インドシナニュース

2016年12月 のニュース一覧

ベトナム:アパレル産業におけるサプライチェーン確立の必要性

ホーチミン市で先週開催されたパネルディスカッションでは、自由貿易協定によってもたらされるチャンスを生かすために、ベトナムの繊維・衣料企業は自国のサプライチェーンにもっと焦点を当てるべきだと発言された。
ホーチミン市・織物・刺繍・繊維協会のPham Xuan Hong会長によると、EU-ベトナム間のFTAなど、特に自由貿易協定に署名して以降、多くの外国人投資家がベトナムに注目しているという。
FTAがベトナム企業にチャンスをもたらすとともに、リスクや課題ももたらす、という意見に参加者達は同意した。
Duane Morris Vietnam LLC の社長であり、在ベトナム欧州 商工会議所の法務委員会の委員長であるOliver Massmann氏は、EU-ベトナムFTAで定められた、いわゆるファブリック・フォーワードの原産地原則がベトナム繊維・アパレル企業にとっての課題となるだろうと語った。
ベトナムは中国、韓国、台湾などからの原材料輸入に依存しており、国内では輸出向けに布地を衣料に変換する裁断-製造-端処理のような付加価値の低い作業を行うに過ぎず、サプライチェーンの中であまり付加価値を生み出していないという。
「国内のサプライチェーンを確立しなければなりません。」
環境保全に取り組みつつも、糸製造と染織を同時に行う必要がある、とMassmann氏は語った。
FTAの結果、ベトナムのバリューチェーンにおける未開拓部分に多くの外国投資が集まる可能性もあり、地元企業が外国のノウハウの恩恵にあずかる可能性もあるとういう。
「これまで繊維・アパレル産業はアウトソーシングを行っていたにすぎません。我々は低い人件費により競争していましたが、それももうアドバンテージにはなりません。競争力を高める新たな推進力を作り出さなければならないのです。」とHong氏は語った。
信頼性の高い原材料の調達先を国内に持ち、技術への投資を行えば、産業に付加価値をつけることになるという。
「TPPの有無にかかわらず、これまで長年にかけて発展したのと同様に繊維・アパレル産業は発展していくのです。」
ベトナム繊維・アパレル産業にとって2番目に大きな輸出市場であるEUは、ベトナム企業の輸出の伸びにつながる大きな機会となる。
繊維・アパレル産業の企業は次年以降の成長を促す施策を綿密に立てているとHong氏は語った。
TUV SUD ASEANプロダクトサービスのGoh Wee Hong上席副社長は、ベトナムの飲食・衣料産業が長い間存分に低賃金労働と低いコストに頼ってきたことに言及し、「イノベーション、品質、そして食品安全に投資する必要性があります。」と発言した。
またTUV SUD VietnamのSathish Kumar Samurai会長は、「ベトナムはFTAを通じて、特にEU、アメリカ、日本、韓国、ASEANなどの主要世界市場とのビジネスチャンスを増やしてきました。これらの協定はベトナム企業に世界市場へのアクセスをもたらすというだけではなく、ベトナムのメーカーがより厳しい品質・安全規制に従うよう求められていることを意味します。」と述べた。
TUV SUDとAGTEKは、厳格な世界品質と安全基準に関する、最新でより深い理解を提供するトレーニングやその他の活動を展開し、地元メーカーが世界市場にアクセスする手助けを協力して行っている。
「自由貿易協定がベトナムにおける商品事業の大勢に与える影響とは?」と題されたこのパネルディスカッションは、TUV SUDの150周年記念イベントの一環であった。
TUV SUDは試験、検査、監査、認証などのサービス提供を世界中で展開している。
将来的にTUV SUDは、FTAによってもたらされるチャンスを最大限に生かすべく、繊維・アパレル産業や食品関連産業を中心に地元企業と提携し、製品品質の信頼性を向上させるサポートをしていくだろう、とSomuraj氏は述べた。
またHong氏は、ベトナムの繊維・アパレル産業の今年の輸出額が5.5%のみの伸びである285億米ドルとなる見込みであると説明した。

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最終更新:2016年12月13日08:03

東南アジアの安い労働力は終りを告げるのか

国際労働機関(ILO)の第16回アジア太平洋地域会議で、ILOタイ・カンボジア・ラオス事務所のMaurizio Bussi主任担当官がSoutheast Asia Globe誌に対し、地域の経済的成長を社会的進歩に変えていく事への課題を語った。

「GDPの成長率やその他のパラメーターから見れば多くの国が急速な成長を見せているのは事実である。しかしながら、社会的進歩とは本質的に仕事の質や保証を意味するもので、ほとんどの国ではこの成長が社会的進歩にはつながっていないという感覚が根強くある。

お決まりの言葉で言うのならば、「高齢化と成長」であろうか。高齢化と、急速に成長を遂げるもののあまりバランスが取れていない、ある種の若い社会における成長である。高齢化が進んでいるのは国であり、数年前に経済システムの構築や経済の多様化のために投資が行われた経済である。今となっては年金や失業手当を支払う時期になっている。

タイの事例を見てみよう。タイは約25年前、年金や住宅保険を提供する体制の構築に多量の投資を行った。現在、国民は引退時期に差し掛かっており、政府は年金の支払いを始めなければならない。

二つ目の動向としては、安い労働力を段階的に打ち切っていく政策を国がどのようにして理解し、実行するかと言うことである。これらの国では過去20〜30年にかけて、安い労働力をベースにシステムを構築し、経済成長を遂げてきた。便利で、労働力となる人々も豊富で、インフラも比較的整った、世界の工場であったのだ。人々は長時間働くことに対し意欲的で、最低と言っても過言ではない価格でたくさんのものを生産したのである。

この傾向は徐々に変わってきており、この種の仕事を受けることに積極的ではなくなってきている。別の発展方法が登場したためなのか、代わりに作業を行う機械の導入のためなのか、又は特定の事を特定の方法で行うことがあまり有益ではなくなったためなのか。このため、安い労働力の打ち切りという道筋を果たして国は本当に理解できるのであろうか。

私の考える3つ目の動向は、経済的統合である。労働力といった側面での経済統合には、統制的な人の移動やスキル証明、社会保障の法律など、いくつもの観点がある。専門職で定評のある人間がA国からB国に移動する場合、同じ職場環境や雇用条件があるのか、住宅保険、基本給付額、年金は同じ条件なのか。帰国すると決断した場合、保障内容を国に持ち帰ることはできるのか。国内の労働者と外国人労働者の間で差別が発生しないことを保証する、スキル認定のメカニズムはあるのか。人々が国から国へと移動することができる、より統合された労働市場。これが、ASEANが取り組んでいることなのである。

そして4つ目は少し横断的なテーマで、労働市場のエネルギーという側面でこれら三つの分野に役立つ持続可能な発展目標の国際的な枠組みを、我々がどのように利用するかということである。政府が、これら三つの分野に価値、原則、規範をしっかり植え付けるために持続可能な開発目標(SDG)の枠組みや、全ての国が取り組みに合意した統計能力の強化や政策の実施をどのように利用するのか、ということである。」

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最終更新:2016年12月09日11:23

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