家賃にもお金を払っており、物価は常に上昇しています。最低でも月あたり240米ドルは必要です。」

一方で、ラオスでは少なくとも労働者の60%が雇用主から年金給付やヘルスケアを受けていない、と政府系列の労働組合員がRFAに対し語った。

「多くの企業では給料だけが支払われ、保険やヘルスケアは提供していません。」とサヤブリ省の労働者は述べた。「病気になった時のことを考えると、こういった福祉手当も欲しいです。」

カムアン省の民間企業で働くトラック運転手もこれに同意し、「給料しか受け取っていません。福祉手当は何も受け取っていません。」と語った。



セキュリティと統制

カンボジアでは、集会は認めるものの行進は認めないという国家機関の厳しい統制の中、首都プノンペンで労働者がレイバー・デイを祝った。

垂れ幕や拡声器の使用も禁止されている中イベントは午前7時に始まった。カンボジア労働総連合(CLC)のAth Thun 代表はRFAのクメールサービスに対し、工場労働者に対し施行されている最低賃金を、建設、観光、交通産業で働く労働者にも拡大するようCLCが要請していることを語った。

ADHOC 権利団体のスポークスマンSoeung Senkarona氏はRFAに対し、会場での厳格なセキュリティが参加者たちを怖がらせていると語った。

「労働組合の代表者や労働者たちは、嘆願や自らの考えを訴えるために行進をしたかったのですが、希望通りに行うことはできませんでした。」

こうした統制が労働者や組合代表者たちを脅し、表現の自由を奪ったのだと同氏は述べた。



その他 ジャンル:
最終更新:2018年05月04日11:22

このページのトップへ戻る