インドシナニュース

2015年01月 のニュース一覧

アジア繊維産業、新たな競争相手のアフリカに対峙

2014年はアジアの繊維産業にとって激動の年であった。中国での労働賃金高騰、カンボジアでの暴力的な労働者抗議、バングラデシュでの工場崩壊は大ニュースになった悪いニュースのほんの一部である。しかしそれらの事件は、極東における業界全体が移行段階にあるようだという事実を指している。

中国海岸沿いの主要な産業中心地では現在の賃金がおよそ500ドル/月、国内では250ドル/月で、中国はすでに安い衣料品生産国としての魅力を失っており、海外のアパレル小売業者は近年、バングラデシュとカンボジアの工場に頼っている。

バングラデシュとカンボジアの繊維部門はそれぞれ、440万人を雇用する250億ドル産業、65万以上の工場労働者を持つ55億ドル産業に成長した。

しかし、これらの最安衣料生産国の労働者は次第に賃金引上げを求めて訴えている。バングラデシュは昨年深刻な労働争議の後、繊維労働者の最低賃金を68ドルに上げた。カンボジアでは2014年11月に労働大臣が、国内の縫製労働者の新たな月額最低賃金をほんの数年前の75ドルから128ドルに設定した。バングラデシュのほぼ倍になる。

スウェーデンのチェーンH&M、スペインの衣料品大手Inditex、米国を拠点とするウォルマートなどの世界的な衣料ブランドもバングラデシュやカンボジアから商品を調達しているが、そのわずかに高くなった賃金は彼らのビジネスモデルにさほど影響を与えていない。なぜなら世界の繊維小売業界における人件費は、マーケティング、輸送、販売、関税、税金の費用を含む全体の生産コストの2%~3%にもならない。

賃金引上げにより、利益が切迫されて苦しむのは現地繊維生産会社だ。

しかし繊維小売業者はすでにアジアに代わる生産拠点を見つけている。H&MはTesco、Primarkと共に、アフリカのエチオピアから衣料品の調達を始めている。エチオピアでは産業労働者の最低賃金はなく、未熟練の縫製労働者は月給35ドルから40ドルと、明らかにバングラデシュの労働コストより安い賃金で働いている。

海外の繊維投資家らを非常に歓迎しており、低賃金労働力(都市の失業率は20%近く)や安価エネルギー、安い国産綿の豊富さから利益を得ている。隣国ケニアでも繊維産業は拡大している。ケニアの月給は約120ドルだが、政府は手厚い優遇策で製造業者らを誘い込もうとしている。

観測筋によると、東アフリカ諸国は繊維生産の面で、東アジアに代わる重大な可能性を持っているかもしれないと言う。低い人件費はさておき、極東の遠い国からよりむしろアフリカからヨーロッパや米国の主要市場へ繊維製品を出荷するほうが、より迅速で安価である。アフリカ諸国も2000年に締結された特別貿易協定の下で、米国繊維市場へ関税なしで輸入できる。天然綿花生産の活用と拡大、国内原材料の使用により、生産者は高価な輸入をしなくて済み、それぞれの国で繊維産業の経済的価値を集約できる。

東アジア諸国にとって、この動きは付加価値産業への移行を意味する。

 

» 続きを読む

その他 ジャンル:
最終更新:2015年01月10日06:00

このページのトップへ戻る