インドシナニュース

2016年09月 のニュース一覧

韓進海運の崩壊が米国西海岸の港湾ストによる混乱再現の引き金に

世界第7位のコンテナ海運会社である韓国韓進海運が8月下旬に破産申請したことにより、数十億米ドル相当もの商品が宙に浮いており、それがアパレル・履物輸出入業者に与える影響も不明のままとなっている。

商品にはアジアで荷積みを待っている状態のものもあれば、海上にあるものの入港の目処が立たないもの、既に混雑した米国の港にあるが荷揚げが保留されているものもある。現在多くのアパレル・履物企業が恐れているのは、ホリデーシーズンへ向けたデリバリーの期限に間に合わず、小売業者が商品不足による売り逃しの機会費用を請求してくることである。今回の倒産により昨年の米国西海岸(港湾ストによる)デリバリー遅延の大混乱が再燃するのではという心配があるほか、船舶供給能力不足の恐れの増大から、米国の輸入業者に運賃の上昇など更なる負担がかかることが懸念される。

ANZ銀行は最近、成長著しい衣料品輸出に支えられて2016年のカンボジアのGDP成長率は7.2%の増加となるとし、同国の衣料品部門の好調な見通しを示した。しかしよく見ると、カンボジアのアパレル産業を取り巻く状況はそれほど楽観的なものではない。カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、アパレル産業の競争力の欠如が大きな問題となっており、カナダ、日本、EUなど、特恵待遇を有している市場に対する輸出のみが伸びている。

Juki社でカンボジア市場の縫製設備営業のマーケットリーダーを務めるGary Yapリージョナル・シニアセールス・エグゼクティブは、低労働コストを競うカンボジア、ベトナム、ミャンマーなどの東南アジア地域の中で、カンボジアは近年の賃金の急激な上昇のためメーカーの利幅があまりにも薄くなり、新設備に投資できないようだと述べた。

バングラデシュでは、包装施設のボイラーが爆発して少なくとも31人が死亡した事故の後、労働者の権利グループがボイラーを含む縫製工場の安全への取り組みを求めている。この爆発は9月10日にダッカから約30 kmにあるガジブル県のTampacoアルミホイル工場で発生し、爆風が巨大な火災を引き起こして3階建ての建物の一部が崩壊した。

工場の安全性はバングラデシュにおける大きな関心事であり、この記憶に新しい悲劇は、「バングラデシュの産業労働者が危険に晒されており、グローバル企業はサプライチェーンにおいて労働者の身の安全を確保するために必要な措置を講じていないことを実証しました。」と労働者団体であるWorker Rights Consortium、International Labor Rights Forum、Clean Clothes Campaign、Maquila Solidarity Networkらは述べている。

これを受け、バングラデシュにおける火災 予防および建設物の安全に関する協定は、是正行動計画(CAP)を提出することができなかった1社を含む4社の衣料品サプライヤーについて、職場における安全対策を怠ったとして除名した。

また最近の研究で、既製服の低コスト生産国としてのバングラデシュの強みが、技術革新の遅れやグローバルファッション業界のバリューチェーンに食い込む能力の欠如から失われつつあると指摘された。コスト優位性が失われた場合、バングラデシュでは他の補完的な輸出産業の育成も危機に瀕することを意味する。

合成繊維は世界的な原油価格の下落により人気が増しているが、この成長は続くと見られており、今後10年で衣料品のブランドがこれらの材料を自社製品に組み込んでいくことになることが予想される。

「なぜ合成繊維が将来に向けた確実な方策となりうるか」というテーマは、just-styleにより発行された4つマネジメントブリーフィングの1つに取り上げられており、残るテーマとして「世界ウール供給の将来見込み」、「低価格のレザーによりもたらされるアパレルブランドのビジネスチャンス」、「コットンの需給チャレンジ」である。

米国は、25年以上停止しているミャンマーに対する貿易上の特恵待遇を復活させようとしている。ミャンマーはかつてのビルマであるが、11月13日から米国の一般特恵関税制度(GSP)に追加される予定である。 GSP制度は米国に対する繊維・アパレル製品の輸出についてはほとんど対象外としているが、GSP国として指定されることは、労働者と知的財産権保護改善の取り組みについての強力なメッセージとなる。

そして米国の選挙に向けて次々と繰り出されるアンチTPPの弁論について、新レポートでは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が繊維の世界取引パターンを変え、米国の繊維輸出に対する需要を減少させる可能性を示唆している。

「米国アパレル生産と環太平洋戦略的経済連携協定」という分析資料が議会の調査局によって発行されたが、TPPが議会や外国政府により承認されれば環太平洋地域に自由貿易ゾーンが確立されることとなるが、繊維産業が最も影響を受ける分野となるだろうと指摘している。

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最終更新:2016年09月24日06:01

韓進海運破綻の余波(後)

(前編より)

 

航空便の利用

船舶に積まれたままとなっている貨物により、Esquel社のTeh氏は約1週間の生産遅延と輸送費の倍増が発生すると予想している。製品を香港から輸送するためにトラックだけでなく、高速船を利用する必要が生じるだろう、と彼は述べた。Teh氏はまた、納期に間に合わせるために工場から製品を航空便で出荷することも計画している。

一部のメーカーでは他の運送会社へ切り替える動きを見せている、とベトナム繊維協会のHoang Ngoc Anh副事務局長は述べた。

中国全土へ向け、履物、事務用品や楽器を出荷するShanghai Lansheng社は、海上で立ち往生している在庫があるかどうか、各事業部門で確認を進めていることを明らかにした。

小売業者はこの騒動の影響度を把握しようとしている中、ハンドバッグメーカーのMichael Kors Holdings社は韓進海運の経営については少し前から懸念を持っていたことを明らかにした。

「当社では韓進海運の船舶で滞留となっているコンテナはあまりありません。ただ現時点で、いくらか(運賃に対する)価格圧力が起こっているようです。」とJohn Idol CEOは水曜日ニューヨークでの会議上で述べたが、この騒動により「極めて長期間の影響がでる」ことは想定していないと続けた。

 

「価格圧力」

同イベントにおいて、Calvin KleinやTommy Hilfigerといったブランドを擁するPVH Corp社のEmanuel Chirico CEOは、韓進海運は同社の事業においてほんの一部しか関係しておらず、「当社には全く影響がない。」ことを明らかにした。

Nike社と Ralph Lauren社はコメントを差し控えた一方で、Hugo Boss社は電子メールでコメントの求めに応じた。

「店の棚に陳列されているべき数百万米ドルもの商品が(洋上に)あり、この影響はどの程度となるかについて小売業者らは強い関心を持っています。」と先週に全米小売業協会(NRF)のサプライチェーンおよび関税政策を統括するJonathan Gold部長は述べた。

また別の業界団体である小売事業者経営者協会(RILA)は、Penny Pritzker米商務長官と連邦海事委員会のMario Cordero委員長に介入を要請している。

韓国で2番手の海運会社であるHyundai Merchant Marine社は木曜日に、東南アジアでサービスを提供するために他の3社と提携し、15隻を配置してこの混乱を収束させようとしていることを明らかにした。

この海運会社を倒産から救うための瀬戸際の努力として、韓進海運グループはCho Yang Ho 会長が拠出する400億ウォンを含む1000億ウォン(9200万米ドル)を提供して、サプライチェーンの混乱を収束させようと努めていることを火曜日に明らかにした。またこれとは別に、韓国の与党Saenuri党は韓進海運グループが担保を提供した場合、約1000億ウォンの低金利ローンを提供するよう政府に要請した。先々週国営の韓国産業銀行が率いる債権者らとのリストラ策の合意に失敗した後、韓進海運は破産保護申請を行った。

「この混乱が韓国全体のイメージを毀損させています。」とソウルのEugene Investment & Securities社のエコノミストであるLee Sang Jae氏は述べた。「この問題が長引いた場合、他のビジネスに対する懸念材料ともなり得ます。」

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最終更新:2016年09月14日12:01

韓進海運破綻の余波(前)

Nike Inc.やHugo Boss AGなどの企業に対するサプライヤーは、韓進海運の倒産により約140億米ドル相当もの商品が外洋で立ち往生しているため、年末商戦に向けたTシャツやスニーカーの納品が間に合うか、その確認作業に追われている。

Nike、Hugo BossやRalph Laurenなどのファッションブランドに商品を供給する香港資本のEsquelグループは、可能な限り早く滞留を余儀なくされている中国の港からホーチミン市近くの工場に、原材料の入った4本のコンテナを移動するようトラックの手配に奔走している。織物輸入やMarks & Spencer Groupに対する商品供給を手がける中国のLiaoning Shidai Wanheng社は、貨物を韓進海運の船舶により輸送することを予定していたが、その代替手段の手配を行った。

「当社の生産ラインは(原材料コンテナの到着を)待っています。(生産が遅れているため、)アメリカとイギリスのクライアントにアパレル品を納入するのに、航空便を利用しなければならない可能性さえあります。」とEsquel社ベトナム事業代表のKent Teh氏は述べた。

先々週この韓国最大の海運会社が倒産を申請したことにより、アパレル、ハンドバッグ、テレビや電子レンジなどが海洋で立ち往生し、グローバルサプライチェーンを大混乱に陥れる一連の騒動が始まった。火曜日に米国の裁判所は一時的な猶予措置として、韓進海運の船舶が貨物を押収されることなく、ロサンゼルスなどの港に船舶を停泊させることを認めた。米国で昨年、総額6260億米ドルもの売上となった感謝祭やクリスマスなどの2ヶ月間の大型商戦を前に、このボトルネックにより各社は大きな痛手をこうむる可能性がある。

韓進海運による米国連邦倒産法第15条の申請手続きが明らかになった後、Samsung Electronics社は、約3800万米ドル相当の貨物がカリフォルニアのロングビーチ沖に滞留する韓進海運所有の2隻の貨物船上にあることを公表した。貨物にはSamsung Electronics社のビジュアルディスプレイ部門のメキシコの工場向け部品、製品を積んだ304のコンテナや、ホームアプライアンス部門の冷蔵庫、洗濯機、食洗機、電子レンジを積んだ312のコンテナが含まれている。

貨物がすぐに荷降ろしされない場合、契約上の義務を果たすために「大金を負担して」航空便で代替商品を輸送することを余儀なくされるであろう、とSamsung Electronics社は述べた。例えば1469トンの商品を輸送するのに少なくとも16機の輸送機をチャーターする必要があり、これには約880万米ドルの費用がかかる見込みである。

「こうしたコストや納期の遅延はすべて、Samsungだけでなく米国の主要小売店や、最終的には米国の消費者の損失となるでしょう。」とSamsung社は述べた。

親会社の韓進海運グループと韓国政府はこの運送会社を救済する手段の検討を開始すると同時に、米国小売業者も多額の損失を支援する措置を求めている。韓進海運が停泊料や荷役費を支払う資金を持たないのではという懸念が判明した後、26カ国50の港で約86の船舶が港を離れて立ち往生している。先週米国の破産裁判所による判決が示され、米国にある韓進海運の資産は債権者から保護されることとなった一方で、韓国では出荷ラインの再編が進められている。

もし韓進海運が支援されない場合、韓国の釜山では約1万1000の雇用が失われる恐れがある、と釜山港振興協会は明らかにした。韓進海運はこの港における総処理量の約50%を占めている。韓進海運の株式は、ベンチマークとなるKospi指数が4.9%の増加を示す一方で、今年62%も下落している。

 

(後編へつづく)

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最終更新:2016年09月14日06:01

リーバイ・ストラウス社が4ヶ国でクリーンな繊維協定を実施

米大手ジーンズメーカーリーバイ・ストラウス社(LS&Co)が、主要調達先4か国の6つの縫製工場における、水、エネルギー、化学物質の使用量削減計画を発表した。同社は、世界銀行グループの一機関である国際金融公社(IFC)が主導する環境維持のイニシアチブ、Partnership for Cleaner Textile (PaCT) と提携を組む。

PaCTはバングラデシュにて2013年に開始し、H&M、Gap Inc、Kappahi、Tesco、Primark、Gstar等の大手ブランド11社参加のもと、1年間の延長を経た2017年6月30日までの期間で実施されている。IFCはバングラデシュにおいて、重要なインフラ整備への投資、金融包摂の拡大、縫製技術の競争力向上、民間セクターの事業参入のための改革支援を行うことで、持続可能な成長と民間セクターの発展を推進してきた。2016年6月期決算までに13のプロジェクトで6億3500万米ドルを貢献しており、現在までの47のプロジェクトの総額はおよそ10億米ドルとなる。

バングラデシュの165以上の縫製工場においてクリーンな製造工程導入に対するアドバイス提供をしているPaCTであるが、バングラデシュ以外の国ではLS&Coのプロジェクトが初の試みとなる。最初はバングラデシュ、インド、スリランカ、ベトナムの6つの工場で試験が予定されている。

「追加国においてPaCTプログラムを試験する最初のIFCパートナーとなることを嬉しく思います。私たちの目標はこの施策を世界的に展開し、サプライチェーン全体で水、エネルギー、化学物質の使用量を大幅に削減することです。」とLS&Coのサステナビリティ担当Michael Kobori副会長は述べる。

地球環境に多大な負担を与える水、エネルギー、化学物質の使用により、世界の縫製関連業は深刻な環境問題に直面しているが、クリーンな製造法の導入により天然資源の使用量を減らし、人や環境に対する脅威を軽減し、また製造工程を改善することで全体的な生産性を向上することができる。シンプルでコストの低い手法を取り入れることで工場での水使用量を最大20%削減し、設備や機械費用の将来的な出費を抑えることにつながる。

またPaCTは、クリーンな製造査定とオンラインの診断プロセスであるPaCT Advantageを通して、サプライヤーによる継続的な改善のロードマップを構築するというLS&Coの目標の達成をサポートする。以後、PaCT Advantageの診断結果を各拠点や国々での基準とすることができるのである。

「世界の縫製産業は様々な国の経済に大きく貢献し、特に女性に対する雇用を生み出し、また環境に優しく持続可能な施策を導入するパイオニアとなってきました。」「IFCはバングラデシュにおいて投資とアドバイスサポートの両方を行い、他の出資者と協働することで、世界に通用する繊維技術の発展と従業員の安全に寄与してきました。」とIFCのPaCTプログラムマネージャーMohan Seneviratne氏は述べた。

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最終更新:2016年09月09日06:01

ベトナム:サイト閉鎖もEC市場は盛況

ベトナム商工省と電子商取引 IT庁の説明によると、eコマースサイトの失敗はeコマース市場の実態を反映するものではないという。

ベトナム電子商取引 IT庁(VECITA)によって発表された2015年電子取引報告書によると、2015年のeコマースの売上額は前年比37%増の40億7000万米ドルとなった。今後5年間で100億米ドルに達すると見込まれており、まだ歴史は浅いものの、eコマースはベトナムで最も高成長率が見込まれている部門である。

しかしながら、一連のeコマースサイトは大幅な損失から閉鎖を余儀なくされており、Beyu、Deca、Lingoなどのオンライン小売は長期間に渡り苦戦を強いられた後に市場から撤退している。

ベトナム電子商取引協会(Vecom)のNguyen Thanh Hung会長によると、eコマース市場で見込まれる高い成長率とeコマースサイトの閉鎖には何ら矛盾を感じないものであると言う。

eコマースというビジネスモデルが形成された初期段階である1997年〜2010年、第二段階である「過渡期」の2010年〜2015年、そして高度発展期となる2016年以降と、eコマース市場が拡大していく中、ベトナム商工省はある程度の発展段階を予測していた。

インターネットユーザー数が急速に増え、スマートフォンからインターネットにアクセスする人々が急増し、市場がますます拡大するなど、eコマースが高度発展期に入る兆候は2015年から予見されていた。

その間、企業対消費者(B2C)、企業対企業(B2B)、政府対企業(G2B)の取引も急速に発展を遂げている。5年前はベトナム企業の30%のみがウェブサイトや携帯アプリを持っているに留まったが、2015年には50万社中45%がウェブサイトを構えている。また、50万社ある企業の多くがそれぞれ数十から数百のドメイン名を獲得するなど、ベトナムのドメイン名は2014年には27万であったが、2015年10月までにその数は34万まで増えており、2016年には40万台を突破すると見込まれている。

さらに、2015年から2016年にかけたeチケット販売額の急速な伸びやホテルやゲストハウスのオンライン予約システムの導入など、eコマース市場の急速な成長は航空や旅行業界のオンライン広告の伸びからも説明することができる。

「年々2桁台の成長率を見せており、eコマース市場は過去数年で大幅な成長を続けているが、eコマース市場には特にB2BやG2Cモデルを中心に、ますます多くのビジネスが参入しつつある。オンライン小売はeコマースのごく一部であり、電子取引市場全体の状況を反映するものではない。」とNguyen氏は説明した。

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最終更新:2016年09月06日05:55

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