インドシナニュース

2015年04月 のニュース一覧

インドネシア:繊維などの輸出製造業、コスト高でルピア安でも伸び悩み

インドネシアはアジア通貨危機において深刻な打撃を受け、同国の経済は1998年には13%ものマイナス成長となった。だがインドネシアの通貨ルピアが下落したことで輸出が促進され、成長軌道へと回復を果たした。

現在、東南アジアの経済大国インドネシアの経済成長率は5%と、この5年間で最も低い。一方で通貨も最近、1998年以来となる最低水準に下落した。

昨年6月以降、ルピアは対米ドルで9.3%下落しているが、こうしたことから衣料品や履物などインドネシア製品を輸出するメーカーは、価格を引き下げたり、オーダーを獲得したりすることができるはずである。

だが実際には、人件費の上昇やその他の要因などによって、そのような状況には至っていない。またインフラや官僚主義などの問題により、工場が今後輸出を促進させたり、国を後押ししたりすることはできるのかという先行きの不安が、さらに強まっている。何年もの間、国の成長を促してきた石炭価格の上昇や物価の上昇などは今や過去の話である。

全国経営者協会のHariyadi Sukamdani会長は、「本当に頭を抱えています」といい、「賃金やコストは毎年のように上昇しています」と続けた。

インドネシアは、国の重要な輸出品である繊維製品において、他国との競争に苦心している。輸出量は数年にわたって増加してきたが、例えばベトナムの縫製産業などは、2000年にはその規模は小さなものだったが、今でははるかに多くの衣料品を輸出している。

国連の統計によると、ベトナムは2000年には、衣料品の輸出国として世界の上位30カ国に入る程度だったが、今では世界第7位となっており、13年の輸出額は179億米ドルだった。

一方でインドネシアの順位は11位から14位まで下がり、国際貿易で獲得していた2.4%(4900億米ドル)のシェアは、1.6%(77億米ドル)にまで低下した。

 

賃金の高騰

東ジャバの木製・籐家具協会会長のNur Cahyadi氏の推定では今年、会員企業の売上額は4000万米ドル減少したという。というのも、欧州や米国の取引相手が、家具の発注先をベトナムへと切り替えたからだ。

ルピア安は輸出企業にとっては助けとなるはずなのだが、それだけでは総合的な競争力の低下は補えない。

工場所有者の多くが、最大の問題は賃金の高騰だという。賃金は、スハルト大統領が在任していた数十年間は低く抑えられていたが、今では、権限を持った労働組合や地方官僚などがこれを引き上げている。さらに2014年末の急激なインフレも、引き上げ要求にさらに拍車をかけることとなった。

JPモルガンによると、ルピアの実質的な貿易加重平均為替レートは、2014年半ばと比べると9.8%ルピア高になっているという。というのも、インドネシアのインフレ率は、競合国と比較して高いからだ。

世界銀行・東南アジア地域担当のチーフエコノミスト、Sudhir Shetty氏は、これについて輸出企業にとっては「非常に致命的」だと述べた。

東ジャバの履物協会会長のAli Mas'ud氏は、同地のメーカーに「競争力がない」のは、1カ月の最低賃金がここ3年で倍増し、270万ルピア(約209米ドル)になったことが主な要因だとしている。

 

「法律など無きに等しい」

インドネシア繊維協会のAde Sudrajat会長は、賃金の引き上げについて、それが公的な仕組みに沿って設定されたものであれば、問題は生じないだろうとしている。だが地方政府は、労働者の反対運動などによって決定事項を変更することがある。

Sudrajat会長は「こうした状況では、法律などないようなもの。無政府状態のようなものです」と話した。

巨大な国内市場を有していることから、インドネシアでは対内投資への機運が高まっている。同国は、家具や衣料品、電化製品などの輸出において世界的に押され気味だが、ゼロからのスタートにもかかわらず、自動車輸出ではその世界シェアを伸ばしている。

だが製造業においては、今なお本領は発揮されていない。

モルガン・スタンレーでは、その他の産業は物価上昇によって市場から締め出されたものと考えている。製造業による輸出では、インドネシアの世界シェアは、上は2000年の0.8%から下は08年の0.5%まで低下した。この理由として、1つには実質為替レートが上昇したことが挙げられる。

世界銀行のShetty氏は、広範囲な改革を実施してコスト増を抑制しなければ、ルピアが対米ドルで下落しても、輸出が増えることはないだろうと述べた。そして「為替レートの変動から得られるものもありますが、結局、必要なのは競争力なのです」と続けた。

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最終更新:2015年04月23日14:03

南アジア・東南アジアで撚糸業が拡大中

米国農務省が発行した最新の報告書Cotton: World Market and Trendsによると、南アジアおよび東南アジアで撚糸業が急速に拡大しつつあり、この傾向は続くことが予測されるという。

インド、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムでの成長により、南アジアおよび東南アジアの撚糸業は2011-12年に中国の生産量を追い越し、そしてその後も成長を続けている。同時期に、世界のそれ以外の地域での撚糸業はほぼ同程度で推移している。

農務省の報告書によると、南アジアおよび東南アジアでの撚糸産業の成長は、中国での綿の国内価格の高騰と、過去10年にわたって中国が撚糸業において独占的な地位を占めていたことによるものだとしている。

中国での綿の消費量は1960年から2000年にかけては世界全体のおよそ20-25%であったが、2000年から2010年にかけては世界全体の40%を占めるまでとなった。全世界のおよそ5分の2が消費される中国での政策変化は世界中に影響を与える恐れがあった。

中国が在庫蓄積と価格保持政策を開始した時、中国での綿の国内価格は高騰し、世界平均より高い状態が継続した。この影響により、撚糸業は近隣諸国に流出した。

中国での昨年の人件費の上昇、農作物補助金の低減、輸入規制の強化により、南アジアおよび東南アジアにおける撚糸業は今後も急速に拡大を続けることが予想されている。

それに従って、近年と比較すると、中国が世界の綿消費量に占めるシェアは低くなることが予測されると米国農務省は結論づけている。

 

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最終更新:2015年04月17日14:00

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