インドシナニュース

2015年08月 のニュース一覧

インドネシアの繊維業界、難題に直面(後)

(前編より)

 

国内市場ではインドネシアのTPT産業が直面する障壁は、特に中国や韓国からの輸入製品の流入である。

過去5年間、インドネシアのTPT輸入製品の平均的な価格は12.45%上昇した。もう一つの課題は今年初めの燃料や電気などのエネルギー価格の高騰である。これによりTPT産業におけるコストは急上昇した。これは輸入製品が20%程度まで安価である国内市場において、インドネシアのTPT製品の競争力が弱まる大きな要因である。

2015年の第一四半期において、TPT輸入は今年の輸入目標である50億米ドルの半分の20億米ドルに達した。2014年においてインドネシアのTPT輸入は32.88%が中国、続いて韓国(17.81%)、ASEAN(10.41%)を占めた。インドネシアのTPT輸入のほぼ全部(およそ94.24%)がHS第50から60類に含まれる。

インドネシアのTPT輸出のほぼ全部を占める衣料品であるHS第60から63類は、輸入においては全体の5.76%しか占めていない。経済担当調整大臣府が発布した法令No. 132/PMK.010/2015はいくつかのTPT製品に対して輸入税率を引き上げることなどを含む、輸入品の流入を減らそうという政府の取り組みの一つである。成立の引き上げにより影響を受けるTPT製品のほとんどはHS第61類に分類される。特に紳士や男児用のオーバーコートの輸入税率は15%から25%に引き上げられた。

米ドルに対してのルピア安による綿など原材料価格の変動もまだ見られる。

現在までTPT産業で使用されるほとんど(約95%)の綿が輸入されなければならない状態である。これは国内産の綿の品質が平均よりはるかに低く、TPT産業に対する供給の保証が見込めないからである。

原材料の価格変動に影響を及ぼしているルピア安は、業界全体にも影響を与えており、大きな課題となりつつある。価格変動のほか、綿の調達ルートも妨げとなっている。綿の調達の多くは仲介を通して行われている。つまりTPT業界に携わる人は綿を高い価格で仲介を通して購入しなければならない。APIの事務総長によれば、インドネシアにおける綿の輸入調達パターンとしては、60%が海外から、30%がマレーシアの倉庫から、そしてその他の10%が再販するためだけのために輸入する小売業者である。綿の輸入経路の長さは、衣料品における不可欠な原材料である綿が、エンドユーザに到達するころには高い価格になっていることを意味する。これを踏まえ、APIは綿をマレーシアの倉庫からインドネシアの倉庫に移動するよう早急に促し、特に輸送や倉庫など流通におけるコストを削減しようとしている。このAPIの期待は、TPT産業のために緩衝在庫を持とうとしている商業省の優先的なプログラムと方向性が合致しているようである。

商業省はTPTと履物産業に対して輸出の売上げを伸ばすよう働きかけており、そのために様々な刺激となる策やインセンティブを提供している。はじめに、商業省はいくつかの産業用の原材料を輸入するにあたり政府負担の税金(BMDTP)を低減するなど、繊維や繊維製品のための原材料をより簡単に入手できることを含む追加的なインセンティブを提供する予定だ。

第二に、関連する業界に対してAct No. 3/2014に指示されているように融資を受けやすくしている。第三に、綿業界に対して緩衝在庫をつくっている。

第四に、国内の取引を促進させるため省庁間の調整を引き受けている。第五に、直接的に輸出を促進する策を実行している。これに関しては、商業省はインドネシアの衣料品を購入する国々との自由貿易協定(FTA)の形で協力できる機会を提供できるよう計画をしている。FTAに関して商業省は国内産業にとって最大限プラスとなるようパートナーシップを構築するという政府の約束を取り付けている。

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最終更新:2015年08月25日14:02

インドネシアの繊維業界、難題に直面(前)

インドネシアの繊維・繊維製品(TPT)業界は国内外からの圧力に直面している。

国内市場では年間末まで続く見込みの経済の低迷が国民の購買力の低下につながり、繊維製品に対する需要が低下している。

ローカル市場における需要の低下や生産にかかるコスト、厳しい競争があいまって、製造業者は生産設備の縮小に追い込まれている。その一方で、インドネシアの輸出先においても経済成長が低迷しているために輸出市場も現在低迷している。

結果、2015年の第一四半期におけるTPT業界の業績は相対的に悪く、前年比0.98%のマイナス成長率という縮小に伸び悩んでいる。これは製造業の3.87%やインドネシアの国内総生産(GDP)の4.71%という成長率よりも業績が悪い。

TPTの輸出の低下は2015年の第一四半期にすでにあり、年間を通して停滞がみられると見込まれている。2015年の第一四半期において、TPTの輸出はちょうど23億米ドル相当であった。これは前年度と比較して25億米ドル少ない額である。インドネシア織物製品協会(API)会長のAde Sudrajat氏によれば、TPTの今年の輸出目標は昨年実現された126億米ドルと同じ数値である。2015年第一四半期のTPTの輸出はこの目標の18.3%しかまだ達成していない。

インドネシアのTPT業界の総売上高は過去三年間平均で200億米ドルであった。このうち輸出は全体のおよそ63%を占める。輸出の数値が多くを占めるTPT業界の業績は世界の経済情勢、特にインドネシア最大のTPT輸出市場である米国やヨーロッパの影響を非常に受ける。

2015年米国経済は改善する見込みである。一方で、インドネシアのTPT輸出の回復に対する影響はすぐに著しくみられるものではなく、今年は実感できない可能性が高い。

加えてインドネシアのTPT輸出は、滞留時間と呼ばれる港における荷役や積み下ろしにかかる長さなど、様々な国内の制約に直面している。

もうひとつの制約は米国やEUなど主要な輸出先との自由貿易協定の少なさである。インドネシアの繊維製品における主要な競合国であるベトナム、マレーシアはすでに自由貿易協定を締結している。

さらに、TPT輸出の全体の60%近くが衣料品である。これらの製品は分類に調和システム(HS)を採用しており、第61類(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る)、第62類(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く)、第63類(紡織用繊維のその他の製品、セット、中古の衣類、紡織用繊維の中古の物品及びぼろ)に分類される。輸出先の国や地域に分類すると、インドネシアのTPT輸出の最大相手国は米国であり、全体の31.08%を占め、EU16.02%、日本9.60%、トルコ5.10%、ASEAN6.90%と続く。インドネシアの米国に対してのTPT輸出の大半が第61類と第62類に分類され、それぞれ47.07%、46.65%を占めた。同時期におけるインドネシアのEUに対するTPT輸出は全体として上記2分類に集中することはなく、より第62類に重きを置く結果(41.67%)となった。第61類は31.84%であった。

 

(後編につづく)

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最終更新:2015年08月25日06:02

Deluxe cafe、UnionAIDのために再生されたベトナム製鞄を販売

豚の耳からシルクの財布がつくられているのはご存じとしても、豚の餌の袋からつくられたバックパックを知っている人はいるだろうか。

UnionAIDの資金集めのイベントの一部として、Deluxe cafeの壁に形や大きさも様々な色とりどりの鞄が所狭しと並べられている。慈善信託団体のUnionAIDはアジアや太平洋地域において労働者が労働組合を形成する手助けを行っている。

Kent TceカフェのオーナーであるMatt Wilson氏にとって、この鞄を作り出すのは非常に長い時間を要した。

2010年ベトナムで休暇を過ごしていた彼は、動物の餌の袋をリサイクルしている小さな店に出会った。

「この小さな袋を売る店で、私はまずは1ダース作ってくれるよう依頼しました。彼らにとってはごみ同然のものでしたので、私のことを正気とは思えなかったでしょうね。」とWilson氏は語る。

しかしこの彼の関心が店主らにビジネス展開できるアイディアを閃かせたのかもしれない。

Deluxe caféにて、UnionAID会長のRoss Wilson氏。慈善信託団体用に資金を集めるために斬新なベトナム製の鞄が並ぶ。

「皮肉にも何年か後、2014年に戻るとビジネスは軌道に乗っていました。しかも単なる鞄ではなく、チャックや他に付け加えるなどの工夫がなされていました。」

「面白いことに財布やバックパックに変身していました。」

Wilson氏のお気に入りもある。「お乳を飲ませている母豚と、8匹の子豚がお気に入りです。」

感動したWilson氏は40袋購入してウェリントンに持ち帰り、自分のカフェに陳列した。

そしてそれらをウェリントンにある慈善団体であり、かつて労働組合協議会の会長で父親のRoss Wilsonが会長を務めるUnionAIDの資金を集めるために販売をはじめた。

「父親のチャリティのためにやろうと思っていました。父をとても誇りに思っていましたし、関心を高めようと思ったのです。」

「父は人生を弱者のためにささげてきて、私自身のためにも多くのことをしてくれました。だから少なくてもほんの少し、恩返しをしたかったのです。」

ボランティアをベースとする慈善活動では、発展途上国における労働者やその家族の生活や収入を手助けするため、様々なプロジェクトを展開している。

ミャンマーに研修センターを建設する手伝いをするだけではなく、同団体はミャンマー、カンボジア、ベトナムにおける観光産業を宣伝することや、フィジーの衣料品製造業における低賃金労働者の手助けに焦点を当てて活動を展開している。

Ross Wilson氏はこのチャリティのとりわけ成功を収めたプロジェクトの一つが、南インドのダリットの人々のための経済開発の確立であったという。

ダリット、いわゆる「不可触民」とかつて言われた人々はヒンズー教のカースト制度で最も底辺に位置づけられ、伝統的にほかのカーストの下に位置づけられる仕事、例えば荼毘に付すための死体の取り扱い、皮革の製造、清掃、リサイクリングなど社会の「低いレベル」のすべてを請け負っている、とRoss氏は言う。

「彼らは差別を受けているために、身分から抜け出すことは大変難しいことです。私たちは彼らの経済活動を確立しようとしています。サンダル製造業者は生活協同組合を形成し、マーケティング活動を改善し、価格も向上させるためともに協力し合っています。」

UnionAIDはさらに6か月の交換プログラムも実施している。このプログラムでは対象国の若いリーダーがヴィクトリア大学で英語、国際関係、経済、民主主義と人権を学んでいる。

 

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最終更新:2015年08月22日10:30

インドネシア:繊維コンプレックスを中部ジャワ州に建設予定

上場企業であるJababekaとシンガポールを拠点とするSembcorp Development Indonesia Ltd.の不動産開発業者二社は、地元の国内繊維業界に活気を与えようと、中部ジャワ州のケンダル工業団地(KIK)内に工業用繊維コンプレックスを建設すべく検討をしている。

Jababekaの会長であるSD Darmono氏は、コンプレックスのコンセプトは西ジャワ州、ブカシのジャバベカの施設を模範とするとするものの、繊維製品のみに限定して使用される予定だとした。

「ベカシにある工業施設は競争力をもたらすことを示しました」

Darmo氏は月曜日、中部ジャワで行われた話し合いの中で語った。

KIKプロジェクトは2700haの土地に建設がすすめられているが、完成の期限はまだ決められていない。Darmono氏は繊維工業の集団のために自社が4000億ルピア(2900万米ドル)相当の630haの土地を取得しており、テナントの数に応じて拡張を行う予定だと語った。

「現在の大きさ630haは今のところ十分な大きさです」

と氏は話し合いにあわせてThe Jakarta Postに語った。

KIKプロジェクトの株式の51%はJababeka、残りの49%はSembcorpが保有している。二社はまだ土地買収の段階であるため、プロジェクトの投資総額は明らかにしていない。

Darmono氏によれば、地元の繊維業界は現在労働コストの上昇、限られた原材料や貸出利率の高騰といった課題に直面している。熟練労働者により業界全体が恩恵を受けるだろう、と氏は付け加えた。

「施設の中にはトレーニング施設や研究センターを設けたいと思っています」と氏は語った。

施設には病院、スポーツ施設や労働者のための住居も設けられる予定だ。

Darmono氏によれば、Jababekaは政府と協力し住居を開発し、労働者に賃貸で貸し出す予定だという。「政府、今回の場合は国有の企業が住宅の開発を行うことを歓迎します」と氏は語った。

工業省の繊維・化学産業の事務局長であるHarjanto氏は、政府は常に繊維のような労働集約産業に開発にはいつも協力的な姿勢を見せてきたと語る。

政府は現在このような産業に対し、労働者へのトレーニングや海外でのプロモーションを行うなどして手助けをしていると、Harjanto氏は付け加えた。

最新のデータによれば、インドネシアの繊維・繊維製品の主要輸出先は米国、日本、トルコ、ドイツ、韓国である。しかしながらベトナムやカンボジアの勢いが増しているために、日本を除く主要相手国との繊維における貿易のシェアは2007年から2013年にかけて減少している。

繊維業界は対外的な要因だけではなく、新しく導入された自動電気価格の調整やルピア安、

そして結果としてコストが増大し、業界に経済的な負担がもたらされるといった国内の課題にも直面している。

インドネシア織物製品協会(API)は、少なくともジャワ州の18の企業が操業を停止し、約3万人の労働者が解雇されたと報告した。APIは8月か9月までにさらに業界で最大5万人労働者が解雇されるなど、状況はさらに悪化する可能性があると述べた。

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最終更新:2015年08月18日14:00

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