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中国の人件費高騰で東南アジアに向かう外国企業

優遇税制の廃止に加えて人件費高騰で中国大陸の魅力は激減

 

中国経済の混乱にはさらに隠された理由がある。多国籍企業が高い費用対効果を求め中国から東南アジア諸国に生産拠点を移転することによる、東南アジアへの雇用の流出である。

「中国の労働市場にとって東南アジアは脅威であると確信しています」人材派遣会社HaysのChristine Wrightアジア支社長は語る。「ベトナムやフィリピンなどは中国より大幅にコストがかかりませんし、今後さらに多くの会社がそちらに生産拠点を立ち上げることになるでしょう」

中国はかつて世界の工場であり、その豊富な労働力と安価な人件費に魅力を感じる世界中の企業の投資を引きつけてきた。企業は同時に中国の猛烈な経済発展の恩恵を受けることもできた。

しかし、外国資本をめぐるアジア地域での争いはここ2年間で新たな局面を迎えることとなった。賃金の高騰とともに、世界一の人口を擁するこの市場からの資本の引上げが始まった。2009年に中国政府が海外投資家に対する優遇税制の撤廃を決定すると、海外の製造業者が中国に見ていた輝きは次第に失われ、上昇傾向の人件費が景気の見通しにさらに暗い影を落とした。

Hays社の賃金調査によると、中国に拠点を置く企業の66%が2014年に6%以上の昇給を従業員に与えているが、同様の昇給を計画している企業はアジア地域平均で29%に過ぎない。中国における賃金の上昇傾向は2015年も継続し、70%の企業が最低でも6%の昇給を計画しているが、アジア全域で同様の昇給を計画している企業は30%しかない。

日本のファスナー製造業者のマネージャーChen Junjie氏は、一生懸命働いても必ずしも報われるとは限らないと感じている。

「高い給与は私のような従業員にとっては脅威になりうるのです。アパレルメーカーや自動車メーカーといった顧客は東南アジアに移転していきました。勤勉に働いて今日昇給を得ても、それはまもなく会社が私たちを解雇する理由となるのではないかと心配になるわけです」

中国では海外資本の企業が5000万人もの雇用を創出してきた。海外企業の移転で失われる総雇用数を推計することは容易ではないが、いままでの事例から見るに雇用の喪失は深刻で、かつ多方面に及んでいる。

「縫製産業など労働集約的な産業の労働者は他の技能がないため、新しい仕事を見つけることは非常に難しいでしょう。」Joinlink Consulting社のヘッドハンターHong Lingyun氏は話す。

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最終更新:2015年02月26日14:03

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